2024年9月の記事一覧
【福島復興ワークショップ】福島第一原子力発電所見学
8月2日(金)に福島第一原子力発電所(イチエフ)見学会があり、19名の希望者が参加しました。これまで放射線や処理水に関する学習会を行いましたが、実際に水素爆発を起こした原子力建屋や5号機内の使用済み燃料プールを見学しました。
見学台から道路1本隔てた先には、鉄骨が見える建屋やカバーが掛けられた建屋がそびえていました。しかし、見学者やスタッフの方々は放射線モニターが装着されたベストは着用しましたが、防護服の必要はなかったです。事故当初は爆発で破片が散乱していたであろう道路も除染、舗装され、普通のバスで移動できました。
昨年度よりさらに見学できる場所が多くなったと思いました。燃料デブリの回収など、問題はまだありますが、少しずつですが、廃炉への道は進んでいます。
<生徒感想>
・今まで、テレビや本を通しての情報しかなかったので、実際に足を運ぶことで、よりイチエフの現状、これまでの努力が見えました。課題もとても多いと思います。そんな中で自分ができることは何か、考えました。
・今回の貴重な体験を身近な人に伝えたいと思った。
・質疑応答の中で、科学的な安全性より社会の人の理解の方が問題になることが多いと思いました。改めて教育が重要だと思いました。
・実際に見て想像以上にスケールの大きさを感じた。1号機のガレキを見て、作業の難しさを感じた。
・13年経った今でも事故の跡は残っており、復興に関わる企業が非常に多いことを知った。そのようなの仕事を知ると、まだまだ解決すべき問題があると感じられた。
※この活動は サントリー東北サンさんプロジェクト「シン・みらいチャレンジプログラム」の支援を受けています。
実験観察特別授業(2年SSアカデミーⅡ 物理)を行いました
9月5日の2年生のSSアカデミーⅡの授業で,実験観察特別授業が行われました。
SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。
実験観察授業は,4校時連続で実施される授業で,じっくりと時間かけて実験観察をするというもので,1コマではできない内容の実験や観察を行うものです。
このうち物理選択者は,スマートカートを用いた力学実験に取り組みました。
スマートカートは,力・位置・速度・加速度センサーを内蔵した力学台車です。センサーで取得したデータはリアルタイムでタブレットに送信され,タブレットのアプリ上で直ちにグラフ化して表示できるというものです。
今回の授業では,班ごとに自由に実験内容を決めることとし,4校時(装置の説明・実験準備),5校時(実験の検討と決定),6校時(データ取得と発表準備),7校時(発表),というタイムテーブルで実施しました。
各班のテーマは次のとおりです。
①傾斜とばね定数
②動摩擦係数の測定
③単振り子の張力の測定
④鉛直ばね振り子の周期の測定
⑤スマートカートとレールの間の動摩擦係数の測定
⑥反発係数の測定
⑦円運動の間の張力の測定
⑧衝突実験
⑨単振り子の軌道上での張力の変化
⑩円錐振り子の加速度の測定
⑪運動量と力積の関係
⑫動摩擦係数の測定
⑬スマートカートによる斜面角度の測定
⑭単振り子の加速度の測定
各班でテーマを決め、力学スタンドやレール、ばね、糸などを組み合わせて自分で実験方法を考え、スマートカートで必要なデータを取得しました。そして「実験方法」、「グラフ概形」、「関連する物理の式やモデル」、「グラフから分かること・考察」、「グラフの形状の予想との差異」、「誤差やずれの発生理由の考察」などをパワーポイントにまとめ、他の班の前で堂々と発表しました。
どうしてそういうグラフが得られるかをちゃんと物理の式とモデルを用いて表現すること、センサーで得たグラフがどうしてそういう形になるかを説明すること、分かりやすくプレゼンすること・・・
どれもとても難しかったようで、苦労している生徒は多かったです。しかし、勉強になった、という感想も多かったです。
