SSHブログ

SSH活動日誌

新型コロナウイルスについての授業を実施しました

4/16,17,20に分けて、休校に入る前に新型コロナウイルスについての授業を行いました。

 生物・医学・数学・社会学の内容をメインにし、以下のような中身で行いました。

・どうやれば感染を防げるのか?また、その科学的な根拠は?(マスクをつける理由、手を洗う理由、換気の理由など)
・潜伏期間や軽傷度など、インフルエンザとの違いは何か?
・感染者数の変化を理解するための数学:指数関数と縦軸対数のグラフ
・それをもとにして日本の感染者、死亡者の推移と諸外国との比較
・専門家集団のクラスター対策の狙い、マスク配布の理由
・感染拡大、指数関数的増加に伴う社会と医療現場のリスク
・年配の人たちのリスク(コロナ、生活習慣病など)
・ウイルス以外のリスク(経済・社会的影響、ストレス、鬱傾向、運動不足)
・新型コロナウイルスによる社会的課題の解決にはどのような勉強が必要なのか
・コロナによる偏見、2011年の放射性物質のときとの比較

・(専門用語の解説)
 ・潜伏期間       ・免疫反応          ・集団免疫        
 ・ワクチン       ・PCR検査         ・実効再生産数R0        
 ・クラスター対策    ・オーバーシュート     ・医療リソース      ・医療崩壊                  

資料は主にこちらを参考にしました。九州オープンユニバーシティhttps://open-univ.org/archives/1345

生徒の感想の例

・正しい理解と正しい怖がり方を知りました。マスクや指数関数について。わかってはいたつもりだったけど、実際にグラフを見てみると、とても怖いものだなと感じました。(中略)国のトップが命令を出したのに対して、それを守りきる人と反対して外に出る人の2つの派に別れてしまうことは私はとても恐れています。もし今この数日、数ヶ月、はたまた数年を耐えることができれば、それからの未来がどれだけ落ち込んだとしても、この事態を「誇れる過去」として進歩していけると思います。(3年男子)

・「なんでマスクをしているのか」「なんで人と人との接触を防ぐ必要があるのか」「何で換気をするのか」今日の授業でこれらの必要性に納得しました。結果・方法だけではなく、その背景にある理由も知ると人は深く理解できるのだと改めて気づかされました。指数関数や対数関数のグラフ、感染者数のグラフの見方がわかりました。福島で起きた原発事故で得た教訓は日本の今の状況に対していかせることはたくさんあります。根拠を持って知識を得た上で恐れること、デマに安易にながされないこと、感染した人を責めないこと、全員で協力する必要があること・・・など。(3年女子)

・コロナウイルスが潜伏期間が長く、無自覚のまま自分が誰かを感染させるかもしれないということがわかって、私もさらに気をつけて生活しようと思った。これから休校になって、家にいる時間が増えるかもしれないが、マスク、手洗い、換気など、自分にできることをやって、健康的な生活を送りたい。また、ウイルスについて知り、社会について考えるためにももっと勉強したいと思った。(3年女子)

・今までの対策には色々な理由があって、自分が思っているほど浅はかではないことがよくわかった。コロナウイルスをなくすことだけを考えていても、経済やそれぞれの精神面を考えるともっと問題が生まれてしまうことがわかった。また、単純な増加だけを気にしていても意味がなく、増加の割合や病床の数などを同時に考えなければならないことが分かった。しっかりと政策の本質を見抜けるようにしたい。(3年女子)

・他人事ではなく自分も危機感を持って、多くの人が触るところなどに気を付けていきたいです。そして、指数関数的に増加していかないよう、徹底的に予防していきたいと思います。ワクチンなど対策ができるまで時間が稼げるようにしていきたいです。(2年女子)

・ニュースなどの言葉や、インターネットの記事などの文字でしか得られていなかった情報を数学的・科学的に得ることができたので良い機会になりました。指数関数はドラえもんの「バイバイン」を思い出しました。1人1人が、うつらないことはもちろん、もしかしたらかかっているかもしれないから、うつさないという行動をとることの方が、よっぽど重要に思えました。情報の持つ意味をよく考えて行動したいです。(1年男子)

SSHミニ発表会を開催しました

4月9日(木)・10日(金)・13日(月)の放課後にSSHミニ発表会を開催しました。当日は以下の団体・グループが発表を行いました。

団体名 発表テーマ
物理部 流体中の終端速度
生物部 天然酵母の探査(Ⅱ)
SSHアカデミーⅠ英語有志 The health of our planet
フランス研修参加生徒 Pride of Fukushima

