2019年10月の記事一覧
SDGs講演会を開催しました
9月24日(火)5~7校時に安積歴史博物館にて、一般社団法人SDDソリューションズ理事 小針丈幸様を講師に迎えて「SDGs講演会」開催しました。 前半は、「SDGsとは」「SDGsに関する取組みの現状」などについてご講演をいただきました。後半のワークショップではカードゲーム「2030SDGs」を生徒全員が参加して行いました。このゲームはSDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するものです。ゲームの進め方は、与えられたお金と時間の中で、さまざまプロジェクトを行い、目標の達成を目指します。各グループが行うプロジェクトによって、「経済」「社会」「環境」の世界の状況が変化します。ゲームの開始当初は各グループが思い思いにプロジェクトを行ったために、「バランスの悪い世界」になってしまいました。この状況を改善するために、ゲームの後半では、グループ間で協力や取引を行いつつプロジェクトを行うようにした結果、無事に目標を達成することができました。このゲームを通して、SDGsの目標を達成するためには、「世界全体を考える」「価値観の違いを理解する」「国家や組織間の協力」などが重要であることを、生徒たちが学んだようでした。今回の講演を通して、生徒たちが「SDGs」に対する理解がより深まり、以前よりも「世界」の問題を「自分」の問題としてとらえられるようになってきたのではないかと思います。
<生徒の感想から>
・「世界はつながっている、私たちもその起点」であるので、何か行動を起こすときは、それが世界にそんな影響を及ぼすかを意識していきたい。
・まずは身近な家族などに話をして、より多くの人にSDGsについて知ってもらえるようにしようと思った。
・経済力がなければ、社会や環境の問題に対処していくことは難しい。ただ、どれだけの人がその問題を重視するかによって、価値観は変化していき、対処ができる方向に進んでいくと思った。
・SDGsの17の目標のすべてで、自分にもできることがあることに驚いた。また、目標を定めること、現状を知ることは、自分の普段の学習や部活動に生かせるのではないかと率直に感じた。
一年生が「SS探究Ⅰ 県内研修」を実施しました
10/24に一年生の全クラスが全9コース、バス10台で各研修先に向かい一日学習してきました。
各自治体、企業様のご協力により、充実した一日になったようでした。
「SS探究Ⅰ(地域創生探究)」の各自の研究を進めるにあたり、諸テーマに関連する施設を訪れ、専門の方からのお話を聞くことでそれぞれの考えを深める目的で行いました。
各コースの生徒の感想を載せます。
1 浪江町 飯館村
・浪江町ではとても興味深い話が聞けた。沿岸部での見学は被害の実態をより深く知れるものだった。高台から見ると辺り一帯がまっさらな土地になっていて、元は田んぼや住宅街が広がっているとは思えず、悲しい気持ちになった。
飯館村では、最初に震災から現在までの復興の様子をビデオにまとめてあるものを見た。村民の方へのインタビューの様子も移されていて、実際の気持ちを聞くことができた。しかし何より、副村長の方の話を聞くととても明るい気持ちになった。それは副村長がとても復興に対して前向きだからだ。「なぜ復興に対して怖く感じるのかを考えるべき」という言葉が印象に残った。
全体を通して、壊れたものを直すだけでなく新しいものを創造することも大事だと思った。
2 会津観光ビューロー 福島県立博物館
・会津観光ビューローの方のお話を聞いて、郡山市以外の観光の現状や、観光客数を増やすためにどのような取り組みをしているのかを知ることができた。会津若松市では近辺の都市との連携を大事にしていて、観光PRの動画をYOUTUBEに投稿したり、会津若松市のファンクラブを無料で開設したりして、リピーターを増やす活動をしていた。会津若松市の魅力を発信するときに、不特定多数の人々へ発信するよりも会津若松市に魅力を感じ、気に留めてくれそうな人々へ発信する方がよいと考え、ファンクラブを開設したそうだ。確かにこの方が効率的で、観光客数の増加が見込めそうだと思った。ただ、まだ疑問に思って質問したいことが残った。
