SSHブログ

SSH活動日誌

3年生サイエンスダイアログ(SSアカデミーⅡ)

 12月1日の3年生SSアカデミーⅡの授業では、今年もサイエンスダイアログを行いました。
 
 サイエンスダイアログは日本学術振興会が行う事業で,日本の研究機関で研究している海外出身の若手研修者を高校などに派遣し、最先端の科学研究の紹介を英語で行うものです。英語でのコミュニケーションになるため、科学の学びだけでなく、ナマの英語にも触れる貴重な機会です。
https://www.jsps.go.jp/j-sdialogue/
 
今回の講師は、自治医科大学で研究を進めるモハメッド・シブール・ラハマン(Dr. Md. Shiblur Rahaman)博士。バングラディシュ出身の若手研究者の方でした。

 ラハマン先生は,ヒ素の毒について研究されています。

 バングラディシュの地下水は,地質的にヒ素を多く含むため,生活用水として地下水を使用する人々に,ヒ素による毒害が多く見られるとのことです。上水道の整備が求められるところですが,現時点ではヒ素の毒害について多くの人々に知らせ,地下水の使用をやめさせたいとのことでした。

 

 一方で,バングラディシュでは農工業など幅広伊生産活動で地下水を使用しているので,ヒ素が体に及ぼす影響を科学的に解明し,解毒の方法なども研究して行きたいとのことでした。

  美しいバングラディシュの写真で始まり,とてもわかりやすく作り込まれたスライドや,先生の優しい語り口が,ラハマン先生のお人柄を思わせ,バングラディシュの人々の健康を守りたいという強い決意を感じさせるご講義でした。
 

 写真では質疑応答の様子が写っておりませんが,先生とのやりとりが盛り上がる様子に,思わず写真撮影を忘れてしまいました。右は,先生からいただいた資料を事前に読み込み,予習の形跡を示す黒板状の書き込みです。クルクミンの化学式を書き込みその構造から性質を考えた様子がうかがえます。さすが,3年生!

 

(以下は生徒の感想です)
 「良かった点」
・英語のリスニング力を鍛えられました
・英語を聞く力が高まりました。また、大学での研究がより楽しみなものになりました。
・ヒ素に毒性があるのをはじめて知りました。毒性のあるものはまだたくさんあると思うので、もっと知りたいと感じれた。
・思っていたよりもずっと本格的な研究を聞けた。
・英語で分かりにくいところがあったら、日本語で補足してくれる人がいたこと。
・前回よりも学習していた内容に近い内容を話していただけたので、難しいながらも理解できた部分が多かったです。
・外国での毒による災害について、日本でも実際起こった事例と関連させて頂いたので、分かりやすかったです。また、身近な話題を例にしていたことで、サイエンス的な考えも深まったし、グローバルへの興味も深まりました。
・外国の文化を生できけたところ、あまり縁のなかった生物系の研究を少ししれたところ
・研究の概要が理解できた。 英語を学ぶモチベーションに繋がった。
・日本では馴染みの無いヒ素の被害について知ることができた。科学的な事柄について、英語で学ぶ練習になった。
・研究についてのお話は大変面白かった。加えて、バングラデシュの風土や科学研究の原点についてのお話も面白かった。
・面白い化学の話を聞けた
・毒物に興味があることがわかった
・英語のリスニング力を鍛えられました
・事前に予習をしていたため、内容が入りやすかった点。
・海外で働く現役研究者の現状について知ることができた。
・英語の用語が分からなくてもある程度理解出来るほど分かりやすかったので良かったです。
・生物系の講義を聞いて広くいろいろな分野に関心をもつことを意識できた点
・言語のフィルターを通さず直接研究についての意見を伺うことができたので、より深く考えさせられた。
・現役の研究者の話を聞くことができた点
・なんのために研究をするのかということを考える良い機会になった
・ヒ素が原因となる害について英語で学ぶことができたので、新たなことを学べただけでなく英語の自信もついた点。
・ヒ素による問題があることを知ることができた。


