2019年8月の記事一覧
SSH文化講演会
8月30日(金)に、135周年紫旗祭の一環として、SSH文化講演会を開催しました。講師に公立はこだて未来大学教授の美馬のゆり先生をお迎えして、「自分の未来、社会の未来をデザインする。」をテーマにご講演いただきました。「異文化理解」「2030年の教育」「学習スタイル」などについて、先生のご経験や海外の事例を交えてお話いただきました。講演の結びで、生徒達に向けて「魔法の杖を持つ」「バスが来たら乗る」という2つのメッセージをいただきました。「学び続ける力」という魔法の杖、そしてチャンスが到来したならば、それを逃さずに行動する。 質疑応答の中でも、「バスに乗ることで、新しい景色が見えてくる。」「頼まれたことがあれば、頼んだ人の想定の倍を超える仕事をする。」「社会の変化とともにリーダー像も変容している。」「学校の勉強の中でも、メタ認知を意識して学習することは十分に可能である。」等々の、非常に示唆に富むお話を伺うことができました。講演終了後も、数名の生徒が出発の間際まで、先生に熱心に質問をする姿が見受けられました。今回の講演を通して、生徒自身も「学ぶ」ことの意義をより深く感じたことと思われます、是非今後に活かしてほしい思います。
SSH通信第2号を発行しました
SSH通信第2号を発行しました。こちらからご覧下さい。
フィールドワーク報告会
8月21日(水)7校時、フィールドワーク報告会を各クラスで行いました。フィールドワークでは、研究機関や企業などに赴いて、専門家のお話を伺ったり、施設を見学したりしました。フィールドワーク先の選定、訪問日時の相談、訪問、礼状の作成など、すべての過程を生徒が主体になって進めました。報告会では、フィールドワークの成果を班ごとに発表しました。まだ発表に不慣れな点は目立ちましたが、各班とも真摯に取り組んでいました。
スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会
8月7日(水)・8日(木)に神戸国際展示場(兵庫県神戸市)で開催された、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)生徒研究発表会に参加しました。これは全国のSSH指定校218校、海外10の国や地域から招待された23校が一同に会して、研究の成果を発表するものです。今年は本校生物部の2年生3名が「天然酵母の研究」をテーマにポスター発表を行いました。生徒達はやや緊張しながらも、しっかりと発表を行い、審査員の先生方や来場者からの質問にも的確に答えていました。自分たちの発表を行うだけでなく、他校の優れた研究に触れることもでき、大いに有意義な2日間を過ごしました。生徒研究発表会で学んだことを、今後の活動に生かしたいと思います。
2019国際放射線防護ワークショップを開催しました (2/2)
7/31~8/6まで本校が主管となって、県内外及びフランスの高校生と"2019国際放射線防護ワークショップ"を開催しました。後半の8/5から8/6までの部分を記します。
目的等は前半https://bit.ly/33fhVZkを御覧ください。
後半の新聞記事はこちらです。20190806放射線防護WS(民報).jpg 20190807放射線防護WS(民報).tif
8/5(月) いわき、大熊、楢葉・富岡
午前は中間貯蔵施設を見学しました。規模の大きさや工事の緻密さを見て、現在行われている中間貯蔵の全体像を学びました。
午後は東京電力福島第二原子力発電所の視察を行いました。冷温停止し燃料も取り出されている2号機に入らせていただきました。(安全のためタイベックスーツを着用しましたがほぼ全員0.00mSvの被ばくと表示されていました)
夜は放射線防護ワークショップ用のポスター作成の続きを行いました。
・生徒感想
「福島第二原子力発電所への見学で、事故当時の第二原子力発電所と第一原子力発電所の違いを知ったり、現在の第一原子力発電所の状況をイメージしやすくすることができました。またタイベックスーツを着用し、作業員がどれだけ暑い状態で働いているのかを実感しました。 」(1年男子)
