環境省は2021年「未来志向の新たな環境施策の推進~ふくしま,次の10年へ」という重点施策のなかで,特筆すべき取り組みに対して「FUKUSHIMA NEXT」表彰制度を設けています。
原教諭は前任校時代の2015年から,福島県教育庁社会教育課などの支援を受け,勤務校のSSH活動の一つとして高校生を対象とした「国際高校生放射線防護ワークショップ」を計画実施してきました。
ワークショップの内容は,本県の高校生が福島県外・海外の高校生とともに原発事故後の福島の現状を学び,復興の様子や残された課題について発信する取組です。
2016年からはNPO法人ドリームサポート福島の運営協力も得て,これまでのワークショップの参加者は県内外海外を合わせのべ240名ほどに及び,発表会は福島県内や東京などで実施してきました。
今回,この取り組みが「風評払拭に資する優良な取組」として,ドリームサポート福島理事の菅野真さんを共同受賞者として,ともに環境大臣賞を受賞しました。
(以下は環境省の発表の文書の一部です)
原教諭のコメント
「国際高校生放射線防護ワークショップを評価頂きまして,ありがとうございます。私どもの受賞は,個人の努力というより,協力いただいた方々のお力添えの賜物です。特に参加した高校生・卒業生の皆さん,引率の先生方,ワークショップの実施にご協力頂いた全ての方々に,深く感謝し御礼申し上げます。
このワークショップは,高校生が,震災による福島の被災の状況,その後の復興の歩みや残された課題について学ぶ研修会です。体験を通して,高校生自ら震災とその後の福島の姿について学び,学んだことをわかりやすく発信するのが目的です。福島について体験的に学ぶ場は,地元福島の高校生にとっては必須の学びではありますが,まだすべての高校生にこのような学びを提供できてはいないようです。残念なことですが,その点でこのワークショップの存在意義は,事故後10年を経過しても薄れていません。
そしてこのような学びの活動とその発信こそ,福島復興へ至る道であり,福島や福島県産品への風評払拭活動であり,震災後世界中の方々が寄せて下さった,福島へのお気持ちという御恩に報いる行動になるのではないかと思います。
福島からの発信も,震災後10年を経て,総括というかポイントをまとめる時期に来ていると感じます。震災や原発事故の体験から,教訓として世界の方々と共有すべき事柄は何か,整理して発信するということです。私にもまだ十分にわかっておりませんが,今後も生徒たちの学びをサポートしつつ,とともに探していきたいと考えています。
どうぞ今後とも,福島の子どもたちの学びを支えていただきますよう,お願い申し上げます。」