「ラハマン先生へ」
・バングラデッシュや研究内容について丁寧に説明してくださり、ありがとうございました。
・質問に答えていただきありがとうございました。内容は難しくて、完全に理解したとは言えませんが、聞いててとても興味がそそられる内容で楽しかったです。また、化学が何かの役に立っているという実例を聞くことが出来て、僕も大学で人の役に立つ研究をしたいとより強く思うようになりました。本日はありがとうございました。
・ヒ素のことだけでなく、バングラデシュの事についてもしれて、興味を持てました。
・科学に対する考え方がより深まりました。もっと英語理解できるようになりたいと思いました。THANK YOU.
・英語をゆっくり話して、私達に分かりやすいように説明してくれてありがとうございます。
・素敵なご講演ありがとうございました。私自身、以前はヒ素はとにかく毒だから体に悪いのだろうというくらいしか考えておらず、ヒ素が体内に入ることによりどのような現象が起き、どのような害が及ぼされるのかまで深く考えたことはお恥ずかしながらありませんでした。しかし、先生のご講演を聞き、ヒ素がどのような理由で私たちの体に害を及ぼすのか、ヒ素が入ってきた体内ではどのような反応が起こっていると考えられるのか、少し難しいところもありましたが知ることができました。ありがとうございました。
・日本に住んでいると、外国がどのような状況なのか、どんな災害があるのかなど知らないことが多いです。しかし毒という共通の観点から問題点や解決策を見いだしていたことで、自分にとっても凄く身近なことに感じ、とてと考えが深まりました。機会があれば、世界の状況についても調べてみたいと思います。とてもわかりやすい講演をありがとうございました。
・本日は遠路はるばるおいでいただきありがとうございます。自分は航空宇宙系志望で、あまり生物系の研究を触れずにきていましたが今回はそのような話を噛み砕いて説明してくれたことで僅かながら理解もできました。また、講義の後半で科学が人を救うことの意義についてお話をいただき、自分がなんとなく抱いていた「科学者は社会情勢には関心が薄く、興味のみを原動力として研究をしている」という浅薄なイメージが打ち破られました。大学をでて職業人になっても、周りの人が少しでも笑顔になるような仕事をすることを胸に刻みたいと思います。改めて、本当にありがとうございました。
・なぜ科学を学ぶのかについて深く考えるきっかけになりました。また、バングラデシュに行きたくなりました。素晴らしいお話をありがとうございました。
・Thank you for your great lecture. We could know about the arsenic problem which is not so familiar in Japan. At first, I felt that the process of decomposition of angiotensin is very complicated, however, thanks to your polite explanation, I could finally understand it. Also, I was very impressed with your idea that science enables us to save all over the world by discovering new things. Your study probably save many people who are suffering from arsenic damage in the future. I want to become a scientist like you, who study for people in need. Thank you very much!
・興味深いお話をありがとうございました。研究もさることながら、そもそもの科学探求の部分のお話も聞けて嬉しかったです。追加質問なのですが、水俣病やイタイイタイ病などはバングラデシュでも公害による健康被害の例として学習するのですか?また、学習する場合、どのような形で教わるのでしょうか?よろしくお願いします。
・とても面白かったのでまた聞きたいです
・自分の英語力が及ばず英語が聞き取れなくて残念だった
・砒素について丁寧に説明してくださりありがとうございました。
・ありがとうございました。
・おぼつかない英語に丁寧な回答や説明をしていただきありがとうございました。この経験は将来研究を行う際に非常に価値あるものになると感じます。心から感謝いたします。
・最初は講演会の途中で英語がよく分からなくなると思っていましたが、図が分かりやすかったり、ゆっくりめに話してくださったのである程度理解出来ました。科学の面白さも再確認できたので良かったです。今日はありがとうございました。
・英語での講義ということもあり少し心配な点はあったが講師の方が丁寧に教えてくれたので少しずつ理解することができたし、他の国の文化などを知ることができて良かったです。
・ご自身の研究に留まらず、科学の営み全般への熱意がよく伝わる素晴らしい講演でした。ありがとうございました。
・自身の英語力を高めようと思うきっかけになりました。ありがとうございした。
・バングラデシュの人々のために問題意識をもって研究をなさっていることがすごいなと思いました。将来の人々のより良い生活の手助けができるように学んでいきたいと思います。
・Thank you for your presentation. I learned how harmful arsenic is for human and the fact that meny people in Bangladesh are suffering from it for the first time.I'l keep thinking about what I can do. Also, you told us many important things to be a scientist and to be good at using English.I'll keep them in my mind and realise my deams.Thank you!
 
(以上)

前飯舘村長さん宅訪問

 11月25日,中間試験の最終日でしたが,午後から,前飯館村村長菅野典雄さんのご自宅を訪問し,飯館村の復興についてお話を伺いました。
 
 この取り組みは,福島県教育庁高校教育課「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」によるものです。

 本校がこの事業の実施校に指定されことにより,国際高校生放射線防護ワークショップに参加する生徒が,訪問を行いました。


 

 

 震災後の飯舘村の取り組みは他の町村とは少し異なり,避難や放射線防護に対して村独自の考え方が窺えます。元村長さんは事故後,何冊も本を書いておられ,生徒たちも1冊を読み,飯舘村の考え方を学んできました。

 そんな飯舘村の取り組み方を,震災後の福島復興の姿の一つとして,発信できたらと考え,今回の訪問に取り組みました。

 

 突然の高校生の訪問にもかかわらず,菅野さんは資料など準備してお話しくださいました。
 

「被害者として一方的に国や東電を責めるのではなく,先方の言葉にも耳を傾け歩み寄れるところは歩み寄って,少しでも地域の復興が進むようにしたい」と繰り返しお話いただいた点が,生徒たちの心に強く刻み込まれたようです。

 
 また,奥様には生徒たちにお菓子やら飲み物,さらに帰宅時には珍しいホッキ飯のおにぎりまでいただきました。帰りのバスの中で美味しくいただきました。ありがとうございました。

 

 

SS探究Ⅰ「SDGs講演会」

 11月4日(木)6~7校時に、一般社団法人SDDソリューションズ理事 小針丈幸様を講師に迎え、一年生を対象に「SDGs講演会」開催しました。SDGsについての学習を通じて、現在の「地域創生探究」を、二年次の「グローバル探究」に継続発展させていきます。

