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SSH活動日誌

3年生サイエンスダイアログ(SSアカデミーⅡ)

 12月1日の3年生SSアカデミーⅡの授業では、今年もサイエンスダイアログを行いました。
 
 サイエンスダイアログは日本学術振興会が行う事業で,日本の研究機関で研究している海外出身の若手研修者を高校などに派遣し、最先端の科学研究の紹介を英語で行うものです。英語でのコミュニケーションになるため、科学の学びだけでなく、ナマの英語にも触れる貴重な機会です。
https://www.jsps.go.jp/j-sdialogue/
 
今回の講師は、自治医科大学で研究を進めるモハメッド・シブール・ラハマン(Dr. Md. Shiblur Rahaman)博士。バングラディシュ出身の若手研究者の方でした。

 ラハマン先生は,ヒ素の毒について研究されています。

 バングラディシュの地下水は,地質的にヒ素を多く含むため,生活用水として地下水を使用する人々に,ヒ素による毒害が多く見られるとのことです。上水道の整備が求められるところですが,現時点ではヒ素の毒害について多くの人々に知らせ,地下水の使用をやめさせたいとのことでした。

 

 一方で,バングラディシュでは農工業など幅広伊生産活動で地下水を使用しているので,ヒ素が体に及ぼす影響を科学的に解明し,解毒の方法なども研究して行きたいとのことでした。

  美しいバングラディシュの写真で始まり,とてもわかりやすく作り込まれたスライドや,先生の優しい語り口が,ラハマン先生のお人柄を思わせ,バングラディシュの人々の健康を守りたいという強い決意を感じさせるご講義でした。
 

 写真では質疑応答の様子が写っておりませんが,先生とのやりとりが盛り上がる様子に,思わず写真撮影を忘れてしまいました。右は,先生からいただいた資料を事前に読み込み,予習の形跡を示す黒板状の書き込みです。クルクミンの化学式を書き込みその構造から性質を考えた様子がうかがえます。さすが,3年生!

 

(以下は生徒の感想です)
 「良かった点」
・英語のリスニング力を鍛えられました
・英語を聞く力が高まりました。また、大学での研究がより楽しみなものになりました。
・ヒ素に毒性があるのをはじめて知りました。毒性のあるものはまだたくさんあると思うので、もっと知りたいと感じれた。
・思っていたよりもずっと本格的な研究を聞けた。
・英語で分かりにくいところがあったら、日本語で補足してくれる人がいたこと。
・前回よりも学習していた内容に近い内容を話していただけたので、難しいながらも理解できた部分が多かったです。
・外国での毒による災害について、日本でも実際起こった事例と関連させて頂いたので、分かりやすかったです。また、身近な話題を例にしていたことで、サイエンス的な考えも深まったし、グローバルへの興味も深まりました。
・外国の文化を生できけたところ、あまり縁のなかった生物系の研究を少ししれたところ
・研究の概要が理解できた。 英語を学ぶモチベーションに繋がった。
・日本では馴染みの無いヒ素の被害について知ることができた。科学的な事柄について、英語で学ぶ練習になった。
・研究についてのお話は大変面白かった。加えて、バングラデシュの風土や科学研究の原点についてのお話も面白かった。
・面白い化学の話を聞けた
・毒物に興味があることがわかった
・英語のリスニング力を鍛えられました
・事前に予習をしていたため、内容が入りやすかった点。
・海外で働く現役研究者の現状について知ることができた。
・英語の用語が分からなくてもある程度理解出来るほど分かりやすかったので良かったです。
・生物系の講義を聞いて広くいろいろな分野に関心をもつことを意識できた点
・言語のフィルターを通さず直接研究についての意見を伺うことができたので、より深く考えさせられた。
・現役の研究者の話を聞くことができた点
・なんのために研究をするのかということを考える良い機会になった
・ヒ素が原因となる害について英語で学ぶことができたので、新たなことを学べただけでなく英語の自信もついた点。
・ヒ素による問題があることを知ることができた。


