SSHブログ

SSH活動日誌

飯舘村見学会実施

 安積高校のSSH活動では,海外の高校生との交流活動も計画されており,ドイツやフランスの交流を計画しています。海外との交流では,福島第一原子力発電所事故が話題に上がることを想定し,避難指示区域の復興について,学ぶ機会を設けました。11月28日(土)には飯舘村長泥を訪問し,除染土の再利用や村の復興事業について学んできました。

 まず地区の区長さんから,ご自身の避難や帰還後のようすなどについてお聞きしました。その後は,現在も避難指示区域に指定されている地域に入り,除染土再利用実験事業について環境省の方からご説明をいただきました。長年農業を営んできた方々の帰還を実現するためには,耕作地の回復が大切な視点であり,新たに主農産品として花卉栽培に取り組んでいくという地域の方々の強い熱意を感じました。

 除染土での野菜の栽培試験において,セシウムの移行はほぼ見られないという試験結果もありながら,食用ではない農作物を栽培しなければならない現状には,風評克服の難しさを感じました。

 その後は,前原子力規制庁長官田中俊一先生のご自宅を訪問し,お話をお聞きしました。「原発事故後,メディアも含め放射線を怖がり過ぎてしまい,かえって辛い状況に陥ってしまった」とお話を始められ,事故後定められた食品暫定規制値が海外に比べて厳しすぎることから,再生可能エネルギーの利用,そして若い人々にこの地域の魅力をどう発信し伝えたらよいのかなど,話題は多岐にわたりました。

 今後も海外高校生交流のための学習会では,福島復興や再生可能エネルギーについて,学んでいく予定です。
 以下は生徒の感想です。
--
・帰還困難区域でも復興に向けて着々と進んでいるということ。自分たちの知らない所で自分たちの知らない活動をしていることが知れて、自分の視野が広がりました。
・現場の人の声を聞けた。
・田中さんのお話が本当に面白かったです。復興と言うけれど元に戻すことは出来ない、別の何かを生み出す必要があるのだと言うお話に考えさせられました。元区長さんのお話からも、人が少ないからこそ、飯舘村の中の住民同士の繋がりがあるのだと感じました。とても暖かい気持ちになりました!
・炭など飯舘村が主体となり動いている活動などを見て(今まで自治体とは淡々と職務をこなすと言うような勝手な個人のイメージがあったのですが…)とても情熱を感じました!!
・再生土壌で食料作物を作るなど、土壌再利用に向けて前向きな取り組みがなされていた。

SSクラス プログラミングの授業で機械学習について学ぶ

11月19日(木)6・7校時のSSアカデミーⅡ の授業は,Python学習の最終回でした。

SSアカデミーⅡは,2年生SSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。

この授業のうちプログラミングⅡは,4回連続合計8時間での情報分野の学習で,株式会社アクシスウェア(Axisware, Inc)IT事業本部 石川祐也 さんを講師に招き,本格的なプログラミング言語Pythonの学習に挑戦しました。
最終回の19日は,前半は前回の宿題の発表を2人の生徒が行い,後半は機械学習について学習しました。

 


機械学習は,ビッグデータを利用してコンピュータに反復学習を行わせ,なんらかのパターンを探し出させることを言います。一通り基本的な事柄について講義の後,サンプルデータセット「Ilis(あやめ)」を用いて実演。あやめのもつ5つのカラムを数値化してデータベースとし,選んだアルゴリズムを元にモデル学習をさせる様子などについて説明されました。ここでは,先生の講義を通しての学習となりましたが,AI時代を象徴する機械学習とはどのようなものか,およその概念を知ることができました。

プログラミングⅡの授業4回(計8時間)を通じてのPython学習は,ほぼ実習を通して学ぶものでした。あえてやや難しい部分を残して生徒たちの知的好奇心を刺激し,わからない点は自分でネット検索する方法も教えていただきました。生徒たちは,特にデータ解析の方法を具体的に学ぶことができ,高い満足感を得たようです。このような充実した学びを与えていただいた石川祐也さんと派遣下さった株式会社アクシスウェアに改めて感謝申し上げます。

 

以下,4回のプログラミングⅡの授業をまとめての生徒の感想です。
----------
・プログラミングが初めて楽しいと思えました。将来使うかもしれないことなので、今回経験出来てよかったです。
・ある程度の基礎知識が身についたのと、プログラミングに関するさらなる興味をもてたので、とても有意義な授業だった。
・PCを使った活動はあまり得意ではなかったので、大変なことも多くあったが、プログラマーの仕事や、Pythonとはどんなものかを知ることができました。
・プログラミングをネットで調べながらやって実行できたときは嬉しかった。学んだことを実験のまとめるときなど活用したい。
・プログラミングには興味はあったけどしっかり学習したことはなかったのでとてもおもしろかった。ただ時間があまりなくてプログラムを自分で作ることができなかった。
・今後の時代に必要になるような事を、若い高校生のうちから学べたことが良かったです。
・課題にあまり取り組めなかった。他の人は、自分で検索しながら取り組んでいたので、今後は自発的に取り組みたいと思った。
・僕は今までプログラミングを本格的にやったことは無かったので、今回プログラミングを学ぶことができて良かったです。僕は途中から分からなくなってしまってついていけなくなってきてしまったのでもう少し自分で調べてやれば良かったかと思いますが、この経験を大学で生かせるようにしたいです。
・メジャーなプログラミング言語であるPythonの使い方から、世の中への利用まで、幅広く教えてくださり、ありがとうございました。
・自ら新しいものを作り出し、それが文法というルールを守ってキーボードを用いて文字を打ち込むだけでできるという手軽さがなんとも言えず興味深いなと思いました。
・最後の時間に教えていただいた、世の中での活用例は、あれほどたくさんあるのかとびっくりしました。
・もう少し勉強して、ある程度プログラミング言語を使いこなせるようになって、自分で何かのプログラムを組むことができたらいいなと思いました。

