SSHブログ

2021年12月の記事一覧

1年生SSHクラス希望者向けの見学・研修・交流会を実施しました(その2)

 12月20・21日(月・火)の2日間,国内先進地域研修を行いました。


 対象は本校1年生。次年度2年次にSSHクラスへの参加を希望している生徒たち37名です。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の安積高校では,特にSSHの活動を積極的に行うSSHクラスを2・3年次に編成していますが,その参加希望者向けに「国内先進地域研修」を行なっています。


 昨年はコロナのために断念し念願であった福島高校見学を行いました。

 福島高校は,SSH校としてすでにⅢ期15年にわたって活動を続け,この間に多数の目覚ましい実績をあげています。今年の2年生たちも,複数の研究グループがさまざまな大会などで入賞しており,活動が高く評価されています。
 昨年から交流をお願いしておりましたが,この度ようやく実現できました。

 

 交流会が開会した直後に,口頭発表を見せていただきました。
 
 マグネシウム電池班は,何と10年にも及ぶ活動の積み重ねがあります。壁に当たっていた研究を今年の2年生が大きく発展させ,JSTのSTI for SDGsアワードや,サイエンスアゴラで表彰されています。


 また,もう一つの蝶の研究は,発表者が中学生の時からずっと継続して磐梯山に通い,データを積み重ねたもので野口賞の優秀賞に選ばれています。


 どちらの発表にも時間をかけて丁寧に研究を継続した成果が現れており,これからSSHの課題研究に取り組む生徒たちが目指す目標として,とても優れた姿を示していただきました。

 

 

 口頭発表をお聞きしたのちはポスター発表を見学させていただきました。生徒の案内で,5つの会場を順にめぐり,研究グループごとに発表と質疑応答を受けていただきました。


 そして最後は全体会場でのフリートーク。テーマの決め方や,日々の活動,どんな発表会を目標にしているか,など先輩たちからさまざまなお話をお聞きできました。

 

 

(以下は生徒の感想です)
○本日は非常に貴重なお話を伺うことが出来て本当に良かったです。ありがとうございました。
○非常に興味深い発表でとても刺激になりました。本当にありがとうございました。
○本日は、暖かく迎えていただき、ありがとうございました。高度な研究の発表やフリートークを通してたくさんの学びをさせて頂きました。今後の生活の促進剤となると思います。貴重な体験ありがとうございました。
○来年の研究に活かしたい
○素晴らしい研究を見せていただき、ありがとうございました!こんなに高度な研究をしている方々と話せたのは、とても貴重な体験になりました!今後に活かしていきます。ありがとうございました。
○ありがとうございました。来年の研究の参考になることをたくさん知ることができました。
○今回、色々な研究を見て私にない発想や新しい知識を得ることが多くとてもおもしろかったです。私も気になることを見つけて、面白く役に立つ研究をしたいと思いました。
○1年生の僕らに、今の全力をぶつけてくださり、今後の研究の目標になった。一緒に福島県を引っ張っていくためにも、勉強含め、すべてのことについて頑張ろうと思った。
○来年の参考になりました。すごく助かりましたし、楽しかったです
○素晴らしい発表ありがとうございました。今後に活かしたいと思います。
○様々な分野の高度な研究や発表を見せていただけました。ありがとうございました。
○中身が濃く丁寧な説明ありがとうございました。一つ一つが面白く全て見たかったです。
○今日までこの日のために準備して下さりありがとうございました。質問をした時に丁寧に回答して下さったことが印象に残りました。これからの課題研究に今日見聞きしたことを活かしていきたいと思いました。
○福島高校のSS部のみなさんは、研究に対する意識も高く、熱意もあって大いに刺激を受けました。私たちにこんなにも有意義な時間をくださり、ありがとうございました。
○お忙しい中、安高生のために時間を取っていただきありがとうございました。今日いただいたアドバイスを、これからのSSの活動に生かしていきたいと思います。
○とても内容が濃くわかりやすい発表でした。本当にありがとうございました。自分も先輩方を見習い、頑張りたいたいと思いました。
○正直に言うと、何一つ勝るものが無くて、完敗でした。来年にこのような人たちと戦うのかと思うと、少し怖かったです。でも、皆さんとても丁寧に説明してくれて、本当に嬉しかったです。ぜひ今度、聞けなかったぶんも聞きたいです。本当にありがとうございました
○とてもいい刺激を受けることができました。福島高校の皆さんに負けないように僕もがんばります。本当にありがとうございました。
○他の分野の発表でも参考になる点が多くありました。今後の研究活動や大会に向けて実践していきたいと思います。本当にありがとうございました。
○私たちのために貴重な時間を割いていただき有難う御座います。一つ一つの発表の内容が濃く、とても為になりました。これからも共に高め合って行きましょう。
○私が想像していた研究をはるかに越える高度な研究に、とても驚きました。実力や頭脳だけでなく、好奇心も普通の人とは比べ物にならないくらいあって、私も福島高等学校の生徒のようになりたいと思いました。最後のフリートークでもためになる話をしてくださって感動しました。今回の訪問は、自分のこの先の人生を変えるものとなりそうです。本当にありがとうございました。
○どの研究も内容が煮詰められていて、それで且つほぼ何も知らない自分たちでもある程度は理解出来る説明を入れてくださってありがたかったです。本当にありがとうございました。
○本日は、貴重な交流の場を用意して下さり、誠に有難う御座いました。今回の交流によって得たアイディアを活用し、今後の研究をより良く発展させようと考えています。
○私達のために、手の込んだ発表を行っていただきありがとうございました。また、質問にも分かりやすく答えていただきありがとうございました。
○ありがとうございました
○どの研究も非常に高度で中身が濃く、そんな内容をとても分かりやすく説明して下さり、多くのことを知ることが出来ました。また、これから探求活動や発表などをしていく上で非常に参考になりました。今回はこのような機会を設けて下さりありがとうございました。
○よく同じレベルまでの高校として比較されることが多い安積高校と福島高校ですが、今回の研修で、内面のレベルの違いを思い知らされました(校舎、生徒の知識水準、部活動の活発さなど)。追いつけるように精進したいと思います。本日はありがとうございました。
○どの班をとっても、研究の内容が深く、レベルの高いものであると感じました。また、プレゼンもとても上手で、高校1年生が分かるように、かつしっかりとした内容説明がとても参考になりました。今回の探求で学ばせてもらったことを、自分の探求に活かしていこうと思います。本当にありがとうございました。
○本日は本当にありがとうございました。どの発表も良く、分かりやすく、これからの自分がどうするべきかの参考になりました。
○今回の研修を通して研究というモノは何より自分の好奇心を優先すべきであるという、今までになかった新しい考えを得ることが出来ました。本当にありがとうございました。
○今回は、このようなかいを開いて下さりありがとうござました。今回の経験を自分の探究活動に繋げられたら、いいと思います。

