本校SSHでは国際科学技術コンテスト参加への取り組みを強化していますが、今年度は科学地理オリンピックに関して新たな取り組みを始めました。
科学地理オリンピックは、世界大会に派遣する選手4名の選抜を兼ねて行う日本における「地理力」選手権となります。今回の事業は、この日本選手権の上位進出に向け、本校や他校の受験生と切磋琢磨しながら学習を進め、入賞や世界大会への出場を目指すための合同学習会を実施するというものです。
地方では情報が入りにくい部分があったり近くに取り組んでいる学校が少なかったり、まなびあう環境が中々ありませんでしたが、オンラインを用いて県外のSSH指定校を中心としたネットワークをつくりながら、科学地理オリンピックへの取り組みを広げて行こうと考えています。
その第1回の合同学習会を10/24(月)に開催しました。今年度は北から緯度順に、山形県立鶴岡南高等学校、山形県立東桜学館中学校・高等学校、本校、富山県立富山中部高等学校の4校が参加しています。今回は生徒・教員合計20名程度が参加し、地理的な自己紹介や先輩メダリストの話をふまえての質疑応答など、充実した時間を過ごしました。第2回目は11/14(月)に予定しています。12/10(土)の第1次選抜に向けて、切磋琢磨しながらまなびを進めていきます。
10月14日の3年生のSSアカデミーⅡでは,外部講師をお招きして研究倫理についての特別授業が行われました。 SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。 講師はリバネスの伊達山泉さん。ご自身も生物学博士でいらっしゃいますが,学生の研究活動を支援する事業所のリバネスにご勤務され,現在は人材開発事業部の所属です。研究倫理の授業は,課題研究を終えた3年生向けの授業として,昨年度より実施しています。 授業のタイトルは,「サイエンスの力を活用できる人になるために」 ワークショップ形式で和気藹々と進められました。
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今年はTAとして福島大学大学院1年の菅野諒さんも駆けつけてくれました。 講義は課題研究の振り返りから始まり,まず研究で楽しかったことなどを振り返りました。その後「こんな時どうする?」のテーマで,3つの具体的な状況の下での自分の行動について,友人たちと意見の交換や発表を行いました。 研究で最もやってはいけないこととして「捏造・改ざん・盗用」の3つを挙げられましたが,皆で声に出して繰り返す楽しそうな姿が印象的でした。
(以下生徒へのアンケートの一部です) ①ワークをしてみてわかったこと、気になったことはなんですか? ②ワークショップに参加して研究や研究者に対する考え方はかわりましたか?新しく気づいたことを教えて下さい。 ③ワークショップを通しての感想や、質問などあればご記入ください。 ①まだ全然研究をしていないので、倫理を学ぶ段階にないなと思った。 ②いい結果を出すために結果を隠蔽することも認可されないことだとわかった。 ③とてもためになるお話でした。 ①研究を進めていく上で注意すべきことは沢山ある。多角的な視点でどのような可能性があるかを考えるのが大切だと思った。 ②多くの人に研究を知ってもらうことも大切なのだとわかった。 ③とても面白い講義でした。グループワーク中心だったので話しやすく、良い雰囲気だったと思いました。 ①データの選別と発信方法 ②データの重み ③研究倫理についてもう一度見直す機会になってよかった ①研究の公開に関するマナーについて ②変わりはしなかった ①研究倫理②研究って楽しそう ③とてもお話が上手で気づいたら時間が経っていました。 ①他の人の研究に対しての配慮が必要だと思った。 ②改めて常に客観的な視点が必要だと思った ③大変良い経験になりました。ありがとうございました。(*´﹀`*) ①On the shoulder of giant みたいな言葉は確かに研究をする際に大切な言葉だと思います。研究のみでなくどんなことでも自分1人で全てをこなしていくのは無理です。物事全般に通じるものを学ぶのが1番大切だと思います。そういう意味でも今回のものは有意義だったと思います。 ②みんなで積み重ねているんだなと思いました。やはり積み重ねは大切です。 ③今日の話は聞いておかなくては間違えてやってしまう可能性が十分にありました。ぼくも大学で研究するときには気をつけてやるべきだと思いました。 また、何より、楽しくできてよかったです。 ①焦っている時ほど、研究者として気をつけなければならないことがたくさんあるということを学べました。 ②色々な考えを聞いて、研究の危険性と可能性について考えを深めることができました。 ③今まで考えたこともなかったことを考える機会になって、良い経験になったと思います。これからも大学で研究をする際に参考にしたいです。 ①自分の思いを犠牲にして、研究倫理に反しては行けないこと。 ③貴重な経験をさせて頂きました。ありがとうございました! ①捏造盗用改竄はダメ。いろいろな視点を持つことが大事 ②研究者は自分の研究分野だけを気にしているのではいけない ③楽しかったです ①研究成果を発表する際にはSNSでの発信(告知)も時には有効なものになると分かった。 ②研究の原理など他の論文から取って来てそのまま引用することは駄目だということが分かった。分かりやすいと思った説明も参考にする程度で自分の中で噛み砕いて書いていかなければならないのだと気づいた。 ③お忙しい中講演をしてくださりありがとうございました。正直、今までは将来仕事に就く際には大学や高校でやった研究はその時だけは楽しくても意味がないものになってしまうと思っていたので学生の研究の支援をする仕事があるというだけでも驚きでした。苦労を乗り越えたときの達成感は特に研究では論文などに起こして目に見えて分かる形が多いので本当に楽しいと思います。研究のおもしろさ、大切な事等を改めて楽しく学ぶことができてとても良かったです。ありがとうございました。 ①色々な場合の研究の結果の報告などのトラブルの対応の仕方が少しわかった ②講演内容は当たり前のことだと考えていたので考えは特に変わらなかった ③研究倫理についてさらに深めることができてよかった ①研究をやってきた自分にとって、とても悩ましい問題だとすごく共感できました。 ②研究を行うにあたって生じてくる様々な問題に、面倒くさがらずに一つ一つ考えていくことで、より良い研究になると改めて考えることができました。
(以上)
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今年度のSSアカデミーⅡの報告が遅くなりました。 SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。 2年生は,6月からプログラミング言語Python(パイソン)の学習を実施してきました。 その前の5月に,統計についての特別授業が行われましたが,それに続く内容としてPythonによる統計解析の手法について学びました。ビッグデータが簡単に入手できる時代を迎えてデータ解析の重要性が言われており,その基本について学びました。 講師は クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也さんです。石川さんは東北大学在学中にIT教育事業を行う会社を立ち上げた青年社長です。
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講義の内容は以下の通りです。 6月 9日(木)6,7校時 講師紹介・データ分析講座・重力加速度データ解析 6月 30日(木)6,7校時 Numpy,Pandasを用いたデータの加工 7月 14日(木)6,7校時 Matplotlibを用いたデータの可視化 さらに夏休み後は, 9月 29日(木)6,7校時 データ解析手法の復習と実習 10月 6日(木)6,7校時 データ解析手法の復習・具体的相談
という内容で進めていただき,以前の復習に加えて,休み中に自分の実験を進めて取得したデータをもとに,それぞれがそのデータを具体的にどう解析するかについてもヒントをいただきました。 今後は,教えていただいた解析手法をもとに自分達の課題研究を深め,成果につなげる予定です。