 

1Fの処理水について学ぶ

 11月11日(水)放課後16:00〜17:30に,経済産業省資源エネルギー庁廃炉汚染水対策官の木野正登さんをお招きして,福島第一原子力発電所の処理水についての学習会が行われました。

 安積高校のSSH活動では,海外の高校生との交流活動も計画されており,ドイツやフランスの交流を計画しています。海外との交流では,福島第一原子力発電所事故が話題に上がることを想定し,最もホットな話題である処理水問題について,学ぶ機会を設けました。

 資源エネルギー庁廃炉汚染水対策官の木野正登さんに講演をお願いしたところ,原子力発電所の模型持参でおいでくださいました。

 最初にピンポン球を自分にぶつけて,処理水に含まれるトリチウムの影響を説明されるなど,高校生に分かりやすく伝える工夫が随所に見られるご講義でした。
およそ1時間の講義の後,質疑応答。「中間貯蔵施設に新たにタンクを作れないか」「世界中の原発からは今もトリチウム水が流されていることを広く伝えるべきではないのか」「風評対策としてもっと様々な情報を伝えるべき」などの質問や意見が出されました。

 中には取材に訪れたメディアに「メディアには風評を招かないように伝える責任もある。今回のこの学習会をどう伝えるのか」という質問も飛び出し,30分ほどの質疑時間は瞬く間に過ぎました。

 その後,木野さんの周りに集まる生徒たちの個別の疑問に,「まだ時間があるから」と丁寧にお答えいただき,終了後1時間も質問を受けてくださいました。

 

 海外高校生交流のための学習会では,福島復興や再生可能エネルギーについて,学んでいく予定です。
以下生徒の感想です。
--
・1Fの事故には、様々な人の思いが絡み合っており、様々な意見があるということがわかりました。
・処理水学習会ではトリチウムと水が大差ないこととこれからの廃炉に向けての活動を学びました。
・汚染水回収当初は質よりも量を優先し、結果的にストロンチウム処理水などが残っていたと知りました。
・文面で読んだだけでは理解出来なかった内容も知識が深まりました。特にピンポン玉と野球ボールの例は分かりやすかったです。
・個人的な感想として、木野さんが「トリチウム水は無害だ」と断言してくださったことが嬉しかった。誰もが語尾を濁してしまう部分を綺麗に言い切ってくださったので気持ちがだいぶ楽になった。

SSクラス プログラミングの授業でデータのグラフ化について学習

 11月5日(木)6・7校時のSSアカデミーⅡ の授業は,Matplotlibによるデータの図式化について学びました。

 

 

 SSアカデミーⅡは,2年生SSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の授業です。

 この授業のうちプログラミングⅡは,4回連続合計8時間での情報分野の学習で,株式会社アクシスウェア(Axisware, Inc)IT事業本部 石川祐也 さんを講師に招き,本格的なプログラミング言語Pythonの学習に挑戦しています。

 

 学習は,去る10月8日および22日(木)に行われた第1回,第2回に続いての内容です。Matplotlibは2次元のグラフを描写するためのライブラリで,実行結果がCoogleColaboratory上に描画され,データをグラフ化するのに非常に便利です。

 

 第3回は,最初に描画オブジェクトついて学び,グラフタイトルや,x軸,y軸のラベル付けの仕方など,グラフの描き方について学びました。続いてNumpyでデータlistを作り,放物線,折れ線グラフ,正弦曲線,分布図などのグラフを描きました。

 

 そして最後に,前回学んだexcelファイルのcsvデータを読み込み,ヒストグラムを描き,さらにこの上に正規分布曲線を描く方法について,教えていただきました。

 

 学習活動は,石川さんが作成されたGoogle Colaboratoryを用いたテキストで進めています。テキストは,途中まで作成されたプログラムに自分でコードを書き加えるように作られており,生徒は友人に聞いたり,ネットで検索して調べたりしてプログラムを完成させ,実行します。

 

 今回も,気がつくと7校時終了が近づいていて時間はあっという間に過ぎましたが,全員が先生の指示に従ってプログラムを完成し,グラフを作成することができました。そして,それぞれ何らか自分のデータでグラフを作成してみるという宿題をいただいて,第3回の講義が終わりました。

 

 次回は最初に,宿題の成果発表があり,その後機械学習について教えていただく予定です。最近よく耳にする「機械学習」とはどんなものか,最新の学習内容に皆ワクワクして最終回が待ち遠しい思いです。

震災後の福島の発信活動に,サッポロホールディングスのご支援

10月30日,サッポロホールディングス株主様の社会貢献活動による,高校生の風評払拭活動への支援金の贈呈式が行われました。

 これは,サッポロホールディングスが行う株主優待制度において,株主の選択により優待品の送付に代えてその相当金額を社会貢献活動へ寄付する制度です。本校の国際放射線防護ワークショップは,2018年よりNPO法人ドリームサポート福島を通してご支援を頂いてきました。