 この『講演会』は座って講義を聴講する一般的な形式ではなく、講義とカードゲームを組み合わせたワークショップです。カードゲーム「2030SDGs」は、与えられたお金と時間の中で、各グループが目標に向かって様々なプロジェクトを行うものです。プロジェクトの進行によって、経済、環境、社会の3観点からの「世界の状況メーター」が刻々と変化します。今回は、前半に経済に偏った世界が出現し、後半でバランスを取り戻すという展開になりました。280名で偏った方向へ進み、またそれを持ち直すゲーム展開にはスリルと迫力がありました。

 小針氏の巧みなファシリテーションによってゲームが盛り上がり、また、振り返りを通じて、SDGsについての理解を深めることができました。

    

SSアカデミーⅡ 2年生 Python 第3・4回

 11月11・18日の2年生のSSアカデミーⅡの授業は,プログラミング言語Python(パイソン)学習の第3回,第4回が行われました。SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。

 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さん。昨春東北大学を卒業されたばかりの若手ですが,大学ではPythonを用いて原子物理学のデータ解析を研究された新進気鋭のプログラマーです。

各回の授業内容は,
第3回「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
第4回「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」,でした。

 

 第3回では,まず前回の復習としてcsvファイルの読み込みと基本的な統計量の算出法を行い,その後Matplotlibを用いてのグラフ作成について学びました。折れ線グラフ,正弦曲線,散布図,ヒストグラムなどの作成方法について学び,実習も行われました。

 

 第4回では,前回のグラフ作成について復習が行われ,その上でsckit-learnを用いた機械学習を例に,機械学習とはどのようなものなのか簡単にご講義いただきました。
 一つの例として,「Iris(あやめ)」の写真から3種類のあやめのうちどれに該当するかカテゴライズする仕組みが紹介されました。あらかじめ,あやめの「がく片(sepal)」・「花弁(petal)」の長さと幅のデータリストを作成してグラフ化しておくことで,3種類のあやめがカテゴライズされます。新たなあやめの写真から,「がく片(sepal)」・「花弁(petal)」のデータをもとめ,先のグラフ内に位置付けることで,3種のどのあやめに該当するかその確率が求められる,というものでした。もちろん手順を紹介されてもまだ実際に自分で行うことはできませんが,簡単な例で「機械学習の仕組み」を知ることができました。

 

 全4回の内容は,概ね昨年のものと同じでしたが,少しずつボリュームを下げてその分生徒の実習の時間が増え,特にグラフ作りの部分では実践的になりました。ぜひこの学びを自分たちのデータ解析に活かして欲しいものです。

 

 あらためて各回の授業内容は,
第1回「データ分析とは何か? ~Pythonの基礎文法を学ぼう~」
第2回「単振り子データの統計解析 ~Numpy,Pandasによるデータ加工~」
第3回「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
第4回「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」
でした。

 終了後,講師の先生からは「実際に生徒が自らのデータを分析するところまで講座をひろげることはできないか」との提案をいただきました。次年度以降のSSアカデミーⅡの授業がさらに充実できるよう,カリキュラムの見直しを検討していく予定です。

 

(以下生徒の感想です)

・楽しかったです!一番前で聞けて良かったです
・とても分かりやすかったです。
・わざわざお越し下さりありがとうございました!
・わかりやすく教えていただきありがとうございました。今後も探究でよろしくお願いします。
・プログラミングの授業で、プログラミングの大切さや便利さ、楽しさを深く知ることができ、とても興味が出ました。大学でも使える大事なことなので自分でスムーズに使えるように勉強していきたいと思いました。ありがとうございました。
・お忙しい中、有難う御座いました。
・研究に活かせるプログラミングを教えていただきありがとうございました。
・ありがとうございました。なかなか自分でプログラミングを学ぶ時間や環境がなかった為とても有意義な時間になりました。
・実際にどのような所でプログラミングが使えるか、自分でプログラムを組むことで便利さを実感することができました。
・探究活動でも早速Pythonなどいろいろ使ってみています。ありがとうございました。
・ありがとうございました。とても分かりやすく、自分たちの研究にとても役に立つものだったのでためになりました。
・プログラミングについて今まで興味が少ししかなかったのですが講義を聞いて興味を持つことができたのでよかったです。ありがとうございました
・内容は結構難しく、ついていくのが大変だった。ただ、今回学んだ知識をしっかり生かしたい。
・よかったです
・わかりやすくてとても楽しかったです!
・全て理解することはできませんでしたが、興味が湧きました。ありがとうございました。
・わかりやすくてとても良かったです。課題研究で、ImageJなどをPythonで使いたい機会があるので、さらに勉強して、実用できるようになりたい。
・将来役に立つ講義をありがとうございました。
・ウェブスクレイピングについてもっと詳しく知りたいです!
・ちょっと自分にはレベルが高かったですがいい経験になりました、ありがとうございました
・pythonについて気になっていたので、学ぶいい機会になりました。研究にも役立っているのでとても良かったです。
・とても丁寧にプログラミングを教えていただきありがとうございました。
・分かりやすい講義をありがとうございました。探求活動に活かせそうなこともたくさんあったので、探求活動を頑張っていきたいです
・かなり沢山のpythonについてのことを教えていただきましたが、自分でpythonを勉強していたのでわかることが多かったので、そういう人向けの課題を増やして欲しかったです。
・先生のせいでは無いのですが進みが速くて大変でした
・後から振り返ることができるようにあのような形で残していただきありがとうございます。たくさんの時間を割いて教えていただきありがとうございます。まだまだ理解が追いついていないので、これから振り返って自分のものにできるようにしたいです。
・置いてかれてしまうことが多々あった 僕個人としてはもう少し分かりやすいと良かったと思いました
・一つひとつ丁寧に教えて下さったのでとても助かりました。勉強になりました。ありがとうございました。
・プログラミングは初心者で、最初は本当によくわからなかったのですが、講義を受けて、仕組みを理解することができました。まだまだ使いこなせないですが、これからも練習していきたいです。
・とても分かりやすく、プログラミングをほとんどした事の無い自分でも理解出来ました。
・プログラミングは自分の苦手な分野ではあるけれど、少し楽しく感じることができました。ありがとうございました。
・難しい内容なのに高校生にも分かるように説明してくれていてとても馴染みやすかった
・プログラミングの知識が身についたのでよかったです。これからの探究活動に役立てていきたいです。
・講義ありがとうございました。