 

1年生SSHクラス希望者向けの見学・研修・交流会を実施しました(その1)

 12月20・21日(月・火)の2日間,1年生の希望者向けに見学・研修・交流会を行いました。


 対象は,次年度2年次にSSHクラスへの参加を希望している生徒たち37名です。

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の安積高校では,特にSSHの活動を積極的に行うSSHクラスを2・3年次に編成していますが,その参加希望者向けに「国内先進地域研修」を行なっています。


 昨年に引き続き今年も東北大学の3つの研究室見学と,昨年はコロナのために断念し念願であった福島高校見学交流会を行いました。

 

 初日は,東北大学研究室訪問。まずは片平の生命科学研究科を訪ね渡辺正夫先生に,キャンパスを案内いただきました。片平キャンパスは東北大学開学の地。歴史ある研究施設や,歴史の教科書にも登場する著名な科学者の銅像がたくさんあります。


「先人が苦労して積み重ねてきた学問の重みを感じる力をつけてほしい」「サイエンスにおいては,まず観察する力,見ることを通して他との変化を感じ取る力が大切」など,キャンパスを歩きながら,科学研究に携わる中でとても大切なことを,お話しいただきました。

 

 

 続いて伺った工学部安藤晃先生の研究室では,たくさんの大学院生がプラズマの研究についてお話しくださいました。


 プラズマを利用して風の流れをコントロールするプラズマアクチュエーター,小惑星探査機はやぶさにも使われたイオンエンジン,そして長年期待されてきたなど核融合炉など,研究室に所狭く並べられた大型のさまざまな実験装置に圧倒されました。

 

 

 東北大学の三カ所目は農学部伊藤幸博先生の研究室。先生の軽妙な語り口で紹介されるお米の研究についてのお話を楽しくお聞きしました。

 大学院生の方から研究生活について紹介いただいた後,研究室にお邪魔し実験を進めている姿を見学させていただきました。

 