3 南相馬ソーラー・アグリパーク
・今日は再生可能エネルギーだけではなく「人づくり」の復興を学んだ。また、高校生が復興のために創刊している雑誌のことを知ることができ、このような企画に参加したいと思った。今回、このように復興の現場に携わっている方々と意見を交換することができ、とてもよい経験になった。
・被災地である南相馬の広大な土地を有効に活用し、再生可能エネルギー事業に取り組んでいることにとても感動した。また、県内の高校生の活動に感動した。
4 東京電力猪苗代第二水力発電所 (株)エフオン大信発電所
・特にバイオマス発電については、どのような方法で発電しているのか分からなかったので、今回発電所を見学できてよかった。水力発電も前から気になっていた疑問を質問することができたため有意義な時間になったと思う。一般的に”発電”はCO2をたくさん排出するので、低炭素社会実現には発電方法を考えるのがとても大切なのだが、今回見学に行った発電所はどちらもCO2を排出させない・増やさない、自然環境を壊さない、とてもクリーンな発電所だった。今回の見学を参考にこれからの探究活動を進めていこうと思った。
・自分の目で現場を見て学べたことはとても良い経験となった。話をしてくださった方は普段からあまり電気を利用していないと聞いた。それは、電気を作ることが苦労することだと理解しているからなのだろうと思った。私も無駄遣いしないようにしたい。
5 五色沼 磐梯山噴火記念館 猪苗代水環境センター
・会津の地形だけでなく、火山の噴火に関することや、猪苗代湖の誕生から安積疎水のことまで学べてよかった。特に、安積疎水の誕生をさかのぼると、5万年前の磐梯山の噴火にあたるという話は驚いた。僕たちの探究班のテーマは「郡山市の流通と交通網の発展」であるので、会津の地形について今回学んだことをいかして、郡山市の標高の面に注目して、前回までの資料や航空写真を見ながら、より良い交通手段がないか再度考えたいと思った。また、災害に強い交通網・流通網も考えていきたい。
6 南相馬市立総合病院 南相馬市役所長寿福祉課介護保険係
・午前中にお話しいただいた上先生には、私たちがこれから社会に出るために必要なことを教えていただきました。それは「いろんな文化を知る」ことです。自分の地域以外のことを知らなければ大学の選択肢は少なくなってしまいますし、何事も自分から首を突っ込んでみることで新たな可能性が広がり、自分の夢に近づけるかも知れません。私もいろんな地域について学んでいけたらと思います。
介護保険係の方には南相馬市の介護の現状について教えていただきました。やはり人手不足が一番の課題ですが、南相馬市では震災の影響がまだ続いています。経済的負担も考慮しながら地域全体で介護サービスに取り組んでらっしゃることを知れました。
私は今日の講話を通して、自分で知らずに偏見によって物事を考えていたことに気づくことができました。これからはもっと自分のことや地域のこと、他の地域のことまで自ら調べて学んでいきたいです。また、その知識を生かして活動していきたいと思います。
7 福島県介護実習・普及センター 福島県立医科大学
・午前の講話では、今まで持っていた介護に対する考え方が変わりました。「人生の大先輩と話すことができる」といういい点を見つけたり、沢山の介護用品を体験させていただき道具を使うことで楽に介護できるということを知ったりすることができました。午後は大学の1年生向けの授業に参加させていただき、大変興味深かったです。印象に残ったのは、医師数は西高東低、福島の医療と震災は深くかかわっているということです。福島県は全国的に見て医療の充実度が低く、それゆえに助からない命もあると思います。私たち若い世代がこれから直面していく問題を解決していかなくてはならない、と強く思いました。
・県立医大では、本当に知らないことばかりの授業であったので、訳が分からなくなるのではないかと思ったのですが、とても分かりやすく、高校生でも入り込みやすいように授業をしてくださったので、楽しい時間でした。
8 アクアマリンふくしま 小名浜魚市場 JA福島さくら
