SSHブログ

2020年11月の記事一覧

SSクラス プログラミングの授業で機械学習について学ぶ

11月19日(木)6・7校時のSSアカデミーⅡ の授業は,Python学習の最終回でした。

SSアカデミーⅡは,2年生SSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。

この授業のうちプログラミングⅡは,4回連続合計8時間での情報分野の学習で,株式会社アクシスウェア(Axisware, Inc)IT事業本部 石川祐也 さんを講師に招き,本格的なプログラミング言語Pythonの学習に挑戦しました。
最終回の19日は,前半は前回の宿題の発表を2人の生徒が行い,後半は機械学習について学習しました。

 


機械学習は,ビッグデータを利用してコンピュータに反復学習を行わせ,なんらかのパターンを探し出させることを言います。一通り基本的な事柄について講義の後,サンプルデータセット「Ilis(あやめ)」を用いて実演。あやめのもつ5つのカラムを数値化してデータベースとし,選んだアルゴリズムを元にモデル学習をさせる様子などについて説明されました。ここでは,先生の講義を通しての学習となりましたが,AI時代を象徴する機械学習とはどのようなものか,およその概念を知ることができました。

プログラミングⅡの授業4回(計8時間)を通じてのPython学習は,ほぼ実習を通して学ぶものでした。あえてやや難しい部分を残して生徒たちの知的好奇心を刺激し,わからない点は自分でネット検索する方法も教えていただきました。生徒たちは,特にデータ解析の方法を具体的に学ぶことができ,高い満足感を得たようです。このような充実した学びを与えていただいた石川祐也さんと派遣下さった株式会社アクシスウェアに改めて感謝申し上げます。

 

以下,4回のプログラミングⅡの授業をまとめての生徒の感想です。
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・プログラミングが初めて楽しいと思えました。将来使うかもしれないことなので、今回経験出来てよかったです。
・ある程度の基礎知識が身についたのと、プログラミングに関するさらなる興味をもてたので、とても有意義な授業だった。
・PCを使った活動はあまり得意ではなかったので、大変なことも多くあったが、プログラマーの仕事や、Pythonとはどんなものかを知ることができました。
・プログラミングをネットで調べながらやって実行できたときは嬉しかった。学んだことを実験のまとめるときなど活用したい。
・プログラミングには興味はあったけどしっかり学習したことはなかったのでとてもおもしろかった。ただ時間があまりなくてプログラムを自分で作ることができなかった。
・今後の時代に必要になるような事を、若い高校生のうちから学べたことが良かったです。
・課題にあまり取り組めなかった。他の人は、自分で検索しながら取り組んでいたので、今後は自発的に取り組みたいと思った。
・僕は今までプログラミングを本格的にやったことは無かったので、今回プログラミングを学ぶことができて良かったです。僕は途中から分からなくなってしまってついていけなくなってきてしまったのでもう少し自分で調べてやれば良かったかと思いますが、この経験を大学で生かせるようにしたいです。
・メジャーなプログラミング言語であるPythonの使い方から、世の中への利用まで、幅広く教えてくださり、ありがとうございました。
・自ら新しいものを作り出し、それが文法というルールを守ってキーボードを用いて文字を打ち込むだけでできるという手軽さがなんとも言えず興味深いなと思いました。
・最後の時間に教えていただいた、世の中での活用例は、あれほどたくさんあるのかとびっくりしました。
・もう少し勉強して、ある程度プログラミング言語を使いこなせるようになって、自分で何かのプログラムを組むことができたらいいなと思いました。

 

1Fの処理水について学ぶ

 11月11日(水)放課後16:00〜17:30に,経済産業省資源エネルギー庁廃炉汚染水対策官の木野正登さんをお招きして,福島第一原子力発電所の処理水についての学習会が行われました。

 安積高校のSSH活動では,海外の高校生との交流活動も計画されており,ドイツやフランスの交流を計画しています。海外との交流では,福島第一原子力発電所事故が話題に上がることを想定し,最もホットな話題である処理水問題について,学ぶ機会を設けました。

 資源エネルギー庁廃炉汚染水対策官の木野正登さんに講演をお願いしたところ,原子力発電所の模型持参でおいでくださいました。

 最初にピンポン球を自分にぶつけて,処理水に含まれるトリチウムの影響を説明されるなど,高校生に分かりやすく伝える工夫が随所に見られるご講義でした。
およそ1時間の講義の後,質疑応答。「中間貯蔵施設に新たにタンクを作れないか」「世界中の原発からは今もトリチウム水が流されていることを広く伝えるべきではないのか」「風評対策としてもっと様々な情報を伝えるべき」などの質問や意見が出されました。

 中には取材に訪れたメディアに「メディアには風評を招かないように伝える責任もある。今回のこの学習会をどう伝えるのか」という質問も飛び出し,30分ほどの質疑時間は瞬く間に過ぎました。

 その後,木野さんの周りに集まる生徒たちの個別の疑問に,「まだ時間があるから」と丁寧にお答えいただき,終了後1時間も質問を受けてくださいました。

 

 海外高校生交流のための学習会では,福島復興や再生可能エネルギーについて,学んでいく予定です。
以下生徒の感想です。
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・1Fの事故には、様々な人の思いが絡み合っており、様々な意見があるということがわかりました。
・処理水学習会ではトリチウムと水が大差ないこととこれからの廃炉に向けての活動を学びました。
・汚染水回収当初は質よりも量を優先し、結果的にストロンチウム処理水などが残っていたと知りました。
・文面で読んだだけでは理解出来なかった内容も知識が深まりました。特にピンポン玉と野球ボールの例は分かりやすかったです。
・個人的な感想として、木野さんが「トリチウム水は無害だ」と断言してくださったことが嬉しかった。誰もが語尾を濁してしまう部分を綺麗に言い切ってくださったので気持ちがだいぶ楽になった。

