SSH活動日誌
SSH海外研修フィリピン(語り部活動)!
11月7日(木)~10日(日)、フィリピン国マニラ首都圏ケソン市にあるフィリピンサイエンスハイスクール(PSHS)を訪問してきました。
We visited Philippine Science High School from Nov.7th to10th.
PSHSは中高一貫の国立校で、フィリピンではトップレベルの教育を無償で受けられる学校です。入試を突破した生徒たちが全国から集まり、寮に入り勉学に励んでいる学生もいます。
We visitred the main campus of PSHS in Quezon city.
8日(金)
学校を訪問しました。互いの学校紹介ののち、キャンパスツアーをしていただきました。増築中の新しい校舎、大きな講堂やプール、校庭などがあり、すべて回るのに1時間以上かかりました。フィリピンは日本と同じくとても地震が多い国です。学校の教室や廊下のいたるところに、ヘルメットや防災道具が配置されていたのが、印象深かったです。
In the morning, they guided us around the campus.
午後からは、9年生(中学3年生)の地球科学の授業に参加し、「東日本大震災とその後の復興について」発表を行いました。中学生には少々難しい内容でしたが、熱心に聞いてくれました。特に、福島の農産物については興味深く反応してくれました。続いて12年生(高校3年生)の英語の授業に参加しました。先生がとても情熱をもって授業をされており、もっと学びたい!という気持ちになりました。
In the afternoon, we joined two classes, Earth science class and English class. Teachers were so passionate and students seemed to enjoy studying. We shared our stories about Fukushima and our culture.
9日(土)
PSHSの先生方、そしてバディーの生徒たちとマニラ市内校外学習に出かけました。
「イントラムロス」と呼ばれる、スペイン統治時代に作られた旧城壁都市を訪問しました。その中にある世界遺産のサンアグスチン教会やサンチャゴ要塞跡、マニラ大聖堂、そしてフィリピンの国民的英雄「ホセ・リサール」の記念館などを見学しました。日本との歴史的なかかわりを感じることができました。
PSHS kindly offred us the tour around Manila. We got around the Intramuros, which was the historic walled area.
午後は国立美術博物館を見学しました。3つのテーマに分かれた博物館は、どれも無料で誰でも入ることができます。自然歴史博物館では、津波や地震についての展示があり、日本の震災についての記述もありました。
After having lunch at Jollibee which is one of the most popular fastfood restaurants in the Philippines, we shopped at a big shopping mall. Then we visited the national museum of natural history and learned a lot about creatures and nature there.
たくさんの笑顔とおもてなしをいただき、生徒たちもたくさん学び、ひとまわり成長して帰ってきました。
来年は、PSHSの皆さんにぜひ福島を訪問し、福島の良さを実感していただきたいです。
We higly appreciate their kindness and hospitality. We enjoyed our visit very much.
Thank you so much, PSHS! We hope you come and visit us and Fukushima soon!!
令和6年度「安積高校SSH探究活動発表会・成果報告会」について
令和7年2月7日(金)午後~8日(土)午前に、令和6年度「安積高校SSH探究活動発表会・成果報告会」 を開催いたします。こちらは参加校用のものになります。見学・視察などについて、また保護者の皆様への文書は後ほどアップロードしますので、しばらくお待ちください。
【福島復興ワークショップ】福島第一原子力発電所見学
8月2日(金)に福島第一原子力発電所(イチエフ)見学会があり、19名の希望者が参加しました。これまで放射線や処理水に関する学習会を行いましたが、実際に水素爆発を起こした原子力建屋や5号機内の使用済み燃料プールを見学しました。
見学台から道路1本隔てた先には、鉄骨が見える建屋やカバーが掛けられた建屋がそびえていました。しかし、見学者やスタッフの方々は放射線モニターが装着されたベストは着用しましたが、防護服の必要はなかったです。事故当初は爆発で破片が散乱していたであろう道路も除染、舗装され、普通のバスで移動できました。
昨年度よりさらに見学できる場所が多くなったと思いました。燃料デブリの回収など、問題はまだありますが、少しずつですが、廃炉への道は進んでいます。
<生徒感想>
・今まで、テレビや本を通しての情報しかなかったので、実際に足を運ぶことで、よりイチエフの現状、これまでの努力が見えました。課題もとても多いと思います。そんな中で自分ができることは何か、考えました。
・今回の貴重な体験を身近な人に伝えたいと思った。
・質疑応答の中で、科学的な安全性より社会の人の理解の方が問題になることが多いと思いました。改めて教育が重要だと思いました。
・実際に見て想像以上にスケールの大きさを感じた。1号機のガレキを見て、作業の難しさを感じた。
・13年経った今でも事故の跡は残っており、復興に関わる企業が非常に多いことを知った。そのようなの仕事を知ると、まだまだ解決すべき問題があると感じられた。
※この活動は サントリー東北サンさんプロジェクト「シン・みらいチャレンジプログラム」の支援を受けています。
実験観察特別授業(2年SSアカデミーⅡ 物理)を行いました
9月5日の2年生のSSアカデミーⅡの授業で,実験観察特別授業が行われました。
SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。
