SSHブログ

SSH活動日誌

Super Science Highschool international exchange program (Germany team) ~Learning session in Fukushima~ Posted on Aug.10th

From August 2nd to 3rd, the SSH(Super Science Highschool) Germany team went to the learning session in Fukushima.

①To visit Futaba Highschool, Fukushima Daiichi Nuclear Power Station(F1NPS), and Ukedo Elementary School 【to compare the situation today with the one at the time of Great East Japan Earthquake】

②To join workshops after lectures by Ms. Hirohata from Odaka Workspace and Mr. Wada, Representative Director of Odaka Worker’s Base【to learn about the people working for the stricken area’s progress】

③To visit renewable energy plant.To plant a Commemorative tree .【Devastated area today, tomorrow and us】


【Session reviews】
・We have different thoughts and feelings. Although I'm living in Fukushima, I realized that I had been looking at the areas around F1NPS through prejudice.

・It was a great opportunity to think about the issues that even adults cannot solve yet, such as energy issues and post-GEJE-resurrection. Also, group discussion was valuable for me. Other opinions that I never thought of, really surprised me and widened my horizon.

・To see is to believe. The important thing is to see things with your own eyes, to consider if the thing which the media is reporting is true or not, and stop swallowing everything the media is reporting.

・I’ve been worrying too much about what others might think of me, and couldn’t really express what I wanted to say. But I realized that by expressing myself, I can really deepen the understanding of my own thoughts. Also, I felt I could actually gain more insight by listening to other opinions.

【What do you want to tell people around you and German people?】

・Some areas are still left barricaded and no one can enter. People in stricken areas are not trapped in the past, and in fact are taking actions for the future.

・GEJE damaged Fukushima seriously. But the residents’ aspiration developed the area greatly in the past 12 years, and the people living there are energetic.

・Many people in Fukushima are full of hope. Despite the unpreceded damage, the devastated area is reviving steadily, driven by people’s enthusiasm. It starts the positive chain reaction that leads to the future.

・Stricken areas in Fukushima are being developed again. A lot of people are not working for a restoration, but for an innovative development which exceeds the past. Although residents have been suffering from problems such as reputational damage and radiation dose, they are committed to this development for years.

・I don’t think that many German students exactly know the damage which Fukushima suffered and the current situation. I would like to tell them that there are energetic people like Ms.Hirohata and Mr.Wada who are developing this area not just for the restoration, but for a much better society, and some devastated areas are utilized as renewable energy power plants.

令和5年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会への参加について

標記大会は、全国のSSH指定校が一堂に会して開かれる、SSHの全国大会にあたるものです。今年度は、ここ数年の中で制限も大幅に緩和され、8/9(水)~10(木)に兵庫県の神戸国際展示場で開催されました。

本校からは、校内セレクションを経て推薦されたグループが

麹菌「カビA」の活用~食べ残しからバイオエタノール~

を発表テーマに、生物B(主に植物・農学系)部門で発表しました。審査の結果、残念ながら表彰該当とはなりませんでしたが、3年生を中心に2年生、1年生の3名のチームのまとまりもよく、来年・再来年と研究の深化が期待できるような発表・質疑応答でした。

本校は全ての生徒がSSHに取り組む学校です。ですから、全員が本発表会に参加する条件に当てはまります。個人・グループで様々な研究活動が行われていると思いますが、来年の全国大会に推薦されるよう、取り組んでいる研究を深めていってください。

SSHドイツ海外研修~県内研修の様子~

8月2日(水)~3日(木)、安積高校SSHドイツ研修班では「ふくしまの今を知る」ことを目的とした県内研修を行いました。

 

・双葉高校、福島第一原発、請戸小学校見学【被災の当時と現状】

・小高工房・廣畑氏、小高ワーカーズベース・和田氏の講話とワークショップ【被災地で活動する人々】

・再生エネルギー見学、記念植樹と2日間の振り返り【被災地の今とこれからと私たち】

<生徒感想>

・同じ福島県に住んでいながら、かなり分厚いフィルターをかけて原発近くの地域を見ていたことに気づいた。

・今回はエネルギー問題、震災復興に関する問題など大人が悩んでいる課題を高校生の時期に考えることが出来てとても良い機会となった。また、グループディスカッションの時間は有意義なもので、考えもしなかった意見を仲間から言われはっと気付かされる場面が多々あり自分の知見が広がったと思う。

