【福島復興WS】福島と原子力~元東電副社長が伝えたいこと~
2025年7月21日 17時31分7月8日(火)の放課後、震災当時に東京電力の副社長であった石崎芳行氏を招いて講演会を実施しました。石崎氏はなぜ原子力発電が日本に必要だったか、原発事故の様子、そして原発事故で避難した人々へのお詫び行脚など、語ってくれました。石崎氏は福島第二原発の所長をしていた時期もあったので、知り合いも多く、その方々の故郷を奪ったこと、原発事故のせいで立入制限され、地震だけであれば助けられられたかもしれない命を助けられなかったことについての思いなど、赤裸々に語ってくださいました。
現在、石崎氏は楢葉在住で被災地の復興に尽くしていらっしゃいます。現地の様子や復興の未来絵図についても紹介してくださいました。
この講演会は他校の関心も高く、zoomで9校が聴講しました。
<生徒の感想>(抜粋)
○中学生
・震災、原発事故の最前線を知ることができてよかった。島国である日本だからこそ原子力発電を活用することは大切だけど、日本は災害大国であることを念頭におかなければならないと思う。
・講演会に参加する前は原発事故に対し、福島県ばかり苦労しているという印象だったが、話を聞いたあとは東京電力でもさまざまな考えや苦労があったことがわかった。また、福島県のために自分もできることを行いたいと思った。
・自分が思っていたよりも東京電力もやむを得ない事情がたくさんあったんだと思いました。避難指示区域も今は魅力的なビジネスや活発な人がたくさん存在する事を知り、想像よりずっと希望にあふれていると思いました。これからは避難指示区域の暗い面だけでなく新たな希望に目を向け発信してみたいと思いました。
○高校生(抜粋)
・東電の当時の状況や各地の復興の現状など、普段ただ過ごしている中では知ることのできない話を聞くことができた。福島県内に残る問題も、日本全体の問題もたくさんあることを実感し、自ら考え行動に移すことまでしてみたいと思えるようになった。
・僕達の世代が知らないことや初めて知ったことがたくさんあった。リアルな話や最前線での体験談がたくさん聴けた。本当に貴重な時間が過ごせた。
・石崎さんを責める人がたくさんいたと聞き、しょうがないと思ってしまう部分もあった。しかし石崎さんだけが悪いというわけではない。それでも被害者の怒りや悲しみ、原発事故関連で亡くなったを取り戻すことはできないからとても複雑に感じた。
<他県高校生>(抜粋)
・学校では完全に科学的な講演ばかり聞いていたので、そうじゃない政府の人にこんなことを言われて〜みたいなお話が新鮮で面白かったです。原子力発電について考えるきっかけになりました。
<他県教員>(抜粋)
・事故当時多くの方が様々な方面から影響を受けましたが、最前線で対応に当たられていた方のお話はメディアを通してでは聞けない内容であると感じました。本県にも原子力関連の施設は複数あり、本校のSSH事業においても、改めて正しく分裂も融合も知識を若者に伝え、どの様に向き合って行くべきかSSH校として学びの機会を設けていく必要性があるなと感じております。