実験観察授業は,4校時連続で実施される授業で,じっくりと時間かけて実験観察をするというもので,1コマではできない内容の実験や観察を行うものです。
このうち物理選択者は,スマートカートを用いた力学実験に取り組みました。
スマートカートは,力・位置・速度・加速度センサーを内蔵した力学台車です。センサーで取得したデータはリアルタイムでタブレットに送信され,タブレットのアプリ上で直ちにグラフ化して表示できるというものです。
今回の授業では,班ごとに自由に実験内容を決めることとし,4校時(装置の説明・実験準備),5校時(実験の検討と決定),6校時(データ取得と発表準備),7校時(発表),というタイムテーブルで実施しました。
各班のテーマは次のとおりです。
①傾斜とばね定数
②動摩擦係数の測定
③単振り子の張力の測定
④鉛直ばね振り子の周期の測定
⑤スマートカートとレールの間の動摩擦係数の測定
⑥反発係数の測定
⑦円運動の間の張力の測定
⑧衝突実験
⑨単振り子の軌道上での張力の変化
⑩円錐振り子の加速度の測定
⑪運動量と力積の関係
⑫動摩擦係数の測定
⑬スマートカートによる斜面角度の測定
⑭単振り子の加速度の測定
各班でテーマを決め、力学スタンドやレール、ばね、糸などを組み合わせて自分で実験方法を考え、スマートカートで必要なデータを取得しました。そして「実験方法」、「グラフ概形」、「関連する物理の式やモデル」、「グラフから分かること・考察」、「グラフの形状の予想との差異」、「誤差やずれの発生理由の考察」などをパワーポイントにまとめ、他の班の前で堂々と発表しました。
どうしてそういうグラフが得られるかをちゃんと物理の式とモデルを用いて表現すること、センサーで得たグラフがどうしてそういう形になるかを説明すること、分かりやすくプレゼンすること・・・
どれもとても難しかったようで、苦労している生徒は多かったです。しかし、勉強になった、という感想も多かったです。
他の生徒から一番評価されて反響があったのが、8班の衝突の実験でした。動いているカートが静止しているカートにぶつかる場合、質量が同じで弾性衝突ならぶつかった側は静止するはずです。しかし、ゴムダンパーで衝突させる場合はぶつかった側のカートが少し動き続け、一方で磁石ダンパーの場合は完全に静止しました。
運動量の合計を見てみると、磁石の場合は磁力の位置エネルギーの変化が原因なのか運動量の減少がゴムダンパーの場合よりも大きく測定されました。興味深い現象です。
4班の実験では、弾性力の変化をもとに周期を測定しました。分かりやすく結果をまとめることができ、誤差も少なく測定できました。
9班の実験では、単振り子の運動中の張力Sと接線方向の加速度a変化を式としてもとめ、S-aグラフがどのようになるかを測定し概形が理論式と合っていることを示しました。なかなか見ないグラフなので興味深いですね。
<生徒感想>
・今回初めて自分で実験から発表まで行った。まず実験方法が正しいか、考え方の前提が正しいか、正しく測定できたか、正しく計算できたか、確認することがたくさんあって、「研究」というものの奥深さを感じた。
・実験は少し時間がかかってしまったが、理論値との誤差は2%程だったのでうまく実験を行うことができたと思う。誤差の原因はスマートカートの傾きが鉛直方向からずれてしまったことが原因だと考えた。
・単振動の復元力と円運動の向心力を混同してしまって発表したので、間違った結論を導いてしまった。実験原理をしっかり考えることが大切だと思った。
・自分たちは測定を一度しか行えなかったため、信頼しにくい結果となってしまった。たくさん学ぶことがあった実験だったので、今後の研究に活かしたい。
・8班の衝突の実験について
(生徒A)磁石とゴムでは磁石の方が弾性衝突に近くなったという結果に興味を持った。
(生徒B)磁石を使ったときに初速度を与えた方が完全に静止するのが予想に反していて驚きであった。
(生徒C)考察までしっかり行っていてすごいと思った。
<各生徒が他の班の発表をまとめたプリント>
【福島復興ワークショップ】六ヶ所村原子燃料サイクル施設見学
8月19日(月)に青森県六ヶ所村にある「原子燃料サイクル施設」を見学しました。こちらでは日本の原子力発電所で使用するウランの濃縮工場や、発電所から出た低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設、使用済み燃料再処理工場(建設中)などがあります。まさに日本の原子力エネルギー「サイクル」の中心施設です。
六ヶ所村は「エネルギーの村」として再生可能エネルギーにも取り組んでいて、私たちは広がる太陽光パネルや風車を眺めながら施設に入りました。
まずはセンターで施設の概要の講義を受け、使用済燃料の再処理の仕方や安全管理について学びました。その後、実際の低レベル放射性廃棄物埋設センターや高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設を見学しました。青森への日帰り弾丸見学会でしたが、生徒は日本唯一の原子燃料サイクル施設を直接見て、知識が深まったようでした。
<生徒感想>
・日本に一つしかない原子燃料サイクル施設を見学し、日本各地の原子力発電所からこ
こに集まってくる様々な、大量の廃棄物や使用済みの燃料を管理・処理する大変さを知り
ました。
・今回の見学で再処理の規模の大きさに驚いた。多くの会社が関わっていることもわか
った。建設済みの施設も新たに竜巻に対する防御施設をつくるなど、安全管理が徹底され
ていると思った。
・県外の見学会にはあまり参加する機会がなく、特に高レベル、低レベル放射線廃棄物
について学ぶ機会はあまりなかったので参考になりました。
・実際に見ることでガラス固化体のサイズ感や安全のための設備など、知識だけでは分
からなかったことが理解できた。
・1月にイチエフ(福島第一原子力発電所)を見学した際、これまでにはない衝撃を受けた。
座学では感じることができなかった事故の規模感を感じることができた。今回もメディア
で目にする六ヶ所村の一連の施設を自分の目で見てこれまで得た知識と現状を結びつける
ことができた。
物理オリンピック全国大会(二次予選) 銀メダルと銅メダルを取得しました
8月20日~23日、物理部3年生の岩井君と寺下君が兵庫県SPring-8にて行われた物理オリンピック全国大会(二次予選)において、銀メダルと銅メダルを取得しました。
試験は理論問題と実験問題それぞれに5時間臨むハードなものです。
二次予選の参加者100名のうち、表彰は金メダル6名, 銀メダル12名, 銅メダル12名だけですので、受賞は大変名誉なことです。おめでとう!