・話で聞くだけでは分からないことが多い。また、メディアの情報などをすべて正しいと思うのではなく、本当かどうかを考えたり、実際に見たりすることも大切であるということ。

・今まで自分の言ったことに対して、どう思われるかを気にして、自分の思ったことを伝える勇気があまりなかったが、自分の言葉で表現することによって、自分がどんなことを考えていたのか、深めることができて、うれしかった。また、他の人の意見を聞くことによって、考えが何倍も広く深くなったことを実感した。

 

<周囲の人たちや、ドイツ交流で伝えたいこと>

・まだバリケードなどで入ることが出来なくなっている場所がある。住んでいる人は過去のことを考えすぎるのではなく、これからのことを考え、行動しようとしている。

・福島が受けた被害は相当のものであったということ。また、現地の人々の熱い志によってここ12年で大きく飛躍しており、そこで懸命に生きる人々は生き生きとしている ということ

・福島には希望があるということ。被害は大きく受けたが、それを乗り越えた人々の熱い心が相双地方を前へ前へと進化させている。それが憧れの連鎖を生み出し未来を楽しんでいた。

・福島の被災地は、どんどんと前に進んでいるということ。復興という言葉ではなく、元の状態よりもさらに前進するような、多様な姿勢で震災に向き合っていて、風評被害や、放射線の線量に悩まされながらも、何年もかけて真摯に取り組んでこられた方々がいるということ。

・ドイツの高校生は、福島が震災でどんな被害を受けたかや今の福島の現状を正しく理解している人は少ないと思う。そんな高校生に、今の福島は廣畑さんや和田さんのようにパワフルな人がいて、復興という意識より、良い社会を創るという考えで前に進んでいるということを伝えたい。また、震災で被害を受けた場所を再生可能エネルギーの発電所として有効活用しているということを伝えたい。

つくばサイエンスツアーを実施しました

8月4日(金)、1年生のSSクラス希望者を中心とした40名で、つくばサイエンスツアーを実施しました。

見学施設は、筑波実験植物園・JAXA筑波宇宙センター・地質標本館・サイエンススクエアの4施設です。
最先端の科学技術に触れることで、科学技術への興味・関心を高め、幅広く科学の知識を習得し、研究に対する意識をより向上させることを目的とし、実施しました。
途中、筑波大学の広い構内をバスで一周し、充実したツアーになりました。

 

<生徒感想>

・(率直な感想は、時間が足りなかったです…少なくともあと2時間は欲しかったです。)
今回僕が1番行きたいと思っていたのは(両親が“宇宙兄弟"を読んでいたり母が宇宙,ロボットに興味があってずっと行きたいと言っていたのもあって)JAXAでした。もともとテレビで展示物を見たことはありましたが、実際に見てみるとまず人工衛星やロケットの大きさに驚きました。解説を聞きながら色々見て回ると、断熱材がテープでくっついていたり、エンジンのサイズや、ペンシルロケットというセンチメートル単位のロケットなど実際に見て驚いたことがたくさんありました。短時間でしたが宇宙はいいなと思いました。
今回は楽しめましたし、まだまだ知らないことがたくさんあるなと感じました。正直、高校の理系教科は中学より複雑な内容が多くなって難しいと感じるようになったのですが、反面今日のようにかなり楽しい部分もあったので、楽しんでやることは大事だなと感じました。

・実験植物園では、各温室によって生息地が異なる植物が植えられていて、見たことのないさまざまな世界が広がっていて感動しました。また、普段よく見る言葉が入った名前の植物がたくさんあり、楽しかったです。屋外では、さし木や接ぎ木によって残されたメンデルのブドウの木や、ニュートンのリンゴの木も見ることができて、面白かったです。
JAXA筑波宇宙センターでは、日本の宇宙進出の歴史や、科学技術の発展について学ぶことができ、宇宙の無重力空間の中での発見が地球で暮らす人々の生活に役立つということを改めて学び、感じることができました。
サイエンススクエアつくばでは、kgやmの定義であった物のレプリカを見ることができてよかったです。また、新たな素材の開発や、日常生活にありふれている問題を解決できるような技術について知ることができて、人間の発明はすごいと思いました。地質標本館では、今まで見たことのなかったたくさんの鉱石や化石を見ることができて、それぞれの鉱物の特徴を知ることができたのでとても興味深かったです。また、随所にあった日本と関係する大陸の活動についての展示や日本の地質図の展示によって、日本の火山の分布や地震の発生とプレートの関係について以前よりさらに知ることができてよかったです。