 贈呈式には,サッポロビール代表取締役社長高島英也氏(福島県伊達市のご出身),サッポロビール南東北支社長松尾彰彦氏,NPOドリームサポートふくしま理事長阿部幹郎氏,NPOドリームサポートふくしま事務局長菅野真氏らが来校され,今年度,海外交流研修参加予定生徒5名が,本校校長及び直接寄付を受けるNPOドリームサポート阿部理事長とともに受け取りました。
 贈呈にあたって高島社長は「震災の現地に実際に足を運び,現場を直接見,現地の人々から直接話を聞いたりする機会は,貴重な機会です。安積高校が大切にしている開拓者精神という情熱をもって学び,福島復興の姿をぜひ海外の高校生に伝えてください」と述べられました。

 このご支援は,福島県教育庁社会教育課「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の支援とともに,震災後の福島の現状を海外に向けて発信する高校生の研修や発信の活動に充てられます。

 

参考
昨年実施した「国際高校生放射線防護ワークショップ」の記事(2019年8月6日)
https://asaka-h.fcs.ed.jp/blogs/blog_entries/index/page:12?frame_id=344

サッポロビールホールデングス「株主様ご優待制度を通じた社会貢献」
https://www.sapporoholdings.jp/csr/society/area/contribution/

認定NPO法人ドリームサポート福島
http://d-s-fukushima.org

チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/challenge.html

SSHアクティブラーニング研修(数学)

 11月12日(木)7校時および放課後にアクティブラーニング研修会を開催しました。この研修はSSH事業の研究課題の一つである、ディープアクティブラーニングの実践に向けた自己研鑽を目的としています。今年度はあわせて3回の研修会を予定しており、今回は講師に渋谷教育学園渋谷中学高等学校数学科教諭の近藤義治先生を迎え、本校教職員に加え県内各校の先生方も参加して研修が進められました。
 まず始めに、講師の近藤先生による対話型授業実践を参観しました。対象クラスは1年生で、「三角比の加法定理を既習の知識をもとに導く」というテーマで授業が進められました。授業の冒頭で、「答の確認は仲間内で行う」「授業に積極的に参加する」「立ち歩いてかまわない」「間違えても罵倒しない」「演習問題はやれる範囲でやる。ただし、時間内はあきらめない」の5点の指示がありました。その後は生徒各自が、自力で取り組んだり、周りと相談したりしながら課題に取り組む姿勢が見られました。授業の前半は普段と異なる授業形式にやや緊張が見られましたが、後半に進むにつれて生徒間のやりとりが活発になっていったようでした。
 放課後の研究協議では、近藤先生から対話型授業に関する講話を拝聴した後、参加者から『対話型授業』の進め方等について活発な質疑応答が行われました。
 この研修の成果をもとに、今後も継続して、「より深い学び」の実現に向けて、継続的に授業改善の研究と実践を進めて参ります。

来年度のSSクラス希望者へのガイダンス

11/11昼休み、1年生の来年度のSSクラス希望者に向けたガイダンスが開かれました。
2年次のSSクラスの活動や研究テーマの選択に向けて、SSH担当の代表や学年主任から心構えや今後の日程の説明がありました。
来年の活動に向けて、徐々に準備を進めましょう!

 

 

 

 

 

 

その場で、2年生が原稿に協力してくれた、今年度のSSH活動のまとめが配布されました。

坪倉先生の医療深掘りゼミ第八回、第九回を行いました

月に1,2回開いていただいている福島県立医科大学の坪倉正治教授によるゼミの報告をします。

 

11/5は医療従事者の方々に、仕事の内容や医療とは何かについてご講演いただきました。
ここまで色んな職種の方のお話しを聞く機会はなかなかなく、貴重なお話をたくさん聞けました。

・南東北病院 麻酔科医 島津勇三様
・元看護士 医療ガバナンス研究所研究員 樋口朝霞様
・常磐病院 乳腺科医 尾崎章彦様
・帝京大学 大学二年生の方 

<生徒感想>

・あまりイメージのついていなかった麻酔科の仕事について知ることができました。先生自身が麻酔科を縁の下の力持ちとおっしゃっていましたが、本当にそうだと思いました。手術後の痛みのケアを行うのだと知りました。手術中のお仕事は患者さんの生命にダイレクトにかかわるので、大変重大な役割を担っているのだと感じた。「すべては患者さんのために」と患者さんを第一に考えて仕事をされていることが伝わりました。(1年女子)

・看護師の方のお話しでは、緩和ケアに入った患者さんへの対応や、意思表示ができなかったり、家族がいない患者さんは治療において大変になってしまうと分かりました。それは地域によって差があること、家族の都合と患者さんの意見が違うと、看護師や医師ではどうにもならないことをしりました。意思表示できなくなる前の患者さん自身の医師をどれだけ尊重できるかが大切だと思いました。(1年女子)

・外科医の方の話から、医療との向き合い方、考え方を知りました。診療30%研究30%社会貢献40%という考え方が印象に残りました。はじめ、僕は現場で働く方は現場で働くだけで、研究職の方は研究だけなのかと思っていました。しかし、そのどちらもバランスよく、さらに社会貢献をするなんて、すべて達成するのは難しいだろうと思う一方で、素敵な考え方であるし、自分が医療者になったときには、この理想をもって仕事に向き合っていきたいなと思いました。