SSH企画「微生物と食品 -大学の研究、理系の進路ー」中止のお知らせ

令和2年3月23日(月)に、本校OB志田真帆氏をお迎えして実施予定であった標記企画は、新型コロナウイルス感染拡大防止の措置が継続していることもあり、中止といたします。

企画を楽しみにしていた生徒諸君に対し、令和2年度に改めて企画しますので、次の機会をお待ちください。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う本校SSH生徒研究発表会の中止について

本校生に対する臨時休業および新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、3月18日に予定しておりました本校SSH生徒研究発表会は中止といたします。

令和2年度も、本校SSH事業を発展させてまいります。引き続き、宜しくご支援ご協力の程お願い申し上げます。

 

SS探究Ⅰクラス発表会

 本日6・7校時にSS探究Ⅰクラス発表会を行いました。昨年6月から行ってきた研究の成果をA0判のポスター1枚にまとめ発表しました。長期間に及ぶ探究活動やポスター発表は、大部分の生徒が初めて体験であったと思われます。ポスターにも苦労と工夫のあとが見られました。このクラス発表会では、発表だけにとどまらず、発表に対する質疑応答、発表に対する生徒間の評価も行いました。この発表会での反省点を今後の活動に繋げてほしい思います。
 なお、今回のクラス発表会を踏まえ、さらに研究に磨きをかけ、3月18日(水)のSSH研究発表会にて成果を発表します。是非多くの皆様にご来場いただき、ご意見を賜りますようお願い申し上げます。

福島高校SSH発表会に参加しました。

2/22(土)福島高校SSH発表会に、生徒32名(うち発表11名)で参加させていただきました。

発表のクオリティ、全体的な運営、学校全体のSSHに取り組む雰囲気と、おおいに生徒たちの刺激になったようでした。
また、生物部2班と物理部3班がポスター発表に混ざらせていただき、福島高生をはじめ指導教員の皆様や全国からの参加者と議論を深めることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒感想を載せます。

・福島高校全体でSSHを楽しんでいるような素晴らしい一体感でした。各研究も本格的で、大変勉強になりました。この熱気を安積高校にも持って帰れるように、私も努力したいと思います。

・一番心に残ったのは全体発表です。自分たちで研究したことを分かりやすく堂々と大きな声で私たち聴衆に伝えたいと強く思って発表している姿はとてもかっこよかったです。その姿勢が研究内容をさらに魅力的なものにしていると感じました。特に、英語でスピーチを行っていた日英研修の方々の発表が印象的でした。イギリスの方々と共に議論し、世界の問題について考え、英語で交流している様子を見て、私もぜひ体験してみたいと思いました。

・ディベートでは同じ一年生にもかかわらず全員がレベルの高い議論をしていて、相手の論のチェーンを切るような鋭い指摘が飛び交い、とても興味深かった。

・口頭発表では前編英語の発表もあり、そういった実践的な英語力を身に着けていくべきだと思いました。また、プラズマに関する発表ではかなり分かりやすく、知識がなかった私でもかなり理解することができました。質問対応も素晴らしく、まさにお手本のような発表と感じました。勉強になりました!

生物部・物理部中心にポスター発表練習会を行いました

2/4(火)放課後、生物実験室において生物部・物理部によるポスター発表練習会をおこないました。他の理科部の生徒も加わり、活発な質問が飛び交いました。

年度内は福島高校のSSH発表会と3月の校内SSH発表会の2つの機会があります。より分かりやすく内容の濃い発表になるよう、頑張ってください!!

東北地区サイエンスコミュニティ

 1月24、25日(金、土) 山形県立東桜学館中学校・高等学校にて行われた令和元年度東北地区サイエンスコミュニティ研究校発表会に参加しました。

 1日目に口頭発表、2日目にポスター発表が行われ、本校からは口頭発表に物理部、ポスター発表に生物部、化学部が参加しました。

 指導助言者の先生方や他校の生徒と意見交換を活発に行い、これからの課題や研究のまとめ方について理解を深めていました。

  

 

 

SSH物理学講演会

1月29日(水)16:30〜18:00に 東京大学名誉教授早野龍五先生をお招きしての講演会を実施しました。

演題「きみは原子を見たことがあるか」。

 原子という考え方は19世紀以前からあったが,原子は観察できないほど小さく,20世紀に入っても原子など実在しないと主張する学者との論争が続いていた。論争に理論的決着をつけたのが,かの有名なアインシュタイン。1905年の論文「静止液体中に懸濁した微粒子の熱の分子運動論から要求される運動について」がそれ。水分子の衝突のために,ブラウン運動をするコロイド粒子の変位は,経過時間の平方根に比例するという式を導出した。そしてフランスの科学者ジャン・ペランがこれを実験で確かめた。

