◎生徒の感想・これまで無関心に思っていたこと(モニタリングポストや甲状腺検査の是非)が実際には必要なのかどうか考えるきっかけとなりました。地域の人の意見もあるだろうが自分の意見として考えさらに次の世代の人々に伝えるのは大事なことだと思った。 (2年男子)
・放射線について距離や遮蔽物の違いによりどのように線量が変化するか数値を通して詳しく知ることができた。また自分たちが知らないだけでさまざまな研究が専門家でない人によって行われていたことは非常に驚きました。さらにさまざまな人が私たちのために行動してくれたり、一方では逆に傷つけてしまったりしたと思いました。
ネットでは取りたい情報ばかりを偏って受け取りやすいので、テレビや新聞もしっかりと見るようにしたいと思いました。非常事態が生じた場合は科学的根拠のないものや偏見で世の中が溢れてしまうので落ち着いて正しい情報を集めるようにしたいです。今は被災地に過疎問題が大きいことを知りました。福島の復興は多くの方々の支援によって行われているので何かあったときは自分たちが今度は頑張るようにしたいです。次の世代を作るひとりの県民として復興のことは常に気を掛け後世にも伝えていきたいと感じました。 (1年男子)
・ぜひ安積中学生にも知ってほしいしほかの中学の人々にも知ってほしい。少しでも福島に生まれたからには恩返しをしたい。また福島のために命をかけてくれた方々に命を懸けても良かったと思ってもらえるような福島にしたい。 (1年男子)
・福島県に私はずっといたのですが、これまでニュースについてしか知識を得られず、このように専門知識のある先生から直接教わることが貴重で大変ためになりました。私自身も「原発は危ない」と、「危ない」という言葉の中におさめていたため今すごく見方が変わりました。言葉の中ではなく科学的な数値の中で考えることが大事で、世の中の多数意見がすべてではないと改めて強く感じました。私も前に動画で福島の放射線をわざわざモニタリングポストを撮って載せ、コメント欄で「こんなところに子供を住まわせる親が信じられない」と書かれていたことを覚えていて、当時の私は高い数値が低い数値がわからず困惑しました。今考えると全然高くなく、ネットは間違いだらけだと思いました。一方で正しいと思える情報も、人間がやっていることなので間違いがあるため、このような風評被害のある物事はすべて自分で実際に見たものや専門としている人の情報を大事にして行きたいです。発信する機会があるのであれば必ず正しい情報を子どもや周りの人に自信を持って伝えたいです。(2年女子)
・知識不足の上で過剰に反応して新たな風評が生まれることを防ぐために、世間に正しい情報を繰り返し発信したい。自分からしっかり必要な情報を得て自分の頭で考えて生活して行きたいと思います。(2年女子)
・放射線はなぜ危険と言われているのか、今はなぜ大丈夫と言われているのかを実験や実際の資料を見て理解できた。ほかの人にも理由を含めて福島の安全性でも差別はいけないと知ってほしい。また前と比べると今の福島は復興が進んでいて福島の良さが伝わっていて関係人口が多いことがうれしかった。これも当時の人たちの苦労のおかげだと思う。今回の授業を受けて正しい知識を得て多くの刺激を受けることができました。基礎知識を身につけることができたと思うので大人になっても今回学んだことを忘れず広めていきたいと思いました。将来自分が何か変えることができるといいなと思いました。(2年女子)
これまでドイツ台湾研修に参加して来ましたが今回の授業をとうして新たな知識を多く得ることができて実際台湾の生徒と関わるときにこのことを伝えたいと思いました。福島県で起こってしまったことなのでまずは福島県が動くべきであり、福島県の一人として活動を進めていく必要があると感じました。Jヴィレッジや夜の森の復興、三号機の燃料取り出し成功も、もちろん多くの人々支援の上に成り立っていることです。まだまだ課題は多くあるのでそういうことに関わって福島の復興(独立?)に繋げていきたいと思いました。(2年男子)
・放射線教育は行った方がいい。まず知識がないと考えることが出来ないため。また、放射線の話だけでなく今回の講義でデータや資料、ニュースや社会の見方など沢山教えていただき、考え方が深まったためこのような講義をいろんな人に向けておこなってほしい。(2年女子)
・原発処理のために22兆円を使われるのが驚いた。正しくない情報もネットに出回る中で正しくて信頼できる事実を伝えることができるのが医者や専門家でありその責任の重さに気づかされ、今後の勉強のためになった。このような機会に自分で正しい知識を得たことでデマに対する情報リテラシーが身についたと思う。だから社会は今回のような放射線に関する授業を広く行うべきであると思う。福島県としては郡山市という東北でも大きい都市が進んで除去した土を高速道路利用したり県産の食品をPRしたりすることで復興の見本になれると思った。今後は自分自身でこの情報を他県の友達などに教えられる人になりたい。(3年男子)