また、医学部に通う方の日常を詳しく知ることができたのが収穫でした。漠然と、ひまがなく大変な印象を持っていましたが、実際にはいろんな活動をする時間があることが分かり、少し安心しました。

今回講演をお聞きした先生方のような立派な医学生・医療者になれるよう、精いっぱい勉学に励みたいと思います。(2年男子)

====

11/12は坪倉先生によるがんと社会問題についての講義でした。
これまで「介護」「救急」とテーマを変えながらゼミをしていただきました。
インプットとして坪倉先生が講義→生徒が調べてきて発表、先生からのアドバイス→さらに深めてもう一度発表
の流れで行っており、今回のテーマは「がん」です。
今日は生徒の視点を広げる素晴らしい講義をしていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

<生徒感想>

・今回は「がん」について学んだ。がんそのものの仕組みに加え、がん治療についてのいろいろな問題があることを知った。症状があっても病院にこない・来れない、医学の王道に乗っていないような治療がある、発明した薬が実際につかえるようになるまでに時間がかかる(ドラックラグ)、検診を行ったところで、日本の場合は受診数が20%くらいの市町村がざらにある、高度な医療費は税金の負担になる、なくなってしまった場合の親族の対応(グリーフケア)の課題・・・などを学んだ。 (2年男子)

・今回から1年生もプレゼンに加わるという事なので、先輩として引っ張っていきたい。 (2年男子)

・がんは自分や身近な人がなる可能性がある他人事にはできない病気であり、検診や治療・社会復帰など思った以上に数多くの問題があるのだと分かりました。他の人とどんな課題があるのかを話し合ったとき、様々な視点から意見が出てきて面白かったです。がんになったときに身体面だけでなく精神面に関わる問題(病気の告知や家族の問題)が複雑に生まれていて、それをどう解決するのかを考えていくことが大切だと分かりました。とてもいい刺激を受けた講演でした。 (1年女子)

開講! Larry先生Python講座

  9月29日,放課後のプログラミング学習会「Larry先生Python講座」が始まりました。


  講師は福島市在住のプログラマー安藤Larry さん(写真左)です。
LarryさんはNYのヘッジファンドのCTO(技術責任者)です。事業の傍ら,ボランティアで高校生の支援がしたいと,友人の渡邉利一さん(安積高校OB,NPO福島100年構想委員会役員代表理事)にお話になったことから,この講座が実現しました。

  講座は,去る9月29日(火)放課後に第1回がスタートしました。参加者は1・2年生10名ほど。将来プログラマーになりたい,理科部で取得したデータ解析に役立てたいなど,参加の理由は様々ですが,皆プログラムを学ぶ意欲満々です。

  今後講座は遠隔により毎週火曜日に開かれます。開講にあたり,機材の準備など福島100年構想委員会さんには大変お世話になりました。生徒たちは,応援に感謝するとともに,充実した学びを通してプログラミングを自分のものにしたいと,意気込んでいます。

 
(以下生徒の感想です)
  初めに、この講座の設立や運営にご尽力下さった安藤Larryさんや福島100年構想委員会の方々、そして担当の先生に感謝申し上げます。
  私は将来プログラミングを使った研究や仕事をしたいと考えています。そのため、高校の段階で現役のプログラマーの方から教えて頂けるこの機会は大変貴重であり、参加できることを嬉しく思っています。プログラミング未経験の私にとって毎回の講座で難しいことは多々ありますが、Larryさんや仲間達からの説明によって毎回楽しく学びを深めています。現段階では基礎や理論の話が中心ですが、この先の応用でどんなことができるか学習がとても楽しみです。

発表・プレゼンテーション研修

11月4日(水)東北大学生命科学研究科准教授の酒井聡樹先生を講師にお迎えし、1年生を対象に、発表・プレゼンテーション研修を行いました。「これから研究を始める福島安積高校生のために」の演題でご講演をいただき、「研究とは何か」「発表において一番大切なこと」など、スライドやポスター発表について具体的な例を元に、大変わかりやすくご指導いただきました。研究の入り口に立った一年生に、大いに参考になる内容でした。

 

研究レポート・論文研修

11月4日(水)に福島大学共生システム理工学類准教授 兼子伸吾先生を講師に迎えて、2年生を対象に研究レポート・論文研修を行いました。講演では、「論文を書く意味」「研究におけるオリジナルとは何か?」などのお話を交えながら、レポートや論文を書く際の留意点についてわかりやすくご指導いただきました。質疑応答の時間では、生徒から多くの質問がありました。今後予定されている、研究発表会や論文作成に向けて、大変参考になるお話であったと思います。

SSHアクティブラーニング研修

 10月19日(月)7校時および放課後にアクティブラーニング研修会を開催しました。この研修はSSH事業の研究課題の一つである、ディープアクティブラーニングの実践に向けた自己研鑽を目的としています。今年度はあわせて3回の研修会を予定しており、今回は講師に渋谷教育学園渋谷中学高等学校国語科教諭の河口竜行先生を迎え、本校教職員に加え県内各校の先生方も参加して研修が進められました。
 まず始めに、講師の河口先生による対話型授業実践を参観しました。2年生の現代文の授業で、小林秀雄著「人形」を題材に、登場人物、作者への質問とその答えをグループ内で対話しながら考えるという内容でした。
 放課後の研究協議では、河口先生の講話を拝聴したのち、参加者から『対話型授業』の進め方等について活発な質疑応答が行われました。
 この研修の成果をもとに、今後も継続して、「より深い学び」の実現に向けて、継続的に授業改善の研究と実践を進めて参ります。

