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SSHインド海外研修~県内研修(福島県浜通り)

 令和6年度からの安積高校Ⅲ期SSHでは、研究開発課題である「チーム安積モデルによる地球的課題解決に向けた国際共創力を有する科学技術系リーダーの育成」の達成を目指して各種事業に取り組んでいます。その中でインド海外研修は、「国内外の学校との交流の継続・発展及び福島を学び共創を促進する場の構築」を目指して行われるものとなります。本年度は来年1月に8名の生徒が渡航予定ですが、それまでの間にサポートメンバーと共に県内外で研修を行っていきます。今回は8/20(火)~21(水)に実施した、県内研修(福島県浜通り)における参加生徒のふりかえりになります。

1日目 8/20(火) 学校-JR双葉駅前-双葉駅周辺フィールドワーク・インド出身者との座談会(一般社団法人双葉地域観光研究協会)-宿舎

・双葉町ウォーキングツアーに参加しました。実際に歩いて震災後の町の様子を見ることで、今の現状、双葉町に住む方の復興への強い思いを感じることが出来ました。震災以前の町の様子や行事のことを、歩きながら物語のように知ることが出来ました。特に町のあちこちに、以前住んでいたり復興に携わったりした方が描かれているウォールアートをみたことで、新しい復興の形を知り、震災後町に戻らなくても町を元気づけることが出来る良いものだと思いました。(2年・E)

・自分の被災地に対する見方が、やはり現地に住んでる人の話を聞くと、変わったというか、より前向きな方向になった。また勝手に自分は福島に世界中が悪いイメージを抱いていると思っていたが、そんな事はなく、むしろ誰も福島県を知らないということがわかったし、これをチャンスと捉え成熟した日本で発展途上の土地はここしかないと言う観光研究協会の山根さんの言葉にもあったように、ここにしかない魅力を、自分も福島県民の1人として、福島県外そして海外の人に伝えていこうと言う強い意志が芽生えた。また自分の知らない福島の魅力や、これも当然自分が知らないインドの習慣や文化、暮らしぶりがわかったので、とても良い経験になった。また自分の探究活動で「原発を観光できないか」と言う課題を設定しており、ホープツーリズムにも関心があったのですが、山根さんの話を聞いて新たな気づきがうまれてよかった。今後機会があればまた伺いたいと強く思った。そしてインドの渡航の際、今日スワちゃん・トリくんというインド出身の方から聞いたインドの貧困や格差により生じるトラブルについてしっかり体感し、解決方法を模索してみようと思う。今日お会いできたお三方の生き方には本当に学ばせられる部分が多く、自分もお金だけではなく、その地域に貢献できる仕事も、進路の1つの選択肢として考えてみようと思った。(2年・S)

 

2日目 8/21(水) 宿舎-東日本大震災・原子力災害伝承館-学校

・伝承館では多くの資料や映像、避難を強いられた人々の証言などで3.11のことが残されていました。被災地で撮られた写真と横に添えられた説明書きからは、事故がまだ終わっていないことを突きつけられた気がします。また、原発事故前の住民たちの原子力の捉え方は印象的でした。原子力に明るいイメージを持ち、実際、原子力により地域が活性されていた面もあったのだと、展示資料からわかりました。(1年・W)

・被災してから毎年、3.11のことは聞かされていたが今日ほど心が動いた日はなかった。実際に相馬市で被災した方に話を伺った語り部では、当時の様子が目に浮かび自分が思っているよりも3.11が深刻なものであることが分かった。写真に一言が添えられている展示ではその場面を想像して涙が出てきた。時が経つにつれ忘れかけられている震災の大きさを伝え続けていかねばならないと感じた。避難所のダンボールに絵と一言「ありがとう。次は幸せで」と書かれた展示には言葉を失った。まだ自分の故郷に帰れない人たちがいることを知り、まだ3.11は終わっていないんだと感じた。たくさんの人の想いが伝わってくる伝承館には是非全国各地からたくさんの人が見に来て欲しいと思った。(2年・W)