「中間貯蔵施設の大きさが村が約1個分だということを知ったときはとても驚きました。中間貯蔵施設も福島第二原子力発電所もどちらも徹底した安全管理がされており、ほとんど僕的には、安全のように感じました」(1年男子)
8/6(火) いわき、東京
朝ホテルを出発し、昼に衆議院第一議員会館に着きました。1階国際会議室にてプレゼンテーション、ポスター発表を行いました。ポスターは安積高校で4枚、他校も含めると9枚でした。省庁の方や一般の方を合わせて30人を超える聴衆に向かい、生徒たちは6日間で学んだことをまとめて発表しました。その後各ポスターの前でディスカッションを行いました。
閉会式ののち国会議事堂を見学し、解散しました。新幹線で福島へ戻り、夜に郡山に戻りました。
・生徒感想
「私は、ワークショップの事前研修である相双地区被災地研修について発表しました。人生で初めてのポスター発表で緊張しましたが、自分の見てきたことを伝えられてよかったです。とてもいい経験になりました。」(1年男子)
「私は班のみんなと放射線防護ワークショップのまとめのポスターを作りました。なかなかすぐに作ることができませんでしたが、みんなで協力して完成することができました。発表は緊張しましたが、なんとか成功させることができてよかったです。全体を通してとても楽しい6日間を過ごすことができました。」(1年男子)
最後に、生徒の制作したポスターを載せます。前半2つは2年生が、後半2つは1年生が作成しました。プレゼンテーションの際は英語を交えつつ(2年生はAll English)発表しました。後半2つの1年生の作成したものは、1枚目が本ワークショップのまとめ、2枚目が7月に行われた相双地区被災地研修のまとめです。
2019国際放射線防護ワークショップを開催しました (1/2)
7/31~8/6まで本校が主管となって、県内外及びフランスの高校生と"2019国際放射線防護ワークショップ"を開催しました。概要と8/4までの内容を記します。
新聞記事はこちらです。 20190804放射線防護WS(民報).tif 20190805廃炉フォーラム(民報).tif 20190805廃炉フォーラム(民友1).tif 20190805廃炉フォーラム(民友2).tif
◎目的
風評を恐れていまだに再開できない漁業の現状、原子力発電所の廃炉、除染土の中間貯蔵と再利用、急激に高齢化の進む避難解除地域の復興をどう進めていくかなど、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故後の福島が抱える課題の解決には長い時間がかかると予想されます。
このワークショップは、福島の高校生が実際に県外海外の高校生とともに被災地を訪れ現時点での福島の状況を放射線防護の視点で学ぶことを目的として実施して毎年行われていました。今年度はさらに、学んだことを県内外に向けて発信するとともに、震災後の福島復興の課題を学ぶテキストを作り上げることを目標としました。
◎参加者
安積高校(主管):生徒9名(1年4名、2年5名)
福島高校:生徒8名、ふたば未来高校:生徒2名、東京都立戸山高校:生徒5名、Lycée Notre-Dame:生徒5名
協力:NPO法人ドリームサポート(菅野様、阿部様)
講師:立命館大学衣笠総合研究機構特任准教授 開沼博氏
フランス原子力防護評価センター(CEPN) テリー・シュナイダー氏
◎日程
7/31(水)の夜にLycée Notre-Dame(フランス)の生徒と安積高校の生徒が対面し、安積高校生宅にホームステイしました。
・生徒感想「今回始めてホームステイを受け入れて、外国人とのコミュニケーションをとる難しさやもどかしさを感じました。相手も高校生ということで互いの文化の違いや共通の趣味などについて話したりして、言語が多少伝わらなくてもジェスチャーや相槌などでトークタイムを楽しむことができました。またこのような機会があったらどんどん参加したいです!」(1年女子)
8/1(木) 三春、いわき
午前中はそれぞれがフランスの生徒と観光しました。
昼に郡山駅に集合し、コミュたん福島で原発事故の概要と復興の状況を学びました。夜にはテリー・シュナイダー氏による、今回の原発事故の避難の状況とそれに対する諸外国の評価などのレクチャーを受けました。