・実験植物園は温室の中の熱帯や乾燥帯の植物や池の眺め、JAXAはISSやロケットの模型、サイエンス・スクエアはバイノーラル音声とステレオ音声の違いや色彩の展示、地質標本館は鉱石やプレートについての説明が印象的でした。初めて見る物や知らなかったことが沢山あって楽しかったです。
植物園では、普段利用するものの元の姿や、珍しい形態や生態の植物を見ることができてよかった。特に、世界一小さい花をもつミジンコウキクサと世界一大きい花をもつショクダイコンニャクが同じ科の中で進化したというのが面白いと思った。宇宙センターでは、実物の人工衛星や宇宙服などを見て、人間の知恵と技術力の高さを感じた。筑波サイエンススクエアでは現在の最新の研究を知り、視野が広がった。地質標本館では地球の歴史や、現在の地形などについて知ることで地球の神秘を感じた。

・筑波実験植物園では、熱帯のなかでもサバナ気候と熱帯雨林気候で分かれて展示されていて、雰囲気が全くちがかったのがおもしろかった。食虫植物は初めて見た。日本の植物の1/4が絶滅種(か危惧種)に指定されていると知り驚いた。文字展示でおもしろかったのは、海岸に生えている植物は海にのって種子が広がるので分布が広い、つまり国が違っても海に生えている植物は同じものがあるということだ。世界旅行に行っていないのに世界の植物があって、その環境がそろえば植物は育つものなのだなあ、と感じた。
JAXA筑波宇宙センター展示館では、職員の方の解説を聞きながら展示物を見た。職員の方の、その宇宙開発産業への熱い思いや愛が伝わってきた。たくさん知識を持っていてそれを人に伝えることができていた。宇宙開発産業にはあまり関心はなく無知だったが、職員の方の説明のおかげで、ロケット開発がどう行われてきたのかや、JAXAの方たちの仕事の様子や、小惑星にはやぶさを送ったのはなぜかなどが分かった。子供たちがたくさんいて自由にのびのび見学していたのが印象的だった。
サイエンス・スクエアつくばでは、色々な技術に触れることができた。とくに脳波で難病の患者さんが伝えたいことがわかる装置はとても画期的だと思った。研究とその実用化にはとても時間がかかっただろうと思う。産総研は国立の研究所だと知った。
たくさん勉強になったので参加してよかった。

・生物、化学、物理、地学のそれぞれの分野を専門的に調査する場所に足を踏み入れ、とても良い経験になった。中でも「サイエンス・スクエアつくば」での一つの装置に興味を引かれた。
 手足に力を入れると電気が流れることを示してくれる装置である。電気が流れることを生かし、機械に繋ぎ、本能のままに動く義手を作ろうと考えているそうだ。
これは生まれつき障がいで手がない人、戦争などで手足を失った人など義手を必要とする人に生命活動によって生じる電気を使い、普通に生活できる手助けとなる画期的なアイテムであると感じた。
こういった何気ない理科が助けを求める人の手助けとして変わるかもしれないを改めて知ることができた。

国際英語プレゼンテーション大会(START2023)

 去る7月22日(土)に山形県立東桜学館中学校・高等学校を会場として行われた、国際英語プレゼンテーション大会(START2023)に参加しました。この大会は、学校在学中に行った個人やグループの探究・研究活動の内容を英語で発表及び質疑応答を行い、審査により研究テーマごとに分かれた5つの会場で1位と2位が表彰されます。

 本校では、3年武田・薄井ペアーが第5会場に参加し、「Fave and Study Motivation」というテーマで、お気に入りと勉強のモチベーションの関係 についてプレゼンしました。

<発表の様子>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5会場では7校が発表し、その中で1位を受賞しました。

※全体の参加校は国内14校、海外から4校の計18校

 

<大会参加者集合写真>

 

 

物理オリンピック予選 2年生1名、3年生1名が突破

今年度、物理部2、3年生6名が物理チャレンジ(物理オリンピックの国内予選)の1次試験に挑みました。
見事2年生1名、3年生1名が国内2次試験に進みました!!