なお、今年度物理部の3年生は4名おり、2名が先日全国総文にて受賞し、残り2名が今回物理オリンピックで受賞しました。
お互いに刺激を与えあって切磋琢磨した結果です。頑張りました!
新聞記事はこちら物理オリンピック新聞.pdfです。
写真左 入賞した2名 写真右 3年生全員
SSHインド海外研修~県内研修(福島県浜通り)
令和6年度からの安積高校Ⅲ期SSHでは、研究開発課題である「チーム安積モデルによる地球的課題解決に向けた国際共創力を有する科学技術系リーダーの育成」の達成を目指して各種事業に取り組んでいます。その中でインド海外研修は、「国内外の学校との交流の継続・発展及び福島を学び共創を促進する場の構築」を目指して行われるものとなります。本年度は来年1月に8名の生徒が渡航予定ですが、それまでの間にサポートメンバーと共に県内外で研修を行っていきます。今回は8/20(火)~21(水)に実施した、県内研修(福島県浜通り)における参加生徒のふりかえりになります。
1日目 8/20(火) 学校-JR双葉駅前-双葉駅周辺フィールドワーク・インド出身者との座談会(一般社団法人双葉地域観光研究協会)-宿舎
・双葉町ウォーキングツアーに参加しました。実際に歩いて震災後の町の様子を見ることで、今の現状、双葉町に住む方の復興への強い思いを感じることが出来ました。震災以前の町の様子や行事のことを、歩きながら物語のように知ることが出来ました。特に町のあちこちに、以前住んでいたり復興に携わったりした方が描かれているウォールアートをみたことで、新しい復興の形を知り、震災後町に戻らなくても町を元気づけることが出来る良いものだと思いました。(2年・E)
・自分の被災地に対する見方が、やはり現地に住んでる人の話を聞くと、変わったというか、より前向きな方向になった。また勝手に自分は福島に世界中が悪いイメージを抱いていると思っていたが、そんな事はなく、むしろ誰も福島県を知らないということがわかったし、これをチャンスと捉え成熟した日本で発展途上の土地はここしかないと言う観光研究協会の山根さんの言葉にもあったように、ここにしかない魅力を、自分も福島県民の1人として、福島県外そして海外の人に伝えていこうと言う強い意志が芽生えた。また自分の知らない福島の魅力や、これも当然自分が知らないインドの習慣や文化、暮らしぶりがわかったので、とても良い経験になった。また自分の探究活動で「原発を観光できないか」と言う課題を設定しており、ホープツーリズムにも関心があったのですが、山根さんの話を聞いて新たな気づきがうまれてよかった。今後機会があればまた伺いたいと強く思った。そしてインドの渡航の際、今日スワちゃん・トリくんというインド出身の方から聞いたインドの貧困や格差により生じるトラブルについてしっかり体感し、解決方法を模索してみようと思う。今日お会いできたお三方の生き方には本当に学ばせられる部分が多く、自分もお金だけではなく、その地域に貢献できる仕事も、進路の1つの選択肢として考えてみようと思った。(2年・S)
2日目 8/21(水) 宿舎-東日本大震災・原子力災害伝承館-学校
・伝承館では多くの資料や映像、避難を強いられた人々の証言などで3.11のことが残されていました。被災地で撮られた写真と横に添えられた説明書きからは、事故がまだ終わっていないことを突きつけられた気がします。また、原発事故前の住民たちの原子力の捉え方は印象的でした。原子力に明るいイメージを持ち、実際、原子力により地域が活性されていた面もあったのだと、展示資料からわかりました。(1年・W)
・被災してから毎年、3.11のことは聞かされていたが今日ほど心が動いた日はなかった。実際に相馬市で被災した方に話を伺った語り部では、当時の様子が目に浮かび自分が思っているよりも3.11が深刻なものであることが分かった。写真に一言が添えられている展示ではその場面を想像して涙が出てきた。時が経つにつれ忘れかけられている震災の大きさを伝え続けていかねばならないと感じた。避難所のダンボールに絵と一言「ありがとう。次は幸せで」と書かれた展示には言葉を失った。まだ自分の故郷に帰れない人たちがいることを知り、まだ3.11は終わっていないんだと感じた。たくさんの人の想いが伝わってくる伝承館には是非全国各地からたくさんの人が見に来て欲しいと思った。(2年・W)
令和6年度全国SSH生徒研究発表会
物理部のマグナス班が、学校代表として全国SSH生徒研究発表会に参加しました。
8月6日〜8日神戸国際展示場で、令和6年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会が行われ、物理部のマグナス班が参加しています。
マグナス班は6年前に結成されましたが、昨年の3年生が一新した設計図を今年のメンバーが組み立て、実験を繰り返してきました。
しかし新たに、整流板の位置によってはマグナス力が十分得られないのではとの仮説を得て、理論計算によって解析を行いました。
ポスター後半部分は、数理モデルによる解析についてまとめてあって難しく、高校生にはウケないと思われたのですが、中には熱心に質問する生徒もいて、さすがに全国SSH発表会に参加する生徒たち!と感じます。
審査員の方々からもたくさんの質問をいただき、充実した発表ができました。
また、東北大の安藤先生や、チコちゃんで有名な東京理科大の川村先生にも、ブースを訪れていただきました。
全国総合文化祭にて物理部が文化庁長官賞(2位相当)を受賞しました
8月3日~5日、物理部3年生の五十嵐君と宗像さんが、岐阜協立大学で開催された全国総合文化祭の自然科学部門、物理分野にて発表してきました。「スマホはなぜ画面を下にして落ちるのか」のタイトルで、立ちスマホで持つ高さからスマホを落とすと画面が下になりやすいという実験結果とその力学的メカニズムの考察を話しました。
そして、文化庁長官賞(2位相当)を見事受賞しました!