SSクラス プログラミングの授業でデータのグラフ化について学習

 11月5日(木)6・7校時のSSアカデミーⅡ の授業は,Matplotlibによるデータの図式化について学びました。

 

 

 SSアカデミーⅡは,2年生SSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。

 この授業のうちプログラミングⅡは,4回連続合計8時間での情報分野の学習で,株式会社アクシスウェア(Axisware, Inc)IT事業本部 石川祐也 さんを講師に招き,本格的なプログラミング言語Pythonの学習に挑戦しています。

 

 学習は,去る10月8日および22日(木)に行われた第1回,第2回に続いての内容です。Matplotlibは2次元のグラフを描写するためのライブラリで,実行結果がCoogleColaboratory上に描画され,データをグラフ化するのに非常に便利です。

 

 第3回は,最初に描画オブジェクトついて学び,グラフタイトルや,x軸,y軸のラベル付けの仕方など,グラフの描き方について学びました。続いてNumpyでデータlistを作り,放物線,折れ線グラフ,正弦曲線,分布図などのグラフを描きました。

 

 そして最後に,前回学んだexcelファイルのcsvデータを読み込み,ヒストグラムを描き,さらにこの上に正規分布曲線を描く方法について,教えていただきました。

 

 学習活動は,石川さんが作成されたGoogle Colaboratoryを用いたテキストで進めています。テキストは,途中まで作成されたプログラムに自分でコードを書き加えるように作られており,生徒は友人に聞いたり,ネットで検索して調べたりしてプログラムを完成させ,実行します。

 

 今回も,気がつくと7校時終了が近づいていて時間はあっという間に過ぎましたが,全員が先生の指示に従ってプログラムを完成し,グラフを作成することができました。そして,それぞれ何らか自分のデータでグラフを作成してみるという宿題をいただいて,第3回の講義が終わりました。

 

 次回は最初に,宿題の成果発表があり,その後機械学習について教えていただく予定です。最近よく耳にする「機械学習」とはどんなものか,最新の学習内容に皆ワクワクして最終回が待ち遠しい思いです。

震災後の福島の発信活動に,サッポロホールディングスのご支援

10月30日,サッポロホールディングス株主様の社会貢献活動による,高校生の風評払拭活動への支援金の贈呈式が行われました。

 これは,サッポロホールディングスが行う株主優待制度において,株主の選択により優待品の送付に代えてその相当金額を社会貢献活動へ寄付する制度です。本校の国際放射線防護ワークショップは,2018年よりNPO法人ドリームサポート福島を通してご支援を頂いてきました。

 贈呈式には,サッポロビール代表取締役社長高島英也氏(福島県伊達市のご出身),サッポロビール南東北支社長松尾彰彦氏,NPOドリームサポートふくしま理事長阿部幹郎氏,NPOドリームサポートふくしま事務局長菅野真氏らが来校され,今年度,海外交流研修参加予定生徒5名が,本校校長及び直接寄付を受けるNPOドリームサポート阿部理事長とともに受け取りました。
 贈呈にあたって高島社長は「震災の現地に実際に足を運び,現場を直接見,現地の人々から直接話を聞いたりする機会は,貴重な機会です。安積高校が大切にしている開拓者精神という情熱をもって学び,福島復興の姿をぜひ海外の高校生に伝えてください」と述べられました。

 このご支援は,福島県教育庁社会教育課「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の支援とともに,震災後の福島の現状を海外に向けて発信する高校生の研修や発信の活動に充てられます。

 

参考
昨年実施した「国際高校生放射線防護ワークショップ」の記事(2019年8月6日)
https://asaka-h.fcs.ed.jp/blogs/blog_entries/index/page:12?frame_id=344

サッポロビールホールデングス「株主様ご優待制度を通じた社会貢献」
https://www.sapporoholdings.jp/csr/society/area/contribution/

認定NPO法人ドリームサポート福島
http://d-s-fukushima.org

チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/challenge.html

SSHアクティブラーニング研修(数学)

 11月12日(木)7校時および放課後にアクティブラーニング研修会を開催しました。この研修はSSH事業の研究課題の一つである、ディープアクティブラーニングの実践に向けた自己研鑽を目的としています。今年度はあわせて3回の研修会を予定しており、今回は講師に渋谷教育学園渋谷中学高等学校数学科教諭の近藤義治先生を迎え、本校教職員に加え県内各校の先生方も参加して研修が進められました。
 まず始めに、講師の近藤先生による対話型授業実践を参観しました。対象クラスは1年生で、「三角比の加法定理を既習の知識をもとに導く」というテーマで授業が進められました。授業の冒頭で、「答の確認は仲間内で行う」「授業に積極的に参加する」「立ち歩いてかまわない」「間違えても罵倒しない」「演習問題はやれる範囲でやる。ただし、時間内はあきらめない」の5点の指示がありました。その後は生徒各自が、自力で取り組んだり、周りと相談したりしながら課題に取り組む姿勢が見られました。授業の前半は普段と異なる授業形式にやや緊張が見られましたが、後半に進むにつれて生徒間のやりとりが活発になっていったようでした。
 放課後の研究協議では、近藤先生から対話型授業に関する講話を拝聴した後、参加者から『対話型授業』の進め方等について活発な質疑応答が行われました。
 この研修の成果をもとに、今後も継続して、「より深い学び」の実現に向けて、継続的に授業改善の研究と実践を進めて参ります。