 

SS探究Ⅰ県内研修

10/15(木)にSS探究Ⅰの県内研修が行われました。

10個のコースに分かれ、それぞれ希望した見学先で研修を行いました。

地域に関する理解を深め、探究活動の更なる深化を行うことが出来ました。

まほろん福島 小名浜魚市場 エフオン白河

ロボットテストフィールド しろはとファーム 浪江駅

中間貯蔵施設 五色沼 東日本大震災伝承館

SSアカデミーⅡ プログラミングⅡ 第1回・第2回

   10月8日からのSSアカデミーⅡの授業では,新しいプログラミング言語として最近注目されているPython(パイソン)の学習が始まりました。

 

Fukushima Asaka High School

 

  SSアカデミーⅡは,2年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。

  この授業では,すでに6・7月にプログラミングⅠとして,初心者向けの内容を学んでいますが,今回のプログラミングⅡでは,本格的なプログラミング言語の学習に挑戦します。

 

  講師は,株式会社アクシスウェア(Axisware, Inc)IT事業本部 石川祐也 さんです。

  今春東北大学を卒業して入社されたばかりの若手ですが,大学ではPythonを用いて原子物理学のデータ解析を研究された新進気鋭のプログラマーです。

  去る10月8日および22日(木)6•7校時に,第1回,第2回の授業が行われました。

   第1回は,出力・変数・値のグループ化・条件分岐と繰り返しなど,Pythonの基礎基本について学びました。第2回は,Numpy・Pandasについて学び,実際に自分データをcsvファイルとして読み込み,加工まで行いました。

   授業は,石川さんが作成されたGoogle Colaboratoryを用いたテキストで進めています。テキストは,プログラムが途中で止まるように作られており,どうすれば正しいプログラムになるか自分でネット検索をして調べ完成させるなど,楽しく学べるように工夫されています。

   第2回の22日には,放課後何人かの生徒が石川さんを訪ね,SSH校での学び方や大学進学についての心構え,将来プログラマーを目指すには今後どんなことを意識していけば良いのかなど,相談に乗っていただきました。ご自身も,福島高校在学中にはSSHの学習活動に参加されていたとのこと。生徒たちは年齢の近い経験豊かな先輩から,長時間にわたってたくさんのアドバイスを頂きました。

 

Fukushima Prefectural Asaka High School

 

  Python学習は11月半ばまでの全4回続きます。

 

(以下は生徒の感想です。)

感想1  この度は遠くから石川先生にお越しいただき、プログラミングを教えていただきました。わかりやすい教材をご用意頂き皆で楽しく学習しています。あと2回の授業ではデータを扱うので、もっと高度な技術を身につけつつ楽しく学びたいと思います!

 感想2 現代の科学にとって、プログラミングは必要不可欠な存在である。そして、今後社会の中で科学に携わる者として、プログラミングに関する技能は是非とも身につけたいものであることは言うまでもない。その中で、今回のPython講座は非常に価値あるものだった。
私が最初に今回参加しようと考えたのはこのような理由があったからである。しかし、実際に参加してみると、そういった実用的な部分よりもプログラミング自体の楽しさが参加したいと思う大きな理由となった。
 私は以前scratchの学習をしたことがある。その際には手本の見様見真似でコードを書いたり、オブジェクトを動かしたりといったことをするだけに終わり、自分がプログラムを作っているという感覚が薄かった。対して今回の講座では、自分で1からコードを入力しプログラムを作ったため、自らの手で作り上げた実感を感じられた。また、様々なことに苦心しながらプログラムを書くことを通して大きな達成感を得られた。
 この講座で得た技術や経験を活かして実験のデータ処理などを効率的に行うことができれば、真の意味でプログラミングを身につけられたことになるだろう。また、プログラミングを利用した作品制作もしたいと思っている。これらを目標にしてこれからのPython講座も力を入れて頑張りたい。

 

SSH「探究Ⅱ」中間発表会

10月7日(水)6,7校時に、SSH探究Ⅱの中間発表会が行われました。今回は感染症拡大防止のため、探究の分野ごとに第一体育館、第二体育館、安歴博の三会場に分かれて現在までの進捗と今後の展望を発表しました。時間のない中質疑応答も活発に行われ、これからの探究活動の更なる深化が期待されます。

 

SSアカデミーⅡ生物校外学習

 9月30日(水)4校時~7校時に、郡山ホタル愛光会の講師2名とともに、SSアカデミーⅡの校外学習を実施しました。SSクラスの生物選択者9名が、郡山西田町の天神川と郡山市内の南川(上流・中流・下流)を巡り、ホタルの生態系を通して環境保全や生態系の仕組みを学ぶことができました。

  

 

探究講話「SDGs」

 9月25日(金)6~7校時に、一般社団法人SDDソリューションズ理事 小針丈幸様を講師に迎え、一年生を対象に「SDGs講演会」開催しました。このSDGsについての学習を通じて、現在の「地域創生探究」を、二年次の「グローバル探究」に継続発展させていきます。