 (以上)

SSアカデミーⅡ 3年生 アントレプレナーシップ(起業家精神)について学ぶ

 11月10日の3年生のSSアカデミーⅡの授業は,アントレプレナーシップ講演が行われました。SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修する学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。

 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さん。昨年プログラミング言語Python学習でお世話になった先生ですが,大学4年生の在学中にIT教育に関わる事業を立ち上げています。今回は,起業に至るきっかけは何か,どんなことを目指してのIT起業なのかなどについてのお話をお聞きしました。

 

 石川さんは,二本松市の生まれで福島県立福島高等学校の卒業。在学中はSSHクラスに所属されていたそうです。ご両親が小学校の先生をされる家庭に育ち,大学入学までは自分も福島県の高校の先生になろうと考えていたそうです。
 東北大学理学部物理学科に入学後,大学の実験でのデータ解析を通してプログラミング言語Pythonに出会い,プログラミングの魅力に興味をもち,さらに学びを深められたそうです。

 

 一方で,物理チャレンジのチューターとして福島高校に来た東大生との出会いから学びにおける人の出会いの重要性を感じるとともに,自分も高校生の学びの経験に役立つことができればと,大学在学中はインターネットを利用した通信教育の学校でチューターも務めてきたそうです。そんな経験から教育とITが結びつきIT教育の重要性を強く意識された,とのことです。

 卒業後の選択を考えるとき,教師として学校の中で生徒を教えるより,ITエンジニアとして働きつつ,高校生のIT学習を支える教育者としても活動したいとの夢を描き,IT教育に関わる起業を考えるに至ったとのことです。同級生の95%が大学院に進学する東北大学の友人たちは口々に「起業して大丈夫?」と問いかけ,将来福島県の教員になるものと信じてくれていた両親の期待も裏切ることになり,決断の時にはご自分でも相当悩まれたそうです。

 

 しかし,今後ますますIT技術者が必要とされることが明らかであるのに,それに向けての社会や学校の取り組みは遅れていること,ITの学習は初期投資がほとんど必要なく誰でも学ぶ意思があれば習得可能であること,福島県からそのようなIT技術者をたくさん輩出できれば,福島県全体が豊かになるとともに福島からの人材流失を防ぐことができ,さらに魅力的な県に生まれ変わるのではないかとのお考えから,怯まず起業の道を進むことができたとのことです。

 

 生徒たちからは,「直接ITに関わろうとは考えていないが,IT社会の到来を考える時,プログラミング言語の取得が大切なことは理解できる」「プログラマーになるのではなくても,自分でプログラミング言語を習得することは可能か」「本や大学の授業で学んだのではないとのことだが,インターネットを利用してどのように学ぶのか」などの質問や意見がたくさん寄せられ,改めてSSクラス生徒の起業やITへの関心の高さを示すものとなりました。

 

