1/20(月)3日目【デリー→アーグラー】 ~夜が明けて明らかになるインド
意外とよく寝られた。インド滞在2日目にして、それなりにインドに慣れてきた気がする。デリーからアーグラーへ行く途中にハイウェイオアシスのようなところに立ち寄った。そこで飲んだチャイの入れ物が素焼きでできており、どうやらそれをインド人は使い捨てするというのだから驚いた。またそこで野生の猿を見かけたので、走って近寄って写真を撮ろうとすると、それに追従するようにバスから降りてきていた観光客も猿の方へ走る。彼らが餌をあげるとそれまで人から離れようとしていた猿が近寄ってきた。彼らは私に向かってどこから来たのかと英語で聞いてきた。私はただ一言Japanと答えるだけで自分から質問ができず、場を盛り上げられなかった。もう少し自分も質問から話を広げられるような能力を身につけたいと思った。
アーグラーに着き、まずは昼食。インド料理屋でマハラジャカレーなるご馳走をいただいた。その後到着したのはJICAが支援する下水道処理施設である。そこでは10年以上前から下水を綺麗にして農業用水にする取り組みを行っている。説明の中で、水の中の不純物を回収し、乾燥させたものを肥料として野菜栽培などに利用する仕組みを知り、無駄がない素晴らしいシステムだと感じた。(※個人的雑感は続きに)
その後、インド史上一番豊かだったともされるムガル帝国時代の城塞、アーグラー城を見学した。イスラームとヒンドゥーの建築様式が混ざり、さまざまな魅力が詰まっているとても素敵な場所だった。夕日に霞む塔と猿がとても強く印象に残っている。見学後、ガイドさんが信頼を置く大理石を取り扱う土産屋を訪れた。ここでの学びは、強気で値切る力、そして選択肢を提示されても選択せず無視する力である。商い巧みな百戦錬磨(?)の店員に我々はまんまとやられ、浪費してしまった……。この悔しさは明日以降の買い物でリベンジしたいと思う。
宿泊するホテルでは、夕食及びDPSジョードプル校での交流に向けて発表や踊りの準備を行い、就寝となった。
インドのディープな部分に少し(?)触れることができ、視野を広げられた良い一日だった。(2年S、郡山二中出身)
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私も僭越ながら、下水道は飲用水までにすることはなぜ考えないのか、と質問をした。答えは「考えていない」だった。理由としては、一つに莫大なお金がかかること、二つにインド人の気質上、下水を綺麗にしたところでそれを飲む気持ちにはならないということ、の回答だった。なるほど、水に関しては日本人と価値観がまるで違うなと肝を潰された。インド人は、飲用水は買うのが基本で、水は汚いという認識なのか。一方、私が思う日本人は、飲用水を積極的に買おうとする人は少なく、水に清潔なイメージを持っているというものだ。
この質問を通して、そもそも価値観が異なる地域を考察する場合、日本→現地、ではなく、現地→日本、の順番で考えた方がよいと思うようになった。これは異文化を理解する上で基本的なことだろうが、今回の研修における個人テーマは「日本で災害時に役立ったアイテムのうち、インドの日常生活で活用できるものの考察」でもあるので、これ以降のインド研修では、インド→日本の順で考えていくことを肝に銘じていきたい。
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1/19(日)2日目【日本出国→インド入国】
2日目は、ほとんどを飛行機で過ごしました。飛行機で一番最初に驚いたことは、前のパネルが少しも反応しないことでした。何度押しても画面が変わらなかったので、これから日本とは全く異なるインドに行くんだなという実感が湧きました。機内食の時間は2回ありました。1回目は、チキンカレー、2回目はナンにカレーが巻かれたものでした。chicken or fish でchikenを選び出てきたものがチキンカレー、ただのパンかと思ったものもカレーが入っていました。事前に先生が「全てカレーの味がする」とおっしゃっていた通りだったので、食への覚悟を決めました。
インドのデリーに着き、すぐに両替をしました。私だけトラブルに見舞われましたが、ガイドさんの優しさに触れる瞬間となりました。 空港から出て最初に目にした景色は、空気がとても澱んでいて、携帯の空気質指数は「とても悪い」と表示されていました。大気汚染が社会課題になっているのをすぐに実感し、研修に臨む意識が高まりました。
バスに乗ると、思いがけず歓迎の花をかけていただきました。とても嬉しかったです。ホテルまではそこまで遠くない道のりでしたが、車線があってなきような状況や挨拶がわりのクラクション……。飛行機にいた時間が大半だったこの日でも、 今まで体験したことの無い経験を たくさん味わえたので、これからのインド研修もとても楽しみです。(2年W、ザベリオ中出身)
令和6年度からの安積高校Ⅲ期SSHでは、研究開発課題である「チーム安積モデルによる地球的課題解決に向けた国際共創力を有する科学技術系リーダーの育成」の達成を目指して各種事業に取り組んでいます。その中でもインド海外研修は、「国内外の学校との交流の継続・発展及び福島を学び共創を促進する場の構築」を目指して行われるものとなります。
