SSHブログ

SSH活動日誌

研究倫理の授業(3年 SSアカデミーⅡ)

 10月14日の3年生のSSアカデミーⅡでは,外部講師をお招きして研究倫理についての特別授業が行われました。
 
SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。
 
 講師はリバネスの伊達山泉さん。ご自身も生物学博士でいらっしゃいますが,学生の研究活動を支援する事業所のリバネスにご勤務され,現在は人材開発事業部の所属です。研究倫理の授業は,課題研究を終えた3年生向けの授業として,昨年度より実施しています。
 
 授業のタイトルは,「サイエンスの力を活用できる人になるために」
 ワークショップ形式で和気藹々と進められました。

 今年はTAとして福島大学大学院1年の菅野諒さんも駆けつけてくれました。
 
 講義は課題研究の振り返りから始まり,まず研究で楽しかったことなどを振り返りました。その後「こんな時どうする?」のテーマで,3つの具体的な状況の下での自分の行動について,友人たちと意見の交換や発表を行いました。
 
 研究で最もやってはいけないこととして「捏造・改ざん・盗用」の3つを挙げられましたが,皆で声に出して繰り返す楽しそうな姿が印象的でした。
 
 
 
 
 
 


(以下生徒へのアンケートの一部です)
①ワークをしてみてわかったこと、気になったことはなんですか?
②ワークショップに参加して研究や研究者に対する考え方はかわりましたか?新しく気づいたことを教えて下さい。
③ワークショップを通しての感想や、質問などあればご記入ください。
 
①まだ全然研究をしていないので、倫理を学ぶ段階にないなと思った。
②いい結果を出すために結果を隠蔽することも認可されないことだとわかった。
③とてもためになるお話でした。
 
①研究を進めていく上で注意すべきことは沢山ある。多角的な視点でどのような可能性があるかを考えるのが大切だと思った。
②多くの人に研究を知ってもらうことも大切なのだとわかった。
③とても面白い講義でした。グループワーク中心だったので話しやすく、良い雰囲気だったと思いました。
 
①データの選別と発信方法
②データの重み
③研究倫理についてもう一度見直す機会になってよかった
 
①研究の公開に関するマナーについて
②変わりはしなかった
 
①研究倫理②研究って楽しそう
③とてもお話が上手で気づいたら時間が経っていました。
 
①他の人の研究に対しての配慮が必要だと思った。
②改めて常に客観的な視点が必要だと思った
③大変良い経験になりました。ありがとうございました。(*´﹀`*)
 
①On the shoulder of giant みたいな言葉は確かに研究をする際に大切な言葉だと思います。研究のみでなくどんなことでも自分1人で全てをこなしていくのは無理です。物事全般に通じるものを学ぶのが1番大切だと思います。そういう意味でも今回のものは有意義だったと思います。
②みんなで積み重ねているんだなと思いました。やはり積み重ねは大切です。
③今日の話は聞いておかなくては間違えてやってしまう可能性が十分にありました。ぼくも大学で研究するときには気をつけてやるべきだと思いました。
また、何より、楽しくできてよかったです。
 
①焦っている時ほど、研究者として気をつけなければならないことがたくさんあるということを学べました。
②色々な考えを聞いて、研究の危険性と可能性について考えを深めることができました。
③今まで考えたこともなかったことを考える機会になって、良い経験になったと思います。これからも大学で研究をする際に参考にしたいです。
 
①自分の思いを犠牲にして、研究倫理に反しては行けないこと。
③貴重な経験をさせて頂きました。ありがとうございました!
 
①捏造盗用改竄はダメ。いろいろな視点を持つことが大事
②研究者は自分の研究分野だけを気にしているのではいけない
③楽しかったです
 
①研究成果を発表する際にはSNSでの発信(告知)も時には有効なものになると分かった。
②研究の原理など他の論文から取って来てそのまま引用することは駄目だということが分かった。分かりやすいと思った説明も参考にする程度で自分の中で噛み砕いて書いていかなければならないのだと気づいた。
③お忙しい中講演をしてくださりありがとうございました。正直、今までは将来仕事に就く際には大学や高校でやった研究はその時だけは楽しくても意味がないものになってしまうと思っていたので学生の研究の支援をする仕事があるというだけでも驚きでした。苦労を乗り越えたときの達成感は特に研究では論文などに起こして目に見えて分かる形が多いので本当に楽しいと思います。研究のおもしろさ、大切な事等を改めて楽しく学ぶことができてとても良かったです。ありがとうございました。
 
①色々な場合の研究の結果の報告などのトラブルの対応の仕方が少しわかった
②講演内容は当たり前のことだと考えていたので考えは特に変わらなかった
③研究倫理についてさらに深めることができてよかった
 
①研究をやってきた自分にとって、とても悩ましい問題だとすごく共感できました。
②研究を行うにあたって生じてくる様々な問題に、面倒くさがらずに一つ一つ考えていくことで、より良い研究になると改めて考えることができました。

(以上)