(以下は生徒の感想です)
・ITの知識がまだ足りないと思ったので大学生のうちに身につけたいです。
・将来像を考えるきっかけになりました。
・とても興味深い話を聞けたので良い経験となりました
・とても面白い内容でした。
・こういう話をもっと聞きたい。その場限りになるような知識より社会で通じるようなこういう講義をもっと受けたい。
・新たな考え方を自分に取り入れられたので良かったです
・自分に自信を持てるほど経験を積みたいな~と思いました。
・大学生で起業することに縁はないと思っていましたが、意外と身近なものだということが分かりました。
・多くのことを学ぶことが出来た。キャリア形成にぜひ活かしたい。
・受験が近く、進路や将来について何度も考えるこの時期に、今回の講演を聞くことが出来て良かったです。
・起業する人の考え方を知れた。
・自分の将来についてよく考えることができたので良かったと思います
・起業についてスキル、人、お金などのことを知ることができた。ネット上でやりとりができる現代でどのような地域貢献の形があるのか考え、ロードマップを考えようと思った。
・僕ははじめ、「起業」ということについて、「どうせ一部のお金持ちとか野心のある人がやることだろう」とタカを括っていました。しかし、講演を聞いて、一学生でも一社会人でも、理念があって課題を解決したいという思いがあれば起業するという選択肢もあるのだなということがわかりました。石川先生もおっしゃっていましたが、今回の講演によって自分の頭の中にある選択肢が1つ増えたように思います。
・将来のイメージがより分からなくなりました。日々の勉強すら満足に出来ない自分にとって、キャリアプランを立てる事は少し苦しいです。でも、人生において重要な機会だと思うので、頑張ってみます。
・起業する・しないに関わらず、夢や目標を諦めないことが大切だと改めて感じました。
・進学後、したいことと稼ぐことを同時にできる起業という選択を真剣に考えたいです。
(以上)

 

 

 

 

ドイツ・エッセン市ウルフスクーレ学校とのオンライン研修

 本校SSHでは郡山市と連携しながら、ドイツ連邦共和国エッセン市ウルフスクーレ学校のグリーンクラブの生徒の皆さんとオンラインでの交流を進めています。新型コロナウィルスの影響もあり渡航をしての交流が難しい状況ではありますが、これまでに3回オンラインで交流をしていて、本校の参加生徒10名も積極的に取り組んでいます。

 11月8日(月)には、郡山、エッセン、イギリスのグラスゴーの3か所を結んでのミィーティングが開催されましたが、COP26の会場から本校のOBでもあるUNDESA (国連経済社会局)チームリーダー(エネルギー)の高田実氏に参加いただき、両校で取り組んでいるSDGsプロジェクトに対する講評やメッセージをいただきました。

 英語だけで行う交流活動は簡単なものではありませんが、一歩踏み出して挑戦してみることで新たな世界が見えてきます。特に今回は気候変動に関わる国際的な会議の場とつながったこともあり、参加した生徒にとっては大きな刺激になったようです。

伝承館研修 - 震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業(高校教育課主催)

 10月31日(日)「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」による伝承館研修がおこなわれました。
 安積高校が,福島県教育庁高校教育課の主催する上記事業の実施校に指定され,国際高校生放射線防護ワークショップ参加者をはじめとする9名の生徒が,双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館での研修会を行いました。

 伝承館研修は,本校SSH活動でも1年生の県内研修で取り組んでいます。しかし今回は「語り部事業」の実施校としての研修であり,週末の1日をかけての研修となるので,「フルコース」の研修をお願いし,実施しました。

 

 伝承館に到着してまずフィールドワーク。双葉町,浪江町の現状を見学しました。案内は富岡町出身で語り部活動に取り組む山口祐次さん。大平山霊園ではバスを降り,請戸小学校を遠くに見つつ,当日地震直後に小学校の生徒たちが農道を通ってここまで避難しここまで登り切った直後に津波が達したことなどをお聞きしました。

 伝承館にもどり,原発事故後の双葉町の人々のようすを,語り部の青木淑子さんからお聞きしました。渋滞のために動かない車列の写真を示しながら,政府の避難指示を受けた人々の避難がどれほど困難であったか,しかしこれは避難者がその後に経験する困難のほんの一部に過ぎなかったことなどをお話になりました。青木さんは元教師で富岡高校の校長を最後に退職された方です。バドミントンの桃田賢斗選手などが猪苗代に避難した後のようすなど当時の富岡高校の生徒たちの頑張りを紹介してくださいました。

 

 昼食後は館内見学。展示物がそれぞれに興味深く,じっくりと見学しているうち見学時間の1時間はあっという間に過ぎました。

 

 最後は,伝承館上級研究員の福井大学安田仲宏教授による講義「原子力防災と放射線-行動を起こすために最低限知っておくべきこと」。

 

 日本では,学校における防災教育によって「地震が起きたら…机の下に隠れる」は身についている。しかし,原子力災害が起きたらどうしたらいいのか親世代は教えられてこなかった。地震のように一言で対応を伝えられるのが大切。三原則は「距離をとる」「時間を短くする」「遮蔽する」,というお話から講義が始まり,放射線の性質などのほか,原子力災害への対応にも話が及びました。

 

 原子力災害への備えとして ①放射線を正しく理解,避け方を学ぶ ②もし原子力災害が起こったら,避難の流れを学ぶ ③原子力防災の状況を知る,準備を学ぶ,の3つの柱からなるお話は大変参考になりました。そして,このようなご講義は原発立地県ではもちろんのこと,日本中どこでも学ぶ必要があるのではないか,と感じました。

 

 今回「フルコース」の研修を全て体験することがでました。展示物の見学にもう少し時間を割きたかったこと,見学の始まった請戸小学校の見学はできなかったことが残念ではありましたが,どの部分もとても中身の充実した研修になりました。伝承館の方々,フィールドワークを案内してくださった山口さん,語り部の青木先生,講義をしてくださった安田先生に改めて感謝申し上げます。

