SSHブログ

SSH活動日誌

3年生サイエンスダイアログ(SSアカデミーⅡ)

 12月1日の3年生SSアカデミーⅡの授業では、今年もサイエンスダイアログを行いました。
 
 サイエンスダイアログは日本学術振興会が行う事業で,日本の研究機関で研究している海外出身の若手研修者を高校などに派遣し、最先端の科学研究の紹介を英語で行うものです。英語でのコミュニケーションになるため、科学の学びだけでなく、ナマの英語にも触れる貴重な機会です。
https://www.jsps.go.jp/j-sdialogue/
 
今回の講師は、自治医科大学で研究を進めるモハメッド・シブール・ラハマン(Dr. Md. Shiblur Rahaman)博士。バングラディシュ出身の若手研究者の方でした。

 ラハマン先生は,ヒ素の毒について研究されています。

 バングラディシュの地下水は,地質的にヒ素を多く含むため,生活用水として地下水を使用する人々に,ヒ素による毒害が多く見られるとのことです。上水道の整備が求められるところですが,現時点ではヒ素の毒害について多くの人々に知らせ,地下水の使用をやめさせたいとのことでした。

 

 一方で,バングラディシュでは農工業など幅広伊生産活動で地下水を使用しているので,ヒ素が体に及ぼす影響を科学的に解明し,解毒の方法なども研究して行きたいとのことでした。

  美しいバングラディシュの写真で始まり,とてもわかりやすく作り込まれたスライドや,先生の優しい語り口が,ラハマン先生のお人柄を思わせ,バングラディシュの人々の健康を守りたいという強い決意を感じさせるご講義でした。
 

 写真では質疑応答の様子が写っておりませんが,先生とのやりとりが盛り上がる様子に,思わず写真撮影を忘れてしまいました。右は,先生からいただいた資料を事前に読み込み,予習の形跡を示す黒板状の書き込みです。クルクミンの化学式を書き込みその構造から性質を考えた様子がうかがえます。さすが,3年生!

 

(以下は生徒の感想です)
 「良かった点」
・英語のリスニング力を鍛えられました
・英語を聞く力が高まりました。また、大学での研究がより楽しみなものになりました。
・ヒ素に毒性があるのをはじめて知りました。毒性のあるものはまだたくさんあると思うので、もっと知りたいと感じれた。
・思っていたよりもずっと本格的な研究を聞けた。
・英語で分かりにくいところがあったら、日本語で補足してくれる人がいたこと。
・前回よりも学習していた内容に近い内容を話していただけたので、難しいながらも理解できた部分が多かったです。
・外国での毒による災害について、日本でも実際起こった事例と関連させて頂いたので、分かりやすかったです。また、身近な話題を例にしていたことで、サイエンス的な考えも深まったし、グローバルへの興味も深まりました。
・外国の文化を生できけたところ、あまり縁のなかった生物系の研究を少ししれたところ
・研究の概要が理解できた。 英語を学ぶモチベーションに繋がった。
・日本では馴染みの無いヒ素の被害について知ることができた。科学的な事柄について、英語で学ぶ練習になった。
・研究についてのお話は大変面白かった。加えて、バングラデシュの風土や科学研究の原点についてのお話も面白かった。
・面白い化学の話を聞けた
・毒物に興味があることがわかった
・英語のリスニング力を鍛えられました
・事前に予習をしていたため、内容が入りやすかった点。
・海外で働く現役研究者の現状について知ることができた。
・英語の用語が分からなくてもある程度理解出来るほど分かりやすかったので良かったです。
・生物系の講義を聞いて広くいろいろな分野に関心をもつことを意識できた点
・言語のフィルターを通さず直接研究についての意見を伺うことができたので、より深く考えさせられた。
・現役の研究者の話を聞くことができた点
・なんのために研究をするのかということを考える良い機会になった
・ヒ素が原因となる害について英語で学ぶことができたので、新たなことを学べただけでなく英語の自信もついた点。
・ヒ素による問題があることを知ることができた。


「ラハマン先生へ」
・バングラデッシュや研究内容について丁寧に説明してくださり、ありがとうございました。
・質問に答えていただきありがとうございました。内容は難しくて、完全に理解したとは言えませんが、聞いててとても興味がそそられる内容で楽しかったです。また、化学が何かの役に立っているという実例を聞くことが出来て、僕も大学で人の役に立つ研究をしたいとより強く思うようになりました。本日はありがとうございました。
・ヒ素のことだけでなく、バングラデシュの事についてもしれて、興味を持てました。
・科学に対する考え方がより深まりました。もっと英語理解できるようになりたいと思いました。THANK YOU.
・英語をゆっくり話して、私達に分かりやすいように説明してくれてありがとうございます。
・素敵なご講演ありがとうございました。私自身、以前はヒ素はとにかく毒だから体に悪いのだろうというくらいしか考えておらず、ヒ素が体内に入ることによりどのような現象が起き、どのような害が及ぼされるのかまで深く考えたことはお恥ずかしながらありませんでした。しかし、先生のご講演を聞き、ヒ素がどのような理由で私たちの体に害を及ぼすのか、ヒ素が入ってきた体内ではどのような反応が起こっていると考えられるのか、少し難しいところもありましたが知ることができました。ありがとうございました。
・日本に住んでいると、外国がどのような状況なのか、どんな災害があるのかなど知らないことが多いです。しかし毒という共通の観点から問題点や解決策を見いだしていたことで、自分にとっても凄く身近なことに感じ、とてと考えが深まりました。機会があれば、世界の状況についても調べてみたいと思います。とてもわかりやすい講演をありがとうございました。
・本日は遠路はるばるおいでいただきありがとうございます。自分は航空宇宙系志望で、あまり生物系の研究を触れずにきていましたが今回はそのような話を噛み砕いて説明してくれたことで僅かながら理解もできました。また、講義の後半で科学が人を救うことの意義についてお話をいただき、自分がなんとなく抱いていた「科学者は社会情勢には関心が薄く、興味のみを原動力として研究をしている」という浅薄なイメージが打ち破られました。大学をでて職業人になっても、周りの人が少しでも笑顔になるような仕事をすることを胸に刻みたいと思います。改めて、本当にありがとうございました。
・なぜ科学を学ぶのかについて深く考えるきっかけになりました。また、バングラデシュに行きたくなりました。素晴らしいお話をありがとうございました。
・Thank you for your great lecture. We could know about the arsenic problem which is not so familiar in Japan. At first, I felt that the process of decomposition of angiotensin is very complicated, however, thanks to your polite explanation, I could finally understand it. Also, I was very impressed with your idea that science enables us to save all over the world by discovering new things. Your study probably save many people who are suffering from arsenic damage in the future. I want to become a scientist like you, who study for people in need. Thank you very much!
・興味深いお話をありがとうございました。研究もさることながら、そもそもの科学探求の部分のお話も聞けて嬉しかったです。追加質問なのですが、水俣病やイタイイタイ病などはバングラデシュでも公害による健康被害の例として学習するのですか?また、学習する場合、どのような形で教わるのでしょうか?よろしくお願いします。
・とても面白かったのでまた聞きたいです
・自分の英語力が及ばず英語が聞き取れなくて残念だった
・砒素について丁寧に説明してくださりありがとうございました。
・ありがとうございました。
・おぼつかない英語に丁寧な回答や説明をしていただきありがとうございました。この経験は将来研究を行う際に非常に価値あるものになると感じます。心から感謝いたします。
・最初は講演会の途中で英語がよく分からなくなると思っていましたが、図が分かりやすかったり、ゆっくりめに話してくださったのである程度理解出来ました。科学の面白さも再確認できたので良かったです。今日はありがとうございました。
・英語での講義ということもあり少し心配な点はあったが講師の方が丁寧に教えてくれたので少しずつ理解することができたし、他の国の文化などを知ることができて良かったです。
・ご自身の研究に留まらず、科学の営み全般への熱意がよく伝わる素晴らしい講演でした。ありがとうございました。
・自身の英語力を高めようと思うきっかけになりました。ありがとうございした。
・バングラデシュの人々のために問題意識をもって研究をなさっていることがすごいなと思いました。将来の人々のより良い生活の手助けができるように学んでいきたいと思います。
・Thank you for your presentation. I learned how harmful arsenic is for human and the fact that meny people in Bangladesh are suffering from it for the first time.I'l keep thinking about what I can do. Also, you told us many important things to be a scientist and to be good at using English.I'll keep them in my mind and realise my deams.Thank you!
 
(以上)

前飯舘村長さん宅訪問

 11月25日,中間試験の最終日でしたが,午後から,前飯館村村長菅野典雄さんのご自宅を訪問し,飯館村の復興についてお話を伺いました。
 
 この取り組みは,福島県教育庁高校教育課「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」によるものです。

 本校がこの事業の実施校に指定されことにより,国際高校生放射線防護ワークショップに参加する生徒が,訪問を行いました。


 

 

 震災後の飯舘村の取り組みは他の町村とは少し異なり,避難や放射線防護に対して村独自の考え方が窺えます。元村長さんは事故後,何冊も本を書いておられ,生徒たちも1冊を読み,飯舘村の考え方を学んできました。

 そんな飯舘村の取り組み方を,震災後の福島復興の姿の一つとして,発信できたらと考え,今回の訪問に取り組みました。

 

 突然の高校生の訪問にもかかわらず,菅野さんは資料など準備してお話しくださいました。
 

「被害者として一方的に国や東電を責めるのではなく,先方の言葉にも耳を傾け歩み寄れるところは歩み寄って,少しでも地域の復興が進むようにしたい」と繰り返しお話いただいた点が,生徒たちの心に強く刻み込まれたようです。

 
 また,奥様には生徒たちにお菓子やら飲み物,さらに帰宅時には珍しいホッキ飯のおにぎりまでいただきました。帰りのバスの中で美味しくいただきました。ありがとうございました。

 

 

SS探究Ⅰ「SDGs講演会」

 11月4日(木)6~7校時に、一般社団法人SDDソリューションズ理事 小針丈幸様を講師に迎え、一年生を対象に「SDGs講演会」開催しました。SDGsについての学習を通じて、現在の「地域創生探究」を、二年次の「グローバル探究」に継続発展させていきます。

 この『講演会』は座って講義を聴講する一般的な形式ではなく、講義とカードゲームを組み合わせたワークショップです。カードゲーム「2030SDGs」は、与えられたお金と時間の中で、各グループが目標に向かって様々なプロジェクトを行うものです。プロジェクトの進行によって、経済、環境、社会の3観点からの「世界の状況メーター」が刻々と変化します。今回は、前半に経済に偏った世界が出現し、後半でバランスを取り戻すという展開になりました。280名で偏った方向へ進み、またそれを持ち直すゲーム展開にはスリルと迫力がありました。

 小針氏の巧みなファシリテーションによってゲームが盛り上がり、また、振り返りを通じて、SDGsについての理解を深めることができました。

    

SSアカデミーⅡ 2年生 Python 第3・4回

 11月11・18日の2年生のSSアカデミーⅡの授業は,プログラミング言語Python(パイソン)学習の第3回,第4回が行われました。SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。

 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さん。昨春東北大学を卒業されたばかりの若手ですが,大学ではPythonを用いて原子物理学のデータ解析を研究された新進気鋭のプログラマーです。

各回の授業内容は,
第3回「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
第4回「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」,でした。

 

 第3回では,まず前回の復習としてcsvファイルの読み込みと基本的な統計量の算出法を行い,その後Matplotlibを用いてのグラフ作成について学びました。折れ線グラフ,正弦曲線,散布図,ヒストグラムなどの作成方法について学び,実習も行われました。

 

 第4回では,前回のグラフ作成について復習が行われ,その上でsckit-learnを用いた機械学習を例に,機械学習とはどのようなものなのか簡単にご講義いただきました。
 一つの例として,「Iris(あやめ)」の写真から3種類のあやめのうちどれに該当するかカテゴライズする仕組みが紹介されました。あらかじめ,あやめの「がく片(sepal)」・「花弁(petal)」の長さと幅のデータリストを作成してグラフ化しておくことで,3種類のあやめがカテゴライズされます。新たなあやめの写真から,「がく片(sepal)」・「花弁(petal)」のデータをもとめ,先のグラフ内に位置付けることで,3種のどのあやめに該当するかその確率が求められる,というものでした。もちろん手順を紹介されてもまだ実際に自分で行うことはできませんが,簡単な例で「機械学習の仕組み」を知ることができました。

 

 全4回の内容は,概ね昨年のものと同じでしたが,少しずつボリュームを下げてその分生徒の実習の時間が増え,特にグラフ作りの部分では実践的になりました。ぜひこの学びを自分たちのデータ解析に活かして欲しいものです。

 

 あらためて各回の授業内容は,
第1回「データ分析とは何か? ~Pythonの基礎文法を学ぼう~」
第2回「単振り子データの統計解析 ~Numpy,Pandasによるデータ加工~」
第3回「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
第4回「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」
でした。

 終了後,講師の先生からは「実際に生徒が自らのデータを分析するところまで講座をひろげることはできないか」との提案をいただきました。次年度以降のSSアカデミーⅡの授業がさらに充実できるよう,カリキュラムの見直しを検討していく予定です。

 

(以下生徒の感想です)

・楽しかったです!一番前で聞けて良かったです
・とても分かりやすかったです。
・わざわざお越し下さりありがとうございました!
・わかりやすく教えていただきありがとうございました。今後も探究でよろしくお願いします。
・プログラミングの授業で、プログラミングの大切さや便利さ、楽しさを深く知ることができ、とても興味が出ました。大学でも使える大事なことなので自分でスムーズに使えるように勉強していきたいと思いました。ありがとうございました。
・お忙しい中、有難う御座いました。
・研究に活かせるプログラミングを教えていただきありがとうございました。
・ありがとうございました。なかなか自分でプログラミングを学ぶ時間や環境がなかった為とても有意義な時間になりました。
・実際にどのような所でプログラミングが使えるか、自分でプログラムを組むことで便利さを実感することができました。
・探究活動でも早速Pythonなどいろいろ使ってみています。ありがとうございました。
・ありがとうございました。とても分かりやすく、自分たちの研究にとても役に立つものだったのでためになりました。
・プログラミングについて今まで興味が少ししかなかったのですが講義を聞いて興味を持つことができたのでよかったです。ありがとうございました
・内容は結構難しく、ついていくのが大変だった。ただ、今回学んだ知識をしっかり生かしたい。
・よかったです
・わかりやすくてとても楽しかったです!
・全て理解することはできませんでしたが、興味が湧きました。ありがとうございました。
・わかりやすくてとても良かったです。課題研究で、ImageJなどをPythonで使いたい機会があるので、さらに勉強して、実用できるようになりたい。
・将来役に立つ講義をありがとうございました。
・ウェブスクレイピングについてもっと詳しく知りたいです!
・ちょっと自分にはレベルが高かったですがいい経験になりました、ありがとうございました
・pythonについて気になっていたので、学ぶいい機会になりました。研究にも役立っているのでとても良かったです。
・とても丁寧にプログラミングを教えていただきありがとうございました。
・分かりやすい講義をありがとうございました。探求活動に活かせそうなこともたくさんあったので、探求活動を頑張っていきたいです
・かなり沢山のpythonについてのことを教えていただきましたが、自分でpythonを勉強していたのでわかることが多かったので、そういう人向けの課題を増やして欲しかったです。
・先生のせいでは無いのですが進みが速くて大変でした
・後から振り返ることができるようにあのような形で残していただきありがとうございます。たくさんの時間を割いて教えていただきありがとうございます。まだまだ理解が追いついていないので、これから振り返って自分のものにできるようにしたいです。
・置いてかれてしまうことが多々あった 僕個人としてはもう少し分かりやすいと良かったと思いました
・一つひとつ丁寧に教えて下さったのでとても助かりました。勉強になりました。ありがとうございました。
・プログラミングは初心者で、最初は本当によくわからなかったのですが、講義を受けて、仕組みを理解することができました。まだまだ使いこなせないですが、これからも練習していきたいです。
・とても分かりやすく、プログラミングをほとんどした事の無い自分でも理解出来ました。
・プログラミングは自分の苦手な分野ではあるけれど、少し楽しく感じることができました。ありがとうございました。
・難しい内容なのに高校生にも分かるように説明してくれていてとても馴染みやすかった
・プログラミングの知識が身についたのでよかったです。これからの探究活動に役立てていきたいです。
・講義ありがとうございました。