「ラハマン先生へ」
・バングラデッシュや研究内容について丁寧に説明してくださり、ありがとうございました。
・質問に答えていただきありがとうございました。内容は難しくて、完全に理解したとは言えませんが、聞いててとても興味がそそられる内容で楽しかったです。また、化学が何かの役に立っているという実例を聞くことが出来て、僕も大学で人の役に立つ研究をしたいとより強く思うようになりました。本日はありがとうございました。
・ヒ素のことだけでなく、バングラデシュの事についてもしれて、興味を持てました。
・科学に対する考え方がより深まりました。もっと英語理解できるようになりたいと思いました。THANK YOU.
・英語をゆっくり話して、私達に分かりやすいように説明してくれてありがとうございます。
・素敵なご講演ありがとうございました。私自身、以前はヒ素はとにかく毒だから体に悪いのだろうというくらいしか考えておらず、ヒ素が体内に入ることによりどのような現象が起き、どのような害が及ぼされるのかまで深く考えたことはお恥ずかしながらありませんでした。しかし、先生のご講演を聞き、ヒ素がどのような理由で私たちの体に害を及ぼすのか、ヒ素が入ってきた体内ではどのような反応が起こっていると考えられるのか、少し難しいところもありましたが知ることができました。ありがとうございました。
・日本に住んでいると、外国がどのような状況なのか、どんな災害があるのかなど知らないことが多いです。しかし毒という共通の観点から問題点や解決策を見いだしていたことで、自分にとっても凄く身近なことに感じ、とてと考えが深まりました。機会があれば、世界の状況についても調べてみたいと思います。とてもわかりやすい講演をありがとうございました。
・本日は遠路はるばるおいでいただきありがとうございます。自分は航空宇宙系志望で、あまり生物系の研究を触れずにきていましたが今回はそのような話を噛み砕いて説明してくれたことで僅かながら理解もできました。また、講義の後半で科学が人を救うことの意義についてお話をいただき、自分がなんとなく抱いていた「科学者は社会情勢には関心が薄く、興味のみを原動力として研究をしている」という浅薄なイメージが打ち破られました。大学をでて職業人になっても、周りの人が少しでも笑顔になるような仕事をすることを胸に刻みたいと思います。改めて、本当にありがとうございました。
・なぜ科学を学ぶのかについて深く考えるきっかけになりました。また、バングラデシュに行きたくなりました。素晴らしいお話をありがとうございました。
・Thank you for your great lecture. We could know about the arsenic problem which is not so familiar in Japan. At first, I felt that the process of decomposition of angiotensin is very complicated, however, thanks to your polite explanation, I could finally understand it. Also, I was very impressed with your idea that science enables us to save all over the world by discovering new things. Your study probably save many people who are suffering from arsenic damage in the future. I want to become a scientist like you, who study for people in need. Thank you very much!
・興味深いお話をありがとうございました。研究もさることながら、そもそもの科学探求の部分のお話も聞けて嬉しかったです。追加質問なのですが、水俣病やイタイイタイ病などはバングラデシュでも公害による健康被害の例として学習するのですか?また、学習する場合、どのような形で教わるのでしょうか?よろしくお願いします。
・とても面白かったのでまた聞きたいです
・自分の英語力が及ばず英語が聞き取れなくて残念だった
・砒素について丁寧に説明してくださりありがとうございました。
・ありがとうございました。
・おぼつかない英語に丁寧な回答や説明をしていただきありがとうございました。この経験は将来研究を行う際に非常に価値あるものになると感じます。心から感謝いたします。
・最初は講演会の途中で英語がよく分からなくなると思っていましたが、図が分かりやすかったり、ゆっくりめに話してくださったのである程度理解出来ました。科学の面白さも再確認できたので良かったです。今日はありがとうございました。
・英語での講義ということもあり少し心配な点はあったが講師の方が丁寧に教えてくれたので少しずつ理解することができたし、他の国の文化などを知ることができて良かったです。
・ご自身の研究に留まらず、科学の営み全般への熱意がよく伝わる素晴らしい講演でした。ありがとうございました。
・自身の英語力を高めようと思うきっかけになりました。ありがとうございした。
・バングラデシュの人々のために問題意識をもって研究をなさっていることがすごいなと思いました。将来の人々のより良い生活の手助けができるように学んでいきたいと思います。
・Thank you for your presentation. I learned how harmful arsenic is for human and the fact that meny people in Bangladesh are suffering from it for the first time.I'l keep thinking about what I can do. Also, you told us many important things to be a scientist and to be good at using English.I'll keep them in my mind and realise my deams.Thank you!
 