 
(以下は生徒の感想です)
○2年女子
 青木さん 本日はお話いただきありがとうございました。一番印象に残っているのは人の心にもバリケードがあるというお話です。町民だけれど他の地域にいたり、町には地元の方が住民の半分しかいなかったりして町が一つになれないという状況を知りました。また、家が残っているのに住めず、家を壊す決断をしなければならなかったというのはすごく悔しいだろうと思います。聞いたことはありましたが、実際に見た町をさまよう牛たちの写真も衝撃的でした。つらい思いをしているのに避難所で被災した方々が立ち上がってお互いに支え合っていたことには驚きました。避難所については様々な課題が当時あったと思うし、今もあると思うので、震災当時の避難所の運営についてもっと知りたいと思いました。
 安田さん 本日はお話いただきありがとうございました。現在の原子力発電所の状況が よくわかりました。報道されていないだけで多くの事故が世界各国で起こっていることには驚きました。よけいな被ばくをしないためには遮蔽する、距離をとる、時間を短くするの3つをうまく組み合わせることが大切だとわかりました。屋内待避が思っていたよりも効果があることを知りました。正確な情報がなくて困ったというお話はたくさん聞いてきたのでスマホだけではなく、ラジオも用意したいと思いました。地震が起きたら机の下に隠れるのと同じように原子力災害の時は屋内待避と避難をすることが必要だとわかりました。
 
○1年女子
 伝承館のフィールドワークの内容に街の現実を知る時間が組み込まれているのがありがたかったです。私が震災を経験したのはまだ幼稚園の頃で、当時の私は何が起こっているのかわかりませんでした。それでもあの地震を経験した身として地震の影響について知らなければいけないし、知りたいと思って過ごしてきました。10年経っても、まだ住むことの許されない双葉町にはバリケードで立ち入ることを禁じた道や、長年放置されてしまった家が多くありました。須賀川や郡山では震災の影響が感じられなくなる一方で、いまだ地震の被害と戦っている地域があることを改めて実感しました。
 今回の研修で、沢山の展示物や体験を交えたお話を見聞きしたこと、そして実際に津波に遭い今なお復興に向けて動いている街を知ったことは私が今後、震災をより実情に沿って考えるのに役立つと思います。
個人でできることは少ないかもしれませんが、今ある問題のためにできることを精一杯やっていくことが大切なんだと思います。まずは自分が正しい知識を持つこと。そして今ある課題について自分の考えを持つこと。そんな小さなことからでもできることをやっていこうと思います。
 
○1年男子
 感想 非常に良い研修でした。今回、研修に参加したのは、自分の放射線に対する知識を蓄えることはもちろんですが、かなり個人的な理由もあります。10月14日、17日前に僕は伝承館に県内研修で行ったのですが、その時は展示見学だけでした。そこで感じたのは伝承館でもっとやりたかったという感情でした。なので行くことにしました。
 今日は一日中本当に充実していて自分が本当にやりたかったことを全てやり尽くすことができたので良かったです。請戸小学校も見学したかったですが。もう1度行ったことで新たな発見もたくさんあり本当に良かったです。
 今回の研修でもっと放射線について勉強したいと思いました。少し早い話ですが、来年都合が合えば国際高校生放射線保護ワークショップに是非参加したいです!よろしくお願いします。
語り部の青木さんへ 素晴らしいお話、本当にありがとうございました!富岡の震災時を知る青木さんの話は新たな発見を得ることができると思います。僕は震災の教訓をより都心部の方々に知ってもらうべく動いていきたいと思います!本当にありがとうございました。
 専門講座の安田先生へ 素晴らしいお話、本当にありがとうございました!僕も今までほとんど知らなかった原子力防災を詳しく説明してくださり、知識がまた加わりました。ニュースの見方を変えてみたいと思いました。本当にありがとうございました!
 
○3年女子
 本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。人がいない町の独特な雰囲気や、そうなるまでの複雑な経緯、その中での人々の心の動きは、今回のフィールドワークと語り部講演を通してしか知り得なかったと思います。また、質問にも丁寧にお答えいただき、より考えを深めることができました。専門講義では、今まで気になっていた原子力災害時の行動を学べて、やっと自分も被災から学べた、一歩進んだという実感を得られました。私は高校卒業後、県外に出ようと思っていますが、経験を語るにも当時小学一年生の頃のおぼろげでただ怖かったという記憶しかない自分がそのまま外に出ることに不安もありました。今回のことで、福島県民として現状を語れる自分に近づけたと思います。ありがとうございました。
 