 SDGsに関する講義の後、カードゲーム「2030SDGs」のワークショップが行われました。与えられたお金と時間の中で、1班4名のグループが目標に向かって様々なプロジェクトを行います。前半では各班バラバラに活動した結果、「経済」「社会」「環境」の価値観のうち、「経済」だけが突出し、バランスの悪い世界になってしまいます。しかし、後半はグループ間で「協力」や「取引」を行いながらプロジェクトを行うようにした結果、偏りを修正し、目標を達成することができました。

 7クラス280名はゲームの限界に近い参加人数でしたが、体育館に4つのパラレルワールドが展開したのは圧巻で、まさに「地球を共有する感覚の疑似体験」と言える内容でした。ファシリテーターの軽快な進行によってゲーム自体が盛り上がり、また、振り返りを通じて、SDGsについての理解を深めることができました。

     

摩擦についての講義 ~摩擦・摩耗・潤滑の仕組みを学ぼう~ を実施しました

9月29日(火)に東京理科大学理工学部機械工学科野口昭治教授をお招きして模擬講義を行っていただきました。
本校生徒は25名参加しました。

日常意識していない摩擦がどうして起こるかの理論的な背景、そして最先端の研究はどのように行っているかを講義していただき、その面白さを味わいました。高校の範疇を超えて深い内容まで教えていただきました。また、実験も行っていただき、精密に作られたベアリングがいかに摩擦かないかを身をもって体験したことで生徒たちはとても興味をひかれていました。

最後に15分質疑応答の時間を取ったが、活発に質問が出ました。また、講義終了後も50分程度生徒からの質問や物理部の指導をしていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<生徒感想>

・私は物理部に所属しており、現在黒板について研究しています。その研究の中でトライボロジーの知識が必要になり、今回の講演会を楽しみにしておりました。わたしは事前にインターネット等でトライボロジーについて調べていましたが、内容が難しくなかなか理解することができませんでした。そのため、今回の講演の内容も難しく私では理解することができないのではないかと不安でしたが、野口教授のお話はとても分かりやすくトライボロジーへの理解も深めることができました。今回得た知識を物理部の活動に生かして頑張りたいです。今回、講演をしていただいた野口教授に誠に感謝申し上げます。

・私は物理部で黒板の研究をしており、今まで摩擦や摩耗については、ネットで調べられる限りでの論文をいくつか読んでいました。しかし、どの論文を読んでも、きちんと内容を納得して読むことができずにいました。今回の講演を通して、初めて摩擦や摩耗についてしっかりと体系的に理解することができました。摩擦や摩耗は、私たちの生活にも非常に密着している分野です。黒板も、摩耗を利用して書いています。しかも、知れば知るほど面白い分野だと思います。しかし、あまり知れ渡っておらず、私自身も研究するまで知らなかった人の一人です。とても面白い分野なので、もっと多くの人にとって著名な分野になってほしいと、お聞きしていて思いました。今回の講義を通して私たちの知識をより深めることができたので、自分たちの研究をいっそうより良いものにしていきたいです。野口様、誠にありがとうございました。

相双地区被災地研修を実施しました  

9月27日に今年度も相双地区被災地研修を実施しました。
NPO法人ハッピーロードネット様、双葉町役場の方などのご協力をいただき、生徒24名が参加し学んできました。

目的は「被災地の現状と課題を知るとともに、現場で頑張る方たちの姿から復興について学ぶ」ことでした。

・双葉町の帰還困難区域 : 復興の様子、帰還困難区域の現状、これからの課題

・東京電力廃炉資料館 : 原発事故の概要と原発の現状・課題

以上のことをそれぞれの場所で学んだ後、Jヴィレッジにて現地の方々の、震災時の体験、今後の復興への思いなどの話、生徒との質疑応答を聞きました。そして最後に振り返り会にて、「相双地区の復興についての自分の考え」を付箋と模造紙を用いてまとめ、お互いに発表しあい、考えを深めました。 

被災地の現状と現地の方々の苦労、そして復興への思いを、研修中終始学んでいたようでした。
昨年の実施との違いは、公務員として避難や街の立て直しに携わった方、企業を作って町おこしに励む方、高校生と活動するハッピーロードネット様など、様々な現地の人の話を聞き質疑応答の時間をとった点であり、生徒から高評価でした。

福島民報20200928福島民報_安積高校被災地研修.pdf、福島民友20200928福島民友_安積高校被災地研修.pdfに記事が載りました。
生徒のアンケートのまとめはこちら202009相双地区研修アンケートまとめ_公開用.pdfです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒の感想を数点載せます。

・(西本さんたちへ)お忙しい中、僕達のためにご協力くださりありがとうございました!自分の中で思っていた印象がガラリと変わり、僕のように、間違っている考えを持っている人がまだまだ多いと思います。今度は僕が、そのような人達に向けて正しい情報を発信していく必要があると実感しました!ほんとに本日はありがとうございました!(1年男子) 

・貴重な体験ができました。メディアを通してではなく、直接相双の被害を受けた地区を見るのは初めてのことで、半壊した建物や、止まった時計などを見て、画面越しでは伝わらないものを感じました。廃炉資料館なども通して、確実に知識が増え、関心も高まりました。お忙しい中、本当にありがとうございました。(1年男子)

