少し時間が空いてしまいましたが、本年度のSSHインド海外研修は8日目<1/25(土)>のジョードプルフィールドワーク及びトランジットの連続する航空機移動を経て、9日目<1/26(日)>に生徒・引率とも無事帰国・解散しております。帰国後すぐに研修のまとめを行い、2/8(土)に本校で開催された安積高校SSH探究活動発表会・成果報告会で2つの発表を終わらせ、安積高校の生徒・先生方及び来場者の皆様にインド研修の成果を伝えることができました。保護者の皆様、インドでの関係者の皆様、国内で応援してくださった皆様、安積高校の生徒・教職員の皆様に深く御礼申し上げます。
1/22(水)5日目【デリー→ジョードプル】
5日目はデリーからジョードプルへの移動とフィールドワークになります。初日に着いたデリーの空港に戻り、国内線ターミナルに入りました。空港はとても広かったですが、ゲートが突如変更になったことをインド人の男性が教えてくれ、現地の方との距離が近づきました。移動日であってもインドの方々の優しさに触れられるとても貴重な経験でした。
ジョードプル到着後、インド大使館など県外研修の時にお世話になったパリーク喜美子さんのご友人のガイドの元、地域の伝統産業でもある、繊維品の店舗での研修を行いました。一見同じように見えるお店でも、売られているものの種類が全く異なり、分化が進んでいるのだと感じました。
その後ジョードプルで一番の繁華街を訪れ、時計塔とその周辺の市場調査を行いました。人の動き、物の動きが想像以上で、何から調査したらいいかわからなくなりましたが、覚えたてのヒンディー語を使いながら、様々な店舗で会話をしました。
移動中心の一日で研修の時間は短かったものの、インド人の親切さに触れることができたり、ジョードプルの他の都市より落ち着いた雰囲気に、明日からの学校交流が楽しみになりました。(1年W、行健中出身)

1/23(木)6日目【ジョードプルFW・DPSジョードプル校との交流①】
6日目はいよいよDPSジョードプル校の生徒との交流が始まりました。ホテルからバスで学校まで行き、到着した後まずはじめにDPSの生徒の皆さんやYADAV先生をはじめとする先生方に盛大な歓迎をしてもらいました。歓迎のセレモニーではティクリ(ビンディ)とよばれるヒンドゥー教徒の宗派を表す紋様である赤い印をおでこにつけてもらいました。はじめてティクリをつけてもっとインドを感じることができました。その後はそれぞれのパートナーの生徒と一緒に学校の中を見学し、DPSに来ていたインド工科大学ジョードプル校のガウラブ・パトナガル教授からARとVRについての講演をしていただきました。DPSの生徒たちと合同でもあり、英語での講演で聞き取ることが難しいところも多くありました。もっと英語力を向上させ、深く理解し、質問も英語でできるようになりたいです。講演後は安積高校の1年7組とZoomをつなぎながらのTea breakやよさこいの練習でした。練習を見たDPSの生徒の皆さんがすごく盛り上がってくれていて嬉しかったです。明日の発表を絶対に成功させたいです。
午後は「インドのブルーシティー」と言われるメヘランガール城塞での研修でした。メヘランガール城塞はジョードプルの街のどこからでも見ることができるほどの大きさです。実際に近くでみるメヘランガール城塞からは、当時の敵襲を耐え抜いた城壁の頑丈さを感じることができました。門を抜け、急な坂道を登っていき、当時使われていた剣や服などの品々が展示されているものを見ました。パートナーと一緒に周り、各展示品の詳しい説明をしてもらい、楽しく会話をすることが出来ました。王、マハラジャが使っていたという部屋も多数見ましたが、今まで見てきた寝室の中で最も豪華たったと思います。どの展示品も当時の王の権力の大きさを示しており、圧倒されるものばかりでした。登りきり、1番上から見たジョードプルは、夕方の綺麗な夕焼けもあり、綺麗な景色が強く印象に残っています。パートナーと一緒に周り、仲を深めることができ、インドの歴史を深く学ぶことができる貴重な経験となりました。
食事は3食ともDPSの食堂でいただきました。そういえばあまりカレーを食べていない?と思うほど、多様な料理があって新鮮でした。夕食後はDPSの生徒たちと夜まで様々な話をし、夜は疲れ果てて、いつのまにか寝てしまっていました。(2年E、郡山二中出身・1年S、郡山七中出身)

1/24(金)7日目【ジョードプルFW・DPSジョードプル校との交流②】
行程7日目、あっという間に一日中研修活動ができる最終日となりました。朝食を終えた後、まずはダンス交流が始まりました。女子はラジャスターン伝統の華やかな衣装を身に着けました。ラジャスターンのグーマールダンスはとてもゴージャスで、日本の雰囲気とは全く異なり、異文化に触れる貴重な体験でした。言葉を必要としないダンスを通して、本来のコミュニケーションのあり方について考えさせられました。また、このダンスは歓迎会の中の演出の一部であり、現地の歌や演奏など、想像以上の盛大な会となりました。
息をつく間もなく次は運動会!種目は徒競走とリレー、そして網引きでした。特に綱引きでは現地の先生方の熱が入りすぎて、まさかのヒンディー語で応援されました。何を言っているかは分かりませんでしたが、応援の熱意がしっかりと伝わってきました。時には、言語を超えるコミュニケーションが存在することを実感できました。
昨日の美術の授業や今日のダンス、歓迎会の中での音楽、そして運動会。これからがSTEAM教育の一環で行われていると知った時に、安積高校でも海外から生徒を招いた時に、私たちが味わったような交流もありえるのかなと感じました。
次に、今回のインド研修の目的のひとつである福島県についてのプレゼン発表の時間でした。テーマは2011年の東日本大震災と原発事故についてです。福島県を紹介する上で、避けては通れないテーマでしたが、約30分のプレゼンを通して、「福島県は安全だ」「福島県の食べ物は安全だ」という事実をインドの方々に伝えることができました。福島県に対する風評被害を解消するためには、正しい情報を発し続けることが重要だと改めて感じました。福島県民のひとりとして、海外で福島県を紹介できたことを嬉しく思います。
プレゼンを終えた後は、三度目のジョードプル中心地へ。時間をゆっくりとれるフィールドワークはこれで最後。ウメイド・パレスの後、マヒラ・バグ・ジャラに向かいました。神秘的な雰囲気が漂う古くて大きな階段井戸について学び、その後、パートナーの子と一緒に市場フィールドワークを行いました。
充実した1日が終わったと思ったのですが、実は一つ試練が残っていました。それは、宿泊先のお風呂。バスタブもシャワーもなく、桶風呂のみ(しかも、お湯が出る蛇口は遠い…)というもので、生徒一同絶句しましたが、意を決して挑戦しました。普段の日本での生活がいかに恵まれているか、身をもって感じることができました。(2年H、郡山五中)