2021年10月の記事一覧
サイエンスのちからを活用できる人になるために-SSアカデミー3年授業
10月20日(水)の3年生のSSアカデミーⅡの授業は,研究と研究倫理についての講義でした。
SSアカデミーⅡは,2年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。
タイトルは「サイエンスのちからを活用できる人になるために」。講師は,株式会社リバネス 教育総合研究センター長 前田里実さん,人材開発部 伊達山泉さんのお二人にお願いしました。
3年生はすでに課題研究を終えているので,まず研究を振り返り,面白いと感じた瞬間の共有から授業が始まりました。ポスター発表でうまくテーマに関心を持ってもらえたときや,大量のデータを取り終えたとき,実験装置の組み立てがうまく行ったときなどというそれぞれの答えを聴いて,思わず頬の緩む場面もありました。
講師の先生は,研究は1人でも楽しいけれど他の人と共有し互いに情報を得ながら進められる醍醐味があること,研究の成果は時空を超えて影響する力,極端に言えば世界を変える可能性を持つことを説明され,研究を進め発表する上での作法として,研究倫理についてお話になりました。
そしてケーススタディのワーク。予想と異なるデータを得たとき,他校のわかりやすい説明を自分の発表に利用したいときなどの例に対し,友達と話し合いながら,ワークシート上にまとめました。最後の発表では,出されたケースに対して,友人からさまざまな意見が出され,頷いたり感心したりして,楽しく充実したまとめになりました。
今回リバネスさんには,研究倫理についての講義を行いたいとの担当者の要望にお答えいただき,様々なご準備をいただきました。あらためて感謝申し上げます。
(以下生徒の感想です)
・ワークでいろんな状況について考えて勉強になったと思います。
・研究職は大変そうだと思っていたけど、今やっていることがつながると実感できた。
・学ぶことが多い授業だった。大学以降の学びに繋がるような話は面白いので、Sアカの授業で沢山そのような話が聞けることは嬉しい。
・グループワークで自分と全く違う考え方の人がいて、色々な考え方があって判断がそれぞれに委ねられているのがはっきりと分かって面白かったです。
・とても楽しかったです
・自分の研究を振り返ることが出来ました。
・将来研究する時に気をつけるポイントがわかり大変有意義な時間だった。
・部活の研究で起こりそうなシチュエーションについて話し合ったので、簡単に状況が理解出来た。
・研究倫理とはなにかをよく理解することができた。
・論文の書き方の指導をSアカでやると良いと思います。
・楽しく学べたので良かったと思います。
・研究は自分も誠実でなければいけないし他の人の論文も疑いなが進めなければいけないことを学んだので基本的なマナーを身につけたいと思いました。
・楽しかったです
・もう少し踏みいった話も聴きたかったですが。十分楽しめました。
・もっと早い段階(研究を始める前)に聞きたかった内容でもある。非常に参考になった講演であった。
・議論がためになりました。
・興味を持って講義を聞くことができました。研究に向き合う姿勢など、疑問に思っていたことを少し解決できたように思います。学んだことをぜひ自分に生かしていきたいと思います。
・研究倫理について、改めて考えることができた。
・クラス内でも様々な意見があって面白かった
・上に書いた通りでございます。
・日常ではなかなか聞けない話を聞けたと思う。Sアカの授業は全体的に時間がもっとあれば良いと感じます。
・人によって全く異なる考え方があったのが面白かったです。
モノづくりにおける機械設計・製図の講義 ~設計・製図の大切さを学ぼう~ を実施しました
10月15日(金)に、東京理科大学理工学部機械工学科野口昭治教授をお招きして講義を行っていただきました。
物理部15名が参加しました。
機械設計において以下に製図が重要であるか、よい設計、よい装置とはどのようなものであるかについて、ご講演いただきました。
最先端で研究してらっしゃる野口先生から、分かりやすくかつ内容の濃いお話をいただきました。
また、講義後に物理部の垂直軸型マグナス風力発電班が直接ご指導をいただきました。設計の相談をさせていただいており、熱意ある声かけとアドバイスをいただきました。
大変ありがとうございました。
科学者とTalkSession 東京大学名誉教授 早野龍五先生をお招きして
10月14日(木)の2年生のSSアカデミーⅡの授業は,「科学者とTalkSession」。今回は東京大学名誉教授 早野龍五先生をお招きして講義を行いました。