当日のプレゼンと質問対応、論文、そして独自性と考察量が評価されたのではと思います。おめでとう!
新聞記事はこちら(20240806物理部新聞.pdf)です。
生徒感想
・これまで参加したことのない全国大会であり、最初の学校の発表を聞いてレベルの高さを身にしみて感じたが、これまでの研究成果を胸に、サポートしてくださった方々への感謝とともに、後悔のない最高の発表をすることができた。今回の貴重な経験や様々な出会いを大切にして、学問に真摯に向き合っていきたい。
・全国大会なだけあって発表のレベルが全体的に高く圧倒されたが、自分達も負けていられないと感じ、これまでの研究の成果や練習を信じて本番に臨むことができた。今回の受賞が今後の研究・勉強のうえで自信につながると思うので、ここで部活も引退し一区切りにはなるが、引き続き自己研鑽を続けていきたい。
NIE全国大会京都大会(京女中×安高)~福島の高校生と京都の中学生による共同宣言~
8月1,2日に京都でNIE全国大会京都大会が開催され、本校生2名が京都女子中学校3年生の公開授業にファシリテーターとして参加しました。
京都女子中学校はNIE実践校として新聞を活用しています。3年生の探究活動では、福島の震災と原発事故について福島民報と他紙を比較する活動をしていました。さらに修学旅行先として福島を選択し、東日本大震災・原子力災害伝承館や中間貯蔵施設等を見学しています。本校へも訪問し、安高生との交流から、福島の高校生の意見も取り入れて学びを深くしていました。
公開授業は「原子力災害の今・自分事として考えるということ~福島の高校生と京都の中学生による共同宣言~」というテーマで、それまでの学びをもとに中学生が原発事故への”思い”を班ごとに発表し、共同宣言に盛り込みたい言葉をプレゼンしました。そこに安高生の”思い”も載せて共同宣言としました。
教育関係者、新聞関係者ら100名以上が見学する中、京女生と安高生で完成させた共同宣言がスライドに映され、全員で読み上げ、授業の終了となりました。
この様子は京都の新聞だけでなく、福島の新聞にも掲載されました。
<生徒感想>
・今回の活動で改めて震災の事、原発事故の事を発信し続けることの重要性を、その効果を身をもって実感できた。実際、京女の皆さんも今回の探究活動をする前は何となく福島に対して不安があったらしいが、この交流、探究を通し、福島は”安全”だと理解し、”安心”だと思ってくれるようになっていた。この経験は今後の人生において、大きな糧になると思う。あの場で共同宣言を作り上げることができたのは、自分の今後の探究活動の自信につながると思う。本当に参加できて良かった。
・福島の原発事故についてもう一度考える良い機会となった。福島から遠く離れた京都でこんなにも福島県のことについて知ろうとしてくれていたことを知れてとても嬉しかった。私個人の中で、教える側の経験は今までほとんどなかった。自分の経験値をまたひとつ上げられた気がする。今後もこのような活動に積極的に参加していきたい。
【福島復興WS】中間貯蔵施設見学
7月31日(水)生徒15名、教員4名で大熊町の中間貯蔵施設を見学しました。
中間貯蔵工事情報センターで説明を受けた後、福島県内の除去土壌や廃棄物が処理、保管されている広大な貯蔵施設に降り立ちました。酷い雨でしたが、生徒は誰一人バスに残る者はおらず、バスから出て放射線量を測定し、安全性を確認しました。また、施設敷地内にある特別養護老人ホーム「サンライトおおくま」(閉鎖)にも立ちました。駐車場には原発事故以来放置された自動車が残り、かつて芝生だったところにも木々が生えていて、13年の月日が感じられました。この高台からは原子力発電所の作業クレーンと、手前には、もとは地元の方々の農地だったところが土壌貯蔵施設に変えられている工事の様子が見えました。案内の方から、自分の土地に県内の地域から土壌が運び込まれている事について、住民の方々の思いを聞きました。
お昼は大熊町交流ゾーンですごしました。新しい大熊町役場や店舗、食堂に復興のエネルギーを感じました。帰路のバスでは生徒がお互いに意見を発表しあい、ディスカッションをしました。
情報センターには様々な団体の視察の記録がありました。夏休みということで大学生が多いようですが、遠く京都の中学校からの視察もありました。世間の関心がまだ高いことに安堵しましたが、これからは風評だけでなく風化とも対峙しなければいけないと思いました。
<生徒ディスカッションより>
○見学を通して,再生土壌の安全性は十分にアピールされていると思いますか?