他の生徒から一番評価されて反響があったのが、8班の衝突の実験でした。動いているカートが静止しているカートにぶつかる場合、質量が同じで弾性衝突ならぶつかった側は静止するはずです。しかし、ゴムダンパーで衝突させる場合はぶつかった側のカートが少し動き続け、一方で磁石ダンパーの場合は完全に静止しました。
運動量の合計を見てみると、磁石の場合は磁力の位置エネルギーの変化が原因なのか運動量の減少がゴムダンパーの場合よりも大きく測定されました。興味深い現象です。
4班の実験では、弾性力の変化をもとに周期を測定しました。分かりやすく結果をまとめることができ、誤差も少なく測定できました。
9班の実験では、単振り子の運動中の張力Sと接線方向の加速度a変化を式としてもとめ、S-aグラフがどのようになるかを測定し概形が理論式と合っていることを示しました。なかなか見ないグラフなので興味深いですね。
<生徒感想>
・今回初めて自分で実験から発表まで行った。まず実験方法が正しいか、考え方の前提が正しいか、正しく測定できたか、正しく計算できたか、確認することがたくさんあって、「研究」というものの奥深さを感じた。
・実験は少し時間がかかってしまったが、理論値との誤差は2%程だったのでうまく実験を行うことができたと思う。誤差の原因はスマートカートの傾きが鉛直方向からずれてしまったことが原因だと考えた。
・単振動の復元力と円運動の向心力を混同してしまって発表したので、間違った結論を導いてしまった。実験原理をしっかり考えることが大切だと思った。
・自分たちは測定を一度しか行えなかったため、信頼しにくい結果となってしまった。たくさん学ぶことがあった実験だったので、今後の研究に活かしたい。
・8班の衝突の実験について
(生徒A)磁石とゴムでは磁石の方が弾性衝突に近くなったという結果に興味を持った。
(生徒B)磁石を使ったときに初速度を与えた方が完全に静止するのが予想に反していて驚きであった。
(生徒C)考察までしっかり行っていてすごいと思った。
<各生徒が他の班の発表をまとめたプリント>
【福島復興ワークショップ】六ヶ所村原子燃料サイクル施設見学
8月19日(月)に青森県六ヶ所村にある「原子燃料サイクル施設」を見学しました。こちらでは日本の原子力発電所で使用するウランの濃縮工場や、発電所から出た低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設、使用済み燃料再処理工場(建設中)などがあります。まさに日本の原子力エネルギー「サイクル」の中心施設です。
六ヶ所村は「エネルギーの村」として再生可能エネルギーにも取り組んでいて、私たちは広がる太陽光パネルや風車を眺めながら施設に入りました。
まずはセンターで施設の概要の講義を受け、使用済燃料の再処理の仕方や安全管理について学びました。その後、実際の低レベル放射性廃棄物埋設センターや高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設を見学しました。青森への日帰り弾丸見学会でしたが、生徒は日本唯一の原子燃料サイクル施設を直接見て、知識が深まったようでした。
<生徒感想>
・日本に一つしかない原子燃料サイクル施設を見学し、日本各地の原子力発電所からこ
こに集まってくる様々な、大量の廃棄物や使用済みの燃料を管理・処理する大変さを知り
ました。
・今回の見学で再処理の規模の大きさに驚いた。多くの会社が関わっていることもわか
った。建設済みの施設も新たに竜巻に対する防御施設をつくるなど、安全管理が徹底され
ていると思った。
・県外の見学会にはあまり参加する機会がなく、特に高レベル、低レベル放射線廃棄物
について学ぶ機会はあまりなかったので参考になりました。
・実際に見ることでガラス固化体のサイズ感や安全のための設備など、知識だけでは分
からなかったことが理解できた。
・1月にイチエフ(福島第一原子力発電所)を見学した際、これまでにはない衝撃を受けた。
座学では感じることができなかった事故の規模感を感じることができた。今回もメディア
で目にする六ヶ所村の一連の施設を自分の目で見てこれまで得た知識と現状を結びつける
ことができた。
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