(以上)

前飯舘村長さん宅訪問

 11月25日,中間試験の最終日でしたが,午後から,前飯館村村長菅野典雄さんのご自宅を訪問し,飯館村の復興についてお話を伺いました。
 
 この取り組みは,福島県教育庁高校教育課「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」によるものです。

 本校がこの事業の実施校に指定されことにより,国際高校生放射線防護ワークショップに参加する生徒が,訪問を行いました。


 

 

 震災後の飯舘村の取り組みは他の町村とは少し異なり,避難や放射線防護に対して村独自の考え方が窺えます。元村長さんは事故後,何冊も本を書いておられ,生徒たちも1冊を読み,飯舘村の考え方を学んできました。

 そんな飯舘村の取り組み方を,震災後の福島復興の姿の一つとして,発信できたらと考え,今回の訪問に取り組みました。

 

 突然の高校生の訪問にもかかわらず,菅野さんは資料など準備してお話しくださいました。
 

「被害者として一方的に国や東電を責めるのではなく,先方の言葉にも耳を傾け歩み寄れるところは歩み寄って,少しでも地域の復興が進むようにしたい」と繰り返しお話いただいた点が,生徒たちの心に強く刻み込まれたようです。

 
 また,奥様には生徒たちにお菓子やら飲み物,さらに帰宅時には珍しいホッキ飯のおにぎりまでいただきました。帰りのバスの中で美味しくいただきました。ありがとうございました。

 

 

SS探究Ⅰ「SDGs講演会」

 11月4日(木)6~7校時に、一般社団法人SDDソリューションズ理事 小針丈幸様を講師に迎え、一年生を対象に「SDGs講演会」開催しました。SDGsについての学習を通じて、現在の「地域創生探究」を、二年次の「グローバル探究」に継続発展させていきます。

 この『講演会』は座って講義を聴講する一般的な形式ではなく、講義とカードゲームを組み合わせたワークショップです。カードゲーム「2030SDGs」は、与えられたお金と時間の中で、各グループが目標に向かって様々なプロジェクトを行うものです。プロジェクトの進行によって、経済、環境、社会の3観点からの「世界の状況メーター」が刻々と変化します。今回は、前半に経済に偏った世界が出現し、後半でバランスを取り戻すという展開になりました。280名で偏った方向へ進み、またそれを持ち直すゲーム展開にはスリルと迫力がありました。

 小針氏の巧みなファシリテーションによってゲームが盛り上がり、また、振り返りを通じて、SDGsについての理解を深めることができました。

    

SSアカデミーⅡ 2年生 Python 第3・4回

 11月11・18日の2年生のSSアカデミーⅡの授業は,プログラミング言語Python(パイソン)学習の第3回,第4回が行われました。SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修している学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。

 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さん。昨春東北大学を卒業されたばかりの若手ですが,大学ではPythonを用いて原子物理学のデータ解析を研究された新進気鋭のプログラマーです。

各回の授業内容は,
第3回「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
第4回「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」,でした。

 

 第3回では,まず前回の復習としてcsvファイルの読み込みと基本的な統計量の算出法を行い,その後Matplotlibを用いてのグラフ作成について学びました。折れ線グラフ,正弦曲線,散布図,ヒストグラムなどの作成方法について学び,実習も行われました。

 

 第4回では,前回のグラフ作成について復習が行われ,その上でsckit-learnを用いた機械学習を例に,機械学習とはどのようなものなのか簡単にご講義いただきました。
 一つの例として,「Iris(あやめ)」の写真から3種類のあやめのうちどれに該当するかカテゴライズする仕組みが紹介されました。あらかじめ,あやめの「がく片(sepal)」・「花弁(petal)」の長さと幅のデータリストを作成してグラフ化しておくことで,3種類のあやめがカテゴライズされます。新たなあやめの写真から,「がく片(sepal)」・「花弁(petal)」のデータをもとめ,先のグラフ内に位置付けることで,3種のどのあやめに該当するかその確率が求められる,というものでした。もちろん手順を紹介されてもまだ実際に自分で行うことはできませんが,簡単な例で「機械学習の仕組み」を知ることができました。

 

 全4回の内容は,概ね昨年のものと同じでしたが,少しずつボリュームを下げてその分生徒の実習の時間が増え,特にグラフ作りの部分では実践的になりました。ぜひこの学びを自分たちのデータ解析に活かして欲しいものです。

 