 ・(集団で被災地を訪れることについて)同じ事を見聞きしても人の数だけ考えた事感じたことが違っていて、その違いがとても面白いし、ほかの人が質問したこととその返答を聞くとより自分の考察を深めることができるので、集団で行くことには大きな意味があると思います。また、自分一人が見学に行くとしたらこんなにたくさんの大人が動いてくださることはないと思うし、こういう募集があったから取り敢えず応募したけど、来てみると本当に沢山学ぶべきことがあって来てよかったな、と思う生徒も多いのではないかと思います。
相双地区研修に来て、震災と復興を自分の目で見つめて、実際に人に会って、自分の耳で話を聞いて、その心に触れる事で、自分の故郷である福島県のことだけではなくて、自分の過去や将来を見つめ直すことができたと思うし、オンライン化が進む今の現状と逆行する考えではあるかもしれないけれど、自分の足で現地に行って自らの五感をフルに使って正しい知識を得ることや、たくさんの人に触れてその温かさや奥深さを感じる事はやはり素晴らしい事だなと感じることができました。なんでもネットで調べればいいや、というある意味受動的な姿勢ではなくて、百聞は一見に如かずと言うように自分自身をもって新たな知識を得ていこうとする姿勢が大事だなと思いました。
今日お会いした方々、みなさんとても親切であたたかくて地元愛があって、そういう方々と直接触れ合うことができたからこそ、震災や復興について深く考えることができたし、自分も福島県民の一人として将来なにか福島のためになる事をしたいという思いを強める事ができたと思います。たくさんショッキングなお話も聞いたけれど、まっすぐな、誇張のない、真実を話してくださったので、自分もその言葉をまっすぐにそのまま受け取ることができ、自分だったらどうしていたかな、と自分事として考えることができました。あとは西本さんの女は度胸と愛嬌と笑顔だ、という言葉が凄く印象に残って、勇気づけられました。
日曜日であったにもかかわらず、貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました!震災を風化させない、そしてより良い福島を作っていけるように、今自分ができる事を考えて、勉強や課外活動に一生懸命取り組んでいきたいと思います。(2年女子)

・今回の研修で、千葉先生による放射線や福島の復興についての授業や、今まで耳にしていた情報だけではわからなかったことがまだまだたくさんあることに気づかされました。街の雰囲気、津波が来た場所、未だに残っている当時の緊張感や切迫感、どれだけ復興が進んでいるか…を行って見て欲しいと(少なくとも安高のみんなには)思いました。相双地区に行くというのはなかなかない機会ですので、今度また行く機会があれば行って欲しいです。また、そのことをいろんな人に伝えて欲しいし、自分もこれから伝えていけたらなと思います。今回初めて相双地区に訪れて、またいろんな方々から話を聞いて、震災や福島の現状、復興等といった、よりたくさんのことを知ることができました。今回の研修を必ず、これからに生かし、またいろんな人に伝えていきたいと思います。(2年女子)

・今日の研修では、普段自分だけでは入れないような震災の状態をそのまま残した双葉町に入ることができたのが強く印象に残っていますが、それ以上に、ハッピーロードネット様のような、地元で頑張っておられる方々にお会いでき、お話を聞くことができたことが大変印象に残っています。何度か放射線や復興についての学校の企画に参加させていただく機会はあったのですが、なかなか地元の方とのふれあいやお話をお伺いする機会が少なかったかなと感じていました。そんな中でお話を伺って、「感じたことをそのまま伝える」こと、自分たち若い世代が主体となって動くことなど、大変心に響く言葉をいただきました。「自分たちが動かなければ誰が動くんだ?」と考えて、常に当事者意識を持ち行動していきたいと強く思いました。
また、桜の植樹活動のお話を改めてお聞きし、ドローン映像を見せていただいたことで、自分も機会をいただいて参加させていただきたいなと思いました。ぜひご案内お願いします!(2年男子)

・(西本さんたちへ)まずは、本当に貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。
"福島の復興に貢献したい"といっても、行動に移すのはなかなか難しいと思い続け、気づけば震災から10年経とうとしてました。しかし、今日、西本さん達と出会って、復興に貢献したい若者を支援してくれる団体がたくさんあることを知ることができました。大学生になったら、頂いた名刺や資料を頼りに連絡したいです。そして、長期休暇などを利用して活動に参加したいです。西本さん達の前向きな姿からは生きる力を強く感じました。皆さんの約10年間の頑張りを無駄にせず、未来に受け継いでいくためには、私たちの世代が頑張る番だな、と思いました。
またいつかお会いしたいです。本当にありがとうございました。(3年女子)

・今回、実際に相双地区を訪問するまでは事前学習していたこともあり、相双地区の復興や原発についてある程度知っていたつもりでした。しかし、百聞は一見に如かずで実際に見て何倍も学ぶことがあったし、現在進行形で知っていたよりも多くの問題に立ち向かっていることを知りました。聞いて知ることはもちろん大事ですが、それを目で見て記憶によって知っていた知識に上書きすることでより理解が深まり解決への意識が高まるはずです。廃炉資料館は本当に詳しく知ることができて、福島県民なら1度は行って欲しい場所だなと思いました。私ももう一度ゆっくり行きたいです。 (3年女子)

・西本さんのパワフルで大きな存在が、初めてお会いしたのにどこか懐かしく、癒される、心強い方で憧れを感じました。また、吉田さんのお話も淡々としていらっしゃるのにずっしり重くて、最前線での震災当時の緊迫した状況がわかり、東電作業員の方へ感謝の感情が湧きました。出会いに感謝しています。 (3年女子)

