SSHブログ

SSH活動日誌

福島県再生可能エネルギー推進ビジョンについて学ぶ

   11月30日(月)放課後には,福島大学共生理工学類長 教授 佐藤理夫先生をお招きし,福島県再生可能エネルギーについて学びました。

   安積高校のSSH活動では,1・2年生全員が課題研究に取り組んでおり,エネルギー関連のテーマを挙げている生徒がいます。また,ドイツやフランスなど海外の高校生との交流も計画されており,福島第一原子力発電所事故や再生可能エネルギーが話題に上がることを想定し,学ぶ機会を設けました。

 

 

    福島県は再生可能エネルギー推進を図るため,「再生可能エネルギー推進ビジョン」を掲げていましたが,原子力発電所事故後内容を見直し,2040年には県内のエネルギー需要を100%再生可能エネルギーで賄う「再生可能エネルギー先駆けの地」の実現を目指しています。

    本校のSSH運営指導員をお願いしている佐藤理夫先生は,福島県新エネルギー詳細ビジョン策定委員の一人であり,震災前からこの事業に関わってこられました。まず初めに,理学と工学の違いから始められ,県内のエネルギー需要を100%再生可能エネルギーで賄う目標について,具体的な数字をあげて十分実現可能であると,お話しされました。その上で今後は風力と太陽光が再生可能エネルギーの主力であること,最後には太陽光発電による電力の買取制度について触れ,その経済性についてもお話になられました。

    学習会には,探究活動で再生可能エネルギーをテーマに掲げている生徒や,物理部で風力発電や太陽光発電の課題研究に取り組む生徒たちなど約20名が参加し,再生可能エネルギーへの関心高さが窺えます。質疑応答では,豊富な温泉地を持つ福島県の特徴を生かして地熱発電開発への期待などについての質問も出されました。

 

    次回は,再生可能エネルギーの課題研究に取り組む生徒の発表を,佐藤先生にお聞きいただく機会を設ける予定です。

来年度のSSクラス希望者と二年生の座談会

12/11にSSクラス所属の2年生13人が、来年度のSSクラス希望の1年生30人と座談会を行いました。

SSクラスの活動内容、各グループの研究内容の紹介のあと、1年生が自由に先輩に質問しました。
気づけば2時間近く相談したり研究について聞いていた人もいたようで、大変盛況でした!!
研究テーマの選び方の注意点なども聞けたので、自分のテーマの選び方の参考にしてください!

飯舘村見学会実施

 安積高校のSSH活動では,海外の高校生との交流活動も計画されており,ドイツやフランスの交流を計画しています。海外との交流では,福島第一原子力発電所事故が話題に上がることを想定し,避難指示区域の復興について,学ぶ機会を設けました。11月28日(土)には飯舘村長泥を訪問し,除染土の再利用や村の復興事業について学んできました。

 まず地区の区長さんから,ご自身の避難や帰還後のようすなどについてお聞きしました。その後は,現在も避難指示区域に指定されている地域に入り,除染土再利用実験事業について環境省の方からご説明をいただきました。長年農業を営んできた方々の帰還を実現するためには,耕作地の回復が大切な視点であり,新たに主農産品として花卉栽培に取り組んでいくという地域の方々の強い熱意を感じました。

 除染土での野菜の栽培試験において,セシウムの移行はほぼ見られないという試験結果もありながら,食用ではない農作物を栽培しなければならない現状には,風評克服の難しさを感じました。

 その後は,前原子力規制庁長官田中俊一先生のご自宅を訪問し,お話をお聞きしました。「原発事故後,メディアも含め放射線を怖がり過ぎてしまい,かえって辛い状況に陥ってしまった」とお話を始められ,事故後定められた食品暫定規制値が海外に比べて厳しすぎることから,再生可能エネルギーの利用,そして若い人々にこの地域の魅力をどう発信し伝えたらよいのかなど,話題は多岐にわたりました。

 今後も海外高校生交流のための学習会では,福島復興や再生可能エネルギーについて,学んでいく予定です。
 以下は生徒の感想です。
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・帰還困難区域でも復興に向けて着々と進んでいるということ。自分たちの知らない所で自分たちの知らない活動をしていることが知れて、自分の視野が広がりました。
・現場の人の声を聞けた。
・田中さんのお話が本当に面白かったです。復興と言うけれど元に戻すことは出来ない、別の何かを生み出す必要があるのだと言うお話に考えさせられました。元区長さんのお話からも、人が少ないからこそ、飯舘村の中の住民同士の繋がりがあるのだと感じました。とても暖かい気持ちになりました!
・炭など飯舘村が主体となり動いている活動などを見て(今まで自治体とは淡々と職務をこなすと言うような勝手な個人のイメージがあったのですが…)とても情熱を感じました!!
・再生土壌で食料作物を作るなど、土壌再利用に向けて前向きな取り組みがなされていた。

SSクラス プログラミングの授業で機械学習について学ぶ

11月19日(木)6・7校時のSSアカデミーⅡ の授業は,Python学習の最終回でした。

SSアカデミーⅡは,2年生SSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。

この授業のうちプログラミングⅡは,4回連続合計8時間での情報分野の学習で,株式会社アクシスウェア(Axisware, Inc)IT事業本部 石川祐也 さんを講師に招き,本格的なプログラミング言語Pythonの学習に挑戦しました。
最終回の19日は,前半は前回の宿題の発表を2人の生徒が行い,後半は機械学習について学習しました。