・直接測定し、安全であることが確認できるため、安全性は十分にアピールされていると思います。
・科学的な数値に基づいた説明がされていて良かったと思います。ベクレルとシーベルトについての説明はプリントだけではなく、もう少し口頭での説明を入れた方がわかりやすいと思いました。
・数値的には安全とおもわれるが、アピールの浸透度はというと、低いと言わざるを得ない。
○土壌の最終処分の受け入れ先についてどう考えますか
・再生利用にしても、根本の安全性の理解が進まないと、受け入れは進まないと思う。また、それでもなお、うちでなくてもいいよねという、NIMBY問題が発生し、中々上手くはいかないと思う。
・(県外処分ということだが)どこか一つでも受け入れ先がないと厳しいと思います。また、県外に運び出す様々なコストもかかると予想され、残り二十年で終わるのは難しいと思います。
・昨今の道路開発において、国土交通省が再生利用を引き受ければイメージアップにも繋がり、他からの除去土壌受け入れの協力的な姿勢が取りやすくなると考えられる。
物理オリンピック全国大会(二次予選) 2年生2名、3年生3名が参加!
今年度、物理部2、3年生12名が物理チャレンジ(物理オリンピックの国内予選)の1次試験に挑みました。
見事2年生2名、3年生3名が国内2次試験に進みました!!
1次試験はレポート課題(様々な運動)と
筆記試験(物理の3年の内容まで含む、難易度の高い試験)からなり、
例年1000人以上の参加者が100人まで絞られます。
安積高校としては3年連続の2人以上突破となります。3年連続突破という生徒もいます。
本当におめでとう!物理に向き合っていた結果です。
そして、12名全員で協力してレポート作成しないとこの成果は現れなかったと思います。全員頑張りました!!
5名は8月末に兵庫県SPring-8にて行われる、2次試験に誇りをもって挑んでください!!全国レベルの参加者にもまれ、大きく成長すると思います。
写真は、2023年の国際物理オリンピックの本番で使われた、複屈折の実験装置で練習する様子です。
<物理オリンピック1次試験突破者>
令和3年度 2年生1名
令和4年度 1年生1名、2年生1名
令和5年度 2年生1名、3年生1名
令和6年度 2年生2名、3年生3名 生徒のレポートテーマ「Falling Slinky」「パラシュートの空気抵抗」「メジャーの巻き取りのモデル化」「ブランコの運動」「風の運動、重心の偏った円筒の運動、ばね振り子」
【福島復興WS】福島の復興と放射線についての授業2024
7/25,26に福島の復興と放射線についての授業を実施しました。
今年はあさか開成高校様の参加がありました。
◎参加者
本校希望生徒50名、あさか開成高校6名
担当:本校物理教員
◎目的
放射線とは何か知り、福島県の現状について把握すること。そして放射線の知識を土台として、現在の福島県の課題(廃炉、除染と除染土の処理、風評被害・偏見)を科学的・社会学的に分析し、自分の意見を持てるようになること。
◎授業内容
<第1章>放射線の基礎 : 放射線の正体、単位と測定法、原発の原理
<第2章>放射線の実験 : はかるくんをもちいた実験(環境放射線量の測定、距離と遮へいによる減衰の確認など)
<第3章>福島の現状 : 放射線の生体への影響、現在の福島の線量や食品検査の結果、甲状腺検査の結果と課題、放射線以外の健康影響
<第4章>福島の課題 : 現在の原発の様子と課題、現在の福島県の人口などの状態、風評被害とその原因、新型コロナウイルス感染症、能登半島沖地震後の混乱との類似性
<第5章>福島の努力 : 避難指示解除地域の現在、福島の人の震災後の努力、復興のポジティブな側面
終盤での議論:「東日本大震災の教訓は何か」
◎生徒の感想
・放射線は宇宙や人間からも出ているというのは他の講義で知っていたが、実際に何μ㏜くらいか、どのくらいで人体に害が出るのか、よくわかっていなかったため、はかるくんでの実験はとても興味深かったです。事故が起こった当時の様子の話はとてもショッキングでした。自分が子どもを産めるのか知りたい、早く息子が大丈夫なのか測ってほしい、と言った言葉からは当時の切迫した状況が伝わってきました。放射線の被害は身体的なものだけではなく精神的な不安を誘い、人々の心にダメージを与えていたんだなと分かりました。そのような不安を解消するのは正しい知識と、マスコミを含む知識を広められる人間というのが必要だというように感じました。大勢の人の助けによって復興が進み、福島は現在こうして他の県からも応援されるような県になったと思いますが、今が多くの人の辛い思いや苦労の上に成り立っていることを忘れてはならないと思います。それを理解できただけでも、この授業に参加した意義があったなと考えています。福島県民だからこそ、この経験・教訓をもとに、寄り添うことができる機会が、これからもたくさんあるはずです。そのような未来のために、過去と向き合い、伝えられる側から伝える側の人間になれるように頑張ります。ありがとうございました。 (2年男子)