○2年女子
 青木さん 今回はお忙しい中ご講演いただき、ありがとうございました。今まで私は震災に関して放射線量などのデータを重視しすぎてしまい、数字でしか学んでいなくて震災の恐ろしさを見失っていたことを痛感しました。「自分がもしこの震災の場にいたらどうしただろう」ということを深く考えず、あくまで他人事としてしか捉えられていなかったので今回のご講演はとても考えさせられるものとなりました。震災から多くの課題も見えてきたので、勿論災害が無いことが一番ですが万が一に備えて自分は何をすべきなのか、ということを震災を自分事として考えることが出来るようになりました。今回お話を聞くことができて本当に良かったです。ありがとうございました。
 安田さん 今回はお忙しい中ご講演いただき、ありがとうございました。小学生のころから地震が来たら机の下に隠れる、ということは皆常識であるのに原子力災害が起こったら何をすべきかをよく考えていなかったので、今回のご講演でしっかり自治体の避難方法について調べて、もし災害があれば自分で正しい情報をもとに判断して行動しなければならないことの大切さを深く実感しました。放射線に関しての知識も家で見返したり親等に伝えていったりしてしっかり深めていきたいと思いました。今回お話を聞くことができて本当に良かったです。ありがとうございました。
 
○1年男子
 まず、3.11の事故がとても恐ろしいモノであることを再確認しました。ただただ、恐怖を感じた展示でした。長崎の原爆資料館にも行ったことがありますが、同じような雰囲気を感じます。同じ大惨事を2度と繰り返さないようにしたい、という思いがより強くなった研修でした。
 その一方で、原子力防災について学べたことも、心に残っています。今までに講演を受けたことのない分野だったので、新鮮でした。講義をしていただいた安田さんは、当時、政府の近くで物事を決めていた方ということもあって、言葉に重みがあったと思います。その中で、最も衝撃的だったのが、年間20mSvを基準として提案したときに「泣いちゃった」人がいたことです。その人が誰なのか知りたい一方で、基準を決める人たちに対する心配が積もりました。『泣くほどの話か?!』そう思います。
フランスへの発表に対するヒントを、得ることができた研修であったと思います。
 
○1年女子
 青木さん 素晴らしいお話、ありがとうございました。家は残っているが、その家を諦めなければいけない、とおっしゃっていたことが特に印象に残っています。残された家が住めない状況になっていることを初めて意識しました。今回の講話から学ばせていただくことが多くありました。本当に、ありがとうございました。
 安田さん 素晴らしいお話、ありがとうございました。特に、原子力災害の際の避難時の行動などあまり考えることはなかったので、スクリーン場所へ行って検査しなければいけないなど、初めて知ることもありました。今回の講話から、様々なことを学びました。本当にありがとうございました。
 
○1年男子
 フィールドワークの山口さん 今回、バスで巡った場所の説明を聞いて、この地域での震災の影響について理解を深めることができました。それは、ただ現地に行っただけでは得られなかった理解だと思います。このフィールドワークで印象的だったのが、請戸小学校のお話です。震災で、そこの先生が避難ルートや、生徒の引き渡しについてそれぞれ、適当な判断をしたことで犠牲者を出さずに済んだことを知りました。そこで、災害では、いかに的確な判断をするかが重要だということが分かりました。貴重なお話をしてくださって、ありがとうございました。
 語り部の青木さん 今回お話を聞いて、震災前の町の様子や、原子力災害が町民に与えた影響、今でも残っている課題などが分かりました。その中で、心に残ったのは、「その場コミュニティ」という言葉です。自分は、人と繋がることへの難しさを感じることがあり、万が一の時、その場で人と協力し合うことができるか少し心配になりました。少なくとも、今より人に話しかけるようにしなければならないと感じました。そのほか印象的なお話があり、これらの教訓を他の人にも伝えていきたいと思います。機会があったらまたお話を聞きたいです。ありがとうございました。
 安田仲宏先生 今回、お話を聞いて、原子力災害が起きた時にすべきことは、屋内に退避する、または、離れた所へ避難するという行動であることが分かりました。その避難での自治体の対応や準備する物についても知ることができました。自分もいざとなった時、これらの行動が取れるようにしていきたいと思います。わざわざ、福井からリモートでお話をしてくださって、ありがとうございました。
 
○1年男子
 安田先生 先日は、非常に分かりやすく、興味深い講話をありがとうございました。放射線の解説から、原子力災害時の対応に至るまで、私たちの身近にありながら深く認知されていない「原子力」について事細かに解説して頂いたことは、とても良い経験となりました。中でも、当校の生徒の質問への回答にあった、「原発事故時に、根拠の曖昧な基準が行政で用いられ、その後の対応が過剰になってしまった経緯についての情報公開要請が、伝承館の開設によって可能となった」ということについては、同様のテーマを調べているという境遇だけでなく、福島県にいて、被害は少なかったものの震災を経験した身としても非常に喜ばしいことだと思い、抱かずにはいられません。「原子力」という、大きな危険と常に隣り合わせた現場の最前線に立つ先先が、今後とも素晴らしい活躍をして頂けることを、一生徒ながら応援しています。本当に、ありがとうございました。
(以上)

SSアカデミーⅡ 2年 プログラミング授業実施

 10月8日からのSSアカデミーⅡの授業では,新しいプログラミング言語として最近注目されているPython(パイソン)の学習が始まりました。
 SSアカデミーⅡは,2年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。
 
 この授業では,すでに6・7月にプログラミングⅠとして,初心者向けの内容を学んでいますが,今回のプログラミングⅡでは,本格的なプログラミング言語の学習に挑戦します。