 アインシュタインやペランの論文から式やグラフを抜き出すなど,豊富な資料に基づいて,まず,原子の実在はどのようにして確固たる科学的事実となってきたのか,さらに現在の水素原子が134億年前の初期宇宙で誕生したことなどを,実にわかりやすくお話しいただきました。
 今回の講演会の参加は,時期的に1・2年生のみでしたが,はじめにそれを確認すると平易な言葉を選んで説明してくださいました。60分でお願いした講演は瞬く間に過ぎ、30分を予定した質疑の時間も,途切れなく質問が飛び交いました。


 さらにこの夜早野先生から,生徒の質問に答える形で作成されたグラフが届きました(上右グラフ)。講演会終了後,ぜひまた早野先生をお招きして,反物質のお話や,原発事故後の福島についてお話をお聞きしたいという声が多数寄せられました。

(生徒の感想)

  • 僕はこの講演を聴いて、物理や化学への興味がより深まりました。僕たちが授業で習った知識を使ってわかりやすく説明していただいたので、今まで事実としてしか知らなかったことと知っていることとの関係の深さがよく分かりました。太陽が水素でできているとわかった理由から銀河が広がっているとわかった理由までが一つにつながったときは、このような研究の奥深さにとても感動しました。 僕にはまだ具体的な目標や夢がなく、将来なにをしたいのかわからなかったけれど、一つの選択肢としてこのような研究の道に進むのも良いなと思いました。 本日はこのような講演の機会をつくっていただき本当にありがとうございました。(2年生)
  • 本日はご講演、ありがとうございました。特に分子の存在の証明についてのお話では、あらゆる現象がなぜ起きるのか疑問に思うことが出来る科学者のすごさを思い知らされました。ブラウン運動でいえば、花粉が破裂して出てきた微粒子は動物の精子にあたる物だろうと考えられていたのに、それをさらに研究したことでブラウン運動の存在を発見し、アインシュタインはその動きを研究したことで分子の存在を裏付ける可能性を見つけた、と聞きました。ブラウン運動やアインシュタインについては名前だけ知っているような状態で、その何がすごいのかを気にすることもしませんでした。わたしは文系に進む予定ですが、今回、科学の奥深さを知ることが出来たことで、今まで気にするようなこともなかった事柄(最後の質問の中にあったダークマターやダークエネルギーについて、また宇宙の膨張についてなど興味がわきました)について、気になったら少しでも調べてみるということをしていきたいと思います。本日は貴重なお時間を割いてのご講演、本当にありがとうこございました。(1年生)
  • 私は、物理学者として有名な先生が来て下さるというお話を聞き、是非ともこの機会に自分も参加して原子について学んでみたいという好奇心から参加しました。 「原子」について普段の授業や学校生活ではあまり考えてくることはありませんでした。ですが、今回の講義でその内容の広さを知り、私たちが習うことは本当にその一部にしか過ぎないのだと実感させられました。特に興味深い内容だったのはブラウン運動の研究による原子の存在の実証です。粒子運動の実験については今回初めて知り、コンピュータも普及していない時代、自らの計測によってその規則性を見出した研究者たちの業績と、自分たちは教科書にまとめられた式のみを見ているという事実のスケールの違いに驚かされました。見ることの出来ない原子がそこに在ると言われて私は何気なくその事実を受け止めてきましたが、今回その証明を少しでも理解することができたのではと思います。また、先生が最後におっしゃった宇宙を形成している物質についてで、私たちが知ったつもりでいる物質が全体の5パーセント程度であり、他はまだ解明されていない点に好奇心が湧きました。私には将来研究者になりたいという現時点での目標があります。しかし、まだどの分野を追求するか、自分にはどれが適しているのか、と模索している最中です。今回の先生の講義で物理の分野にも魅力を感じました。そのことも視野に入れて探していこうと思います。講義の中ではまだ自分が理解できない公式等の多くを目にしました。物理の世界を深く知るためにまずは、今の物理基礎の理解に努めていこうと思います。先生がまた安積高校に来校された際は反物質についての講義に是非とも参加させて頂きたいです。本当にありがとうございました。(1年生)

(この講演会は福島県社会教育課「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の支援を受け実施されました)