 


機械学習は,ビッグデータを利用してコンピュータに反復学習を行わせ,なんらかのパターンを探し出させることを言います。一通り基本的な事柄について講義の後,サンプルデータセット「Ilis(あやめ)」を用いて実演。あやめのもつ5つのカラムを数値化してデータベースとし,選んだアルゴリズムを元にモデル学習をさせる様子などについて説明されました。ここでは,先生の講義を通しての学習となりましたが,AI時代を象徴する機械学習とはどのようなものか,およその概念を知ることができました。

プログラミングⅡの授業4回(計8時間)を通じてのPython学習は,ほぼ実習を通して学ぶものでした。あえてやや難しい部分を残して生徒たちの知的好奇心を刺激し,わからない点は自分でネット検索する方法も教えていただきました。生徒たちは,特にデータ解析の方法を具体的に学ぶことができ,高い満足感を得たようです。このような充実した学びを与えていただいた石川祐也さんと派遣下さった株式会社アクシスウェアに改めて感謝申し上げます。

 

以下,4回のプログラミングⅡの授業をまとめての生徒の感想です。
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・プログラミングが初めて楽しいと思えました。将来使うかもしれないことなので、今回経験出来てよかったです。
・ある程度の基礎知識が身についたのと、プログラミングに関するさらなる興味をもてたので、とても有意義な授業だった。
・PCを使った活動はあまり得意ではなかったので、大変なことも多くあったが、プログラマーの仕事や、Pythonとはどんなものかを知ることができました。
・プログラミングをネットで調べながらやって実行できたときは嬉しかった。学んだことを実験のまとめるときなど活用したい。
・プログラミングには興味はあったけどしっかり学習したことはなかったのでとてもおもしろかった。ただ時間があまりなくてプログラムを自分で作ることができなかった。
・今後の時代に必要になるような事を、若い高校生のうちから学べたことが良かったです。
・課題にあまり取り組めなかった。他の人は、自分で検索しながら取り組んでいたので、今後は自発的に取り組みたいと思った。
・僕は今までプログラミングを本格的にやったことは無かったので、今回プログラミングを学ぶことができて良かったです。僕は途中から分からなくなってしまってついていけなくなってきてしまったのでもう少し自分で調べてやれば良かったかと思いますが、この経験を大学で生かせるようにしたいです。
・メジャーなプログラミング言語であるPythonの使い方から、世の中への利用まで、幅広く教えてくださり、ありがとうございました。
・自ら新しいものを作り出し、それが文法というルールを守ってキーボードを用いて文字を打ち込むだけでできるという手軽さがなんとも言えず興味深いなと思いました。
・最後の時間に教えていただいた、世の中での活用例は、あれほどたくさんあるのかとびっくりしました。
・もう少し勉強して、ある程度プログラミング言語を使いこなせるようになって、自分で何かのプログラムを組むことができたらいいなと思いました。

 

1Fの処理水について学ぶ

 11月11日(水)放課後16:00〜17:30に,経済産業省資源エネルギー庁廃炉汚染水対策官の木野正登さんをお招きして,福島第一原子力発電所の処理水についての学習会が行われました。

 安積高校のSSH活動では,海外の高校生との交流活動も計画されており,ドイツやフランスの交流を計画しています。海外との交流では,福島第一原子力発電所事故が話題に上がることを想定し,最もホットな話題である処理水問題について,学ぶ機会を設けました。

 資源エネルギー庁廃炉汚染水対策官の木野正登さんに講演をお願いしたところ,原子力発電所の模型持参でおいでくださいました。

 最初にピンポン球を自分にぶつけて,処理水に含まれるトリチウムの影響を説明されるなど,高校生に分かりやすく伝える工夫が随所に見られるご講義でした。
およそ1時間の講義の後,質疑応答。「中間貯蔵施設に新たにタンクを作れないか」「世界中の原発からは今もトリチウム水が流されていることを広く伝えるべきではないのか」「風評対策としてもっと様々な情報を伝えるべき」などの質問や意見が出されました。

 中には取材に訪れたメディアに「メディアには風評を招かないように伝える責任もある。今回のこの学習会をどう伝えるのか」という質問も飛び出し,30分ほどの質疑時間は瞬く間に過ぎました。

 その後,木野さんの周りに集まる生徒たちの個別の疑問に,「まだ時間があるから」と丁寧にお答えいただき,終了後1時間も質問を受けてくださいました。

 

 海外高校生交流のための学習会では,福島復興や再生可能エネルギーについて,学んでいく予定です。
以下生徒の感想です。
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・1Fの事故には、様々な人の思いが絡み合っており、様々な意見があるということがわかりました。
・処理水学習会ではトリチウムと水が大差ないこととこれからの廃炉に向けての活動を学びました。
・汚染水回収当初は質よりも量を優先し、結果的にストロンチウム処理水などが残っていたと知りました。
・文面で読んだだけでは理解出来なかった内容も知識が深まりました。特にピンポン玉と野球ボールの例は分かりやすかったです。
・個人的な感想として、木野さんが「トリチウム水は無害だ」と断言してくださったことが嬉しかった。誰もが語尾を濁してしまう部分を綺麗に言い切ってくださったので気持ちがだいぶ楽になった。