SSアカデミーⅡは、安積高校独自の学校設定科目で、2、3年生SSHクラス向けの授業です。夏休み休み明けに早野先生をお招きして講義いただく計画を立てましたが,コロナ感染症予防対策による東京都の緊急事態宣言のため,1ヶ月ほど遅くなりましたがこの日実現できました。
早野先生は,実験物理学者。長らくスイスのジュネーブにある加速器施設CERNで反物質を合成する研究チームのリーダーとして活躍されてきました。その一方で,原発事故後の福島の放射線の状況を,様々なデータに基づいて分析し,発信されてきました。その活動は,コピーライターの糸井重里さんと行った対談「知ろうとすること。」にまとめられています。
今春著書「科学的は武器になる」を出版され,2年生SSクラスではこれを夏休み中に読み,9月初めに皆でまとめた質問事項を早野先生にお送りしています。
はじめに東大生への講義の一部をお話になりました。内容は,原発事故と福島の事柄です。
国連科学委員会の2020年報告では,委員会の科学的分析に基づいて,福島での健康影響は見られないとされていること,広島長崎の被爆者の長年の協力によって,被爆による遺伝的影響は起こっていないことなど,生徒たちへも問いかけながら,お話になりました。一方福島県立医科大学や,三菱総研が行ったアンケート結果をみると,将来福島の子ども達に健康影響が現れると考える大人が3割〜4割存在することを示し,若い人たちが科学的に学び大人に伝えることが大切とまとめられました。
研究や学習についてのお話では,これからの社会は学生時代に学んだ知識で生き抜くことのできない社会であることを踏まえ,高校時代の学びで勉強の仕方を身につけることの大切さをお話になりました。また,Goal OrientedとCuriosity Drivenの2つ研究者のタイプを表した図を示し,一見すると目的を定めていないように見えるCuriosity Drivenの姿勢が,Goal Orientedよりも研究上の壁を突破する可能性があるとお話になり,これには多くの生徒たちが頷いていました。
早野先生は,講義後の質疑応答に残り半分の時間を当ててくださったのですが,1人で複数の質問をする生徒が続出し,4〜5人の質問で時間が終わりました。中にはTシャツの図柄(金粒子の衝突実験について描かれていた)への質問や,コロナのデータに関したグラフを示して質問して「その理由は説明が難しい」と早野先生を唸らせたものもありました。
SSアカデミーⅡの授業では,今後も毎年科学者とTalkSessionを実施していきます。
(以下参加生徒の感想)
----
・原発関係の話がとてもわかりやすかった。是非もう一回やりたい。
・ありがとうございました✨
・福島に住んでいるのに知らないことが多かったので自分から進んで知ろうと思いました。
ありがとうございました。
・福島の放射線に関することや私達の質問について丁寧に分かりやすく教えていただいたこと。
・科学者というものがわかったような気がしました。
・知らないことと出会った時知らないままでいるのではなく、それについてより知ろうとする意思を持ってこれから生きていきたいです。
・講義が驚くほど聴きやすかった。内容だけ聞いたら確実に寝るだろう内容だったのに、自然と興味を傾けられる講義で、かっこいいと思った。
・様々なことに興味を持ち、挑戦していくことが大切であり、たとえ困難に陥ったとしても、常にアマチュア(初心)を大切にしていきたいと思いました。本日はお忙しい中ありがとうございました。
・一つの問題をいろんな視点から見ることの重要性などを知れてよかった。
・僕の興味関心のある話をしていただけて、終始集中して講義を聞くことができました。僕の3つの質問全てに、丁寧に納得できる回答をしていただくことができ、とても参考になりました。お忙しい中、素晴らしい講義をしていただき本当にありがとうございました。
・先生の研究者としての考え方にとても刺激を受けました。好奇心が旺盛で幼い頃から様々な経験をしていた先生だからこその考え方で、自分の考えと似ている部分もあれば、全く違う部分もあって良い経験をさせていただきました。自分は好奇心が強い方だと勝手に思っているので、先生のようになるためにより一層、新しいことに挑戦していきたいと思います。(例えば、英語や美術、読書、音楽などです。)本日はありがとうございました。
・今回は、お忙しい中ご講演くださり、ありがとうございました。もう一度本も読み直してみたいと思います。