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10月1日(土)安積黎明高校で行われた県南理科研究発表会の生物分科会に、生物部やSSクラスで生物分野の探究活動をしている生徒10名が参加しました。県南大会は県大会へ向けての中間発表会に位置づけされています。生徒は今までの研究成果だけでなく、これからの実験計画についても発表しました。聴衆との質疑応答もあり、生徒は様々な質問に冷静に回答していました。県大会までにさらに実験を積み重ね、発表を練習して県大会に臨みます。
[テーマ]
・ナッツによるテーズの開発(Ⅲ)
・水耕栽培によるカンゾウの発根実験
・オリジナル麹菌の活用
・「朝河桜」から単離した天然工房の製パン適性
9月28日(水)の2年生の探究活動からシニアサポーターが参加してくださいました。
『シニアサポートネットワーク』とは、本校OB・OGに2年生の探究活動を支援してもらおうという取り組みです。これまでも進路指導やSSHの講演会などで卒業生が本校で活動してくださいましたが、OB・OGの豊富な経験とキャリアを頼みに、探究活動を直接サポートしていただこう、というのは今年度初めての試みです。全国的にも例の少ない活動です。
夏に、同窓会誌とともに「2年生の探究活動を支援するボランティア(シニアサポーター)を募集しています」とシニアサポートネットワークの説明会の案内を同封しました。説明会を経て、今年度は22名の先輩方が名乗りをあげてくださり、シニアサポーターとして委嘱されました。シニアサポーターは全てボランティアで生徒の活動を支援してくださいます。
シニアサポートネットワーク初年度、初回の本日は、17名の方が参加してくださいました。サポーターは探究活動の概要説明を受けた後、担当教員と打ち合わせをし、各ゼミで生徒を指導してくださいました。
各ゼミでは、生徒達はシニアサポーターへ自分達の探究テーマについて説明しながら、探究活動の方向性や新たな知見の指導を受け、活動をより深く進めていました。
2月末のSSH生徒研究発表会に向けて、心強いサポーターが生徒に伴走してくださいます。
9月2日(金)安積高校の生徒が,来日中の,米国環境保護局長官と面談しました。
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国際会議の日程に合わせて来日された米国環境保護局リーガン長官が,福島の高校生に会いたい意向である,と環境省から連絡があり,環境省でリーガン長官と面談する機会をいただきました。お会いしたいのは国際高校生放射線防護ワークショップに参加した2・3年生で,紫旗祭初日ではありましたが,ワークショップの活動についてお話をする機会を頂きました。長官からは「高度な科学的知識を学び,その知見に基づいて福島復興のために貢献しています」と,お褒めの言葉をいただきました。 午後からは,NPO法人ドリームサポート福島の紹介で,銀座ミツバチプロジェクトの見学を行いました。ニホンミツバチを増やし,東京の都市緑化を生かすために,銀座のビルの屋上で養蜂を行う活動です。この団体は,東日本大震災の被災地で増える耕作放棄地を活用するために,福島で同じような活動に取り組んでいます。 東京銀座で養蜂を行い,年間トン単位で蜂蜜を出荷しているとのことで,お話は驚きの連続する内容でした。理事長の田中さんは「社会貢献活動を継続的な活動にしていくことが大切」と話されました。地域貢献と環境再生をビジネスと結びつける方法があると知ったことは,生徒たちにとても大きな学びになりました。
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令和4年度アカデミックインターンシップ ノボノルディスクファーマコース
①令和4年8月18日(木)9:00~15:00(2名)
製品検査について見学と工程の実験体験
②令和4年8月22日(月)9:00~15:00(8名)
インスリン製造過程の見学と製造過程の削減エクササイズ
インスリン薬製造世界の50%を占める製薬会社の製造工場を見学させていただきました。見学だけでなく、どのように製品の品質を保持するか、ということや製造過程をどのように効率よく行えるか、という事について体験させていただきました。
<生徒感想>
・糖尿病治療薬の、自分の知らないことをたくさん学ぶことが出来た。