 どの研究室でも先生方,学生さんが歓迎してくださり,研究について熱心に詳しくお話しいたただきました。研究ばかりでなく,大学生活などについてもお話しいただき,生徒たちはとても参考になったようです。
 福島には東北大学の様な大規模の大学はなく,ほぼ全員が初めて訪れた東北大学に,強く魅力を感じた研修になりました。
 暮れのお忙しい中,研修を受け入れてくださった先生方,学生さんに御礼申し上げます。
 
(以下生徒の感想です)
○学部の研究についてだけでなく、大学でのバイトや大学入試についても聞けてありがたかったです。AO入試という手もあるのだなと話を聞いて思いました。もしそれを取るならば自分の今の評点だと落ちると思うので目の前の勉強に力を入れなければいけないと危機感と共にやる気を持ちました。本当にありがとうございました。
○今日は、僕達のためにこのような時間を設けて下さりありがとうございました。 これからの、SSHの活動に繋がれば、良いと思います。本当にありがとうございました。
○科学の負の側面や歴史などについて教えていただき、身近に溢れる些細な疑問への新たな味方を知ることが出来ました。来年の探究のテーマを決める時に、この見学で学んだものの見方を生かしていきたいです。充実した時間になりました、ありがとうございました!
○東北大学の歴史について知れて、とても興味が湧きました。戦時中の負の歴史を未来にどう活かすか、改めて考えるきっかけになりました。これを機に勉学に一層精を出したいと思います。ありがとうございました。
○オープンキャンパスというものに行ったことがなく、大学がどんな場所かよく知らなかったので、今回の訪問で実際の声を聞けて、とても参考になりました。ありがとうございました。
○学びの楽しさを実感しました。ありがとうございました。
○本日はお忙しい中ありがとうございました。今後の探究活動での参考となることを知れて、大変有意義な時間にすることができました。
○自分が研究している酵母の研究を見ることができたり、初めて実際の大学の研究室を見ることができたりして、とても学びの多い時間になりました。本当にありがとうございました。
○とても丁寧に教えていただき本当にありがとうございました。実際に通う未来が見えたような気がしました!
○コロナ禍における、大変緊迫した状況下で、今回の見学に参加させて頂き、誠に有難う御座いました。今回の学びを活用し、今後とも研究に励みたいと考えています。
○私たちのために貴重な時間を割いていただき有難う御座いました。今回の見学では研究室にお邪魔するなどのとても貴重な体験をすることができ、本当に嬉しいです。また、これからの大学選びに大いに役立てられる見学でした。
○今回の見学で、とても面白く、将来にとって実用的な研究の話を多く聞けて、自分にとって貴重な経験が出来ました。この経験はこれからの自分の研究や、将来の進路にとってとてもいい刺激となりました。高校生でも分かるように、一つ一つ丁寧に教えて頂き本当にありがとうございました。
○最後に訪れた農学研究所は特に、大学内の雰囲気がとても良く、すべての見学場所に共通して、研究も高度であった。自分もこのような良い環境で自分の好きな研究を行えるようになりたいと思った。
○今日は半日間お世話になりました。半日の間でこれまで忙しい学校生活の中で薄れていた科学への興味をまた持つようになりました。今日学んだことを自分の課題研究に活かし、また、大学選びの参考にしていきたいと思います。
○私達を優しく受け入れて、尚且どんな質問にも丁寧にお答え頂きありがとうございました。新たな分野への興味をこの研修を通して持つことが出来るようになりました。
○パンフレットやホームページを見て興味があった、建造物や研究室を見学することができて東北大学への興味が深まりました。また、知識不足の私たちを相手に優しく丁寧に教えて頂き嬉しかったです。本日はありがとうございました。
○大学での生活が今までより具体的に想像できるようになりました。クリーンベンチやインキュベータ、知らない機械を見ることができ、楽しかったです。また、顕微鏡で見た画像が興味深かったです。質問で知りたいことが知れて嬉しかったです。ありがとうございました。
○忙しいなか、とても丁寧に説明してくださってありがとうございました。たくさん質問をしたにもかかわらず、一つ一つ細かいところまで教えていただき、知りたかったことも知ることができました。本当にありがとうございました。
○普段見れない様な所を見せていただけたり、貴重なお話を聞くことが出来ました。本当にありがとうございました。
○参考になる点が沢山ありました。丁寧にして頂きありがとうございました
○とても分かりやすい説明をありがとうございました。もう少し知識を身につけてからもう一度行きたいです。本当にありがとうございました。
○自分の夢の具体的な達成方法を教えていただきました。先生方をめざして、高校の学習によりいっそう励んでいきます。ありがとうございました。
○興味深い講義をありがとうございました この体験を部活動に活かしたいです
○難しい内容を分かりやすく噛み砕いて教えて頂きありがとうございました。
○プレゼンの仕方や話し方接し方など参考になりました。ありがとうございました。
○自分たちのために分かりやすく説明して下さり、様々な知識をつけることができた他、大学の様子を見ることが出来、自分の進路決定の参考になりました。貴重なお時間を割いてくださりありがとうございました。
○たくさんのことをお教えしていただきありがとうございました。来年の探究のアイデアのヒントとかになりそうで良かったです
○今回の東北大学への研修を通してたくさんのことを学び取れました。ありがとうございます。
○今回は、お忙しい中時間を割いていただき、ありがとうございました。研究室内の様子や、教授、大学生のお話など貴重な体験させていただきました。大学選びの参考にさせていただきます。ありがとうございました。
○先生が居ない中でしたが私たちのことを暖かく迎えてくださってありがとうございました。