・ ご講義ありがとうございました。とてもためになる言葉をたくさんいただきました。ぼくも色々な方面のことをやって、先生がおっしゃっていたように、「目的」を自分で探し出すところから始めたいと思います。あとから自分たちで調べる機会をくれていることがいいなと思いました。(例 FACT FULNESS, グラフのことなど)
・自分が今まで考えたことも無かったような質問をされて、新しく震災のことについて知ることができました。なぜ原発を冷やし続けないといけないのか、私達は理解しておくべきものでしたが、まず疑問に思ったこともなかったので、このようなことを知れた良い機会になりました。今回は私達のためにわざわざ東京から来てくださり、本当にありがとうございました。放射能などについてもまだまだ知らないことが多いと感じたので、自分から色々調べたいと思います。
・実際に東大でやった講義の縮小版を聞くことが出来て、勉強になりました。放射線については、福島県民であっても知らないことが多いと感じました。また、たくさんの質問についても、一つ一つ丁寧に答えて下さってありがとうございました。
・私たちの知識の不足に気づかされました。質問にも丁寧に答えていただけて嬉しかったです。ありがとうございました。
・多くの質問ひとつひとつに丁寧に答えてくださったので、見聞が広めることができました。本日は本当にありがとうございました。
・わかりやすかったです。ありがとうございました
・まだまだ自分が知ってる知識では使い物にならないと痛感しました。ありがとうございました。
・講義(短縮版)が面白くて気づいたら一時間経ってました。楽しかったです。時々先生のすごさに圧倒されながら聞いていました。福島県の高校生としてやはりもっと原発について知ろうと思いました。ありがとうございました。
・日本一の大学の講義に少しでも触れることが出来て素晴らしい経験になった。
・受け手に対して問いを投げかけて答えさせることで授業の内容にはいっていけたり、積極的に参加できた点。今回の講義を聞けてまだ自分達が知るべきことなどが明確にわかりました。ありがとうございました。
・ありがとうございました。先生の講義から好奇心とはどういうものか少しわかった気がします。私もアマチュアの心というものを忘れずに物事に取り組みたいです。
・東大の授業はこんな感じなのかなと少しわかりました。コロナで大変な中東京から来てくださってありがとうございました。
・今回のお話を聞いて、放射能の基礎知識についてまだまだ知らないことが多いと感じました。原発の被害を受けた福島県民として日本、世界に放射能のことを広く知らせていける人になっていきたいと強く思いました。真実でない情報が多くの人に知れ渡っている世の中ですが、少しずつ努力していきたいです。今回は貴重なお話、ありがとうございました。
・今回は本当にありがとうございました。私は、大学の教授とトークセッションをするという機会を1度も持ったことがなかったので、とても良い経験になりました。とくに福島県に住んでいて浴びる放射線による発がん率の上昇よりも地域差の方が発がん率の上昇幅が大きいことや、原子炉に未だに冷却水を流し込んでいる理由など本質的なことを学ぶきっかけになりました。
・福島県に生まれた自分は、もっと福島について知らなければならないと気づかされた。
・福島原発について無知であったことを自覚し、もっと知りたいと思うようになりました。
・ この講義を受けるまで、自分が原発に関してここまで無知だとはあまり自覚していませんでした。他のことに関してもそうだと思います。特定のゴールに向かって闇雲に努力するのではなく、行き詰まったときだけでも一見関係のないように思えることに目を向けたいと思いました。また、コロナに関するグラフについてお答え頂き、ありがとうございました。参考になりました。
----
(以上)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
27   | 28   | 29   | 30   | 31   | 1   | 2   |
3   | 4   | 5   | 6   | 7   | 8   | 9   |
10   | 11   | 12   | 13   | 14   | 15   | 16   |
17   | 18   | 19   | 20   | 21   | 22   | 23   |
24   | 25   | 26   | 27   | 28   | 29   | 30   |
Copyright 2016 Asaka High School