 あらためて各回の授業内容は,
第1回「データ分析とは何か? ~Pythonの基礎文法を学ぼう~」
第2回「単振り子データの統計解析 ~Numpy,Pandasによるデータ加工~」
第3回「単振り子データの図表化 ~Matplotlibによるデータの可視化~」
第4回「データ分析のその先 ~scikit-learnによる機械学習~」
でした。

 終了後,講師の先生からは「実際に生徒が自らのデータを分析するところまで講座をひろげることはできないか」との提案をいただきました。次年度以降のSSアカデミーⅡの授業がさらに充実できるよう,カリキュラムの見直しを検討していく予定です。

 

(以下生徒の感想です)

・楽しかったです!一番前で聞けて良かったです
・とても分かりやすかったです。
・わざわざお越し下さりありがとうございました!
・わかりやすく教えていただきありがとうございました。今後も探究でよろしくお願いします。
・プログラミングの授業で、プログラミングの大切さや便利さ、楽しさを深く知ることができ、とても興味が出ました。大学でも使える大事なことなので自分でスムーズに使えるように勉強していきたいと思いました。ありがとうございました。
・お忙しい中、有難う御座いました。
・研究に活かせるプログラミングを教えていただきありがとうございました。
・ありがとうございました。なかなか自分でプログラミングを学ぶ時間や環境がなかった為とても有意義な時間になりました。
・実際にどのような所でプログラミングが使えるか、自分でプログラムを組むことで便利さを実感することができました。
・探究活動でも早速Pythonなどいろいろ使ってみています。ありがとうございました。
・ありがとうございました。とても分かりやすく、自分たちの研究にとても役に立つものだったのでためになりました。
・プログラミングについて今まで興味が少ししかなかったのですが講義を聞いて興味を持つことができたのでよかったです。ありがとうございました
・内容は結構難しく、ついていくのが大変だった。ただ、今回学んだ知識をしっかり生かしたい。
・よかったです
・わかりやすくてとても楽しかったです!
・全て理解することはできませんでしたが、興味が湧きました。ありがとうございました。
・わかりやすくてとても良かったです。課題研究で、ImageJなどをPythonで使いたい機会があるので、さらに勉強して、実用できるようになりたい。
・将来役に立つ講義をありがとうございました。
・ウェブスクレイピングについてもっと詳しく知りたいです!
・ちょっと自分にはレベルが高かったですがいい経験になりました、ありがとうございました
・pythonについて気になっていたので、学ぶいい機会になりました。研究にも役立っているのでとても良かったです。
・とても丁寧にプログラミングを教えていただきありがとうございました。
・分かりやすい講義をありがとうございました。探求活動に活かせそうなこともたくさんあったので、探求活動を頑張っていきたいです
・かなり沢山のpythonについてのことを教えていただきましたが、自分でpythonを勉強していたのでわかることが多かったので、そういう人向けの課題を増やして欲しかったです。
・先生のせいでは無いのですが進みが速くて大変でした
・後から振り返ることができるようにあのような形で残していただきありがとうございます。たくさんの時間を割いて教えていただきありがとうございます。まだまだ理解が追いついていないので、これから振り返って自分のものにできるようにしたいです。
・置いてかれてしまうことが多々あった 僕個人としてはもう少し分かりやすいと良かったと思いました
・一つひとつ丁寧に教えて下さったのでとても助かりました。勉強になりました。ありがとうございました。
・プログラミングは初心者で、最初は本当によくわからなかったのですが、講義を受けて、仕組みを理解することができました。まだまだ使いこなせないですが、これからも練習していきたいです。
・とても分かりやすく、プログラミングをほとんどした事の無い自分でも理解出来ました。
・プログラミングは自分の苦手な分野ではあるけれど、少し楽しく感じることができました。ありがとうございました。
・難しい内容なのに高校生にも分かるように説明してくれていてとても馴染みやすかった
・プログラミングの知識が身についたのでよかったです。これからの探究活動に役立てていきたいです。
・講義ありがとうございました。

 (以上)

SSアカデミーⅡ 3年生 アントレプレナーシップ(起業家精神)について学ぶ

 11月10日の3年生のSSアカデミーⅡの授業は,アントレプレナーシップ講演が行われました。SSアカデミーⅡは,2・3年生のSSクラスの生徒が履修する学校設定科目で,理科・数学・情報・英語などの内容が盛り込まれた安積高校独自の内容です。