 (以上)

SSアカデミーⅡ 3年生 アントレプレナーシップ(起業家精神)について学ぶ

 11月10日の3年生のSSアカデミーⅡの授業は,アントレプレナーシップ講演が行われました。SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修する学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。

 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さん。昨年プログラミング言語Python学習でお世話になった先生ですが,大学4年生の在学中にIT教育に関わる事業を立ち上げています。今回は,起業に至るきっかけは何か,どんなことを目指してのIT起業なのかなどについてのお話をお聞きしました。

 

 石川さんは,二本松市の生まれで福島県立福島高等学校の卒業。在学中はSSHクラスに所属されていたそうです。ご両親が小学校の先生をされる家庭に育ち,大学入学までは自分も福島県の高校の先生になろうと考えていたそうです。
 東北大学理学部物理学科に入学後,大学の実験でのデータ解析を通してプログラミング言語Pythonに出会い,プログラミングの魅力に興味をもち,さらに学びを深められたそうです。

 

 一方で,物理チャレンジのチューターとして福島高校に来た東大生との出会いから学びにおける人の出会いの重要性を感じるとともに,自分も高校生の学びの経験に役立つことができればと,大学在学中はインターネットを利用した通信教育の学校でチューターも務めてきたそうです。そんな経験から教育とITが結びつきIT教育の重要性を強く意識された,とのことです。

 卒業後の選択を考えるとき,教師として学校の中で生徒を教えるより,ITエンジニアとして働きつつ,高校生のIT学習を支える教育者としても活動したいとの夢を描き,IT教育に関わる起業を考えるに至ったとのことです。同級生の95%が大学院に進学する東北大学の友人たちは口々に「起業して大丈夫?」と問いかけ,将来福島県の教員になるものと信じてくれていた両親の期待も裏切ることになり,決断の時にはご自分でも相当悩まれたそうです。

 

 しかし,今後ますますIT技術者が必要とされることが明らかであるのに,それに向けての社会や学校の取り組みは遅れていること,ITの学習は初期投資がほとんど必要なく誰でも学ぶ意思があれば習得可能であること,福島県からそのようなIT技術者をたくさん輩出できれば,福島県全体が豊かになるとともに福島からの人材流失を防ぐことができ,さらに魅力的な県に生まれ変わるのではないかとのお考えから,怯まず起業の道を進むことができたとのことです。

 

 生徒たちからは,「直接ITに関わろうとは考えていないが,IT社会の到来を考える時,プログラミング言語の取得が大切なことは理解できる」「プログラマーになるのではなくても,自分でプログラミング言語を習得することは可能か」「本や大学の授業で学んだのではないとのことだが,インターネットを利用してどのように学ぶのか」などの質問や意見がたくさん寄せられ,改めてSSクラス生徒の起業やITへの関心の高さを示すものとなりました。

 

(以下は生徒の感想です)
・ITの知識がまだ足りないと思ったので大学生のうちに身につけたいです。
・将来像を考えるきっかけになりました。
・とても興味深い話を聞けたので良い経験となりました
・とても面白い内容でした。
・こういう話をもっと聞きたい。その場限りになるような知識より社会で通じるようなこういう講義をもっと受けたい。
・新たな考え方を自分に取り入れられたので良かったです
・自分に自信を持てるほど経験を積みたいな~と思いました。
・大学生で起業することに縁はないと思っていましたが、意外と身近なものだということが分かりました。
・多くのことを学ぶことが出来た。キャリア形成にぜひ活かしたい。
・受験が近く、進路や将来について何度も考えるこの時期に、今回の講演を聞くことが出来て良かったです。
・起業する人の考え方を知れた。
・自分の将来についてよく考えることができたので良かったと思います
・起業についてスキル、人、お金などのことを知ることができた。ネット上でやりとりができる現代でどのような地域貢献の形があるのか考え、ロードマップを考えようと思った。
・僕ははじめ、「起業」ということについて、「どうせ一部のお金持ちとか野心のある人がやることだろう」とタカを括っていました。しかし、講演を聞いて、一学生でも一社会人でも、理念があって課題を解決したいという思いがあれば起業するという選択肢もあるのだなということがわかりました。石川先生もおっしゃっていましたが、今回の講演によって自分の頭の中にある選択肢が1つ増えたように思います。
・将来のイメージがより分からなくなりました。日々の勉強すら満足に出来ない自分にとって、キャリアプランを立てる事は少し苦しいです。でも、人生において重要な機会だと思うので、頑張ってみます。
・起業する・しないに関わらず、夢や目標を諦めないことが大切だと改めて感じました。
・進学後、したいことと稼ぐことを同時にできる起業という選択を真剣に考えたいです。
(以上)

 

 

 

 

ドイツ・エッセン市ウルフスクーレ学校とのオンライン研修

 本校SSHでは郡山市と連携しながら、ドイツ連邦共和国エッセン市ウルフスクーレ学校のグリーンクラブの生徒の皆さんとオンラインでの交流を進めています。新型コロナウィルスの影響もあり渡航をしての交流が難しい状況ではありますが、これまでに3回オンラインで交流をしていて、本校の参加生徒10名も積極的に取り組んでいます。

 11月8日(月)には、郡山、エッセン、イギリスのグラスゴーの3か所を結んでのミィーティングが開催されましたが、COP26の会場から本校のOBでもあるUNDESA (国連経済社会局)チームリーダー(エネルギー)の高田実氏に参加いただき、両校で取り組んでいるSDGsプロジェクトに対する講評やメッセージをいただきました。

 英語だけで行う交流活動は簡単なものではありませんが、一歩踏み出して挑戦してみることで新たな世界が見えてきます。特に今回は気候変動に関わる国際的な会議の場とつながったこともあり、参加した生徒にとっては大きな刺激になったようです。

伝承館研修 - 震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業(高校教育課主催)

 10月31日(日)「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」による伝承館研修がおこなわれました。
 安積高校が,福島県教育庁高校教育課の主催する上記事業の実施校に指定され,国際高校生放射線防護ワークショップ参加者をはじめとする9名の生徒が,双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館での研修会を行いました。

 伝承館研修は,本校SSH活動でも1年生の県内研修で取り組んでいます。しかし今回は「語り部事業」の実施校としての研修であり,週末の1日をかけての研修となるので,「フルコース」の研修をお願いし,実施しました。

 

 伝承館に到着してまずフィールドワーク。双葉町,浪江町の現状を見学しました。案内は富岡町出身で語り部活動に取り組む山口祐次さん。大平山霊園ではバスを降り,請戸小学校を遠くに見つつ,当日地震直後に小学校の生徒たちが農道を通ってここまで避難しここまで登り切った直後に津波が達したことなどをお聞きしました。

 伝承館にもどり,原発事故後の双葉町の人々のようすを,語り部の青木淑子さんからお聞きしました。渋滞のために動かない車列の写真を示しながら,政府の避難指示を受けた人々の避難がどれほど困難であったか,しかしこれは避難者がその後に経験する困難のほんの一部に過ぎなかったことなどをお話になりました。青木さんは元教師で富岡高校の校長を最後に退職された方です。バドミントンの桃田賢斗選手などが猪苗代に避難した後のようすなど当時の富岡高校の生徒たちの頑張りを紹介してくださいました。

 

 昼食後は館内見学。展示物がそれぞれに興味深く,じっくりと見学しているうち見学時間の1時間はあっという間に過ぎました。

 

 最後は,伝承館上級研究員の福井大学安田仲宏教授による講義「原子力防災と放射線-行動を起こすために最低限知っておくべきこと」。

 

 日本では,学校における防災教育によって「地震が起きたら…机の下に隠れる」は身についている。しかし,原子力災害が起きたらどうしたらいいのか親世代は教えられてこなかった。地震のように一言で対応を伝えられるのが大切。三原則は「距離をとる」「時間を短くする」「遮蔽する」,というお話から講義が始まり,放射線の性質などのほか,原子力災害への対応にも話が及びました。

 

 原子力災害への備えとして ①放射線を正しく理解,避け方を学ぶ ②もし原子力災害が起こったら,避難の流れを学ぶ ③原子力防災の状況を知る,準備を学ぶ,の3つの柱からなるお話は大変参考になりました。そして,このようなご講義は原発立地県ではもちろんのこと,日本中どこでも学ぶ必要があるのではないか,と感じました。

 

 今回「フルコース」の研修を全て体験することがでました。展示物の見学にもう少し時間を割きたかったこと,見学の始まった請戸小学校の見学はできなかったことが残念ではありましたが,どの部分もとても中身の充実した研修になりました。伝承館の方々,フィールドワークを案内してくださった山口さん,語り部の青木先生,講義をしてくださった安田先生に改めて感謝申し上げます。

 
(以下は生徒の感想です)
○2年女子
 青木さん 本日はお話いただきありがとうございました。一番印象に残っているのは人の心にもバリケードがあるというお話です。町民だけれど他の地域にいたり、町には地元の方が住民の半分しかいなかったりして町が一つになれないという状況を知りました。また、家が残っているのに住めず、家を壊す決断をしなければならなかったというのはすごく悔しいだろうと思います。聞いたことはありましたが、実際に見た町をさまよう牛たちの写真も衝撃的でした。つらい思いをしているのに避難所で被災した方々が立ち上がってお互いに支え合っていたことには驚きました。避難所については様々な課題が当時あったと思うし、今もあると思うので、震災当時の避難所の運営についてもっと知りたいと思いました。
 安田さん 本日はお話いただきありがとうございました。現在の原子力発電所の状況が よくわかりました。報道されていないだけで多くの事故が世界各国で起こっていることには驚きました。よけいな被ばくをしないためには遮蔽する、距離をとる、時間を短くするの3つをうまく組み合わせることが大切だとわかりました。屋内待避が思っていたよりも効果があることを知りました。正確な情報がなくて困ったというお話はたくさん聞いてきたのでスマホだけではなく、ラジオも用意したいと思いました。地震が起きたら机の下に隠れるのと同じように原子力災害の時は屋内待避と避難をすることが必要だとわかりました。
 
○1年女子
 伝承館のフィールドワークの内容に街の現実を知る時間が組み込まれているのがありがたかったです。私が震災を経験したのはまだ幼稚園の頃で、当時の私は何が起こっているのかわかりませんでした。それでもあの地震を経験した身として地震の影響について知らなければいけないし、知りたいと思って過ごしてきました。10年経っても、まだ住むことの許されない双葉町にはバリケードで立ち入ることを禁じた道や、長年放置されてしまった家が多くありました。須賀川や郡山では震災の影響が感じられなくなる一方で、いまだ地震の被害と戦っている地域があることを改めて実感しました。
 今回の研修で、沢山の展示物や体験を交えたお話を見聞きしたこと、そして実際に津波に遭い今なお復興に向けて動いている街を知ったことは私が今後、震災をより実情に沿って考えるのに役立つと思います。
個人でできることは少ないかもしれませんが、今ある問題のためにできることを精一杯やっていくことが大切なんだと思います。まずは自分が正しい知識を持つこと。そして今ある課題について自分の考えを持つこと。そんな小さなことからでもできることをやっていこうと思います。
 
○1年男子
 感想 非常に良い研修でした。今回、研修に参加したのは、自分の放射線に対する知識を蓄えることはもちろんですが、かなり個人的な理由もあります。10月14日、17日前に僕は伝承館に県内研修で行ったのですが、その時は展示見学だけでした。そこで感じたのは伝承館でもっとやりたかったという感情でした。なので行くことにしました。
 今日は一日中本当に充実していて自分が本当にやりたかったことを全てやり尽くすことができたので良かったです。請戸小学校も見学したかったですが。もう1度行ったことで新たな発見もたくさんあり本当に良かったです。
 今回の研修でもっと放射線について勉強したいと思いました。少し早い話ですが、来年都合が合えば国際高校生放射線保護ワークショップに是非参加したいです!よろしくお願いします。
語り部の青木さんへ 素晴らしいお話、本当にありがとうございました!富岡の震災時を知る青木さんの話は新たな発見を得ることができると思います。僕は震災の教訓をより都心部の方々に知ってもらうべく動いていきたいと思います!本当にありがとうございました。
 専門講座の安田先生へ 素晴らしいお話、本当にありがとうございました!僕も今までほとんど知らなかった原子力防災を詳しく説明してくださり、知識がまた加わりました。ニュースの見方を変えてみたいと思いました。本当にありがとうございました!
 
○3年女子
 本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。人がいない町の独特な雰囲気や、そうなるまでの複雑な経緯、その中での人々の心の動きは、今回のフィールドワークと語り部講演を通してしか知り得なかったと思います。また、質問にも丁寧にお答えいただき、より考えを深めることができました。専門講義では、今まで気になっていた原子力災害時の行動を学べて、やっと自分も被災から学べた、一歩進んだという実感を得られました。私は高校卒業後、県外に出ようと思っていますが、経験を語るにも当時小学一年生の頃のおぼろげでただ怖かったという記憶しかない自分がそのまま外に出ることに不安もありました。今回のことで、福島県民として現状を語れる自分に近づけたと思います。ありがとうございました。
 
○2年女子
 青木さん 今回はお忙しい中ご講演いただき、ありがとうございました。今まで私は震災に関して放射線量などのデータを重視しすぎてしまい、数字でしか学んでいなくて震災の恐ろしさを見失っていたことを痛感しました。「自分がもしこの震災の場にいたらどうしただろう」ということを深く考えず、あくまで他人事としてしか捉えられていなかったので今回のご講演はとても考えさせられるものとなりました。震災から多くの課題も見えてきたので、勿論災害が無いことが一番ですが万が一に備えて自分は何をすべきなのか、ということを震災を自分事として考えることが出来るようになりました。今回お話を聞くことができて本当に良かったです。ありがとうございました。
 安田さん 今回はお忙しい中ご講演いただき、ありがとうございました。小学生のころから地震が来たら机の下に隠れる、ということは皆常識であるのに原子力災害が起こったら何をすべきかをよく考えていなかったので、今回のご講演でしっかり自治体の避難方法について調べて、もし災害があれば自分で正しい情報をもとに判断して行動しなければならないことの大切さを深く実感しました。放射線に関しての知識も家で見返したり親等に伝えていったりしてしっかり深めていきたいと思いました。今回お話を聞くことができて本当に良かったです。ありがとうございました。
 
○1年男子
 まず、3.11の事故がとても恐ろしいモノであることを再確認しました。ただただ、恐怖を感じた展示でした。長崎の原爆資料館にも行ったことがありますが、同じような雰囲気を感じます。同じ大惨事を2度と繰り返さないようにしたい、という思いがより強くなった研修でした。
 その一方で、原子力防災について学べたことも、心に残っています。今までに講演を受けたことのない分野だったので、新鮮でした。講義をしていただいた安田さんは、当時、政府の近くで物事を決めていた方ということもあって、言葉に重みがあったと思います。その中で、最も衝撃的だったのが、年間20mSvを基準として提案したときに「泣いちゃった」人がいたことです。その人が誰なのか知りたい一方で、基準を決める人たちに対する心配が積もりました。『泣くほどの話か?!』そう思います。
フランスへの発表に対するヒントを、得ることができた研修であったと思います。
 
○1年女子
 青木さん 素晴らしいお話、ありがとうございました。家は残っているが、その家を諦めなければいけない、とおっしゃっていたことが特に印象に残っています。残された家が住めない状況になっていることを初めて意識しました。今回の講話から学ばせていただくことが多くありました。本当に、ありがとうございました。
 安田さん 素晴らしいお話、ありがとうございました。特に、原子力災害の際の避難時の行動などあまり考えることはなかったので、スクリーン場所へ行って検査しなければいけないなど、初めて知ることもありました。今回の講話から、様々なことを学びました。本当にありがとうございました。
 
