安積高校のSSH活動では,海外の高校生との交流活動も計画されており,ドイツやフランスの交流を計画しています。海外との交流では,福島第一原子力発電所事故が話題に上がることを想定し,避難指示区域の復興について,学ぶ機会を設けました。11月28日(土)には飯舘村長泥を訪問し,除染土の再利用や村の復興事業について学んできました。
まず地区の区長さんから,ご自身の避難や帰還後のようすなどについてお聞きしました。その後は,現在も避難指示区域に指定されている地域に入り,除染土再利用実験事業について環境省の方からご説明をいただきました。長年農業を営んできた方々の帰還を実現するためには,耕作地の回復が大切な視点であり,新たに主農産品として花卉栽培に取り組んでいくという地域の方々の強い熱意を感じました。
除染土での野菜の栽培試験において,セシウムの移行はほぼ見られないという試験結果もありながら,食用ではない農作物を栽培しなければならない現状には,風評克服の難しさを感じました。
その後は,前原子力規制庁長官田中俊一先生のご自宅を訪問し,お話をお聞きしました。「原発事故後,メディアも含め放射線を怖がり過ぎてしまい,かえって辛い状況に陥ってしまった」とお話を始められ,事故後定められた食品暫定規制値が海外に比べて厳しすぎることから,再生可能エネルギーの利用,そして若い人々にこの地域の魅力をどう発信し伝えたらよいのかなど,話題は多岐にわたりました。
今後も海外高校生交流のための学習会では,福島復興や再生可能エネルギーについて,学んでいく予定です。
以下は生徒の感想です。
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・帰還困難区域でも復興に向けて着々と進んでいるということ。自分たちの知らない所で自分たちの知らない活動をしていることが知れて、自分の視野が広がりました。
・現場の人の声を聞けた。
・田中さんのお話が本当に面白かったです。復興と言うけれど元に戻すことは出来ない、別の何かを生み出す必要があるのだと言うお話に考えさせられました。元区長さんのお話からも、人が少ないからこそ、飯舘村の中の住民同士の繋がりがあるのだと感じました。とても暖かい気持ちになりました!
・炭など飯舘村が主体となり動いている活動などを見て(今まで自治体とは淡々と職務をこなすと言うような勝手な個人のイメージがあったのですが…)とても情熱を感じました!!
・再生土壌で食料作物を作るなど、土壌再利用に向けて前向きな取り組みがなされていた。