 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さんです。昨春東北大学を卒業されたばかりの若手ですが,大学ではPythonを用いて原子物理学のデータ解析を研究された新進気鋭のプログラマーです。
 
 去る10月7日および28日(木)6•7校時に,第1回,第2回の授業が行われました。

 



第1回,第2回の授業は,それぞれ,

講義1「データ分析とは何か? ~Pythonの基礎文法を学ぼう~」
講義2「単振り子データの統計解析 ~Numpy,Pandasによるデータ加工~」
という内容でした。

 

第1回では,簡単なPythonの紹介の後,基礎文法としてIF文,FOR文などを学び,関数の定義,基礎的統計関数について学び,FizzBuzzプログラムなどの実習を行いました。

第2回では,Numpy,Pandasの導入を行い,統計関数についての実習を行いました。

 

以後,講義3「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
講義4「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」

の内容が続き,11月半ばまでプログラミング学習が予定されています。

サイエンスのちからを活用できる人になるために-SSアカデミー3年授業

 10月20日(水)の3年生のSSアカデミーⅡの授業は,研究と研究倫理についての講義でした。


 SSアカデミーⅡは,2年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。
 
  タイトルは「サイエンスのちからを活用できる人になるために」。講師は,株式会社リバネス 教育総合研究センター長 前田里実さん,人材開発部 伊達山泉さんのお二人にお願いしました。

 

 3年生はすでに課題研究を終えているので,まず研究を振り返り,面白いと感じた瞬間の共有から授業が始まりました。ポスター発表でうまくテーマに関心を持ってもらえたときや,大量のデータを取り終えたとき,実験装置の組み立てがうまく行ったときなどというそれぞれの答えを聴いて,思わず頬の緩む場面もありました。

 

 講師の先生は,研究は1人でも楽しいけれど他の人と共有し互いに情報を得ながら進められる醍醐味があること,研究の成果は時空を超えて影響する力,極端に言えば世界を変える可能性を持つことを説明され,研究を進め発表する上での作法として,研究倫理についてお話になりました。


 そしてケーススタディのワーク。予想と異なるデータを得たとき,他校のわかりやすい説明を自分の発表に利用したいときなどの例に対し,友達と話し合いながら,ワークシート上にまとめました。最後の発表では,出されたケースに対して,友人からさまざまな意見が出され,頷いたり感心したりして,楽しく充実したまとめになりました。

 

 

 今回リバネスさんには,研究倫理についての講義を行いたいとの担当者の要望にお答えいただき,様々なご準備をいただきました。あらためて感謝申し上げます。

 

(以下生徒の感想です)
・ワークでいろんな状況について考えて勉強になったと思います。
・研究職は大変そうだと思っていたけど、今やっていることがつながると実感できた。
・学ぶことが多い授業だった。大学以降の学びに繋がるような話は面白いので、Sアカの授業で沢山そのような話が聞けることは嬉しい。
・グループワークで自分と全く違う考え方の人がいて、色々な考え方があって判断がそれぞれに委ねられているのがはっきりと分かって面白かったです。
・とても楽しかったです
・自分の研究を振り返ることが出来ました。
・将来研究する時に気をつけるポイントがわかり大変有意義な時間だった。
・部活の研究で起こりそうなシチュエーションについて話し合ったので、簡単に状況が理解出来た。
・研究倫理とはなにかをよく理解することができた。
・論文の書き方の指導をSアカでやると良いと思います。
・楽しく学べたので良かったと思います。
・研究は自分も誠実でなければいけないし他の人の論文も疑いなが進めなければいけないことを学んだので基本的なマナーを身につけたいと思いました。
・楽しかったです
・もう少し踏みいった話も聴きたかったですが。十分楽しめました。
・もっと早い段階(研究を始める前)に聞きたかった内容でもある。非常に参考になった講演であった。
・議論がためになりました。
・興味を持って講義を聞くことができました。研究に向き合う姿勢など、疑問に思っていたことを少し解決できたように思います。学んだことをぜひ自分に生かしていきたいと思います。
・研究倫理について、改めて考えることができた。
・クラス内でも様々な意見があって面白かった
・上に書いた通りでございます。
・日常ではなかなか聞けない話を聞けたと思う。Sアカの授業は全体的に時間がもっとあれば良いと感じます。
・人によって全く異なる考え方があったのが面白かったです。

モノづくりにおける機械設計・製図の講義 ~設計・製図の大切さを学ぼう~ を実施しました

10月15日(金)に、東京理科大学理工学部機械工学科野口昭治教授をお招きして講義を行っていただきました。
物理部15名が参加しました。

機械設計において以下に製図が重要であるか、よい設計、よい装置とはどのようなものであるかについて、ご講演いただきました。
最先端で研究してらっしゃる野口先生から、分かりやすくかつ内容の濃いお話をいただきました。
また、講義後に物理部の垂直軸型マグナス風力発電班が直接ご指導をいただきました。設計の相談をさせていただいており、熱意ある声かけとアドバイスをいただきました。
大変ありがとうございました。