・生徒感想「午前中は、ホームステイで来たフランス人と一緒に駅前を観光しました。彼は学校で、日本語や神道の歴史、日本の文化について勉強していたそうで、日本のことをよく知っていて驚かされました。夜のシュナイダー先生の講義では、専門家の意見を聞くことができて、とても勉強になりました。特に賠償金問題は目から鱗でした。」(2年男子)
8/2(金) いわき、広野、富岡、大熊・双葉、楢葉
ふたば未来学園にて開沼先生を始めとする先生方のレクチャーを受けたあと、東京電力廃炉資料館にて事故の概要や廃炉の状況を学習しました。その後実際に東京電力福島第一原子力発電所の視察をしました。
夜は楢葉町のホテルしおかぜ荘にて廃炉フォーラムに参加するメンバーと合流し、宿泊しました。廃炉フォーラムに参加するメンバーは、県内県外から約30名集まっていました。
・生徒感想「開沼先生の『福島で起こっていることは最先端であるために複雑で、しかし、やりがいがある。』との強いお言葉に、心を打たれました。また、1Fを視察して、廃炉まで3,40年かかることに納得がいきました。やはり、福島で起こったことは福島の人だけで解決できず、また、将来のために、そうするべきではないと思いました。」(2年女子)
8/3(土) 楢葉、浪江、大熊、富岡
午前中は開沼先生の案内により、被災した地域の現状と除染の状況を学びました。天神岬、浪江町大平山霊園、大熊新庁舎、夜の森の桜並木付近の帰還困難区域、リプルン福島を訪れました。午後は市川秀樹氏による「田んぼアート」、佐藤優樹氏(日本原子力研究開発機構)による「1F廃炉に向けた研究開発の取り組み」、鈴木伴承氏(福島イノベーション・コースト構想機構)による「福島イノベーション・コースト構想について」、柴山貴将氏(ふたば地方町村会)による「双葉地域の未来ビジョン」のご講演を受けました。
その後廃炉フォーラムのためのポスター制作を夜中まで頑張って行いました。4つのテーマ「廃炉で発生する廃棄物の処理」「廃炉を進めるうえでいかに地域への産業集積などの土壌を育てるのか」「廃炉に費やされる費用や時間の最適化」「廃炉についての情報発信の在り方の革新的な変化」に分かれて、各グループで専門家に相談しつつ考えていました。
・生徒感想「私は、午後のディスカッションがかなり印象に残っています。自分の班の意見が2つに別れてしまい、なかなか議論が進まなかったからです。なんとかまとまりましたが、かなり大変だったことを覚えています。そして、その経験から、改めて福島県の抱える問題の難しさを改めて感じました。」(1年男子)
8/4(日) 楢葉、富岡、いわき
富岡学びの森にて廃炉フォーラム学生セッションにおいてポスター発表を行いました。県内県外のメンバーが集って作ったポスターは大人顔負けで練り上げられており、大変充実した内容でした。講評を山名元氏(原子力損害賠償・廃炉等支援機構 理事長)、ウィリアムDマグウッド4世氏(経済協力開発機構/原子力機関 事務局長)にいただき、メンバーたちはお褒めの言葉をいただきました。
午後は廃炉フォーラムのメインプログラムに合流し、本校の2年生が福島県の高校生代表としてパネリストとして登壇しました。福島第一廃炉推進カンパニーの小野明様を始めとした東京電力様や官庁の方々と市民パネリストの討論の中で、堂々と自分の意見を言っていました。
夜は再び放射線防護ワークショップのメンバーだけに戻り、フランスの生徒たちが主導でレクリエーションを行ってくださいました。その後、学校ごとに別れて今度は東京での発表に向けて放射線防護ワークショップ用のポスターの作成を行いました。
・生徒感想「廃炉フォーラムのイベントに参加しました。前日のポスター作成で全く結論が出ず、当日の作成になりました。当日も班の中で2つの意見に分かれて、なかなかポスターが完成しませんでした。しかし、発表直前に意見が一つにまとまり、なんとか完成しました。発表は成功したので、良かったです。また、語り合うセッションでは多くの意見が聞けて楽しかったです。」(1年男子)
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