・アクアマリンふくしまの震災当時の状況は壊滅的で、お話を聞く限りだと閉館してもおかしくないほどであった。それが今では問題なく運営できている裏では、現地の人々の努力や他の県・施設からの協力があったことが分かった。この出来事から、僕は震災の復興には地域の人々の努力に加えて他の地域の理解や協力が必要だと思った。
・JAさくらでは研修前に考えていたよりだいぶ多くのことを学べました。夏のフィールドワークで聞いたことと今回のことを考えると、福島県は海産物・農産物を厳しく検査して、安全が十分に確認されてから消費者の手に渡るようにしているのだな、と思いました。また、いわきではトマトやキノコ類などとてもおいしい農産物を生産しているため、他県の人々にも一度食べてもらって、その良さを知ってもらいたいと思いました。
9 日本貿易振興機構福島貿易情報センター(JETRO福島) JICA(二本松青年海外協力隊訓練所)
・両方の場所に行って、日本と世界のつながりをより深く知ることができました。JETROの方のお話では、海外進出の大変さやそこでどのようにやっていけばよいのかなど今まで考えようともしなかったことを考えさせられました。簡単に「海外進出だ!」と言っても、どの国に進出するのか、利益はちゃんと出るのかなどの多くの問題をクリアしたうえで進出するので、そこまでの費用などもたくさんかかるのではないかなあと思いました。
JICAでのお話は主に青年海外協力隊についてでした。私は青年海外協力隊という言葉を聞いたことはあったものの、主な活動はあまり知りませんでした。しかし今日お話を聞いて、発展(開発)途上国の支援をし、現地の人とともに国の発達を促す大切な仕事であることが分かりました。
今日一日を通して、私は「もっと世界について知りたい」と思いました。また、青年海外協力隊で活動をしてみたいなと思いました。
HIGH SCHOOL ACADEMY2019 報告会に参加しました
10/14にJヴィレッジにて行われた、NPO法人ハッピーロードネット様主催の「HIGH SCHOOL ACADEMY2019報告会」に19名の生徒が参加しました。安積高校の1名の生徒は発表者として、残りの18名の生徒は当日バスで向かって発表を聞きました。
生徒たちのアンケートをまとめたものはこちら(201910Jビレッジツアー アンケートまとめ_HPアップ版.pdf)になります。
発表者は幅広い視点を大切にしつつ自分の意見を堂々と述べました。当日向かった生徒は浜通りの高校生たちのこれからの福島を深く考えた発表におおいに刺激を受け、視野を広げることができたようでした。
報告会の終了後には、スタッフの方からJヴィレッジの復興についての話を伺いました。
○生徒感想の例
・学べたこと:
リーダーには先を見通す力が必要で、例えば、パンクしないタイヤを作ろうとするのではなく、タイヤがパンクしてもすぐに直せる力があるということが重要だということ。教えてもらうことがすべてではなく、学んだことから新しい視点が生まれることが大切。原子力教育を小さい頃から行うという考えイギリスでの廃炉のイメージはクリーンなもの
・原発事故被災地域の方々の生の現状、原発事故や廃炉に対しての思考の違い、自ら考え、意見を持ち、伝え行動することの大切さ、原発に対する国外の考え方などを学べた。
・廃炉作業はどうしても専門の技術者の方たちが取り組む課題というイメージを持っていましたが、実は原発周辺の地域全体で関わることが大事だということを学びました。セラフィールド社では9000人もの作業員がその地域に住み、同僚を家族のように大事に思っているし、自分たちの仕事をとても誇りに思っているというお話がありました。原発周辺に住む方々が原発の現状や廃炉の進め方などを正しく理解することは、その後の廃炉作業をスムーズに繋げることに大きく貢献できると思いました。
・私は今回の報告会では、他の高校生の発表を聞くだけで、とても受動的になってしまい、自分の意見をしっかり持つことは難しかったです。学ぶことばかりで、自分から疑問が出るまでに至りませんでした。
しかし、発表をしていた人たちは、基盤こそ同じだけれどそれぞれが独自の考えで意見を交わしていて、とてもかっこよかったです。
大学と企業との連携を増やしたほうがいいという意見は、まさにその通りだと思いました。