○1年男子
 フィールドワークの山口さん 今回、バスで巡った場所の説明を聞いて、この地域での震災の影響について理解を深めることができました。それは、ただ現地に行っただけでは得られなかった理解だと思います。このフィールドワークで印象的だったのが、請戸小学校のお話です。震災で、そこの先生が避難ルートや、生徒の引き渡しについてそれぞれ、適当な判断をしたことで犠牲者を出さずに済んだことを知りました。そこで、災害では、いかに的確な判断をするかが重要だということが分かりました。貴重なお話をしてくださって、ありがとうございました。
 語り部の青木さん 今回お話を聞いて、震災前の町の様子や、原子力災害が町民に与えた影響、今でも残っている課題などが分かりました。その中で、心に残ったのは、「その場コミュニティ」という言葉です。自分は、人と繋がることへの難しさを感じることがあり、万が一の時、その場で人と協力し合うことができるか少し心配になりました。少なくとも、今より人に話しかけるようにしなければならないと感じました。そのほか印象的なお話があり、これらの教訓を他の人にも伝えていきたいと思います。機会があったらまたお話を聞きたいです。ありがとうございました。
 安田仲宏先生 今回、お話を聞いて、原子力災害が起きた時にすべきことは、屋内に退避する、または、離れた所へ避難するという行動であることが分かりました。その避難での自治体の対応や準備する物についても知ることができました。自分もいざとなった時、これらの行動が取れるようにしていきたいと思います。わざわざ、福井からリモートでお話をしてくださって、ありがとうございました。
 
○1年男子
 安田先生 先日は、非常に分かりやすく、興味深い講話をありがとうございました。放射線の解説から、原子力災害時の対応に至るまで、私たちの身近にありながら深く認知されていない「原子力」について事細かに解説して頂いたことは、とても良い経験となりました。中でも、当校の生徒の質問への回答にあった、「原発事故時に、根拠の曖昧な基準が行政で用いられ、その後の対応が過剰になってしまった経緯についての情報公開要請が、伝承館の開設によって可能となった」ということについては、同様のテーマを調べているという境遇だけでなく、福島県にいて、被害は少なかったものの震災を経験した身としても非常に喜ばしいことだと思い、抱かずにはいられません。「原子力」という、大きな危険と常に隣り合わせた現場の最前線に立つ先先が、今後とも素晴らしい活躍をして頂けることを、一生徒ながら応援しています。本当に、ありがとうございました。
(以上)

SSアカデミーⅡ 2年 プログラミング授業実施

 10月8日からのSSアカデミーⅡの授業では,新しいプログラミング言語として最近注目されているPython(パイソン)の学習が始まりました。
 SSアカデミーⅡは,2年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。
 
 この授業では,すでに6・7月にプログラミングⅠとして,初心者向けの内容を学んでいますが,今回のプログラミングⅡでは,本格的なプログラミング言語の学習に挑戦します。


 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さんです。昨春東北大学を卒業されたばかりの若手ですが,大学ではPythonを用いて原子物理学のデータ解析を研究された新進気鋭のプログラマーです。
 
 去る10月7日および28日(木)6•7校時に,第1回,第2回の授業が行われました。

 



第1回,第2回の授業は,それぞれ,

講義1「データ分析とは何か? ~Pythonの基礎文法を学ぼう~」
講義2「単振り子データの統計解析 ~Numpy,Pandasによるデータ加工~」
という内容でした。

 

第1回では,簡単なPythonの紹介の後,基礎文法としてIF文,FOR文などを学び,関数の定義,基礎的統計関数について学び,FizzBuzzプログラムなどの実習を行いました。

第2回では,Numpy,Pandasの導入を行い,統計関数についての実習を行いました。

 

以後,講義3「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
講義4「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」

の内容が続き,11月半ばまでプログラミング学習が予定されています。

サイエンスのちからを活用できる人になるために-SSアカデミー3年授業

 10月20日(水)の3年生のSSアカデミーⅡの授業は,研究と研究倫理についての講義でした。


 SSアカデミーⅡは,2年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。
 
  タイトルは「サイエンスのちからを活用できる人になるために」。講師は,株式会社リバネス 教育総合研究センター長 前田里実さん,人材開発部 伊達山泉さんのお二人にお願いしました。

 

 3年生はすでに課題研究を終えているので,まず研究を振り返り,面白いと感じた瞬間の共有から授業が始まりました。ポスター発表でうまくテーマに関心を持ってもらえたときや,大量のデータを取り終えたとき,実験装置の組み立てがうまく行ったときなどというそれぞれの答えを聴いて,思わず頬の緩む場面もありました。

 

 講師の先生は,研究は1人でも楽しいけれど他の人と共有し互いに情報を得ながら進められる醍醐味があること,研究の成果は時空を超えて影響する力,極端に言えば世界を変える可能性を持つことを説明され,研究を進め発表する上での作法として,研究倫理についてお話になりました。


 そしてケーススタディのワーク。予想と異なるデータを得たとき,他校のわかりやすい説明を自分の発表に利用したいときなどの例に対し,友達と話し合いながら,ワークシート上にまとめました。最後の発表では,出されたケースに対して,友人からさまざまな意見が出され,頷いたり感心したりして,楽しく充実したまとめになりました。

 

 

 今回リバネスさんには,研究倫理についての講義を行いたいとの担当者の要望にお答えいただき,様々なご準備をいただきました。あらためて感謝申し上げます。

 

(以下生徒の感想です)
・ワークでいろんな状況について考えて勉強になったと思います。
・研究職は大変そうだと思っていたけど、今やっていることがつながると実感できた。
・学ぶことが多い授業だった。大学以降の学びに繋がるような話は面白いので、Sアカの授業で沢山そのような話が聞けることは嬉しい。
・グループワークで自分と全く違う考え方の人がいて、色々な考え方があって判断がそれぞれに委ねられているのがはっきりと分かって面白かったです。
・とても楽しかったです
・自分の研究を振り返ることが出来ました。
・将来研究する時に気をつけるポイントがわかり大変有意義な時間だった。
・部活の研究で起こりそうなシチュエーションについて話し合ったので、簡単に状況が理解出来た。
・研究倫理とはなにかをよく理解することができた。
・論文の書き方の指導をSアカでやると良いと思います。
・楽しく学べたので良かったと思います。
・研究は自分も誠実でなければいけないし他の人の論文も疑いなが進めなければいけないことを学んだので基本的なマナーを身につけたいと思いました。
・楽しかったです
・もう少し踏みいった話も聴きたかったですが。十分楽しめました。
・もっと早い段階(研究を始める前)に聞きたかった内容でもある。非常に参考になった講演であった。
・議論がためになりました。
・興味を持って講義を聞くことができました。研究に向き合う姿勢など、疑問に思っていたことを少し解決できたように思います。学んだことをぜひ自分に生かしていきたいと思います。
・研究倫理について、改めて考えることができた。
・クラス内でも様々な意見があって面白かった
・上に書いた通りでございます。
・日常ではなかなか聞けない話を聞けたと思う。Sアカの授業は全体的に時間がもっとあれば良いと感じます。
・人によって全く異なる考え方があったのが面白かったです。

モノづくりにおける機械設計・製図の講義 ~設計・製図の大切さを学ぼう~ を実施しました

10月15日(金)に、東京理科大学理工学部機械工学科野口昭治教授をお招きして講義を行っていただきました。
物理部15名が参加しました。

機械設計において以下に製図が重要であるか、よい設計、よい装置とはどのようなものであるかについて、ご講演いただきました。
最先端で研究してらっしゃる野口先生から、分かりやすくかつ内容の濃いお話をいただきました。
また、講義後に物理部の垂直軸型マグナス風力発電班が直接ご指導をいただきました。設計の相談をさせていただいており、熱意ある声かけとアドバイスをいただきました。
大変ありがとうございました。

科学者とTalkSession 東京大学名誉教授 早野龍五先生をお招きして

 10月14日(木)の2年生のSSアカデミーⅡの授業は,「科学者とTalkSession」。今回は東京大学名誉教授 早野龍五先生をお招きして講義を行いました。

 SSアカデミーⅡは、安積高校独自の学校設定科目で、2、3年生SSHクラス向けの授業です。夏休み休み明けに早野先生をお招きして講義いただく計画を立てましたが,コロナ感染症予防対策による東京都の緊急事態宣言のため,1ヶ月ほど遅くなりましたがこの日実現できました。

 

 

 早野先生は,実験物理学者。長らくスイスのジュネーブにある加速器施設CERNで反物質を合成する研究チームのリーダーとして活躍されてきました。その一方で,原発事故後の福島の放射線の状況を,様々なデータに基づいて分析し,発信されてきました。その活動は,コピーライターの糸井重里さんと行った対談「知ろうとすること。」にまとめられています。

 今春著書「科学的は武器になる」を出版され,2年生SSクラスではこれを夏休み中に読み,9月初めに皆でまとめた質問事項を早野先生にお送りしています。

 

 

    はじめに東大生への講義の一部をお話になりました。内容は,原発事故と福島の事柄です。
 国連科学委員会の2020年報告では,委員会の科学的分析に基づいて,福島での健康影響は見られないとされていること,広島長崎の被爆者の長年の協力によって,被爆による遺伝的影響は起こっていないことなど,生徒たちへも問いかけながら,お話になりました。一方福島県立医科大学や,三菱総研が行ったアンケート結果をみると,将来福島の子ども達に健康影響が現れると考える大人が3割〜4割存在することを示し,若い人たちが科学的に学び大人に伝えることが大切とまとめられました。


 研究や学習についてのお話では,これからの社会は学生時代に学んだ知識で生き抜くことのできない社会であることを踏まえ,高校時代の学びで勉強の仕方を身につけることの大切さをお話になりました。また,Goal OrientedとCuriosity Drivenの2つ研究者のタイプを表した図を示し,一見すると目的を定めていないように見えるCuriosity Drivenの姿勢が,Goal Orientedよりも研究上の壁を突破する可能性があるとお話になり,これには多くの生徒たちが頷いていました。

 

 早野先生は,講義後の質疑応答に残り半分の時間を当ててくださったのですが,1人で複数の質問をする生徒が続出し,4〜5人の質問で時間が終わりました。中にはTシャツの図柄(金粒子の衝突実験について描かれていた)への質問や,コロナのデータに関したグラフを示して質問して「その理由は説明が難しい」と早野先生を唸らせたものもありました。

 

 

 SSアカデミーⅡの授業では,今後も毎年科学者とTalkSessionを実施していきます。

(以下参加生徒の感想)
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・原発関係の話がとてもわかりやすかった。是非もう一回やりたい。
・ありがとうございました✨
・福島に住んでいるのに知らないことが多かったので自分から進んで知ろうと思いました。
ありがとうございました。
・福島の放射線に関することや私達の質問について丁寧に分かりやすく教えていただいたこと。
・科学者というものがわかったような気がしました。
・知らないことと出会った時知らないままでいるのではなく、それについてより知ろうとする意思を持ってこれから生きていきたいです。
・講義が驚くほど聴きやすかった。内容だけ聞いたら確実に寝るだろう内容だったのに、自然と興味を傾けられる講義で、かっこいいと思った。
・様々なことに興味を持ち、挑戦していくことが大切であり、たとえ困難に陥ったとしても、常にアマチュア(初心)を大切にしていきたいと思いました。本日はお忙しい中ありがとうございました。
・一つの問題をいろんな視点から見ることの重要性などを知れてよかった。
・僕の興味関心のある話をしていただけて、終始集中して講義を聞くことができました。僕の3つの質問全てに、丁寧に納得できる回答をしていただくことができ、とても参考になりました。お忙しい中、素晴らしい講義をしていただき本当にありがとうございました。
・先生の研究者としての考え方にとても刺激を受けました。好奇心が旺盛で幼い頃から様々な経験をしていた先生だからこその考え方で、自分の考えと似ている部分もあれば、全く違う部分もあって良い経験をさせていただきました。自分は好奇心が強い方だと勝手に思っているので、先生のようになるためにより一層、新しいことに挑戦していきたいと思います。(例えば、英語や美術、読書、音楽などです。)本日はありがとうございました。
・今回は、お忙しい中ご講演くださり、ありがとうございました。もう一度本も読み直してみたいと思います。
・ ご講義ありがとうございました。とてもためになる言葉をたくさんいただきました。ぼくも色々な方面のことをやって、先生がおっしゃっていたように、「目的」を自分で探し出すところから始めたいと思います。あとから自分たちで調べる機会をくれていることがいいなと思いました。(例 FACT FULNESS, グラフのことなど)
・自分が今まで考えたことも無かったような質問をされて、新しく震災のことについて知ることができました。なぜ原発を冷やし続けないといけないのか、私達は理解しておくべきものでしたが、まず疑問に思ったこともなかったので、このようなことを知れた良い機会になりました。今回は私達のためにわざわざ東京から来てくださり、本当にありがとうございました。放射能などについてもまだまだ知らないことが多いと感じたので、自分から色々調べたいと思います。
・実際に東大でやった講義の縮小版を聞くことが出来て、勉強になりました。放射線については、福島県民であっても知らないことが多いと感じました。また、たくさんの質問についても、一つ一つ丁寧に答えて下さってありがとうございました。
・私たちの知識の不足に気づかされました。質問にも丁寧に答えていただけて嬉しかったです。ありがとうございました。
・多くの質問ひとつひとつに丁寧に答えてくださったので、見聞が広めることができました。本日は本当にありがとうございました。
・わかりやすかったです。ありがとうございました
・まだまだ自分が知ってる知識では使い物にならないと痛感しました。ありがとうございました。
・講義(短縮版)が面白くて気づいたら一時間経ってました。楽しかったです。時々先生のすごさに圧倒されながら聞いていました。福島県の高校生としてやはりもっと原発について知ろうと思いました。ありがとうございました。
・日本一の大学の講義に少しでも触れることが出来て素晴らしい経験になった。
・受け手に対して問いを投げかけて答えさせることで授業の内容にはいっていけたり、積極的に参加できた点。今回の講義を聞けてまだ自分達が知るべきことなどが明確にわかりました。ありがとうございました。
・ありがとうございました。先生の講義から好奇心とはどういうものか少しわかった気がします。私もアマチュアの心というものを忘れずに物事に取り組みたいです。
・東大の授業はこんな感じなのかなと少しわかりました。コロナで大変な中東京から来てくださってありがとうございました。
・今回のお話を聞いて、放射能の基礎知識についてまだまだ知らないことが多いと感じました。原発の被害を受けた福島県民として日本、世界に放射能のことを広く知らせていける人になっていきたいと強く思いました。真実でない情報が多くの人に知れ渡っている世の中ですが、少しずつ努力していきたいです。今回は貴重なお話、ありがとうございました。
・今回は本当にありがとうございました。私は、大学の教授とトークセッションをするという機会を1度も持ったことがなかったので、とても良い経験になりました。とくに福島県に住んでいて浴びる放射線による発がん率の上昇よりも地域差の方が発がん率の上昇幅が大きいことや、原子炉に未だに冷却水を流し込んでいる理由など本質的なことを学ぶきっかけになりました。
・福島県に生まれた自分は、もっと福島について知らなければならないと気づかされた。
・福島原発について無知であったことを自覚し、もっと知りたいと思うようになりました。
・ この講義を受けるまで、自分が原発に関してここまで無知だとはあまり自覚していませんでした。他のことに関してもそうだと思います。特定のゴールに向かって闇雲に努力するのではなく、行き詰まったときだけでも一見関係のないように思えることに目を向けたいと思いました。また、コロナに関するグラフについてお答え頂き、ありがとうございました。参考になりました。

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(以上)

SSアカデミーⅡ 3年特別授業「行列と線形代数の入口」

SSアカデミーは、安積高校独自の学校設定科目で、SSHクラス向けの授業です。理科、情報、数学、英語の発展的な内容や、課題研究の進め方などの内容について学んでいます。

8月25日、9月8日は3年生向けの数学の発展的な内容で、現行のカリキュラムにはない行列について学びました。講師は現在グラスゴー大学で研究助手を務める原和平先生。福島高校のご卒業で、代数学の若手研究者です。

かつては高校生の教科書に記載があった行列について学びたい、できれば若い研究者のお話をお聞きしたいという3年生からの要望を受けて、イギリスのグラスゴー大学と教室を結んだ遠隔授業の形で、実現しました。

 

 

初回は、行列とはどのようなものか、ベクトルとの関係、演算の仕方を習い、連立方程式の解法に利用できることなどを学びました。

2回目は、ケーリーハミルトンの定理と、固有値、固有ベクトルについて習い、連立漸化式の解法に利用できること、2次形式の最大値最小値の計算に利用できることなどを学び、講義が終わりました。

 

 

お話の中では、整数係数の2次方程式の解が複素数になることを例に、関心の対象が整数であっても複素数の領域で捉える必要があること、さらに、整数に虚数や無理数などの非整数を加えた場合の数の性質の変化の問題が、現代整数論の究極的な目標の一つであることなど、高度な話題もお話になりました。