1次試験はレポート課題(振り子の周期の角度依存性の測定)と
筆記試験(物理の3年の内容まで含む、難易度の高い試験)からなり、
例年1000人以上の参加者が100人まで絞られます。

安積高校としては3年連続の1次試験突破であり、2年連続の2人突破となります。
2年生の生徒は2年連続の突破です。本当におめでとう!
3年生の生徒はラストチャンスを掴みました!物理に向き合っていた結果です。
そして、全員で協力してレポート作成しないとこの成果は現れなかったと思います。全員頑張りました!!

2名は2次試験に誇りをもって挑んでください!!全国レベルの参加者にもまれ、大きく成長すると思います。

 

 

<物理オリンピック1次試験突破者>
令和3年度 2年生1名
令和4年度 1年生1名、2年生1名
令和5年度 2年生1名、3年生1名

福島の復興と放射線についての授業2023

7/24,28に福島の復興と放射線についての授業を実施しました。
今年は他校からオンラインで参加がありました。

◎参加者
本校希望生徒50名、白河高校1名
担当:本校物理教員

◎目的
放射線とは何か知り、福島県の現状について把握すること。そして放射線の知識を土台として、現在の福島県の課題(廃炉、除染と除染土の処理、風評被害・偏見)を科学的・社会学的に分析し、自分の意見を持てるようになること。

◎授業内容
<第1章>放射線の基礎 : 放射線の正体、単位と測定法、原発の原理
<第2章>放射線の実験 : はかるくんをもちいた実験(環境放射線量の測定、距離と遮へいによる減衰の確認など)
<第3章>福島の現状 : 放射線の生体への影響、現在の福島の線量や食品検査の結果、甲状腺検査の結果と課題、放射線以外の健康影響
<第4章>福島の課題 : 現在の原発の様子と課題、現在の福島県の人口などの状態、風評被害とその原因、新型コロナウイルス感染症との類似性
終盤での議論:「モニタリングポストを撤去すべきか」
<第5章>福島の努力 : 避難指示解除地域の現在、福島の人の震災後の努力、復興のポジティブな側面
終盤での議論:「東日本大震災の教訓は何か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎生徒の感想

・今回、この授業を受ける前は「汚染水」と「処理水」が同じものだと思っていたし、もう福島の放射線量は他県と同じかそれよりも低いことも何も知りませんでした。授業内でもあった通り、「何か分からないけど放射線って怖い。福島の向こうの地域はまだ危険だ」と思う立場の人でした。しかし、今回の授業を受けたことによって福島県民で震災を経験した立場のくせに何も知らな過ぎたと思い知らされました。私が3歳のことに起きたからこそ両親や祖父母が敏感になり、外出できなかったことも少し納得ができました。以前、祖母と処理水海洋放出について「何か怖い、いやだね」という会話をしました。今ではどこが安全で大丈夫かしっかり分かります。また祖母と話してみようと思いました。「無知ほど怖いものはない」心においてこれから生きていきたいです。  (1年女子)

・私は3歳のときに震災にあって、避難してきましたが、郡山の小中学校で放射線に関する差別を幸いにも受けたことはありません。ですが、子どものころから差別を受けて精神的にダメージを受けている人がいることを聞いて、とても悲しいし悔しいです。正しい知識がもっと広まってほしいと強く思ったし、自分もまだまだ知らないことがたくさんあるので、ちゃんと知ろうと思いました。私の祖父は○○に帰りたいそうですが、私の母は、私が学校に通っているし、郡山に住み慣れたから戻らないと言っていました。私も正直、記憶がしっかり残っているわけではないので、戻りたいとは思いません。でも、夜ノ森の桜は今も覚えているし、大好きです。桜祭りの日ににぎわっているのを見ると、とてもうれしいです。自分に何ができるか、具体的には分からないけど、話を聞いたり実際に見たりして、考えることから始めたいです。(1年女子)