Larry先生のPython講座

 

 今年も安藤Larry先生のPython講座が実施されています。


 毎週火曜日の放課後16:30〜18:00の時間です。10月から今年度もオンラインで実施してきましたが,12月14日は本校のGIGA SCHOOLとしての授業公開日と重なり,Larryさんが福島から駆けつけてくださって講座の実施となりました。

 

 

 この日は,matplotlibを用いてのグラフの作成。簡単な正弦曲線を描く方法などを学びました。技術が高まれば写真のような複雑な3Dグラフも描けることなど,教えていただきました。

 今年度は,IT支援員さんやクエストアカデミア代表取締役の石川祐也さんにも,お手伝いいただきながら学習を進めています。

(以上)

つくばサイエンスツアー

12月6日(日)つくばサイエンスツアーを実施しました。

見学施設は、筑波実験植物園・JAXA筑波宇宙センター・地質標本館・サイエンススクエアの4施設で、1年生53名が参加しました。

この研修は、8月に実施を計画していたものの、新型コロナで延期を余儀なくされ、ようやく実現できたものです。

最先端の科学技術に触れることで、科学技術への興味・関心を高め、幅広く科学の知識を習得し、研究に対する意識をより向上させることを目的とし、実施しました。

 

 

 

 

 

「つくばサイエンスツアー」様の力添えで予定通り見学できました。途中、筑波大学の広い構内をバスで一周し、おおいに充実したツアーになりました。

中間貯蔵施設見学会(環境省車座意見交換会)をおこないました

 12月11日(土)に,国際高校生放射線防護ワークショップに参加する本校のメンバーが,中間貯蔵施設の見学を行いました。
 
 今年の国際高校生放射線防護ワークショップでは,8月に見学を計画しましたがコロナ感染症拡大防止の関係で断念せざるを得ませんでした。今回,安積高校の生徒たちからぜひ見学したいとの要望があり,お願いしたところ,環境省の車座意見交換会として,実施していただくことができました。あわせて,震災遺構の請戸小学校も見学させていただきました。

 見学会の実施において,放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターには大変お世話になりました。

 

 

 はじめに,国道沿いの中間貯蔵工事情報センターで,除染土搬入の状況,その後の分別や埋設作業などについて説明をいただきました。

 

 

 その後バスで中間貯蔵施設に入ります。広大な敷地ですが,今回は大林組さんが担当する校区を中心に,見学しました。 
 高台にある旧大熊町在宅介護支援センターでは,バスを降り埋設の状況を見学しました。この高台はわずかに線量の高い場所であり,バスに戻る際には靴底の線量が測定され,異常のないことを確認しました。

 

 

 施設見学の後は,双葉町産業交流センターで車座交流会。環境ジャーナリストの崎田裕子先生との懇談を行いました。生徒から,除染土の再利用の見通し,県外の最終処分場はどうなるのか,今後のエネルギー供給などについて質問し,ご意見をいただきました。

 

 交流会ののちは,10月末に震災遺構として見学の始まった浪江町請戸小学校を見学しました。
壊滅的な1階と今でも教室として使えそうな2階を見比べると,津波の威力の恐ろしさをつくづく感じます。この学校の生徒たちが無事避難できたことを,わが事のように嬉しく感じました。

 請戸小学校は,ぜひ多くの方々に見学していただきたい,との思いを強くして1日の見学を終えました。

 

(以上)