難しい内容の一方で1つ1つのお話がとても明快でわかりやすく、終了直後、生徒は「それぞれ数学的に明らかな事柄を1つ1つきちんと積み上げていて、数学らしい論理の美しさを感じました」との感想を述べていました。

2回の授業、合計4時間ではありますが、行列とは何か、既習事項にどう応用可能なのかなど知ることができました。

特に写真の三角関数の最大値・最小値を簡単に求められる点には、生徒からも驚きの声。数学の奥深さを面白さを伝えていただきました。

 

遠隔授業とは言え、イギリスとは時差8時間。毎回朝6時の早朝から講義していただいた先生に、心より感謝申し上げます。

 

(以下生徒の感想です)


・大学の勉強では、どのような分野で行列が利用されているのか知りたいです。
・とても面白かったです
・とても楽しかったです。
・自然科学分野の行列利用を聞きたい. 大学数学の導入段階としてとても分かりやすい講義でした
・いつもは数学の新しい分野に入るときは疑問が多く大変な印象がありましたが、今回は全く初めての行列という分野でしたがスムーズに入る事ができとても面白かったです。
・沢山の資料、用意するだけでも大変だったと思います。ありがとうございました。
・もう少しゆっくりめのペースが良かったです
・貴重な講演ありがとうございました
・とても分かりやすく面白い授業で、行列により興味がわきました。
・大学での講義が楽しみにはなりました。
・いずれ大学で必ずやる内容なので今ある程度触れて良かったです。大学で勉強するのが楽しみです。
・なぜ数学の道に進んだのか質問したい。
・ご講義ありがとうございました。「行列」という内容についてはどのようなものなのか以前から気になっており、今回その概要を知ることができ、有意義に感じました。ただ、それぞれの理論が難しく、本質まで理解しようとするとかなり困難に感じてしまいました。とはいえ、もともと気になっていた内容ということもあるので、活用できるところには積極的に活用していきたいと思いました。ありがとうございました。
・わかりやすかったです。特に整数論の話が面白かったです。
・四則演算などを抽象化してから話を初めていくのは、自分にとって大変新しいことだったのでとても刺激になりました。ありがとうございます。
・行列はむずかしかったですが、整数の研究をするために複素数を扱わなければいけないという話が興味深かったです。特定の分野について知るためには、さらに広い分野から多角的に攻めなければいけない事は、様々な事柄に通じると思いました。
・正確な定義や論理を大切にしつつも分かりやすい講義だったので、楽しんで行列を学ぶことが出来ました。連立漸化式や関数の最大最小問題を行列を用いた解法で瞬殺できると知った時はとてもワクワクしました。(自分が数学を勉強するモチベーションは半分ぐらいこのようなところにある気がします笑) 第1回の講義の最後でお話頂いた、数学科に入ってから修士・博士そして仕事を始めるまでの一連の流れについての話もなかなか聞く機会のない貴重なお話でした。
・大学の授業が楽しみになりました。ありがとうございました。
・ 分かりやすい解説で飽きずに楽しんで聞くことが出来ました。ありがとうございました。
・大学で習う内容に触れ、先取り出来て良かったです。ありがとうございました。
・とても分かりやすい資料を用意していただいたりして僕にとって未知の分野であったがかなりスムーズに導入できたり楽しく学ぶことができたと思います。大学でもっと学びを深めたいと思いました。

アカデミックインターンシップ(ZENOAQ 日本全薬工業株式会社)

SSクラスのアカデミックインターンシップについて続報です。

8月19日(木)、ZENOAQ 日本全薬工業株式会社におけるインターンシップに、4名の生徒が参加してきました。生物化学研究チームに参加させていただき、チームのご指導のもと検査業務を体験し、実験結果の確認と考察を行いました。その後、ラットの模型を用いた採血実習を行いました ↓

 

 

  

 

 

 

 

   

 

「RT-PCRのmelt解析は今日初めて触れて感動した。ゼノアックの方々も、私たちの疑問や質問に真摯に答えてくださり、本当にありがたかった。」

「私の志望している獣医の方もたくさんいらっしゃったので、話を聞いて、研究という新しい進路を考えるきっかけにもなりました。」

お昼の時間にも研究者との懇談の機会を作っていただき、参加した生徒にとっては貴重な経験になりました。

アカデミックインターンシップ(福島情報処理センター)

本校SSクラスでは夏季休暇中に、企業で行われている研究・開発を体験するアカデミックインターンシップを行っております。

 

8月11日(水)に福島情報処理センターにおいて、2名の生徒が参加してきました。

生徒は情報機器についてとても興味を持っていますが、IT企業のことはよく知らないことが多くあります。インターンシップではIT企業ではどのようなことをしているのか、IT業界の展望についてなどを説明していただきました。

午後からはノーコードツールを用いて、データベース作成を体験させていただきました。

情報系を目指いしている生徒にとって、とても良い刺激となり充実した内容でした。

SSHクラス SSアカデミーⅡ 「実験講座」

8/27(木)4~7校時、SSHクラス2-7で、SSアカデミーⅡ「実験講座」の講義が行われました。
4時間連続という、特別時間割で実施しました。

生物選択者は複数の河川に赴き、
各ポイントの水のきれいさを試薬や水棲生物を指標として
測定しました。

一見、整備された市民の憩いの河川も
周囲の状況で水棲生物や含有物質の濃度が違っていて
汚染の理由やきれいな川をつくるためには
どうしたらよいかを考察しました。

単振り子の実験では、30回測定したり色んなグラフ(周期-糸の長さ、周期の2乗-糸の長さ)を書いたり
誤差の考察に1時間かけたりと、
通常の授業ではできない濃密な授業を行いました。
全員、じっくり練り上げられたレポートを提出しました!

アカデミックインターンシップ(ふくしま医療機器開発支援センター)

 SSクラスでは夏季休業中に、企業や研究室を訪問して実験等に参加する「アカデミックインターンシップ」を行います。 

 8/7(土)ふくしま医療機器開発支援センターで「医療の仕事体験デー」が行われましたが、そこにインターンシップの形で5名の生徒が参加してきました。

 医療機器の歴史展示に始まり、ECMO(エクモ)実物による人体模型との接続実習や、県内の先端企業の医療機器紹介、腹腔鏡下手術トレーニングの体験実習、試験センター見学、医療につながるものづくりの魅力セミナー、さらに福島医科大学乳腺外科学講座の立花和之進先生(本校111期生)とのディスカッションで盛り上がり、最後は同先生の解説による医大生の手術実習見学と、たいへんに充実した内容でした。

ECMO実物で実習です。

 医療系の志望者にとっても工学系の志望者にとっても、モチベーションが非常に上がる1日となりました。

飯館村長泥地区環境再生事業の見学を行いました- 2021国際高校生放射線防護ワークショップ

8月17日(火)は,飯館村長泥地区環境再生事業の見学を行いました。

 

高校生放射線防護ワークショップは,コロナ感染症への対応から昨年は本校のみでの実施でしたが、今年は福島高校,ふたば未来学園高校が参加,県内3校での実施です。宿泊研修はありませんが,何回かの日帰りの研修を通して,原発事故後の福島の現状と復興の進捗状況について学んでいます。

 

到着後さっそく環境省の方の説明を受けて,施設内の見学をしました。下の写真は搬入された飯舘村の除染土壌から植物の枝や根,石などを分類する施設です。

管理棟では,模型を見ながら施設全体についての説明を受けました。左写真の窓の奥が集中管理室(右の写真)です。管理室では,運ばれた土壌の処理の流れに基づいて,施設内の様々な場所での機械の動きやデータが画面に表示されていました。事業を行う大林組の方からは,新規開発された土質判別システム(下側のディスプレイに映る樋内を流れる土の線量をリアルタイムに判断する)について,説明を頂きました。

 

 

管理棟の向こう側には,再生処理を終えた大量の土が置かれています。その後再生土壌を利用した実験圃場に向かい,畑と水田の見学を行いました。

 

その後は,集会所をお借りしての振り返り会です。

まず,見学内容について環境省の方にいくつか質問を行なった後,前原子力規制委員会委員長田中俊一先生のご講和をお聞きしました。

 

振り返りとしてグループごとに新たな質問事項,意見をまとめて発表しました。

発表では「試験栽培された作物の放射線量が基準値を十分に下回っていることはもっと知られて良いのではないか」「土が再生利用できることと地域の復興は別のことではないか」「学校ではもっとこのような学びを実施すべきではないか」「学校が再開することでもっと地域に若い人が戻るのではないか」などの質問や意見が出され,環境省の方,田中俊一先生などが受け答えする場面もありました。

 

このような充実した研修の機会を設けていただいた,環境省,福島環境事務所,放射線リスクコミュニケーション相談員センターの皆さんに感謝申し上げます。

 

(以下生徒の感想)

・とても貴重な体験が出来て良かったです。多く課題の残る福島の放射線問題について、より深い知識を得られました。ありがとうございました。

・普段見られない施設を説明して頂いたり、細かい資料を見せていただいたりしたことで、たくさん知識がつきました。でも知識は持っているだけではダメなので、それをどう活かしていくか、考えていきたいです。今日はありがとうございました。

・普段では絶対に入ることのできない帰還困難区域に立ち入らせていただいたり、この大変な時期に他校やさまざまな方と議論をさせていただく機会をいただいたり、現状とこれからについてお話を聞かせていただいたりととても貴重な体験になりました。本当にありがとうございました。

・本日はためになるお話ありがとうございました。 従業員の健康を守るために、マスクがちゃんとしたのになっていたり、何回も線量を測定したり、徹底していてすごいと思いました。 比較実験をしているなど、実用化に向けた取り組みが予想以上に進んでおり、驚きました。 また、私たちの質問や意見にも真摯に向き合っていただけたことがとても嬉しかったです。 田中先生の講義では短い時間でしたが、原発の周りの人への影響など詳しく知ることができました。 特に田中先生のやるべきことをサボってしまうのが人間だから、徹底しなかった結果こうなってしまった。という言葉が印象的でした。 以前、社会科で環境省が提供している動画を見たとき、原発は人災だったという見解に納得がいきました。 楽しく実り多い時間となりました。ありがとうございました。

・今回はこのような機会を頂き、ありがとうございました。見学や講話を通して、自分自身が原発事故や放射線について科学的な面や社会的な面からより学ぶ必要があると感じました。また、風評被害や住民に対する説明、住民の帰還など様々な難しい課題があることが理解できました。これからは今日見たり学んだりした事から、自分が何をすることができるかを考えながら生活していこうと改めて思いました。ありがとうございました。

・風評被害をなくしたり本当の復興は何かを考えたりして、とても充実した1日になりました。その中でも私が1番心に残ったことは復興とは何かを皆で話し合ったことです。今までは復興は元の土地の状態に戻すことだと勝手に決めつけていましたが、様々な方の話を聞いて難しい課題だなと改めて知ることができました。今日は1日ありがとうございました。

・本日は、お忙しいところ私たちに、放射線や、飯館村の長泥地区の処理現場について詳しい内容についつ教えていただきありがとうございました!

・今日はとても濃い時間を過ごさせていただきました。現地にいた私でも全然知らないことがありました。そして誤った情報を信じているところもありました。県外の人や国外の人たちに、どうやって伝えていけばいいのか。信用のある正しい伝え方を考えていきたいです。本日はありがとうございました。とても勉強になりました。

・本日は環境省の方々や田中俊一先生のお話を聞き、自分の認識が大きく間違っていたことに気づくことができました。ですが、それと同時に少しだけでも放射線について学んだことのある私も知らないこと、間違って認識していることなどがたくさんあることに気づきました。だから県外に行ってしまうと本当に学ぶ機会が少なく大切な事実を見たり聞いたりすることは難しく、間違った偏見を事実と勘違いして風評被害や2Bなどが起こっていると感じました。ふたば未来学園高校という色々な県からくる友人にまず事実伝える、探求などを利用して伝えるなど、私たち学生だからできることを利用していろいろなことをたくさんの地域の人に少しでも知ってもらえればと考える機会にもなりました。 本日は貴重なお話をたくさん詳しく知ることができてとても有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。この時間をもっと素晴らしいと思える時間にできるよう努力して少しでも周りに情報を伝えていきたいと思います。

・本日は有難う御座いました。除去土壌の再生の事業や、野菜や花木の栽培を行っていることなど、今まで通りの学校生活を送っているだけでは知り得なかったことを学ぶことができてとても良い勉強になったと思います。グループディスカッションでは、答えづらい質問や単純な質問にも真摯に答えていただき、多いに感謝しております。私は、震災やその復興について元々関心が有ったわけではなく、機会があるなら参加しよう、という軽い気持ちで参加しました。そのせいで、周囲に比べて知識がなく、先生方の説明も理解できた部分は少ないですがこうやって知ることができて、本当に良かったと思いました。自分が知らないだけで復興は確実に進んでいて、しかし、人口が戻っていなかったりインフラがととのえきれていなかったり、見る側面によって状況が変わってしまうことが分かりました。客観的事実、科学的事実に基づいて安全だと評価されても其れを信用しきれず戻ってこない人がいるのは非常に残念なことだと思います。また、避難先で生活の基盤ができており、戻る気を失くしている人が大勢いるなかで復興に力を注ぎ続けることは、私が言うのも烏滸がましいと思いますが、勿体ないことをしているとも感じました。今回の話し合いであったように焦点を当てる範囲を定めて復興に手をつけるのもひとつの方法だと思います。個人の意見です。 今回の研修では、大変貴重なお話を聞かせていただきました。この学びをもとに、探求活動に活かせるように頑張っていきたいと思います。本日は、本当に有難う御座いました。  

・大変有意義な時間をありがとうございました。科学的なデータを示す大切さと同時に、それでも人々(地元の住民の方々)に安心してもらう大変さに気付かされた気がします。

・本日は貴重な時間をありがとうございました。私の拙い質問にとても丁寧に答えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。私は以前から学校の問題についてとても気になっていたのですが、お話を伺って、学校をつくるつくらないの話で解決する問題ではなく、もっと複雑な問題だと言うことを知ることができました。  そして、今の自分には純粋に知識が全く足りていないということを痛感しました。私は高校の3年間を通し、もっと復興や地域のことへの理解を深め、自分で探求などの活動でこの地域のことに携わりたいと思っています。そのためにも、今後もっと勉強を頑張っていきたいです。その学びへの大きな一歩となりました。  本当にありがとうございました。

・とてもわかりやすく説明して頂けた。除染で出た土と言っても安全性に問題は無いことを伝える難しさなどを知ることができた素晴らしい機会だった。

・難しい質問や答えのない問に対しても丁寧に対応していただきありがとうございました!人によって意見がさまざまなのは仕方ないですが、それをいかに共有していかに活用していくかが大事だということを学びました。雨の中ありがとうございました!