・お客様のニーズを聞き改善することでより良いデザインを作ることができると知った。
・化学や生物に関する知識だけでなく、工場などで効率を高める方法を学ぶことができ、これからの生活にも役立つであろう経験も得ることができた。
令和4年度アカデミックインターンシップ ジョンソンエンドジョンソンコース 令和4年8月19日(金)13:00~16:40
世界的に医療機器開発・販売を行っているジョンソンエンドジョンソン様に研修をしていただきました。
①ジョンソンエンドジョンソンの紹介、須賀川事業所の紹介
②安全ガイダンス
③プラントツアー
④Johnson&Johnson Institute見学+模擬手術体験
⑤若手社員との座談会
社員様たちは終始明るく親切に対応してくださいました。会社のことのみならず、はたらくことの意義なども生徒たちに真剣に語っていただきました。
衛生用品の管理を丁寧に行う様子、実際の手術体験を通し、生徒たちは実際に働く現場や自分の将来について考えを深めることができました。
<生徒感想>
・工場内を見学して、医療従事者以外でも間接的に医療の役に立てると知り、進路の幅が広がりました。また、社員の方々の具体的な進路の話が聞けて、文系理系問わずさまざまな道があるのだと知ることができました。これから進路を考える時に参考にしたいと思います。 大学入試が近づくにつれて進路で悩むことも増えたので、今回のインターンシップはとても勉強になりました。 また、手術体験が楽しかったです!
・普段使っている、もしくは使ったことがあるような製品や医療機器についての知識を得た。進路選択の仕方、過去に社員さんがどのように今の会社を決めたかを聞けた。 腹腔内手術体験が非常に面白かった。願わくば最後の縫合をきっちり終えたかった。あんな難しいことを人体でできるようになるには相当の時間がかかるのだろうなと思った。
・オペ体験がとても印象に残りました
令和4年度アカデミックインターンシップ ゼノアック(日本全薬工業)コース 令和4年8月10日(水)10:00~16:00
2年SSクラスの生徒5名が参加しました。
ゼノアックは郡山が本社で動物医薬品の開発、製造、販売を一環して行っている企業です。ペットを飼っている方はノミ、ダニ駆除薬「フロントライン」販売の企業、というとご存じかもしれません。また、福島県市町村対抗駅伝の中継地点としてご存じの方もいるでしょう。
参加した5名は、家畜の感染検査の模擬ウイルスを用いてのPCR検査体験や、ラット模型を用いた採血検査を体験しました。また、ランチタイムではスタッフから仕事の実際を伺う懇談の時間も設けていただきました。懇談では逆に安積高校やSSH校についての質問をされ、答えたりもしていました。生徒は企業での仕事について知るだけでなく、プレゼンテーションの力もついたようです。
「薬剤師」は薬局に居る、「獣医師」は動物病院を開業している、といったイメージがありますが、こちらでは「薬剤師」や「獣医師」、「研究員」「法律家」といった専門職の人たちが協力しあって苦労の末、新しい薬を生み出し、その評価、製造、販売を行っている、ということがわかりました。参加した生徒は、PCRや模擬採血など、普段できない貴重な体験ができただけでなく、職業選択の視野が広がりました。
令和4年度アカデミックインターンシップ ふくしま医療機器開発支援センターコース 令和4年8月10日(水)9:00~16:00
当日は、『医療のしごと体験デー』という訪問先主催の行事に乗る形で、会津高校、安積黎明高校、日大東北高校の生徒さんとともに、参加しました。 福島県には、医療機器の販売額が世界20位にランクインする企業が複数あり、国内では都道府県別で第1位であるなど、医療機器先進県であることを知りました。
①医療機器の操作体験、介護ロボットの装着体験 ②安全な医療機器をつくるための試験室の見学 患者の健康や命に係わるため他の機器とは異なり、製品不良率をゼロにしなければなりません。そのために、あらゆる観点から繰り返し試験・検査をする様子を見学し、生徒は感心するとともに、信頼できる製品に対して安心した様子でした。
③企業及び製品紹介
上述の県内企業が設置したブースで、製品の説明をしていただきました。