・風評被害について。よくテレビでは某国が福島県産をすごく批判しているニュースを見るため、勝手に世界全体が懸念していると思っていた。でも意外とそうでもなく、良くも悪くも原発事故を知らない人もいると知った。無知で安易に批判したり危険をあおるのはひどいしやめてほしいけど、本当に何も知らないというのも悲しいというか少し複雑な気持ちになった。マスコミの危険を煽る報道があったとすると、それを見る私たち視聴者は、ニュースを見てそのまま受け入れるばかりで疑うこともなくとらえてしまうことが多い。そして、悪意のないものでも間違った情報や勘違いをさせてしまう情報は世の中にたくさんある。情報リテラシーという言葉で、いくつもの情報を見比べ正しい情報を判断する、というものがあるが、結局私にとって判断するのは難しいという考えに行きついてしまいがちである。講義の最後に教えてもらった、情報の判断についての意見も考慮しながら、自分に合った正しい情報の探し方を探していきたいと思った。今まで正しい情報を伝えることが重要だとばかり考えていたが、正しく伝えることで誹謗中傷を受けた人がいることを知った。それでも負けずに伝え続けてくれた人は本当にすごいと思うし、感謝の気持ちでいっぱいだ。 (3年女子)
・放射線教育は必要だと思う。正しい知識を持つことは何事であっても大切であって、また福島の原発事故は福島県民でも直接被害のあった人ではないと現状などがわからないということがあり、といっても福島県民だからという理由ではなく、日本国民として知っていて意味のあることだと思うからだ。しかし、興味のある人ならいいけど、興味のない高校生に教えても聞き耳を持ってくれるのかと疑問に思うところがある。そこで、授業で言っていたように、これからの未来を背負っていく原発事故を知らない子どもたちにこれから当たり前のように教えて常識にさせていくことは確かに大切だなと思った。 (3年女子)
・中間貯蔵施設について、同じ県内の市としてできることはないのか、正しい知識とともに考えたいです。そして、コロナや水俣病といった一見異なる話題にも目を向けられる人になろうと思いました。私は海外に行きたいという思いがあります。今回の授業を受け、世界から見た日本、世界の日本に対する判断は、日本にいる抱ければわかりにくい部分もあると時間しました。認識には嫌でも差が出てしまうし、その差を埋めなくてはいけないと思いました。辞書で「復興」を調べると「一度衰えたり壊れたりしたものをもう一度盛んにすること」とありました。実際に自分の目で被災地を見て、現地の人、東電で働いていた人などの話を聞いて、自分なりの「復興」に対する考えを持てるようにしたいです。 (1年女子)
・2章では1章の内容を発展させつつ実験や問題を通して放射線について理解を深めました。今まで鉛は放射線をよく防ぐということは分かっていたのですが、なぜかという理由を知りませんでした。密度の大きさであるという理由を知れてよかったです。日本人は放射線に対して恐ろしさの感情を強く持っているのに、医療被曝は世界トップなのが日本人らしくて興味深かったです。(略)授業はどのシーンを切り取っても考えることがあるくらい濃かったです。福島県で起きたあの事故から今回たくさんのことを学びましたが、このことだけの特殊な例ではなく、他の事象にも当てはまる教訓が多かったと思います。大事なのはただ学ぶだけでなく、他人や外国、他の出来事に活かすことだと思いました。 (1年男子)
・今回の授業を受けて、今まで自分がどれだけ福島のこと、放射線について知らなかったのかと痛感しました。家に帰ってから母と講義の内容について話しました。当時は、福島県でのみ放射線量がいくつ・・・と報道されていて、放射線についてよく知っている人なら安全だと分かる値であっても、他県の人には不安をあおるようになっていたと聞き、なんだかばかばかしくなりました。私も昨日までは全く放射線と福島について知らない側の人間だったのですが、授業を受けて考えが変わりました。正しい知識を身に付けることが私は一番福島に対するイメージを変えるため必要なことだと思います。 (2年女子)
・授業を受けるまでは自分はニュースをよく見ているし震災については他の人よりも知っている方だと思っていました。ですがその認識が間違っていることに気が付きました。具体的に言えば非科学的なほど徹底的に行った全袋検査、農家の方々の苦労、それでもやらなければならない理由など、表面的なことだけではない裏にある深刻な問題を知ることができていませんでした。処理水のタンクの話も衝撃的でした。1億円かかるタンクを1000期以上建設し、それを管理していく苦労、作業中の殉職者の方など、ここに書ききれないほどの多くのことを学べました。今後ニュースを見るときには、伝えられていることの裏にあることまで、「なぜ」という視点で見るようにし、鵜呑みにしないようにしたいと思います。水俣市について、水俣病の印象が強すぎましたが、今回の授業を受け、「福島病」と名付けられることが万一あったらとても嫌な感じがすると思いましたし、水俣市の魅力について何も知らないなと思いました。自分が福島の本当のことを知ってほしいと思うなら、まずは自分が同じように苦労した地域(水俣市に限らず)の本当のこと(ポジティブな面でもネガティブな面でも)を知らなければならないと思います。 (1年男子)
【SSH実習】ブタ心臓観察実習
夏季課外中の放課後、3年生の希望者26名がブタ心臓の観察実習に参加しました。ブタの心臓は焼き肉のハツでお馴染みですが、ヒトの心臓に類似しており、ヒトへの移植が検討されるほどです。参加者は、イラストでしか見たことのない心臓について、「本物」はどのようになっているか、名称を確認したり、なぜそのような構造になっているか、考察したりました。腎臓についても観察し、循環器の要である心臓と不要物の濾過装置の腎臓について確認しました。