・予備知識も十分ない私に、基礎から応用まで幅広い内容を説明してくださり誠にありがとうございました。

・普通の人ではできない貴重な体験をさせていただきまして、大変ありがたかったです。また、講義によって放射線に対する知識がさらに深まりました。

・放射線について知れば知る程学ばなければいけないことがみえてきました。ディスカッションで学んだことを生活に取り入れ周りの人と意見を共有していきたい。

・本日は貴重な講義をありがとうございました。講義を通して深く議論すればするほど、どうしていいのかわからなくなるような、すごく複雑な課題であり、今後も学習を続けて多くの人と意見交換をしていく事で、良い未来を作って行きたいと思いました。本日は本当にありがとうございました。

・今日は講義の程を有難うございました。専門的な立場からの詳しい知見は、私達の見聞を広げる素晴らしいものでした。

・原子力の最も重要な機関を担っていた方からのご講話は説得力もあり、貴重なお話でした。この経験を今後の震災関係の活動に生かしていきたいです。ありがとうございました。

・実際に現場に立つ人の考え方や使命感が感じられて、自分も福島の復興に積極的に関わっていこうと思った。本当にありがとうございました。

・悪天候のなかわざわざ案内してくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。また、田中俊一先生のお話も伺えて、とても貴重な機会を頂けたと思います。本当にありがとうございました。

・質問にも丁寧にお答えいただき、お話もわかりやすかったです。ありがとうございました。

・今回はお忙しい中ありがとうございました。復興についてとても考えさせられる機会になり、多くのことを学ぶことが出来たので本当に良かったです。一言で復興といっても、改めて復興とはなんなのだろうかとも考えさせられる機会となりました。村の人々が皆故郷に帰りたいと思っているものだと思っていたので、帰りたくない人もいるということを聞いて驚きましたし、町の活性化という点で復興を考えるならば、少子高齢化とも関わってくるし、除去土壌の県外最終処分のことも鑑みると福島だけではどうにもできない問題ではないかとも思いました。今回学んだことは、復興という1つの目標だけでなく、今の科学の理論的と倫理的を考える点に関しても、様々なことに関わり役に立ち、そしてこれからの社会を生きるうえで向き合っていかないといけない事にもつながると思うので、役立てていきたいと思います。本当にありがとうございました。

・雨の中様々な施設を案内していただいたり、避難していた方々についてご説明していただきありがとうございました。人体への影響を小さくするために盛土をしていることや盛土をしたものとしていないもので比較をしながら進めていることを知りました。また、土の安全性よりも村に戻って来て農業をする人がいないことが問題であることや復興のためには住民が自分のふるさとを思う気持ちを取り戻すことが必要だとわかりました。

・環境省の皆様、説明いただきありがとうございます。また、違うタイミングでご一緒できればと思います。今後ともよろしくお願いいたします。 田中先生、お忙しい中生徒たちに刺激を与えていただきありがとうございました。また、私自身も飯舘校時代を振り返り、次に向かって進まなければと思わされました。今後ともよろしくお願いいたします。

 

双葉町,特定廃棄物最終処分場の見学を行いました-2021国際高校生放射線防護ワークショップ

夏季休業を利用し、今年も高校生放射線防護ワークショップを行っています。

この取り組みに関しては、社会教育課「『ふくしまの未来』へつなぐ体験応援事業」の支援を頂き実施しています。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/fukushima-no-mirai.html

 

8月10日(火)には,NPOハッピーロードネットのお力添えを頂き,双葉町職員の方の案内で町内の見学を行いました。午後からは,富岡町の特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしまに伺い,見学・実習および振り返り会を行いました。

 

高校生放射線防護ワークショップは,コロナ感染症への対応から昨年は本校のみでの実施でしたが、今年は福島高校,ふたば未来学園高校が参加,県内3校での実施です。宿泊研修はありませんが,何回かの日帰りの研修を通して,原発事故後の福島の現状と復興の進捗状況について学んでいます。

 

 

まず見学したのは,地震直後の様子の残る旧双葉南小学校です。帰りの学活中に地震が発生し,児童は上履きのまま校庭に避難。学校は原発から3km圏内にあり,翌日には避難指示が出されました。その後町は帰宅困難区域に指定されたため,子どもたちはずっと教室に戻ることはでませんでした。10年近くが経過した昨年末にようやく一部の卒業生が校舎内に入ることができ,ランドセルなど学用品を持ち帰ったということです。

 

続いて旧双葉町保健福祉センターを訪れました。こちらは高齢者のデイケア施設でした。地震直後には被災者の受け入れがあり,施設内には大勢の住民が集まりました。職員の方々が自宅から米などの食料を持ち寄り,炊き出しを行うなどして一夜を過ごしましたが,翌朝の突然の避難指示。皆で協力しながらお年寄などの避難を行ったということです。

 

双葉町の見学の後,富岡町の「特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま」に移動。

今回の見学実施にご尽力いただいたNPOハッピーロードネット*1)の西本さんより,震災後のハッピーロードネットの活動についてお話をお聞きしました。浜通りを走る国道6号線を,全て桜並木にする活動「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」を,高校生とともに行なっておられます。自分たちの住むこの地域を,高校生などの若者とともに少しでも魅力ある地域に変えていきたいと,福島県内南端の勿来町から北端の新地町まで2万本の桜を植える活動を進めているという西本さんのお話に,復興に対する熱い思いを感じました。

*1) http://www.happyroad.info

 

つづいて館長さんから「特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま」についての説明をお聞きし,館内見学によって除去土壌や廃棄物の処分について学びました。館外に出てのフィールドワークでは線量計を持参して敷地内の線量を測りました。

 

 

その後,最終処分場の見学。写真では見えにくいのですが,広大な敷地全体が遮水シートで覆われ沢の下端には排水施設が設置され,埋設物の管理を行なっているのが分かります。お盆休み直前のため,施設へ搬入するダンプカーの行き来はありませんでしたが,敷地内で多数のバックホーが動いて廃棄物の埋設が着々と行われている姿が印象的でした。

 

 

リプルンに戻って振り返り会。「復興のために社会がやるべきこと」「復興のために自分がやりたいこと」「今日学んだことで,特に自分が周りに伝えたいこと」について意見を整理し,グループごとに発表を行い,終了しました。

 

お盆前のお忙しい中,このような充実した見学を設定しくださったNPOパッピーロードネットの西本さん,双葉町を案内してくださった大住さん,板倉さん,リプルンの皆様には大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。

 

(以下は参加生徒の感想です)

・3/11のままの黒板やカレンダーを見て、本当に長い時間そのままだったのだと実感しました。また、中間貯蔵施設を見て、私たちが今やっている除去土壌を安全に小さくして保管するための研究を実現させたいという気持ちが強くなりました。

・私たちの活動がどれほど重要か、どれほど必要とされているかが再確認でき、福島の一員として頑張ろうと思いました。

・学ぶ意思が本当に大切だ 興味を持たなければ何もできないから。

・ネットやテレビを見るだけでは分からない、現場の空気感。震災から約10年経ってもなお倒壊した家屋などが残る双葉町をみて、福島の復興にはまだまだ課題があると思った。この現状を改善するために、自分たちはどうすればいいかを考えた。

・震災から10年経った今でも震災当時の様子が残っている場所が多くあること。一方でインフラの整備など復興に向けての動きもあるということ。実際に自分の眼で見たり、経験したりしないと分からない点が多くあるということを、双葉町の様子を見て感じた。

・ 原発の被害にあった地域の様子などを写真で見たことや、道路を通ったことはある。 それだけでも悲惨だな...と感じていた。しかし、実際にもっとリアルな現状を目の当たりにし、ショックを受けた。 街中は復興が進んでいると言われているが、実はまだまだなんだと感じた。 復興オリンピック等と言っているがそんなものではどうにもならないのではないかと思う。 逆にアートや看板、花が町を明るくしているなと思った。 表面上の復興ではなく、もっと近づいて、親身になって考えるべきなのだと思った。  福島県民である私たちはもっとちゃんと知識をつけるべきなのに、まだわからないところがあるのが残念だった。 安高の方が放射線教育を進めるべきだと言っていたが、本当にそうだをと思う。 1つ意見したいのは、先生たちは高等学校教育に組み込むような発言をしていたが、私は小学校教育に入れるべきだと思う。 特に小さいときについた印象は残りやすい。また、小学校教育なら教科による境がない。 まだ足りないからこそ、誤解が生まれ風評被害が広がるととても感じた。

・処理施設では、一つ一つを丁寧に安全に処理していることがよくわかりました。また、システムの技術もよりすごかったです。

・私たちが目を背けていることに必死に取り組んで、私たちの町のために安全を確保しようとしている方々を実際に目の当たりにすることができ、これから沢山勉強して地域に貢献できることを、地域の問題点を考えていきたいと思いました。

・双葉町の復興状況を見て、他の双葉郡と比べて進んでない部分もあったし、他ではない復興の進め方もあることがわかった。復興の仕方はそれぞれで、その地域にとって良いものっていうのは目で見ないとわからないことの方が多いと知った。

・特定廃棄物埋立処分場や双葉南小学校などに行き小学校などでは自分が幼稚園生でただ蹲って座っていた時にも誰かのために一生懸命動いている人がいたこと。学校に荷物を置いたままずっとその場所だけが時が止まっていたことなどを知り、やっと1年前に少しづつ時間動き出した人もいると感じました。処分場やリプルンでは自分が持っていた知識が間違っていたり、足りないことを痛感して、それと同時に知っているのと知らないのでは恐怖の大きさが全然違うことを感じました。私の中で少し放射線については習っていたはずなのに、白い防護服を着ないと入れないというイメージがどこかにありました。だから処理場などもすこし怖く感じていました。でも説明を聞いて理解していけばいくほどそれが安心にもつながりました。この体験をして私はただ授業で教えてもらうよりこういうところに行き、参加して得た情報はとても信頼できると感じました。なので少しでも色々な人に私たちが行ったようなことをしてもらい安全性をわかりやすく理解して欲しいと思った。 (文章が下手ですみません)

・机上の学習だけでなく、実際に現地で自分の目で見て学ぶことも大切だと感じた

・双葉町の状況から、元通りになるにはまだ程遠いことを知った。また、福島の復興や汚染されたものへの対策が思っていたよりしっかりしていたことを知り、安心した。

・福島高校やふたば未来学園高校の生徒も、この問題に対して明確な課題意識を持っていて、ライバル心を感じた。

・今でこそ草に覆われてしまった帰還困難地域だが、そこにもかつて人の営みが存在した事、そして、それらが突如として奪われ、今日まで長い時間が経った事。

・地域の子どもたち(主に高校生)が主体となって復興に力を入れて大人に支えられながら様々な取り組みを行っていることから、自分も何か復興の為に出来る事を積極的にやっていきたいと感じた。

・福島の復興は進んでいることを肌で感じられたことが特に印象に残った。復興、復興と言葉だけな気がしていたのでなんだか感動した。

・震災当時のことを学ぶこともこれからの復興のことを考えることも大切だと感じました。当時のままの施設や復興の進み具合など自分の目で見た今の福島を伝えたいと思いました。

 

 

 

 

アカデミックインターンシップはじまる

夏季休業を利用し、本校SSHクラスの生徒がアカデミックインターンシップを行っています。

 

これは生徒が、地元企業への訪問を通して研究開発の一端を体験し、研究に必要な高度な知識や技術の習得を目指す意識を高めることが目的です。

 

8月6日(金)は郡山市待池台の東成イービー東北株式会社で生徒2名が研修を行いました。

東成イービー東北株式会社は、電子ビーム溶接、レーザー加工、レーザークリーニングなどの高度で特殊な加工技術を持つ会社です。他のメーカーからの受託による業務が主であり、はやぶさ2のインパクター(小惑星リュウグウにて人工クレーターを作る実験に使用されたもの)の開発製造で有名な会社です。

https://www.ebtohoku.co.jp/result/welding/000012.html

https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20200320_science/index.html

 

会議室で事業内容について詳細に伺ったのち、さっそく工場へ。

 まず拝見したのはレーザー微細加工による製品。写真ではわかりませんが、フィルム上部に多数の格子が開いて全体として長方形の窓になっています。

 

 

電子ビーム加工の作業場では、実際に電子ビーム溶接のようすを拝見しました。

 

さらに別棟ではレーザークリーニング装置を拝見し、こちらは生徒も体験させていただきました。幅1mmが長さ5cmほどにレーザーが照射され、照射部を手で動かすと見る見る金属板のサビが削り取られていきます。

 

この装置は自社開発で、主に金型の洗浄への使用を目的として開発されたもので、サビ取だけでなく塗装はがしなどにも使える高度な能力に驚きました。

 

お忙しい中約2時間にわたり体験をご提供いただきました東成イービー東北様には改めて感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

物理部パラグライダー班がSSH全国大会に出場しました

8/4(木)、物理部の3年生、石井悠太君、秋月理希君、鈴木大晴君の3人が、「衝突防止パラグライダーの研究」というタイトルで、神戸国際展示場で開かれた全国大会で発表しました。

3年間の集大成として理路整然と自分たちの研究成果を話し、聴衆や審査員と議論を交わしていました。
また、全国レベルのレベルの高い発表を聞くことができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナの影響で、非常に参加が危ぶまれましたが、無事参加することができました。
入賞はなりませんでしたが、得たものは大きく、今後の人生と部活の後輩への引継ぎに大いに役立つ一日となったと思います。
お疲れさまでした。

2021国際高校生放射線防護ワークショップ始まる

夏季休業を利用し,今年も高校生放射線防護ワークショップを行っています。

国際高校生放射線防護ワークショップは,震災と原発事故およびその後の福島の現状と復興について学ぶワークショップで2015年から実施されてきました。本校のみでなく,県内外,海外の高校生とともに学び,学んだことを発信するのを目的に開催されてきました。

コロナ感染症への対応から昨年は安積高校のみでの実施でしたが、今年は福島高校,ふたば未来学園高校が参加,県内3校での実施です。

 

7月26日(月)は安積高校に,経済産業省 資源エネルギー庁廃炉・処理水専門官木野正登氏をお招きしての処理水学習会を実施しました。わかりやすい資料をもとに処理水について丁寧にお話しいただきました。

 

 

 

 

 昨年に続き模型もご持参いただき,林立する処理水タンクの数に驚くとともに,処分の必要性について学びました。
 
7月28日(水)原子力安全研究協会研究参与峯村明彦氏,環境省福島地方環境事務所次長 庄子真憲氏にお出でいただき,飯舘村長泥地区での環境再生事業についてお話しいただきました。

これらの学習会の録画は3校で共有する予定です。

 

 

その後,飯舘環境再生JV工事事務所の大林組の方がお持ちのVRを体験しました。飯館に建設された施設周辺のようすのVRです。ゴーグルをつけ手に持ったハンドルを操作すると,ゴーグルの景色が変わり施設内を歩き回ったり,視点を変えると上空から俯瞰することもできました。これには情報系への関心を持つ生徒たちは大喜び。VR技術がこのような場所でも大いに役立つことに大いに興味惹かれたようでした。

 

今年のワークショップでは,双葉町,飯館村の土壌再生事業,東京電力福島第一原子力発電所の見学などを行い,来年1月には3校合同の発表会を開催する計画です。

 

生徒が物理チャレンジ2次試験に進みました

物理部2年生の新野太一君が、物理チャレンジ(物理オリンピックの国内予選)の国内2次試験に進みました。

1次試験はレポート課題(物体にはたらく力と加速度の関係を調べる)と筆記試験(物理の3年の内容まで含む、難易度の高い試験)
からなり、例年1000人以上の参加者が100人まで絞られます。

安積高校としては久しぶりの1次試験突破ですし、2年生での突破も快挙といえます。
本当におめでとう!

 

そして、8/17~19の間オンラインで行われる2次試験に、誇りをもって挑んでください!!