<宮城教育大学学生の感想>
・事故が起こってしまったことは取り返しのつかないことだけれどもそれについての知識の格差があると思う。私は○○県出身だが東日本大震災を含む災害についての講習や学習を受ける際自身について触れる機会はあっても福島第一原発について触れる機会はなかった。今回ゼミに入り原発のことについて興味を持ってからする知識も多く、自分がいかに今まで無知であったかを知るきっかけになった。またメディアのあり方報道の仕方についても深く考えさせられた。あるメディアでは処理水と報道しても別のメディアで汚染水と表記して報道していたという話を今回初めて聞いた。話題性を高めより興味を引き付ける表現としてメディアを報道しているかもしれないが、現地の人にとってとても腹立たしいことだと思うし、私も状況を知って非常に腹が立った。現在ネット社会が普及し場合によっては誤解を招くかもしれない表現や言葉が世の中に溢れている。今回の原発事故の件に限らず正しい情報の格差により偏見や風評被害が生まれていることがとても悔しい。もしかしたら自分が今知っているさまざまな情報も事実ではないかもしれない。だからこそこれから生きる子供たちにそういった正しい情報を適切に見極める能力を教えることができる人間になりたいと強く思った。(1年女子)
・第4章では、福島第一原発とチェルノブイリの事故の比較や、処理水の放出量について他国との違いが紹介されていて、比べることの大切さを改めて感じた。比較することで、感情だけで判断せず、冷静に物事を考えられるようになると思った。特に印象に残ったのは、郡山市で除去土壌を再利用するべきかという問いに対して、生徒が「影響力のある郡山が使っていくべき」と答えた場面。仙台と置き換えて考えていたけど、都市の影響力まで考えられていなかったことに気づかされた。これまで原発問題について人と意見を交わす機会がなかったので、今回の授業は福島の課題に向き合う良いきっかけになった。震災の教訓について話し合ったとき、ネガティブな意見ばかり出ると思っていたけど、意外とポジティブな意見が多くて驚いた。それは、先生の授業を通して福島の復興や頑張っている人たちの存在を知ったからだと思う。メディアではマイナス面が強調されがちだけど、現地では前向きな変化が起きている。だからこそ、自分には福島の現状や努力を次の世代に伝えていく使命があると感じた。将来福島で教員になるなら、福島を誇れる子どもたちを育てたいし、自分も覚悟を持って福島のことを伝えていきたい。(2年女子)
・授業を受けて、福島出身なのに原発事故やその後の影響について知らないことが多かったと気づきました。知ろうとしていなかった自分にも原因があると思います。原発の背景は伝承館で学んだつもりでしたが、事故の具体的な状態やチェルノブイリとの違いなどは初めて知ることばかりで、客観的に物事を見ることの大切さを感じました。「廃炉」が何を意味するのかもはっきりしていないことを知り、これからの福島や日本を考えるうえで自分たちも関わっていくべきだと思いました。報道の言葉の使い方によって誤解が生まれ、風評被害につながることもあると学び、正しい情報を伝えることの重要性を実感しました。福島の現状が十分に伝わっていないことも課題で、今の福島を知ってもらうために何ができるか考えていきたいです。授業では身近なニュースや教科と結びつけて説明してくれたので、難しいと思っていた原発についても理解が深まりました。震災の経験は特別なものだけど、そこから日常の問題にも目を向けるきっかけになると思います。防災教育には、災害への備えだけでなく、経験から日常を見直すことも含まれるべきだと感じました。福島で育った自分が、もっと深く考え、正しい情報を次の世代に伝えていく責任があると強く思いました。(2年女子)
・私はもともと○○県の出身で、福島の実際の原発被害に疎かったため原発班を選びました。今回安積高校さんの福島の復興についての授業を受けて、とても分かりやすかったですし、何より震災の被害はまだ完全には収束していないことを改めて知ることができました。放射線に関する知識は本当に高校生の化学基礎程度でしたし、そもそも放射線がどんなふうに危ないのか、どうして危ないのか、よくわからないままに怖がっていた自分がいました。原発の処理水の海への放出問題についても、この授業を受ける前まではかなり否定的な考えを持っていました。しかし、授業を受けたあとでは、放射線は目に見えないけれど着実に減っていること、福島県内でどんどん帰宅可能地域が広がっていること、処理水は中国の基準値よりもかなり低い濃度で放出していることなど、新しくかつ実用的な正しい知識を頭に入れることができて、とてもためになった時間だったと思います。私も○○県で教員になるつもりなので、福島県の実情および正しい放射線の知識を子どもたちに広められるように学ぶ姿勢を続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。(1年女子)