私自身、将来の夢が決まっていなくて、その原因のひとつに大学に入ったからといって職業がきっかり決まるわけでもなく、最終的に決まるのは自分の就職活動次第なのではないかと思ってしまうというのがあります。大学と企業が密接に連携して、大学の在学中から職業訓練ができる体制があれば、私たち高校生が進路を決める助けにもなると思います。そのひとつに原子力関係の企業と大学が提携を結べば、より良い人材育成が早い段階で可能になるのではと思いました。
私は探究のテーマに、復興とは何かというのを設定しています。被災した状態からゼロに戻すのではなく、被災当時よりも発展した状態にするのが復興なのではと班で話していたのですが、そのために必要な地域の教育、環境整備、経済、雇用にはどんな目標があればいいのか、今回の報告会で少し見えた気がします。今日は本当に来てよかったと思いました。
・今まで、原発事故や復興に関しては、〇〇省とか〇〇庁のような行政機関や、発言力があったり、グローバルにつながっていたりしている人しか力になることはできないと思っていました。しかし、今回の報告会を聴いて、高校生の自分たちでもできることはいくらでもあることがわかりました。
何より、「気持ち」の面では簡単に高校生でも関わることができるのではないかと感じました。地元のつながりを作るのも、原発や震災に対してネガティブに考えてしまうのも、逆にポジティブに捉えることができるのも、全ては一人ひとりの心の問題であり、それによって風評被害が起こってしまうのも、仕事に誇りが持てるのも変わってきてしまうのだなと、改めて複雑さは感じたものの、自分たちが周囲の人に、今回得た知識、考え方を少しでもいいから伝えることで、良い同調の輪・理解の輪を広げていけると感じました。
微力かもしれませんが、自分にできることに少しずつ取り組んで、復興に貢献できるような人になりたいです。
・イギリスの高校生たちの発表を聞けたのはとても有意義だったと感じた。
パネルディスカッションで、何人かの意見を聞くことの重要さを感じた。
ハッピーロードネットの西本さんはすごい方だなと感じました。
・8月の研修で自分がぶつかった壁と同じ、情報発信の壁に、今日の発表者もぶつかっていた。しかし、まだ決定的な解決策は見つかっていないように感じる。情報社会の今だからこそ、情報発信の問題は、これからの福島の鍵になると思うし、まだまだ話し合っていく必要があると思う。
最も印象に残っているのは、廃炉をもっとポジティブに考えることが必要だと言う意見だった。福島で原発事故が起こったからこそ、原子力専門の大学の建設や、こうした会を通して新たに学べることがあるし、実際に最新技術も開発されている。
福島の財産は、福島のために力を貸してくださる方々、高校生、こうした福島についての学び話深められる機会、そして、それを作ってくれる方々だと思う。今日初めて西本さんにお会いした。これからもついていきたい、関わっていきたいそう思った。何故か。本気でいらっしゃるからだと思う。福島のために。子供たちのために。本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。私は、震災前まで大人になったら、なんとなく福島を出たいと思っていた。しかし、震災後、こうした福島で頑張っている大人を見ると特に、自分も、福島で働こう、関わっていこうと強く思う。
福島の力に、また西本さんに恩返しができる大人に、成長したい。ありがとうございました。
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10/14(月)7:20~15:50 (HIGH SCHOOL ACADEMY2019報告会は10:00~13:30)
主催:特定非営利法人ハッピーロードネット
場所:Jヴィレッジ
本報告会は浜通りの高校2年生20名がイギリス研修会(今年8月6日~16日)にて原子力関連施設セラフィールドの視察をしてきた他、帰国後も東京電力第2原発の視察や地域の課題と向き合い、イギリス研修の成果と合わせて「廃炉」「産業」「地域」をキーワードに学んできた結果の報告会。
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