福島の復興と放射線についての授業2021

7/20,21に福島の復興と放射線についての授業を実施しました。本校では毎年実施しています。
今年は例年以上に一年生の参加が多く、熱心に授業に参加していました。

◎参加者
本校希望生徒55名
担当:本校物理教員

◎目的
放射線とは何か知り、福島県の現状について把握すること。そして放射線の知識を土台として、現在の福島県の課題(廃炉、除染と除染土の処理、風評被害・偏見)を科学的・社会学的に分析し、自分の意見を持てるようになること。

◎授業内容
<第1章>放射線の基礎 : 放射線の正体、単位と測定法、原発の原理
<第2章>放射線の実験 : はかるくんをもちいた実験(環境放射線量の測定、距離と遮へいによる減衰の確認など)
<第3章>福島の現状 : 放射線の生体への影響、現在の福島の線量や食品検査の結果、甲状腺検査の結果と課題、放射線以外の健康影響
<第4章>福島の課題 : 現在の原発の様子と課題、現在の福島県の人口などの状態、風評被害とその原因
終盤での議論:「モニタリングポストを撤去すべきか」
<第5章>福島の努力 : 避難指示解除地域の現在、福島の人の震災後の努力
終盤での議論:「東日本大震災の教訓は何か」

  

 

 

 

↓下の模造紙に貼られたポストイットは、 「東日本大震災の教訓は何か」について、赤:ポジティブ、青:ネガティブ、緑:これから自分がしたいこと をまとめたもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◎生徒の感想

・中学校でも放射線のことについて詳しく学んだつもりでしたが、知らないことがたくさんありました。線量計を身に付けていたことや甲状腺検査についてなど、こうやって苦労していること、震災から10年が経つ今でもあの時を取り戻せていないことを、日本全国、世界中に知ってほしいと思いました。祖父母は農家で10年前苦労したはずなのに、私は何も知らない。今日それを改めて感じました。自分に関わることもそうでないことにもこれからは関心を持ち、今日のような機会を逃さないようにしたいと強く思いました。この授業のおかげで今までと見方が変わったところがたくさんあります。 (1年女子)

・今回福島県の努力を知ることができてよかったです。私は○○(旧避難指示区域)出身で、避難生活を送っていました。○○に戻ってからも、私たちの課題は、少子高齢化や人口減少に対して何ができるのか、復興のために私たちができることは何か、ということでした。震災と原発事故の影響など、マイナスなイメージのことばかり考えていました。しかし実際は、私が考えていたよりも人口は変化しておらず、放射線による被害もあまりないことが知れて本当によかったです。震災直後、そしてその後も流れてくる情報をそのまま受け止めていたから、本当のことを知らなかったのだと思います。これからは、自分で何が正しくて何が正しくないのか判断できるようにしたいです。そして、事実を知り、今私にできることは何なのか考えながら生活していきたいです。私は○○が、福島県が大好きです。震災後努力した人が多いから、若い女性でアンケートに「幸せを感じた」と答えた人が多いのだと思います。私も助けてもらった人に恩返ししていきたいです。将来、福島県に住んでいるかは自分でも分かりません。でも、福島県の復興のために、少しでも自分ができることをし続けていきたいです。私は福島県に生まれたことを誇りに思います。 (1年女子)

・授業を受けて、色々思い出しました。僕の親せきは当時第2原発で働いていて、原発事故のちょうど1週間前に遊びに行っていたこと。小さいころからの遊び場が震災直後避難所になったこと。海外で旅行に行ったときにWhere are you from?にFukushima,Japanと答えたらフロントの人がハッとして顔を見合わせていたこと。
大熊の小学校からの転校生、今でも仲がいい友達のこと。その友達が大熊から来たことは何も気にしていませんでした。しかし昨年の県内バス研修で行った中間貯蔵施設で、ゲートから敷地内に行く途中の誰もいない街並みのなかにあった小学校の名前を見たときに、僕は、どうしていいか分からなくなりました。彼が前にいた小学校の名前を僕は覚えていたからです。彼は「みんな『大変だったね』『つらかったでしょう』というけど、そんな簡単な話ではない」というような感じだったと思います。東日本大震災、そして原発事故。「大変だった」という言葉だけで片付けてはいけないことだと思います。今回の授業で、これらのことについて再び深く考えさせられました。 (2年男子)

・科学的に安全だとわかっていてもそれが安心につながらないことが多くあって、その不安を解消していくには、科学的なデータよりも福島の魅力を伝える方がわかりやすく、受け入れてもらいやすいのだと思いました。フランスの高校生への発表では、福島の「今」を伝えたいです。オリンピックの聖火リレーや試合を福島で行うことには大きな意義があるのだと思いました。また、福島県の関連人口が多いことに驚きました。多くの方が福島を応援したいと思ってくださっていることが分かり嬉しかったです。他県の人は福島県のことをよく思っていないんだという固定観念にとらわれることも逆差別であり、よくないと学びました。 (2年女子)

・私は震災直後、県外に避難をしていました。避難当時は毎日放射線量の測定値がニュースで報道されたり、放射線の危険性について親から教えられたりしていました。子どもながらにすごく怖いと感じたのを覚えています。現在でも正直放射線についてはかなりネガティブな印象を持っていました。もしかしたら自分も将来放射線による影響を被るかもしれないという不安も少なからずありました。でも、今日の講義を聞いて、直接的な影響の可能性は限りなく少ないことをしってかなり心が楽になりました。特に食品についての話は驚くことが多かったです。
しかし、今でも間違った情報や、情報不足で福島県の被ばくについて恐怖心を持つ人は多いと思います。以前、福島第一原発に訪問したいと母に話したところ、あまり良い顔はされなかったのも、その一例ではないかと思います。間違った情報ではなく正しい情報を伝えることが今後のメディアの課題だとも感じました。私は将来メディアに関する仕事をしたいと思っていますが、こういった、メディアと風評被害の関係についての知識を活かしていきたいと思うとともに、2011年についての正しい情報を後世に伝えなくてはいけないと感じました。"Discrimination comes from ignoranse and fear" (3年女子)

・自分は今日の講演で、福島県の課題をより真剣に受け止めることができたと思います。将来は地元で復興に献身しながら働きたいです。復興を自分の人生の課題にしたいです。 (3年男子)

・自分は住んでいる市内の○○でボランティアとして活動しており、その中で県内の様々な場所から来る方々と話をさせていただく機会がある。その中には、震災により大きな被害を受けた方もそうでない方もいるが、共通しているのは「福島を盛り上げよう」という想いを持っていることだと思う。そのような熱意ある人々との交流を通して、自分も福島に対する想いがより一層強くなったのは確かだ。しかし、今回の講義を受けて、自分が震災等についての知識をほぼ有していなかったということが分かった。「科学的な視点で」福島を見ていなかったのである。僕を含め、福島県内の多くの人々が復興についての想いや願いを持っているものの、「知識の土台の共有」ができていない状態が現状なのではないだろうか。事実を語り継いでいく僕たちの世代の基礎的な知識が不足していると、のちの世代に福島に起こった悲劇と復興のための人々の血のにじむような努力が伝わらなくなってしまう。あと2世代もあとになったとき、「原発事故?ああ、歴史の教科書に載っているあのカワイソウな災害ね。20..何年だっけ?」などといった認識が世間一般になっているということだけは絶対に避けたい。
そういった意味では、この機会に原発やそれに関連する基礎知識を学習することができたのは非常に幸運であった。しかし講義の最後にあったように、ここがスタートラインだと思う。ここから、講義を受けた僕たちが何を考え、どう行動するか。そこに福島のここからがかかっているのではないだろうか。1人の学生として、県民として、何を為すことができるのか。答えのない課題ではあるが、今後腰をすえてじっくりと考えていきたい。 (3年男子)

SSHクラス SSアカデミーⅡ 「プログラミング」の講義~第三、四回(最終回)~が行われました

7/8(木)7校時目と7/15(木)6、7校時目、SSHクラス2-7で、SSアカデミーⅡ「プログラミング」の講義が行われました。

第三回の7/3は、オンラインで講師の辻様と胡口様、MicroSoft福島県人会の皆さまから各班のプログラミングについてアドバイスをいただきました。


最終回では生徒たちが自分たちの考えたプログラミングについて発表を行いました。2人で一組です。
今回は、「社会問題」「身近な課題」をプログラミングで解決する、というテーマで各班がプログラミングを考えました。(もしくは各自が興味を持った内容についてプログラミング)
前日まで居残りで多くの生徒が自主的に作成し、プレゼンを考えていました。

 

 

 

 

 

 

0715_Sアカ2プログラミング発表.pdfの表のとおり、生徒たちはScratchを中心としたさまざまな言語でプログラミングを作成し堂々と発表しました。
生徒たちは、初めてやってみたけどプログラミングの楽しさに気づけたという意見や、ほかの人のすごさに刺激を受けたという意見が多かったです。

講師の先生方は、2か月近くの間、熱意ある講義とタブレットPCの貸し出し、さらにはMicrosoft Teamsで常に生徒たちの疑問に答えてくださいました。辻様、胡口様、MicroSoft福島県人会の皆さま、お忙しいところご協力本当にありがとうございました。

SSHクラス SSアカデミーⅡ 「プログラミング」の講義~第一、ニ回~が行われました

6/3(木)6、7校時目と6/17(木)6、7校時目、SSHクラス2-7で、SSアカデミーⅡ「プログラミング」の講義が行われました。講師は辻康博様(triart)と胡口敬郎様(Microsoft)です。
今回特別に、生徒一人一人にタブレットPCを貸し出していただきました。

プログラミングを学ぶ意義、Mincraftの紹介、Scratchによるプログラミングの基礎の講義、素因数分解するプログラムの実例とコーディングの解説 を講義していただきました。

全部で4回の予定で、最終回では生徒たちが自分たちの考えたプログラミングについて発表を行います。

 

6/3(木)

 

 

 

 

 

 

6/17(この日はオンラインで講義していただきました)

京大ポスターセッション2020

「京都大学ポスターセッション2020」の参加賞が届きました
 「京都大学ポスターセッション」とは京都大学で実施される、SSH校を中心に招待された高校が研究内容をポスター発表する大会です。例年、京都大学の百周年時計台記念館で行われています。しかし、昨年度はコロナの影響で動画投稿による閲覧、審査となりました。

 今回はSSHクラスのカンゾウ研究班が参加しました。入賞はできませんでしたが、他の学校に負けない研究発表でした。毎年、参加賞にオリジナルグッズが貰えます。今年は京大の高大連携・入試広報ポータルサイト「LEOPARD」のマスコットキャラクター「レオーメ」のクリアファイルでした。

 今年度もこのポスターセッションが実施されるのか、または招待されるかもわかりません。チャンスは常にあるわけではないのでその機会を逃さず挑戦して欲しいです。   

R3 全国SSH 安積高校代表選考会

 

5月26日(水)、毎年8月に行われる全国スーパーサイエンスハイスクール研究発表会に参加する、本校の代表選考会が行われました。エントリーは以下の8グループでした。

 

 

それぞれ、スクリーンに拡大投影されたポスターをもとに8分間の説明をして、その後5分程度の質疑応答を受けました。

質疑は生徒だけでなく先生方からも出されましたが、さすがに3年生だけあってどのグループも戸惑うことなく質問に答えていました。事前の練習が不十分なのか、8分の発表時間を十分に活かせないグループがあったのが残念です。

また、会場の2年生、3年生から活発な質問が寄せられましたが、新1年生からも質問がたくさん出され、今後の校内での発表会が楽しみになりました。

 

生徒の投票終了後、先生方による審査点も加えた結果、「衝突防止パラグライダーの開発」が学校代表に決定しました。代表の本大会での健闘を期待したいところです。

なお、次点は「ナッツによるチーズの開発」でした。

 

 

研究発表評価ルーブリック

 

下に示すように5月26日(水)に、毎年8月に行われる全国SSH研究発表会で発表する、本校代表の選考会を行います。

すでに3年生8グループがエントリーを予定しています。多くの生徒の見学を期待しています。

 

この選考会では、発表者の評価を、以下のルーブリック表を用いて評価することとしています。

研究の視点・目的、研究の深化度、発表技術・能力について、それぞれ4段階で評価し、数値が大きいほど高評価となります。

参考のために公開しますので、今後研究や発表を行う上での参考にしてください。

課題研究に取り組む生徒の皆さんが、より高い視点でより深い内容をしっかりした技術に基づいて、発表してくれることを期待しています。

 

フランス放射線防護高校生WEB会議参加・SSHドイツ・フランス海外交流説明会

 

5月20日(木)本校3年生が、フランスの高校生放射線防護WEB会議で発表を行いました。

これに合わせて、今年度の本校の海外交流について、担当教員による説明会を実施しました。

 

参加は2年7組を中心とする2年生、および次年度SSクラスへの参加を希望する新1年生、あわせて50名ほど。

時差の関係でWEB会議は19:00の開会のため、17:00から1時間半ほど、海外交流説明会を実施しました。

 

教頭先生の開会挨拶ののち、ドイツ研修、フランス研修を担当する先生方より今年度の計画について説明とQ&A。

その後、昨年度海外交流参加してきた生徒たちから、活動の紹介および作成したプレゼンの発表がありました。

 

そして、これまでフランスとの交流で通訳をお願いしてきたフィクサーの斎木茜さんから、震災後の福島を海外に発信することについてお話をいただきました。

 

 

休憩ののち、フランスとのWEB会議が開会。

 

開会のご挨拶の後、早速安積高校の3年生が「The Past and the Future of Fukushima」のタイトルで10分ほどのプレゼンテーションと5分ほどの質疑応答を行いました。

 

例年は3日間で約20校ほどの発表が行われる大規模な国際会議ですが、コロナ感染症防止の現状から今年はWEB開催となり、参加はモルドバの1校とフランスの2校、本校と合わせて4校のみの発表というちょっと寂しいものでした。

終了時間が遅くなることから、本校では19:00からのWEB会議の見学は任意参加としていましたが、ほとんどの生徒たちが20:00過ぎまで会場に残り、海外とやりとりする先輩の姿を直に見学していました。

 

海外交流参加生徒の募集は近々始まりますが、係では多くの生徒たちの参加を期待しています。

SSHクラス SSアカデミーⅡ 「統計学と検定」の講義~第二回~が行われました

5/20(木)6、7校時目、SSHクラス2-7で、SSアカデミーⅡ「統計学と検定」の第二回の講義が行われました。講師は福島大学の大橋弘範准教授です。

連続講義の最終回である今回は、標本集団、「検定」の意味、キーワード「①仮説検定、②帰無仮説、③対立仮説、④信頼水準」について学びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大橋先生自身、「本来大学で半年かけて学ぶもの」とおっしゃっていたとおり、高校で学ぶ範囲を超えた難易度の高い凝縮された講義でした。生徒たちはくらいついていましたが、検定の初歩的概念や数学の有用性などは身をもって学べたのではと思います。

ひとまず、実際のデータ分析において、学んだことを活かしてみてください!

2学年探究Ⅱ 岡本尚也先生講演

5月12日(水)2年生の探究Ⅱにおいて、 探究の時間に使用している『課題研究メソッド』 の著者で一般社団法人glocal-academy 理事長の岡 本尚也先生をお招きし、「社会の変化と課題研究 ~探究活動の意義とその方法~」 という演題で講演を行っていただきました。

課題研究のテーマ設定についての考え方など、 生徒たちがこれから課題研究を進めていくうえで参考になる内容だ ったと思います。

経験談を交えながら生徒たちに質問する形式での講演で、岡本先生は生徒たちに答えさせた後、さらに、「なぜそう思うのか」突っ込んで質問することで、「問い」から「新たな問い」に発展させる手法を示してくださいました。生徒たちはスピード感のある掘り下げに引き込まれ、真剣に参加できていたように思います。

 

SSHクラス SSアカデミーⅡ 「統計学と検定」の講義が行われました

5/13(木)6、7校時目、SSHクラス2-7で、SSアカデミーⅡ「統計学と検定」の講義が行われました。
講師は福島大学の大橋弘範准教授です。

数学の時間に基礎を習う統計学ですが、実際の社会でどう使われているかや実験データの解析への応用は
高校では一般に教えられません。

SSHクラスだけが受けられる今回の講義では、統計学の応用例やヒストグラム作成(手作成とエクセル作成)を通して基本的な事項の確認をしました。
来週の講義ではいよいよ本格的に「検定」について学びます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒たちに出された宿題

・「①仮説検定、②帰無仮説、③対立仮説、④信頼水準」の4つを調べてみる。説明をメモ用紙に書いてみる。
・数学Ⅰの統計の内容を、もう一度教科書読んでみる。

郡山市ふれあい科学館サイエンスフェスティバル 参加

5月1日、郡山市ふれあい科学館サイエンスフェスティバルに
2-7(SSクラス)の有志生徒10名が参加しました。

http://www.space-park.jp/cyber/learning/archives/202105/071000.html

スライム制作ブースでは洗濯ノリとホウ砂、絵の具で色付きスライムを作成しました。
花束班はコーヒーフィルターに紫キャベツのアントシアニンをつけ、レモン水や重曹を付けてpHを調節して色を変えるようにしました。
どちらも子どもたちが真剣に楽しんで工作していました。

生徒たちは一生懸命わかりやすく噛み砕いて説明し、工作や科学の楽しさを一緒に味わっていました。
新型コロナの影響が懸念されましたが、来客が多く常に盛況でした!