2年 SSアカデミーⅡ Python特別授業 実施

  今年度のSSアカデミーⅡの報告が遅くなりました。
SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。
 
 2年生は,6月からプログラミング言語Python(パイソン)の学習を実施してきました。
 その前の5月に,統計についての特別授業が行われましたが,それに続く内容としてPythonによる統計解析の手法について学びました。ビッグデータが簡単に入手できる時代を迎えてデータ解析の重要性が言われており,その基本について学びました。
 講師は クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也さんです。石川さんは東北大学在学中にIT教育事業を行う会社を立ち上げた青年社長です。

 講義の内容は以下の通りです。
 6月  9日(木)6,7校時 講師紹介・データ分析講座・重力加速度データ解析
 6月 30日(木)6,7校時 Numpy,Pandasを用いたデータの加工
 7月 14日(木)6,7校時 Matplotlibを用いたデータの可視化
 
 さらに夏休み後は,
 9月 29日(木)6,7校時 データ解析手法の復習と実習
 10月 6日(木)6,7校時 データ解析手法の復習・具体的相談


という内容で進めていただき,以前の復習に加えて,休み中に自分の実験を進めて取得したデータをもとに,それぞれがそのデータを具体的にどう解析するかについてもヒントをいただきました。
 今後は,教えていただいた解析手法をもとに自分達の課題研究を深め,成果につなげる予定です。

【生物部/SSクラス】 県南生徒理科研究発表会[[生物分科会]に参加しました

10月1日(土)安積黎明高校で行われた県南理科研究発表会の生物分科会に、生物部やSSクラスで生物分野の探究活動をしている生徒10名が参加しました。県南大会は県大会へ向けての中間発表会に位置づけされています。生徒は今までの研究成果だけでなく、これからの実験計画についても発表しました。聴衆との質疑応答もあり、生徒は様々な質問に冷静に回答していました。県大会までにさらに実験を積み重ね、発表を練習して県大会に臨みます。

[テーマ]

・ナッツによるテーズの開発(Ⅲ)

・水耕栽培によるカンゾウの発根実験

・オリジナル麹菌の活用

・「朝河桜」から単離した天然工房の製パン適性

 

【探究Ⅱ】シニアサポートネットワーク始動しました

9月28日(水)の2年生の探究活動からシニアサポーターが参加してくださいました。

『シニアサポートネットワーク』とは、本校OB・OGに2年生の探究活動を支援してもらおうという取り組みです。これまでも進路指導やSSHの講演会などで卒業生が本校で活動してくださいましたが、OB・OGの豊富な経験とキャリアを頼みに、探究活動を直接サポートしていただこう、というのは今年度初めての試みです。全国的にも例の少ない活動です。

 夏に、同窓会誌とともに「2年生の探究活動を支援するボランティア(シニアサポーター)を募集しています」とシニアサポートネットワークの説明会の案内を同封しました。説明会を経て、今年度は22名の先輩方が名乗りをあげてくださり、シニアサポーターとして委嘱されました。シニアサポーターは全てボランティアで生徒の活動を支援してくださいます。

 シニアサポートネットワーク初年度、初回の本日は、17名の方が参加してくださいました。サポーターは探究活動の概要説明を受けた後、担当教員と打ち合わせをし、各ゼミで生徒を指導してくださいました。

 各ゼミでは、生徒達はシニアサポーターへ自分達の探究テーマについて説明しながら、探究活動の方向性や新たな知見の指導を受け、活動をより深く進めていました。

 2月末のSSH生徒研究発表会に向けて、心強いサポーターが生徒に伴走してくださいます。

 

米国環境保護局リーガン長官との面談,銀座ミツバチプロジェクト見学

 9月2日(金)安積高校の生徒が,来日中の,米国環境保護局長官と面談しました。

 

 国際会議の日程に合わせて来日された米国環境保護局リーガン長官が,福島の高校生に会いたい意向である,と環境省から連絡があり,環境省でリーガン長官と面談する機会をいただきました。お会いしたいのは国際高校生放射線防護ワークショップに参加した2・3年生で,紫旗祭初日ではありましたが,ワークショップの活動についてお話をする機会を頂きました。長官からは「高度な科学的知識を学び,その知見に基づいて福島復興のために貢献しています」と,お褒めの言葉をいただきました。
 
 午後からは,NPO法人ドリームサポート福島の紹介で,銀座ミツバチプロジェクトの見学を行いました。ニホンミツバチを増やし,東京の都市緑化を生かすために,銀座のビルの屋上で養蜂を行う活動です。この団体は,東日本大震災の被災地で増える耕作放棄地を活用するために,福島で同じような活動に取り組んでいます。
 東京銀座で養蜂を行い,年間トン単位で蜂蜜を出荷しているとのことで,お話は驚きの連続する内容でした。理事長の田中さんは「社会貢献活動を継続的な活動にしていくことが大切」と話されました。地域貢献と環境再生をビジネスと結びつける方法があると知ったことは,生徒たちにとても大きな学びになりました。