<生徒感想>
・心臓の構造が何のためか、どの部位なのか話しながら解剖した。今まで学んだ知識をより深められた。
・実際の心臓を見る前は心臓は、右側と左側に真ん中から分かれていると思っていたが、そうではなかった。心臓や動脈、腎臓に実際に触れながら確認できて、絶対忘れないほど深く理解できた。
・座学ではわからないことを体験できて、本当によい刺激になった。
・今回の観察ができたのは1つの命のおかげです。感謝したいと思います。医療への関心がさらに高まりました。
【福島復興WS】地層処分学習会
7月22日(木)の午後、NUMO(原子力発電環境整備機構)広報部の原一郎氏を講師にお迎えし、放射性廃棄物の地層処分についての学習会が開催されました。
日本では1954年に原子力基本法が制定され、1960年代に商業用原子炉が稼働しました。原子力発電所の使用済み燃料のうち、再利用できない廃液は放射能が高く、安全に長期間保存するためにはどのようにすればいいか、研究が進められています。原子力災害がなくてもこの課題は存在していたのです。現在のところ、世界的に地層処分が検討されています。今回はその処理の仕方や安全性、処分場について講義をしていただきました。参加生徒は講義の後も、ディスカッション、質疑応答に熱心に参加していました。予定時間を過ぎても質問は続き、講師の先生は丁寧に対応してくださいました。
8月には7名が六ヶ所村の再処理施設(建設中)や低レベル放射性廃棄物処分場の見学に行きます。講義を踏まえ現場を見ることは、より深い理解に繋がります。
<生徒感想>
・今までワークショップであまり触れてこなかった、取り出した燃料をどう処理するかについて知ることができた。処理にも様々な問題が残っていることが理解できた。
・原発を利用する上で危険だけど必ず発生する物質の存在を初めて知った。その処分について考える事はとても難しく感じた。しかし、エネルギーに関する問題なので、他人事とせず、しっかり考えたい。
・去年も一度、NUMOの方の話を聞いたが、その時よりも深く考えることができた。最終処分場を決めるのが上手く進んでほしいと思います。
【SS探究Ⅱ】2年生 仮説設定発表会
7月10日(水)2年生の探究活動では「仮説設定発表会」が実施されました。3年生まで行う「SS探究Ⅱ」の探究テーマについて、班ごとに設定したテーマと仮説、手法を発表し、テーマと仮説に矛盾はないか、探究の方法に問題はないか、検討されました。発表時にはゼミの仲間やシニアサポーターからの質問があります。自分達で考えると上手く進みそうなテーマも、他者の視点からみると仮説に無理があったり、探究が難しかったりします。生徒はそれらの指摘も考えて夏休み明けにはテーマを決め、探究を進めていくことになります。
昨年度まで普通クラスの「SS探究Ⅱ」のテーマは「グローバル探究」としてSDGsを中心としたテーマでしたが、今年度はSDGsだけではなく、1年次の地域創生をより深めようとする探究テーマや福島復興についてのテーマも設定されています。139期生がどのようなテーマを探究していくか、楽しみです。
【福島復興WS】放射線学習会
7月18日(木)放課後、福島復興ワークショップの一環として「放射線と健康について」「中間貯蔵施設について」の学習会が行われました。
1コマ目は福島県立医科大学 健康リスクコミュニケーション学講座の田巻倫明教授から「放射線の基礎と健康影響-身の回りの放射線と医療で使われる放射線-」というテーマで放射線の基本的な知識(放射線と放射能の違い、ベクレルとシーベルトの違いは?)と、医療でも利用されている放射線について、被ばくの種類と限度について、講義がありました。
2コマ目は 環境省 福島地方環境事務所 中間貯蔵部 中間貯蔵総括課 体外調整係長の髙山直也氏から「原発事故からの復興への取組-中間貯蔵施設の現状について-」というテーマで中間貯蔵施設とは何か、福島の除染と除去土壌の中間貯蔵と利用についての講義がありました。
2時間もの講義とディスカッション、質疑応答でしたが生徒は熱心に取り組んでいました。 生徒の中には、講師の先生方が帰った後も、放射線について、福島復興について自分達が考えることについて、担当教員と話す姿も見られました。今回の学習会は放射線や福島復興の勉強会だけでなく、福島第一原子力発電所見学会や中間貯蔵施設の見学の事前学習も兼ねていました。
講義を聞いて、実際に見て、考えたことは、何かを行う為の確実な礎となります。様々な課題が複雑に絡んだ福島の震災からの復興は終わっていません。これから福島がどうあるべきか、みなさんの考えや取り組みがこれからの福島復興のパワーになります。
<生徒感想>
・放射線のことや中間貯蔵施設について、よく知ることができました。今の福島の現状を知り、他人事では全くないと感じました。今後も勉強を続けたいです。
・自分が思っていた以上に土壌を処理するまでの課題が多かった。これから土壌の再生利用について話し合いが行われるとのことだったので、色々な用途が見つかって欲しい。
・前回の学習会では知ることができなかった情報も知ることができた。見学時も今日の内容を思い出しながら見学したい。