 

 

 

 

 

<生徒感想>

・小学生と話す機会は意外と少ないので、面白く貴重な経験になりました。教える側に回ることは中々あるものではないため、不慣れながらも成長していけたのかなと思います。また、失敗も多く、この失敗を実験に活かして行こうとも思いました。

・全体を通してとても楽しくできました。途中で材料が無くなったりした時買い足したりするなどその場での判断もしっかりできていてよかった。咄嗟の質問などにも的確に答えられた。

・最初は思うようにお客さんが来てくれませんでしたが、午後あたりから多くの方が来てくれたので安心しました。今回、何より自覚したのは、人にわかりやすく説明することの難しさと、初対面の人の前でもビビることのないコミュ力の大切さです。これからの発表等に生かしていきたいです。

・人に教える機会はなかなかないので、今日の経験はよかったです。クラスの人ともたくさん話せたのでそういう面でもよかったです。

・最初は興味本位で参加してみたのですが、思っていた以上に楽しかったです!!原理の説明も不安でしたが、来てくださったお客さんも熱心に聞いてくださるので気軽に会話でき、実際やってみると不安より楽しさのほうが勝ってました。作る度にどんどん上手くなっていったり、失敗する原因が分かってきたりして探究もしている気分でした。午前中から午後まで、長い時間でしたがかなり充実した時間になったと思います。今回、このような経験ができ大変良かったです。ありがとうございました。

物理チャレンジ勉強会

3年生が2年生に講義しています。まだ授業で習っていない、電磁気の分野です。

物理チャレンジ(物理オリンピックの国内選考会)は6月にレポート提出、7月に筆記試験があり、生徒たちは真剣に準備しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、別の日は2年生が1年生に物理で使う数学(三角関数)の講義をしていました。

論文作成研修

4月14日(水)のSS探究Ⅱの授業において、日本博物館教育研究所 小笠原喜康氏を講師に迎えて、3年生を対象に論文作成研修を実施しました。

2年次のSS探究Ⅱでは、「グローバル探究」としてSDGsについての課題研究を行ってきたため、今回は研究レポートや論文の作成についての講話だけでなく、SDGsや体験談なども併せてお話をしていただきました。そのなかで、論文では理系・文系にとらわれずに自分の思想を大切にすることや誰もが当たり前だと思うことへの疑問を持つことなどといった新たな視点を、生徒たちは持つことができたように思えます。今後の各グループでの論文作成に向けて参考になる内容であったと思います。

SSHクラス SSアカデミーⅡ開講式が開かれました

4/15(木)7校時目、SSHクラス2-7で、SSアカデミーⅡの授業の開講式が開かれました。

SSアカデミーⅡはこのクラスだけの特別授業で、プログラミング講座や統計・検定に関する講義、科学者との対談、サイエンスダイアログ(留学生とのAll English対談)などの先進的な取り組みをする授業です。

担当及び教頭からガイダンスがあり、これからの授業のイメージをつかみました。

SSアカデミーⅡ シラバス

SSアカデミーは、安積高校独自の学校設定科目で、2年次3年次のSSクラス(今年度は2年7組、3年8組)が履修します。本校のSSH活動により特化した学習内容となっており、理科、数学、情報、英語の発展的な内容や、課題研究の進め方や研究発表の仕方に関する内容を学習します。

また、大学の先生など外部講師を積極的に導入した授業となるため、基本的に隔週に2時間連続で行われます。

今年度の、2年生、3年生のシラバスを以下に示します。SSクラスへの参加に関心のある新1年生のため、以下に公開します。スーパーサイエンスハイスクールならではの安積高校での新しい学びに期待してください。

ドイツ ウルフスクーレとのオンライン発表会

  3月26日(金)安積高校がドイツ エッセン市のウルフスクーレと進めてきた、オンライン共同研究の発表会を実施しました。

 

 

 

 安積高校の参加者は、海外交流参加希望生徒及び英語研究部の1·2年生10名、ウルフスクーレはグリーンクラブの生徒13名。

来賓として 在デュッセルドルフ日本国総領事館 岩間公典総領事

      ドイツ連邦共和国大使館 東京 スザンネ・ヴェルター公使参事官

をお迎えしての発表会です。

 

 開会あいさつののち発表。はじめにそれぞれの学校ごとに発表がありました。

 ①Presentation of some projects by the Green Club(Wolfskuhle)

 ②Aiming for Better “Utsukushima”(Asaka High School)

 ③The past and the future of Fukushima(Asaka High School)

 

つづいて,2つの学校の生徒が混合で数名ずつグループとなり、SDGsの1つのテーマについて自分たちの意見をまとめ、発表しました。

  ①Goal17: Instagram Account about Sustainable Lifestyle

  ②Goal 2: Zero Hunger

  ③Goal 4: Raising attention to the situation of children in developing countries

  ④Goal 5: Gender Equality Power

  ⑤Goal 7: Affordable and Clean Energy

  ⑥Goal11: Sustainable Cities and Communities

  ⑦Goal13: Climate Action: Cellulose Straw

 

  12月15日(火)のキックオフミーティングののち、グループごとにおよそ月1回のミーティングを重ねてきました。もちろんオンラインのミーティングには不自由を感じる部分もありましたが、海外の新しい友人とインターネットを介した共同研究を楽しむことができました。

 さらに言語が英語であるため発表や発言では緊張はありましたが、その分達成感は大きく、自分の思いを英語で伝えられた喜びはひとしおです。

 

  次年度も交流は進めていきますが、ぜひ対面で実施できることを願っています。

  なおこの交流は、郡山市がエッセン市と教育と次世代の人材育成協力の合意書を交わしていることから実現しました。実施にあたり様々な準備にあたってくださった郡山市産業観光部産業創出課にはあらためて御礼申し上げます。

細野議員と対談しよう!の会が開かれました

3/28(日)、衆議院議員の細野豪志氏と社会学者の開沼博氏が安積高校にお越しになり、本校生と2時間対談しました。

生徒たちは細野議員に復興や廃炉に関する疑問をぶつけ、細野議員からはそれぞれにお答えいただきました。
とても盛り上がり、活発な議論が交わされました。貴重な機会となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<生徒感想> 全ての感想はこちらです→細野豪志元大臣・開沼博立命館大学准教授 Talk Session_HP公開用.pdf

(2年男子)
まず、お忙しい中私たちと対談する時間をとってくださった細野先生、開沼先生に心から感謝申し上げます。
細野さんが私たちの話に真剣に耳を傾けてくださったことで、事前に私たちが話し合ったときには出てこなかったようなアイデアが続出し、大変内容の濃い議論ができました。今回の討論では細野氏・開沼氏が共同執筆された「東電福島原発事故 自己調査報告」をもとに議論を行いました。議論を通して、率直に以下の4つのことを感じました。
①誰かを叩いたり、吊るし上げることにもはや意味はない。
②誰かが決めなければならない。(処理水の処分、除去土壌の受け入れ)
③マスメディアには自由だけでなく「責任」も存在する。
④専門家がある程度はっきり言うことが大切。(両論併記はかえって悪影響)

また、10年経ったからこそ見えてきた課題についても考えることができました。大きく報道されがちなのは処理水問題ですが、それはまだ序章に過ぎないと思います。処理水のことが解決されても、除去土壌、食品基準、甲状腺検査、専門家育成、双葉郡の再生といった前述の本にも記されているいくつもの課題が待ち受けています。そして廃炉が終わるころには、建屋の解体によって発生する放射性廃棄物、燃料デブリ、ALPSの吸着塔などの処理水や除去土壌とは比較にならないほどリスクの高いものを処分しなくてはなりません。

これらは、10年間様々な方が努力してきたからこそ見えてきた新たな壁であり、私たちの世代への宿題でもあります。だからこそ、今回のように若者が専門家と対話をしながら正しい知識を得つつ、地域の未来を考える機会がもっと必要だと思います。

2時間という限られた時間の中で、議論しつくせなかったところも多々あり、実際に私たちの中からも「もっと議論がしたい!」という声が多く上がっています。
ぜひ近いうちにまた、細野さんや開沼さんと議論ができることを強く望みます。
最後に、節目の10年目そして再スタートの10年目に今回のような貴重な機会をいただけたことをうれしく思います。本当にありがとうございました。

 

(2年女子)
現在福島県が抱える処理水、除染土壌、甲状腺検査、中間貯蔵施設のこれからなどについて、細野議員という政治的立場にある方と話し合えたことは、本当に意味あるものでした。環境大臣を退任なさった後も、この福島の地に思いを寄せて下さっていることをひしひしと感じ、とてもありがたいことだと思いました。
福島の未来は私たち福島県民が決めていきますが、その際に、よりたくさんの方の関心とご協力があれば、福島はもっとすてきな場所になれると確信しています。そのような意味で、今回の細野議員との対談では本当に大きな力を頂けたとともに、震災を覚えている最後の世代、そしてこれからを担う世代である私たちを鼓舞して下さったように感じました。
貴重な機会を頂けて本当に感謝しています。ありがとうございました。

 

(1年女子)
 私は、今回参加して、様々な意見を聞いて、自分の理解を深め福島の課題について多くの面から考えることができました。
 まずトリチウム水について。トリチウム水の放出が原発事故を全く知らない世代までかかれば、新たな誤解が生じると思います。また、放出に長い時間をかけることで、より長い間タンクを置いておかなければならず、管理も大変になり、費用も多くかかると感じました。
 次に中間貯蔵施設と再生可能な土についてです。中間貯蔵施設は放射線の研究所または、花などの人体に影響のないものの大規模栽培施設にしてはどうかと考えました。早くその利用法を決めることが復興につながると思います。そして土については、全国や世界規模で復興に貢献しようというプロジェクトを行うという意見に賛成です。

 甲状腺検査について、過剰診断による過剰治療の問題がありましたが、治療の必要がない場合は、治療前に医師からの十分な説明を受けたり、検査結果に治療が必要ないことをより理解しやすく記してもらえば、不要な治療による負担や不安を減らすことができると思います。

 最後に、食品の基準値については、厳しすぎる基準値は度を過ぎた想定により、必要ない不安とそれへの対応を必要として安心につながらないので、国際基準に合わせるべきだと考えます。ただ、基準を上げることで、なんとなく危ないと思っている人が全くかなわなくなることが心配されるので、不安や混乱が生じないように今の基準と新しい基準が安全であることを十分に説明してもらうことが必要だと感じました。また、食品についても基準値以下であることよりも、おいしいということを伝えるべきであると思いました。それによって値段が安いものに負けないようなブランド力が上がると思います。文化の保護のために挙げるという意見にはとても納得し、そのためなら食品によって基準値を変えるというのもよいのではないかと感じました。日本の基準値が厳しすぎることで外国へも影響が出ていることもわかったので、国際基準へと引き上げるべきだと考えます。

 今回細野元大臣のお話を聞いて、今までどうしてやってくれないの?と思っていたことにも理由があり、どの解決策にもメリットとデメリットがあり、実行が難しいことがわかりました。多くの考えを聞くことができたので、これからは様々な面を考慮してより具体的に自分の意見を持ちたいです。

 

(1年男子)
 今回の対談は、福島県をふるさととする人間として復興について考える大変良い機会となりました。
 自分は医療に興味があり、甲状腺検査について特にお話しさせていただきました。細野先生と開沼先生の貴著を読んだり友人や家族と話してみたりする過程で、自分がいかに今まで無知であったかを思い知らされましたし、知れば知るほど今まで受け継がれてきた沢山の人の復興への思いを感じ取ることができ、自分もふるさとのために何かできないかと少しずつ考えるようになりました。
 また、自分たちの身の回りの沢山の方々が私たちに学びの機会をくださっていることを改めて実感する機会にもなりました。これも福島に生まれた縁だと思います。今ある問題、新たにあらわになるであろう問題、それぞれについて当事者として考えて行きたいという思いが一層強まりました。ありがとうございました。

 

(1年男子)
当時、実際に政治に携わっていた方の意見は、現実味があってとても興味深かったです。いざ、何かアクションを起こそうと思っても、政治的なメリット、デメリットが絡んでくるというような話もあり、物事を思い描くように進めるのは難しいことなのだと、改めて感じました。また、今回、尻込みして質問できなかったことがあるので、もしまたこのような機会があったら、自分から積極的に質問、意見等できるようにもなりたいです。

はいろのいろはワークショップに参加しました

3/26(金)本校にて5名の生徒が、はいろのいろはワークショップに参加しました。
原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の主催するワークショップです。

社会学者の開沼博先生にオンラインでファシリテータをしていただき、
カードゲームで廃炉の全体像をつかんだのち、はいろのいろはカードを各自作成しました。

カードゲームでは、ミッションカードの達成を目標とした廃炉の実行のシミュレーションを行いました。
地元企業と行政、研究機関や海外などの協力関係がなくては廃炉が進行していかないことを身をもって実感しました。

はいろのいろはカードの作成では、5人それぞれに専門家の方がついていただき、
個別にレクチャーを受けつつ自分の疑問についてカードに整理しました。
最後にそれぞれの作ったいろはカードの発表を行い、開沼先生からアドバイスを受け取って終了しました。 

詳細になんでも質問できたことで、生徒たちの満足度は高かったようです。

 

 

 

 

 

 

<生徒感想> 

廃炉について易しく知ることができました。実際に様々な現場の第一線で働いている方々からお話を聞くことができ、
貴重な機会を頂けたことに本当に感謝しています。また、他の生徒の発表を聞いて新たな視点を発見でき、廃炉への
興味が一層高まりました。廃炉を取り巻く様々な問題は、ある程度の知識がなければ始まらないと聞きました。
故郷である福島県をよりすてきな場所にするために、これからを担う世代である私たちが知識をつけなければいけない
と感じました。本当に貴重な機会を頂き、ありがとうございました。(2年女子)

事前知識がかなり足りなかったので不安だった。しかし、最初のゲームで楽しく学べ、国などの機関ごとにやるべき
ことがあって、協力し合うことが大切なのだと理解できた。また、相談員の方とお話しする中で、私は廃炉作業が作業員さんにとっても周辺地域の人にとっても安全に進められるのかが不安だったのだと分かった。廃炉についてのお話しを聞いて、作業は思ったよりも安全に進んでいるのだと分かった。やはり、正しい知識を得ることは大切だと思った。
廃炉などのことをもっと知って、将来子どもたちに、福島のことを伝えたり、福島の復興に携わったりできたらいいなと思った。(1年女子)

放射線の授業

2月~3月にかけて、1年生全員に物理基礎の授業中に放射線と福島の現状についての授業を行いました

今年は県や省庁のデータなど諸機関の資料をまとめた本校のオリジナルのテキストを作成し、
放射線測定器「はかるくん」を使用しつつ、以下の全5章の授業を行いました。
(クラスによっては3章まで)

第1章 放射線の基礎 : 放射線の正体、単位と測定法、原発の原理
第2章 放射線の実験 : 放射線の性質の理解(線源の測定や距離・遮蔽実験を通して)
第3章 福島の現状  : 放射線の生体への影響、現在の福島の線量や食品検査の結果
第4章 福島の課題  : 現在の原発の様子と課題、風評被害とその原因
第5章 福島の努力  : 避難指示解除地域の現在、福島の人の震災後の努力

授業の最後では、2011年の震災の教訓をまとめ、各グループで発表しあいました。

<生徒感想>

自己当初は放射線の危険性を訴えるような情報が多くて恐怖を抱いていましたが、実際には私たちが浴びた放射線の量では人体に影響がでる可能性がものすごく小さいとよくわかりました。しかし今でも福島県について誤解している人が多いのも事実で、残念でした。また、震災の影響でストレスを感じ、自殺などに追い込まれている人も福島県に多く、人数も減らないことにショックを受けました。
最後に周囲の人と震災から学んだことを話せて本当によかったです。悲惨なことも多かったですが実はポジティブな面も持っている震災ですが、この授業を通してやはり、この経験は大切にしていこうと思えました。(1年女子)

甲状腺検査を行うことで「過剰診断」という問題が起こっていることを知った。数値を見るだけでなく、他の県の値などと比較することが大切なのだと思った。また、お米に対して農家の方々などがたくさんの努力をされていたことが分かって、他県の人にもこの努力を知ってほしいと強く思った。放射線の遺伝的影響がありえないとはっきり学べて安心した。ただ不安に思うのではなく、信頼できるデータや情報から判断することが大切なのだと感じた。
福島についてはネガティブな情報が耳に入りがちだが、これらの授業を通して「福島の復興」という言葉の見方が変わった。(1年女子)

震災を知らない世代が今後増えていく中で、私たちが伝えていく必要があると思った。どのように伝えていくかはすんなり決められることではないが、それを大学までに見出して、伝えていきたい。本質を見抜くにはすべての教科が必要であると分かったので、福島県を理解していくために今後も勉強を頑張りたい。(1年男子)

たくさんの人たちが福島に協力していただいていて、本当にありがたいと感じたし、自分がこの授業を受ける前に思っていたよりも復興していると分かりました。(1年男子)