・今回のお話しを聞いて、「安心」と「安全」の大きな違いを感じた。自分の中で「復興」という言葉はもう古いものなのではないかと授業前の時点で考えていた。しかし現在の福島の状況やいまだになくならない風評被害のお話しを聞き、復興がどれくらい進んでいるのか全然分からなくなってしまった。個人個人の立場で「復興」という言葉が違う意味を持つことなのかなということが知れた。授業では、放射線についてもいままで自分が知らなかったことも知ることができ、相双地区や原発に以前よりも興味が持てた。自分個人の心の中では復興は終わっていないと思う。復興というワードをいつまでも使い続けることがプラスになるかマイナスになるかは分からないが、復興に向けまずは自分から正しい情報を取捨選択していきたいと思った。 (2年男子)

・自分自身は避難を強いられた経験はないですが、最後に見た避難した生徒のリフレクションカードにあった「震災以上になるとは思えません」という言葉が印象に残りました。たしかに、震災によって避難した人がその地に戻ることは多くない気がします。改めて、復興とは難しいんだなあと思いました。
最初、私はこの授業に出るつもりはありませんでしたが、先生の熱意がすごそうだったのと、3月に受けた処理水の授業が面白かったので出ることにしました。正直、想像していた内容とは違いましたが、出てよかったと思います。特に、後半の福島の現状・課題・努力の話が印象的で、福島県民としてそのようなことを知れてよかったと思いました。原発事故による放射線の影響は少なくて安心したという事と、福島の復興は進んできたけど風評などの様々な問題があって大変だということです。これからもしかしたら何らかの形で復興に関わることがあるかもしれないので、そのときは頑張ります。本当に面白かったです。ありがとうございました。 (3年男子)

・安心を得るための食品検査が、不安を助長しているという話について、「危ないかも知れないから検査をしている」という検査のとらえ方もあると聞いて、驚いた。米の全袋検査が終わったのは大きな意味があると思った。
復興とは?再び安心して暮らせる状態にすること?震災以前より栄えた状態にすること?元の状態に戻すこと?今まで、復興とは何か言葉にして考えたことがなかった。聞かれてみると難しいと思った。友達とも話し合って、考えを深めたいと思った。
先生の授業を受けて、今までは科学的な知識を持たず新聞などの情報で不安に思うことが多かったが、正しい知識を持たず、漠然と不安に思う人も多いと思う。正しい知識を学ぶこと、そして伝えることの大切さを改めて実感した。NIMBY、Not In My BackYard (1年女子)

・私は当時5歳のときに大熊町から郡山市に逃げてきました。当時はよく分からない言葉が多く、ニュースをみても何を言っているのかさっぱりでしたが、当時ずっと聞こえてきたμSvや格納容器と言った言葉は今でも覚えています。そしてもう一つ忘れられないことがあります。それは放射能差別です。私自身は差別に会うことはありませんでしたが、正直めちゃくちゃ怖かったです。横浜市に避難した小学校の男の子が差別されたというニュースは今でも覚えているし、自殺者が出たという話も覚えています。学年が上がるにつれ事の重大さを自分なりに思い知りました。あの日ニュースを見て以降、私は出自を聞かれたときは必ず「郡山」と答えていました。△△とは絶対に応えませんでした。また、私の父が東電の関係企業に勤務している、ということも伝えませんでした。ですがこの時、自分といつも遊んでくれていた3人にだけ打ち明けました。そのときは「絶対このことは秘密にしてほしい」と言いました。いじめられるかも知れないと考えたからです。
ですが、こんな日々は中学2年生のときに変わりました。きっかけは福島駅伝の「大熊町チーム」としての出場です。当時私は陸上長距離の選手でしたが、大熊町の方から連絡が来て出場することになりました。私が出場する、という話はもちろん同級生、顧問にばれました。当時私はそれがたまらなく嫌でした。ですがクラスメイトは私のことをすごく応援してくれました。駅伝が終わって次の学校の日、私はクラスメイトから暖かい言葉をかけてもらいました。その瞬間、「自分は大熊町民だと名乗っていいんだな」と感じました。
そして去年、同級生から誘いがあり、浜通りの震災学習会に参加しました。ここまで浜通りをちゃんと回ったのは初めてのことでした。私はそこで初めて、「ふるさと大熊」に戻ってきたんだな、と感じました。
私は幸せ者です。放射線差別も東電差別も、私が危惧していたことは一切受けずにここまで来ました。当時5歳だったからこそ当時の記憶も両親のように何でもかんでも残っているわけではなく、断片的であったからこそ、原子力問題に積極的にかかわって行ったり、震災について気後れすることなく真正面から向き合っていけるのではないかと感じています。ですが、やはり幼かった私が暮らした大熊が、再開発のためとはいえ消えていってしまうことはものすごく寂しいし、悲しいことです。(現状もうすでに、私が大熊にいたことを示すものは大熊には残っていません)
だからこそ、このような悲しい思いを未来の世代にはさせない、次の16万人を絶対に許さない、どんな差別も許容しない、そして、あの日のことを今のことを、当時の記憶を持つ「最後の世代」として、自分の言葉で発信していくこと。これが私の人生のやるべきことだと考えます。今日はものすごく考えさせられました。 (3年男子)