・「メディアを通さない実際の体験」という話がありましたが、その通り、外部のフィルターを通さずノーカットで現状や震災当時の状況(震災に原発事故が重なったことでタイムカプセルのような存在になっていると感じた)を体験できたのが本当に良かったです。また、自分と同じ意見の方・そうでない方、様々な立場の方の話を聞いて、多様な意見や視点があると改めて感じ、そのような意見や視点を知れたことはとても良い経験になりました。
私は「実体験を語り継げる最後の世代である」という自覚を持ってこの企画に参加しましたが、やはりその背負うべきものや責任は重く、個人ではどうにもならないことも多くあると感じました。私たちの世代が皆、自覚と当事者意識を持って復興等諸問題に連携して関わっていく必要があると思います。これは一つの理想ですが、福島県内だけでなく、他地域から見た震災・原発事故・その後も同じように伝承していけるとさらに良いと思いました。ただし、特に原発事故に関しては、事故から時間がかなり経ったこともあり、正直当事者意識が薄れている・そもそもない人が多く、①関心を引く→②考えさせる・さらに知ってもらうという段階を踏んで、再度問題提起をする必要があると考えました。①には今回参加していただいた映像作家さんのような活動が不可欠になるだろうし、大衆に感情や情景を届けられる小説・アニメ・漫画・演劇・映画・ドラマなどの文化的媒体が重要な役目を果たすだろうと思います。そのような文化的活動にも注目して活用しつつ、次世代へ繋いでいけたらと思います。願わくば、何らかの形で復興(定義が難しいですが)が叶い、他地域や世界の希望的モデルとなれるような福島に、と思っています。これを実現できるのかは不明ですが、出来る限り努力して、少しでも復興に近づく手伝いができたらと思います。
以上、私が今回の研修で考えたことの一部でした。このような機会を提供してくださった・企画に協賛してくださった皆さんに感謝します。本当にありがとうございました。(3年女子)

つくばサイエンスツアーについて

8月23日(日)と30日(日)につくばサイエンスツアーを実施しました。

見学施設は、高エネルギー加速器研究機構(KEKコミュニケーションプラザ)・筑波実験植物園・JAXA 筑波宇宙センター・地質標本館 の4施設で、23日は2年生17名 30日は1年生31名 が参加しました。

この研修は、例年4月に実施していた和光理化学研究所研修と、6月実施を計画していた東大生産技術研修所研修がコロナウイルス感染拡大の影響で中止になったことを受け、7月23日実施を計画していたものの、それも延期を余儀なくされ、様々な対策を講じたことでようやく実現できた研修です。

最先端の科学技術に触れることで、科学技術への興味・関心を高め、幅広く科学の知識を習得し、研究に対する意識をより向上させることを目的とし、実施しました。

「つくばサイエンスツアー」様のお力添えもあって予定通り実施でき、生徒も概ね満足しておりましたが、新型コロナの影響で見学時間が制限されたり、研究員等による説明がなされない施設もあり、新しい生活様式とはいうものの、早く通常の研修が実施したいと実感した次第です。

   

   

 

(生徒の主な感想)

自分の見聞を広められた、良い機会だった。新型コロナウイルスの影響で、学芸員の方の詳しいお話を聞けなかったことは残念だった。今後の勉学や進路の決定等に活かしていきたい。(2年男子)

生物選択ですが、地質標本館やJAXAに行き、自分にあまり知識のなかったことにも大変興味を持つようになりました。(2年女子)

KEKでは、加速器の仕組みと素粒子とは何なのかを学ぶことができました。内容は正直難しかったですが、宇宙の始まりなど興味がある内容が盛り沢山で、大変勉強になりました。実験植物園では、世界各国の植物の生態を見、各国の気候に合わせた形態に進化していったことがわかりました。生物の教科書で見かけた、サボテンに姿を似せたトウダイグサなど、各々の植物の生存戦略を垣間見ることができました。JAXAでは、僕が以前から興味のあった宇宙について、深く学ぶことができました。本物の人工衛星を見ることができたのが収穫でした。地質標本館では、僕の好きな石についてと、地層について学ぶことができました。地磁気逆転やチバニアンについて知ることができました。(2年男子)

思った以上に多くの発見があり、とても楽しかった。特にJAXAが楽しかったが、時間が短かった。また機会があれば見に行ければと思う。KEKでの体験•見学は素粒子について量子色力学の世界から放射線や宇宙線まで幅広い知識を身につけることができた。今回は、私は主に宇宙について興味があったのでkekとjaxaはかなり勉強になりさらに興味•好奇心も掻き立てられたので、行って良かったと思う。良い経験になった。(1年女子)

単純な知識だけでなく、興味深いなと関心を持ちしっかりと見る観察力も身につけることが出来ました。また、SS探究の研究の題材にどうだろうかと考えながら学ぶ事も出来ました。(1年男子)

少し遠く、行く機会も少なかったつくば市だったので、とても貴重な経験になりました。特にJAXAの宇宙センターは予約しないといけない場所で、巨大な模型の迫力がとても印象に残っています。しかし、専門的な知識がないとよくわからないところもあったので、知識をもっと持ってから行くとよかったと思いました。(1年男子)