食品中の放射性物質測定についての説明会・放射能測定器講習会 を実施しました

3/16(火)本校にて19名の生徒が、食品中の放射性物質測定についての説明会・放射能測定器講習会に参加しました。

本校の生物室において、オンラインで近畿大学原子力研究所の山田崇裕准教授に放射線の基礎及び食品中の放射性物質の検査の注意点についてレクチャーしていただいたのち、
福島県環境測定・放射能計測協会の方々に実際に本校のNaIスペクトロメータで測定を実演していただきました。 

山田先生は原発事故直後から福島県内の食品放射能測定に関わっていた方で、エネルギースペクトルの意味など大学レベルの詳しい話をしていただきました。
生徒たちは実際に測定してみることで、測定をどのように行ったいたのかを知り、より科学的に食品の安全性を実感できたようでした。

海外若手研究者による英語の講義(Science Dialogue)を行いました

 2年のSSHクラスでは、3月11日(木)のSSアカデミーⅡの授業にインドネシア出身の若手研究者 Tahta Amrillah (博士)をお招きし、 サイエンスダイアログを実施しました。

 

 

「サイエンス・ダイアログ」は日本学術振興会の制度*1)で、研究のため日本の大学・研究機関等に滞在している若手外国人研究者を高等学校等に派遣し、自身の研究や出身国に関して英語で講義するプログラムです。

*1)https://www.jsps.go.jp/j-sdialogue/

 

 はじめに、出身国インドネシアの風土、文化、食の紹介があり、美しいバリ島の映像や日本の焼き鳥やお好み焼きによく似た食べ物の写真を見せてくださいました。

 続いて、日本のアニメが大好きで日本文化にも興味があり、ドイツと台湾の研究機関で研究をした後、日本の研究機関で研究をしたかったとお話されました。

 そして最後は、ご自身の研究である“強磁性半導体”の講義がありました。さすがに、研究についてのご講義は内容的に難しく質問は大変でしたが、お国の紹介や日本のアニメのお話では、対話(Dialogue)がとても盛り上がりました。

 Scienceを話題の1つとして、海外若手研究者と英語でコミュニケーションをする楽しさを感じ、研究者になること、海外で学ぶことや海外で働くことに興味関心を持つことができました。ぜひまたやりたいとの声を受け、次年度もまた実施を計画します。

 

令和2年度SSH生徒研究発表会

 2月26日(金)に令和2年度SSH生徒研究発表会を開催しました。昨年度は新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校のため開催を見送りましたが、今年度は感染対策を講じた上で、校内公開の形で開催することができました。午前中はポスター発表、午後はステージ発表を行いました。ポスター発表では、2年生全員と1年生の代表グループが1年間の研究成果を発表しました。ステージ発表では、1年生代表、海外研修参加生徒、医療深掘りゼミ参加生徒、物理部・化学部・生物部が研究成果を発表しました。最後に、来賓を代表して、本校SSH運営指導委員の(公財)福島イノベーションコースト構想推進機構人材育成支援課長飯田喜之様よりご講評を頂きました。発表した生徒も、発表を聴く側の生徒も真剣に取り組む姿勢が見受けられました。また、発表に際しては、運営指導委員の先生方、来賓の方からも様々な面から貴重なアドバイスを頂きました。改めて感謝申し上げます。

 この生徒研究発表会は、年間のSSH活動の最大の行事です。今年度はコロナ禍ということもあり、広く一般に公開することは差控えさせていただきました。次年度以降の開催方法については、社会情勢等を踏まえ、可能な限り本校生の活動を広く公開できるように検討を重ねて参ります。 

生物部・物理部・SSクラスによる口頭発表とポスター発表の練習会を行いました

1/29(水)放課後、物理実験室において生物部・物理部・SSクラスによる口頭発表とポスター発表の練習会をおこないました。他の理科部の生徒も加わり、総勢40名以上が参加し、活発な質問が飛び交いました。
英語発表もポスター発表も初めて、という生徒たちもいましたが、とても活発に堂々と発表していました。流石です!!

週末は福島高校主催の英語ポスター発表会と東北地区SSHコミュニティ(SSH東北大会)があります。
より分かりやすく内容の濃い発表になるよう、頑張ってください!!

 

ディベート講習会およびディベート大会

1月12日(火)山形大学山形大学大学院 教育実践研究科の江間史明先生を講師にお迎えし、1年生を対象に、ディベート講習会「はじめての日本語ディベート」を行いました。「ディベートとは何か」「ディベートで学べること」など、基礎基本的な部分から丁寧にご指導いただきました。

また、講演で学んだことをもとに、クラスで実際にディベートを行いました。試合の緊張感を楽しみながら、どの班も熱心に取り組んでいました。

 

福島第一原子力発電所見学会実施

 12月25日(金)に,福島第一原子力発電所見学会を実施しました。
 安積高校のSSH活動では,海外の高校生との交流活動も計画されており,ドイツやフランスの交流を計画しています。海外との交流では,福島第一原子力発電所事故や福島復興が話題に上がることを想定し,学ぶ機会を設けました。

 

 

 

 まず富岡町の廃炉資料館の見学。いきなり「水素ガスは事故のどの段階から発生が始まったのか」「核分裂ではホウ素やクリプトン以外にどのような原子核が発生するのか」「ウランの連鎖反応を始めるための最初の中性子はどこから来るのか」などの質問が飛び出しました。

 会議室では,1〜4号機の現在の状態や今回の見学順路の説明をうけ,いよいよ第一原子力発電所に向かって出発。国道6号線を北上すると,地震直後のまま放置された自動車会社の建物が残る一方で,壊れた住宅の解体が進みあちこちに空き地が広がる熊町の景色には,時間の経過を感じます。

 再び廃炉資料館に戻り,地域の復興に取り組む東京電力社員の活動についてお話をお聞きし,その後グループワーク。まず福島第一を見学して,「印象に残ったこと」「新たに疑問を持ったこと」をグループごとにKJ法で出し合い整理,そしてグループの代表が発表。

 グループワークからは,資源エネルギー庁の木野さんも駆けつけて下さり,東京電力の方々と一緒に,生徒の質問に答えてくださいました。

(追伸)この日生徒から出された質問一つ一つに対して,木野さんからのお返事が後日届きました。たくさんの質問にお答えいただき、感謝申し上げます。

 

以下生徒の感想です。
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・大変わかりやすく、丁寧なご説明ありがとうございました!非常に勉強になりました。今後も現場で学び続けることを大切にしたいとおもいます。今後もよろしくお願いします。
・この機会に原発を見れたことはこの先忘れないと思います。今日、放射線に対する知識が深まっただけでなく、復興を進めたいという想いも強まりました。SNSなどを通して福島の現状を伝えていきたいです。
・正しい知識に基づいた自分の意見を明確に持ち、それを発信していくことが大切だと感じさせられました。
・帰還困難区域での実証実験や、1F視察など、身をもって体感できる体験ができ、また、その道に精通した方のご講義を伺うことができたことで、正しい知識を得ることができました。また、それをもとに自分はどう考えるか?他の人はどう思っているのか?を考え、意見を聞くことで、それらの問題を自分まで落とし込めたと思いました。そして、それらを発表することで、相手にも聞いてもらえますし、そこから変えるきっかけにもなるのではないかと思いました。
・自分が学んだ知識を今回の確かな経験をもってより現実感のあるものとして自分のものとして取り入れることが出来ました。自分の価値観をより広げることができたので、とても有意義な時間になりました。今後もこのような活動に参加したいと思います。

 

国内先進地域研修実施

今年の国内先進地域研修は,新コロナ 感染症対策のため遠方に向かうのは断念し、
国内先進地域研修Ⅰとして東北大学研究室見学,
国内先進地域研修Ⅱとして福島県立福島高等学校SS部訪問,
と計画しました。

このうち先進地域研修Ⅰは冬季課外2日目の12月18日(金)の午後に実施し、東北大学の3つの研究室を見学させていただきました。

 

生命科学研究科渡辺正夫教授研究室

   本校のSSH運営指導委員をお願いしている渡辺正夫先生には、片平キャンパスの案内をしていただきました。生徒たちにとっても渡辺先生は,今年6月の探究の授業で、「課題研究とは何か」の題目でからリモート出前講義をいただいた先生です。
キャンパス内を歩きながら、青々とした松の木と黄色い松の木の違いを問われたり、金属材料研究所がなぜ東北大学にあるのかお尋ねになったり、見聞きするものをぼんやり見逃すのではなく、いつも心の中で「なぜ」を問い続けることの大切さをお話しになりました。さらに、「歴史を考えることは、研究では先行研究、先達が何をしていたのか知ることと同じ。そのような学びは,課題研究においても,研究が深まるきっかけになります」とお話しいただき、生徒は大きくうなずいてお聞きしました。

 

工学研究科安藤晃先生研究室

   安藤晃先生は,核融合の基礎研究としてプラズマの研究をされています。プラズマに関する簡単な講義ののち,早速プラズマの体験。プラズマボールを見せてくださったり,テスラコイルでプラズマを発生させたりしてくださいました。直にプラズマに触れて電撃を感じたり,蛍光菅を近づけて点灯を確認することで,電気現象であるのがわかります。
 その後大学院生から,核融合の基礎研究についてや,イオンエンジンに関する研究について説明をお聞きしました。

 

農学研究科伊藤幸博准教授研究室

(写真は伊藤先生提供)
 伊藤幸博先生は遺伝子工学を駆使してイネの研究をされておられる先生です。はじめに,有用なタンパク質を生成するイネ,ワラが分解されやすいイネなど,日本の主作物であるイネをこの技術によって研究する意義をわかりやすく説明されました。お話には,ポケモンにくわえて研究室のゆるキャラ「おコメちゃん」も登場して,とても楽しいプレゼンテーションでした。
 先生の講義ののち,大学院の関根さん(安積高校OB)から,自ら遺伝子書き換え技術によって作成したカルスを示しながら,自分の研究についてお話しいただきました。質疑では,高校生の頃の紹介も飛び出し,生徒たちの親しみのあるお話しでした。


   初めて大学を見学した生徒がほとんどでしたが、安積高校の卒業生から直接研究についてお話しいただいたり、片平キャンパスでも工学部でも思いがけず福島高校卒業の学生が声をかけてくれたり、生徒たちにとって東北大がとても身近なものとなりました。
さらに先生方から「2年後は東北大においで」とお誘いいただき、皆まんざらでもなくとてもうれしかったようです。帰りのバス内でも「わたしは勉強をがんばる」という声も聞こえました。
新型コロナ感染症対策で大学の教育活動にも制約のある中、本校生徒の見学を受け入れてくださいました東北大の先生方に、改めて感謝申し上げます。

 なお,国内先進地域研修Ⅱとして計画した福島高校SS部訪問は,直前の12月20日の「福島市新型コロナ緊急警報発令」をうけ,市内の高校が1・2年を登校禁止としたため,中止となりました。

 

以下生徒の感想の一部です。
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安藤先生
今回は貴重な体験をさせていただきありがとうございました!お礼の言葉を言わせていただいた者です。
私は科学者の卵で一度安藤先生のご講義を受けさせていただいたのですが、その時からプラズマやイーター計画に興味がありました。しかし、リモートだったため実験を実際に行うことや研究室を見ることはできなかったので、今回こうして東北大にお邪魔して、テスラコイルを用いた実験を体験させていただいたり研究室を見学させていただいたりすることができて非常に嬉しく思っております。私はニコラ・テスラが前から好きで、そのお話やテスラコイルが出てきた時はとても興奮しました。また、テレビでも見たことのない大きな装置がある研究室に入ったときも意識が飛びそうなほど嬉しくなってしまいました。そこでは、学生さんとお話しすることができて嬉しかったです!私は工学部志望なのですが、東北大工学部の学生さんとお話しできる機会は滅多にないと思い、質問の時間に、学生さん達が研究されている磁力を用いたエンジンとはやぶさ2のイオンエンジンの違いや、イーターの磁場とプラズマなどについて質問させていただいました!学生さん達がわかりやすく簡潔に、且つ丁寧に教えてくださり、お話しできた時間はとても幸せなものでした。現在コロナ禍にありなかなか厳しいとは思いますが、また学生さん達や先生とお話ができることを願っています。貴重な経験をありがとうございました。

伊藤先生
イネについての研究や遺伝子について詳しく、そして面白く教えていただきありがとうございました。遺伝子についてとても興味がわきました。私は生物に興味があり、将来東北大学進学を目指しているため、今回の研修は良い刺激になりました。お忙しい中、私たちのために時間をとってくださり、本当にありがとうございました。

伊藤先生へ
今回はお忙しい中ありがとうございました。最初の研究についての説明はとても分かりやすく、勉強になりました。オコメちゃん可愛かったです!稲やもやしから万能なタンパク質を取り出す研究が行われているということを初めて聞いて驚きました。それと同時に、研究に対する意欲が湧きました。研究室を実際に見ることが出来たのも、とても楽しかったです。貴重な経験をすることが出来ました。本当にありがとうございました。

渡辺正夫先生
大学構内のご説明、詳しくしてくださり、ありがとうございました。私は生物屋を志しており、学校では微生物を相手に日夜、矛盾する実験系と悪戦苦闘しております。最近は心が折れそうになることも多かったですが、なぜか、渡辺先生のお話を聞いていたら「もう一度やるぞ!」という気持ちが湧いてきました。勉強のモチベも。
研究も頑張りますが、東北大学に入れるくらい、勉強も頑張ります。本日は良い刺激を受けることができました。お忙しい中ありがとうございました。

渡辺先生
まず、今回未熟な私達のために、わざわざ寒い中、説明して下さりありがとうございました。先生の話はとても面白く、興味の惹かれるものでした。先生は、科学の歴史の重要さを伝えるために、研究室にも入らず、雪の積もる屋外を駆け回り、熱心に話をしてくださいました。先生の質問は、正直自分には分からないものばかりでした。しかし、全て科学に関する基礎知識のようなものだと、先生の反応から察しました。私は、自分の知識不足を今回の先生のお話から、改めて感じさせられました。また、それと同時に科学の奥深さや楽しさ、面白さのようなものも感じました。先生が、身近なものを観察することで得られた違和感や、実体験を踏まえた科学の歴史についてのお話。それを、ジョークを交えながら伝えてくれたことで、すんなり理解することができました。特に心に残っているのは、「研究をするなら、その歴史をまず知りなさい。」というお言葉です。私達は、SSクラスとして活動していく中で、必ず研究活動というものをします。その時、この言葉を思い出し、自分が興味をもった研究の歴史を学び、その上で自分の研究に真摯に取り組もうと思います。先生がとても盛り上げてくださった「浮気」回答の件ですが、バスで散々にいじられました。しかし、友達が増えたような気がするので実は大変感謝しています。ありがとうございました。
最後になりますが、どうか健康にはお気をつけてください。またお会いできるのを楽しみにしております。

安藤晃先生へ
先日はありがとうございました。プラズマに関する説明、研究設備から、大学で行われている研究の規模を知ることができました。今回の貴重な経験、学んだことを、これからの探究、進路活動に積極的に活かしていきたいです。

伊藤先生、この度はお忙しい中ご丁寧な指導をありがとうございました。
今まで農学はあまり学ぶ機会がなかったので何とも思っていませんでしたが、今回のお話を聞き、私達の生活によく関わっている研究がされていて、とても大切なものでありとても面白い分野だと感じました。今回学んだことをこれからの生活にも活かして、お米を食べる際におコメちゃんを思い出しながら食べたいと思います。貴重な経験となりました。本当にありがとうございました。

 

ドイツ ウルフスクーレ校とのキックオフミーティングを実施しました。

12月15日(火)にドイツエッセン市にあるGymnasium an der Wolfskuhle校の5・6回生(ドイツでは中高一貫の学校が一般的)14名と安積高校10名でオンラインによるKick off meetingを実施しました。

今年度は、コロナ禍により年度初めに計画していたドイツに渡航しての研修は不可能となりましたが、エッセン市と連携協定を結んでいる郡山市の協力を得、オンラインでの研修を実施することになり、今回はその初回でした。

両校教員の挨拶、両校の紹介に続き、各自が1対1もしくは1対2でパソコンの画面に映る相手と英語でコミュニケーションを図り、今後の協議内容の検討へのきっかけづくりをしました。

本校英語教員とALTも待機していましたが、両者の活躍の機会は全くなく、全員英語でのコミュニケーションができていました。

今後はSNS等を利用し、両校での研究協議内容を詰めていき、オンライン交流で意見を深め、年度末には、共同研究の成果発表並びに、両校の研究の発表を行う予定です。