【処理水学習会】原発事故からの復興を考えるために

[放射線防護ワークショップ]

 7月25日(火)の午後、原発事故の処理水についての学習会が開かれました。講師として経済産業省資源エネルギー庁参事官 廃炉・汚染水対策官の木野正登氏をお迎えし、原発事故後に増え続ける処理水について、関心のある生徒が参加しました。

 折しも処理水の海洋放出が国際的にも関心が高まっています。原発事故で発生した放射性物質が含まれた水からトリチウム水を除くことは現在のところ極めて困難です。またトリチウム水は原子力発電所からは必ず排水されるものです。しかし、”原発事故”で生み出されたことから注目され、漁業関係などへの風評が懸念されています。木野氏は処理水とは何か、保管や防護の仕組みについてジオラマ等を用いて説明してくださいました。また、科学的知見に基づいた安全性についての検証や、安全性を理解するために行っている広報活動について講義してくださいました。講義の後、生徒達は、処理水や原子力発電所についての疑問点や分かった事、周囲に知らせたい事、などの意見を出し合いました。最後に各班から質問を発表し、木野氏は1つ1つに丁寧に回答してくださいました。

 中でも「処理水は安全である、ということが科学的に分かっているのに諸外国から規制されているのは何故か」という生徒の問いに

 「日本の海産物を規制する動きがあるが、自国の産業を守るため、ということもある。我々は『安全である』ことを大前提に『常磐物は美味しい』『高品質である』ということを諸外国に理解してもらえるよう訴え続けなければいけない」という回答が言葉が印象的でした。

 処理水だけでなく、原子力発電所の廃炉に向けての課題はたくさんあります。生徒は「何が問題なのか」「これから何をすべきなのか」と真剣に考えてていました。

 最後に木野氏から「原発に限らず、知識を身につけることは自分の判断の材料となります。大いに学んでください。」と安積高校生へ激励の言葉がありました。

<生徒感想>

・福島県人であるにも関わらず、処理水問題や廃炉について知識が少なかったと感じた。

・処理水でヒラメやアワビを育てても安全性に問題はないことがわかった。

・今までALPS処理水について深く知る機会がなく、全く知識がありませんでした。今回の講演を聴いてその知識を深める必要があると知りました。自分自身も今回の経験を通して、周りに知識を広めていければと思います。

【2年7組SSクラス】第3回 全国バーチャル課題研究発表会に参加しました

 2年7組(SSクラス)は第3回全国バーチャル課題研究発表会(幹事校:兵庫県立加古川東高等学校)に参加しました。これは各班が探究活動の中間発表をすることで、研究のブラッシュアップを目指すものです。SSH指定校10校がオンラインで参加しました。本校からは2年SSクラスの14班がそれぞれの研究活動を発表しました。生徒はweb上の「クラス」で宮城県や兵庫県、香川県の高校生と質問や意見を交換しました。空き時間にはオンラインを利用して他校生と自己紹介をしたり、研究の悩みを話したりと交流を深めました。