今回の研修には、浜通り研修やインド大使館研修などを通して福島の理解と共に「インド」を経験してきた生徒のうち、代表生徒8名が参加しています。令和7年1月18日(土)~26日(日)の日程で、西部ラジャスターン州ジョードプルにある、Delhi Public School Jodhpur[DPS](デリーパブリックスクールジョードプル校)を訪問しての交流を中心に、Indian Institute of Technology Jodhpur[IIT](インド工科大学ジョードプル校)の学生との意見交換をします。また、インドが抱える環境問題のうち、水質汚濁の課題解決に向けて取り組む施設を見学したり、大気汚染が世界遺産の建築物に与える影響を学んだりします。
国際社会において存在感が大きくなりつつあるインドを総合的に学ぶとともに、次年度以降のインドの高校生等の来校の機運を高め、「安積高校ゲートウェイ構想」の実現を目指すための研修と位置付けています。
1/18(土)1日目【安積高校→成田空港付近】
インド研修出発日前後、5年前から交流しているドイツのエッセン市の学校を初めて本校に招くことができ、その交流会を実施していました。インド研修に参加する生徒でも2名が参加していました。そうでない生徒も模擬試験を受験していたり、何より大学入学共通テストがあったり、何かと慌ただしい時期でしたが、保護者の皆様や本校教職員に見送りいただき夕方安積高校を出発できました。成田空港付近のホテルについたのは21時前過ぎと遅い時間になりましたが、現地で交流するDPSでは福島についてのプレゼンテーションや「踊り」を披露することもあり、全員そろって準備をする貴重な時間となりました。[記:引率教員。明日以降は、参加生徒が記事を執筆する予定です]
1月9日(木)、「数字から見えてくる社会的な性」というテーマで、桜井産婦人科医院の院長、桜井秀(しげる)氏による少人数ゼミが行われました。
同日に行われた1・2年次生対象の講演会の内容とはまた違って、社会的かつグローバルな視点でみる「性」のお話で、講演会をすでに聴いた生徒たちも非常に興味をもってゼミに取り組みました。
医療従事者を志す生徒たちも参加し、将来の進路に大いに活かせるようなお話を聴くことができました。
桜井先生、ありがとうございました。
12月26日(木)午後、本校にて、安積高校OBOG も所属する、東北大の震災復興サークルが開発したアプリの説明会が行われました。 東北大学の小池武志准教授、本校OBの三瓶君(135期)、内山君(136期)がお越しくださいました。本校生徒6名、OB2名が参加しました。
アプリの説明のみならず、サークルの概要紹介、三春町やしいたけ産業の復活・福島復興に向けた思いを語ってくれました。 言葉や気持ちが本当に真剣で、著者は大変感動しました!生徒たちも心に響いたようでした。 教育、経済学、農学、福島復興に興味のある人は、このアプリの試運転にぜひ協力していただきたいです。
説明の様子
12月4日(水)3年次SSクラスのSSアカデミーⅡの授業で、サイエンスダイアログが実施されました。講師は東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターのDr. Hendris WONGSOです。彼は研究テーマである『タウタンパク質を利用したアルツハイマー病の診断』を中心に、母国であるインドネシアについて、また、自身の科学者としてのキャリア計画等を英語で話してくださいました。
後半、生徒達は英語で様々な質問をしました。Dr. Hendris WONGSO は1つ1つに丁寧に回答してくださいました。
<生徒感想>
・最先端の医療技術を知ったり、将来について考えたりする良い機会になりました。
・スライドの資料がわかりやすく、この分野についての基礎がなくても理解することができました。また、インドネシア独自の文化のみならず、現地の人しかわからないようなインドネシアに浸透している日本文化についても教えていただきました。
・英語があれば、異国間交流ができるということを再認識し、英語の勉強のモチベーションが上がった。
10月31日(木)2年次のSS探究Ⅱでは、現在進めている探究活動について、中間発表会が行われました。各班ごとにスライドで進行状況を発表しました。それに対し、ゼミの生徒やシニアサポーター、担当教員から質問やアドバイスがありました。
11月13日(木)には、今年度、新たなシニアサポーターが加わり、合計23名となりました。より強力に2年次生をバックアップできるようになりました。2月の発表会に向けて、探究活動も佳境ですが、頼もしい先輩方が見守っていてくださいます。
12月7日(土)・8日(日)に日本科学未来館にてJSEC2024(第22回高校生・高専生科学技術チャレンジ)最終審査会・表彰式 が行われました。全国から寄せられた404本の科学論文から一次審査を勝ち抜いた35本のテーマがポスター形式で発表し、審査されました。
本校から生物部の研究「めざせ!カンゾウ(甘草)の国内自給~挿し穂の水耕栽培実験、グリチルリチン酸含量分析、及び適環境条件の推定~」が選ばれ、審査会に臨みました。JSECは世界大会へのチャンスも得られる由緒ある大会です。どの研究も素晴らしかったですが、本校の生徒も立派に発表しました。結果は優秀賞で、文部科学大臣から表彰を受けました。なお、この結果は朝日新聞紙上にも紹介されております。