国際英語プレゼンテーション大会(START2024)
7月19日(土)に山形県立東桜学館中学校・高等学校を会場として行われた、国際英語プレゼンテーション大会(START2024)に参加しました。この大会は、学校在学中に行った個人やグループの探究・研究活動の内容を英語で発表及び質疑応答を行い、審査により研究テーマごとに分かれた5つの会場で1位と2位が表彰されます。
本校でからは、科学、人文の両部門に各1チームが参加しました。
第1会場(科学分野)では「Towards Self-Production of Glycyrrhiza uralensis in Japan : Hydoroponic and Soil Cultivation, and Estimation of Natural Grouth Condition」というテーマで薬用植物の甘草(カンゾウ)についての探究で 伊藤・阿部・舟木・藤澤 チームが発表しました。
第4会場 人文部門では「The exchange program in Garmany」というテーマで ドイツへの渡航、現地生徒との交流を通して考えた英語教育について 小島・平山・林 チームがプレゼンしました。
全て英語での発表、質疑応答を生徒達は堂々とやり遂げました。審査の結果、第1会場の伊藤・阿部・舟木・藤澤 チームは2位を受賞しました。
<生徒感想>
・最初はかなり嫌だったが引きづられてでも参加して良かった。次の発表に活かしたい
・自分は他のメンバーより英語力が劣っているから文献調べや資料作りに頑張った。絶対、一人ではできない経験ができた。他のメンバーには感謝しかない。この経験をこれからの英語学習に役立てたい。
・結果としては悔しい結果となりました。しかし、英語の大会に初めて挑戦して大変な場面もありましたが、とても楽しかったです。悔しかった、楽しかったで終わらず、学んだことや反省点を活かして、今後の発表会や探究活動に活かしていきたいと思います。
令和6年度 安積高校「SS探究Ⅱ」探究活動最終発表会
7月9日(火)14:00~16:00 安積高校「SS探究Ⅱ」探究活動最終発表会が実施されました。これは3年生が、2年次から取り組んだ「SS探究Ⅱ」の最終発表の場です。3年生は、同級生や1,2年生、保護者、シニアサポーターの見守る中、2月の中間発表会の反省を生かし、パワーアップさせた発表をしていました。質疑応答では鋭い質問にも負けず。適切に回答していました。
3年生はこの後、探究活動の成果を論文にまとめ、2年間の「SS探究Ⅱ」の終了となります。お疲れ様でした。
1年生は「SS探究Ⅰ」のまとめの活動に取り組みます。2年生はこれから「SS探究Ⅱ」のテーマを決めることになります。
先輩の発表を参考に、充実した探究活動になることを願っています。
<生徒アンケートより>
Q 発表の優れていた点はどんな点ですか?
・全体的に分かりやすかった。
・前回の体育館の発表の時よりも研究が進められていた。
・データをもとに考察し、かつデータにも疑ってかかった姿勢がいいと思った。
・先行研究と自己研究のどちらも取り込まれていたので、自分達の実生活に活かせる内容になっていました。
・実験や式について詳しく書かれていた点。どんなものなのか自分でも調べたくなった。
Q 発表会であなた自身が得たものは何ですか?
自信/プレゼンテーション能力/研究とかは意外と思い通りにならないということ/行動力/様々な考え/テーマを深堀りすることの大切さ/質問される可能性の高い物事を予測してその対抗策を考えるレジリエンスを得た/日本中、世界中に様々な問題が溢れていて、興味深いものがたくさんあった為、もっと向き合うべきだと思った
【SS探究】「朝河桜」酵母で共同研究 安高×岩農=おいしいパン
本校生物部では、敷地内にある朝河貫一博士ゆかりの「朝河桜」から天然酵母を取り出し、その性状について研究してきました。これは生物部の先輩達から、福島県産品の活性化や風評払拭を目指して引き継いできたものです。研究を続けていくうちに、取り出した酵母の中でも、シャーレ番号から「10-β(じゅうのべーた)」と名付けた酵母はパン作りに適していることが分かってきました。しかし、どんなに素晴らしい酵母でも、安積高校では酵母の研究はできますが、食品製造はできません。自分達の研究を社会に還元できないか悩んでいたところ、岩瀬農業高校の食品科学科の生徒さんがこの天然酵母に興味を持ってくださいました。岩瀬農業高校さんであれば、食品製造や管理のノウハウがあります。私たちは岩瀬農業高校さんに10-βを託すことにしました。
7月11日(火)に岩瀬農業高校の生徒さん3名が来校し、生物部の生徒から10-βを培養したシャーレ20枚をお渡ししました。また、本校での培養の仕方や食パンづくりについて、引継ぎがされました。
岩瀬農業高校の生徒さんからは作りたてのマドレーヌをいただきました。こんなに美味しマドレーヌを作れるなら、きっと、10-βからも美味しいパンを作ってくれるに違いない!と確信しました。
高校どうしが連携した食品開発は例が少ないそうです。社会的な関心も高く、地元新聞等からの取材がありました。
安高生が研究した「あんパン」が店頭に並ぶ日が来るかも知れません。
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