 講師は,株式会社クエストアカデミア代表取締役社長 石川祐也 さん。昨年プログラミング言語Python学習でお世話になった先生ですが,大学4年生の在学中にIT教育に関わる事業を立ち上げています。今回は,起業に至るきっかけは何か,どんなことを目指してのIT起業なのかなどについてのお話をお聞きしました。

 

 石川さんは,二本松市の生まれで福島県立福島高等学校の卒業。在学中はSSHクラスに所属されていたそうです。ご両親が小学校の先生をされる家庭に育ち,大学入学までは自分も福島県の高校の先生になろうと考えていたそうです。
 東北大学理学部物理学科に入学後,大学の実験でのデータ解析を通してプログラミング言語Pythonに出会い,プログラミングの魅力に興味をもち,さらに学びを深められたそうです。

 

 一方で,物理チャレンジのチューターとして福島高校に来た東大生との出会いから学びにおける人の出会いの重要性を感じるとともに,自分も高校生の学びの経験に役立つことができればと,大学在学中はインターネットを利用した通信教育の学校でチューターも務めてきたそうです。そんな経験から教育とITが結びつきIT教育の重要性を強く意識された,とのことです。

 卒業後の選択を考えるとき,教師として学校の中で生徒を教えるより,ITエンジニアとして働きつつ,高校生のIT学習を支える教育者としても活動したいとの夢を描き,IT教育に関わる起業を考えるに至ったとのことです。同級生の95%が大学院に進学する東北大学の友人たちは口々に「起業して大丈夫?」と問いかけ,将来福島県の教員になるものと信じてくれていた両親の期待も裏切ることになり,決断の時にはご自分でも相当悩まれたそうです。

 

 しかし,今後ますますIT技術者が必要とされることが明らかであるのに,それに向けての社会や学校の取り組みは遅れていること,ITの学習は初期投資がほとんど必要なく誰でも学ぶ意思があれば習得可能であること,福島県からそのようなIT技術者をたくさん輩出できれば,福島県全体が豊かになるとともに福島からの人材流失を防ぐことができ,さらに魅力的な県に生まれ変わるのではないかとのお考えから,怯まず起業の道を進むことができたとのことです。

 

 生徒たちからは,「直接ITに関わろうとは考えていないが,IT社会の到来を考える時,プログラミング言語の取得が大切なことは理解できる」「プログラマーになるのではなくても,自分でプログラミング言語を習得することは可能か」「本や大学の授業で学んだのではないとのことだが,インターネットを利用してどのように学ぶのか」などの質問や意見がたくさん寄せられ,改めてSSクラス生徒の起業やITへの関心の高さを示すものとなりました。

 

(以下は生徒の感想です)
・ITの知識がまだ足りないと思ったので大学生のうちに身につけたいです。
・将来像を考えるきっかけになりました。
・とても興味深い話を聞けたので良い経験となりました
・とても面白い内容でした。
・こういう話をもっと聞きたい。その場限りになるような知識より社会で通じるようなこういう講義をもっと受けたい。
・新たな考え方を自分に取り入れられたので良かったです
・自分に自信を持てるほど経験を積みたいな~と思いました。
・大学生で起業することに縁はないと思っていましたが、意外と身近なものだということが分かりました。
・多くのことを学ぶことが出来た。キャリア形成にぜひ活かしたい。
・受験が近く、進路や将来について何度も考えるこの時期に、今回の講演を聞くことが出来て良かったです。
・起業する人の考え方を知れた。
・自分の将来についてよく考えることができたので良かったと思います
・起業についてスキル、人、お金などのことを知ることができた。ネット上でやりとりができる現代でどのような地域貢献の形があるのか考え、ロードマップを考えようと思った。
・僕ははじめ、「起業」ということについて、「どうせ一部のお金持ちとか野心のある人がやることだろう」とタカを括っていました。しかし、講演を聞いて、一学生でも一社会人でも、理念があって課題を解決したいという思いがあれば起業するという選択肢もあるのだなということがわかりました。石川先生もおっしゃっていましたが、今回の講演によって自分の頭の中にある選択肢が1つ増えたように思います。
・将来のイメージがより分からなくなりました。日々の勉強すら満足に出来ない自分にとって、キャリアプランを立てる事は少し苦しいです。でも、人生において重要な機会だと思うので、頑張ってみます。
・起業する・しないに関わらず、夢や目標を諦めないことが大切だと改めて感じました。
・進学後、したいことと稼ぐことを同時にできる起業という選択を真剣に考えたいです。
(以上)