SSHブログ

SSH活動日誌

アカデミックインターンシップ(福島情報処理センター)

本校SSクラスでは夏季休暇中に、企業で行われている研究・開発を体験するアカデミックインターンシップを行っております。

 

8月11日(水)に福島情報処理センターにおいて、2名の生徒が参加してきました。

生徒は情報機器についてとても興味を持っていますが、IT企業のことはよく知らないことが多くあります。インターンシップではIT企業ではどのようなことをしているのか、IT業界の展望についてなどを説明していただきました。

午後からはノーコードツールを用いて、データベース作成を体験させていただきました。

情報系を目指いしている生徒にとって、とても良い刺激となり充実した内容でした。

SSHクラス SSアカデミーⅡ 「実験講座」

8/27(木)4~7校時、SSHクラス2-7で、SSアカデミーⅡ「実験講座」の講義が行われました。
4時間連続という、特別時間割で実施しました。

生物選択者は複数の河川に赴き、
各ポイントの水のきれいさを試薬や水棲生物を指標として
測定しました。

一見、整備された市民の憩いの河川も
周囲の状況で水棲生物や含有物質の濃度が違っていて
汚染の理由やきれいな川をつくるためには
どうしたらよいかを考察しました。

単振り子の実験では、30回測定したり色んなグラフ(周期-糸の長さ、周期の2乗-糸の長さ)を書いたり
誤差の考察に1時間かけたりと、
通常の授業ではできない濃密な授業を行いました。
全員、じっくり練り上げられたレポートを提出しました!

アカデミックインターンシップ(ふくしま医療機器開発支援センター)

 SSクラスでは夏季休業中に、企業や研究室を訪問して実験等に参加する「アカデミックインターンシップ」を行います。 

 8/7(土)ふくしま医療機器開発支援センターで「医療の仕事体験デー」が行われましたが、そこにインターンシップの形で5名の生徒が参加してきました。

 医療機器の歴史展示に始まり、ECMO(エクモ)実物による人体模型との接続実習や、県内の先端企業の医療機器紹介、腹腔鏡下手術トレーニングの体験実習、試験センター見学、医療につながるものづくりの魅力セミナー、さらに福島医科大学乳腺外科学講座の立花和之進先生(本校111期生)とのディスカッションで盛り上がり、最後は同先生の解説による医大生の手術実習見学と、たいへんに充実した内容でした。

ECMO実物で実習です。

 医療系の志望者にとっても工学系の志望者にとっても、モチベーションが非常に上がる1日となりました。

飯館村長泥地区環境再生事業の見学を行いました- 2021国際高校生放射線防護ワークショップ

8月17日(火)は,飯館村長泥地区環境再生事業の見学を行いました。

 

高校生放射線防護ワークショップは,コロナ感染症への対応から昨年は本校のみでの実施でしたが、今年は福島高校,ふたば未来学園高校が参加,県内3校での実施です。宿泊研修はありませんが,何回かの日帰りの研修を通して,原発事故後の福島の現状と復興の進捗状況について学んでいます。

 

到着後さっそく環境省の方の説明を受けて,施設内の見学をしました。下の写真は搬入された飯舘村の除染土壌から植物の枝や根,石などを分類する施設です。

管理棟では,模型を見ながら施設全体についての説明を受けました。左写真の窓の奥が集中管理室(右の写真)です。管理室では,運ばれた土壌の処理の流れに基づいて,施設内の様々な場所での機械の動きやデータが画面に表示されていました。事業を行う大林組の方からは,新規開発された土質判別システム(下側のディスプレイに映る樋内を流れる土の線量をリアルタイムに判断する)について,説明を頂きました。

 

 

管理棟の向こう側には,再生処理を終えた大量の土が置かれています。その後再生土壌を利用した実験圃場に向かい,畑と水田の見学を行いました。

 

その後は,集会所をお借りしての振り返り会です。

まず,見学内容について環境省の方にいくつか質問を行なった後,前原子力規制委員会委員長田中俊一先生のご講和をお聞きしました。

 

振り返りとしてグループごとに新たな質問事項,意見をまとめて発表しました。

発表では「試験栽培された作物の放射線量が基準値を十分に下回っていることはもっと知られて良いのではないか」「土が再生利用できることと地域の復興は別のことではないか」「学校ではもっとこのような学びを実施すべきではないか」「学校が再開することでもっと地域に若い人が戻るのではないか」などの質問や意見が出され,環境省の方,田中俊一先生などが受け答えする場面もありました。

 

このような充実した研修の機会を設けていただいた,環境省,福島環境事務所,放射線リスクコミュニケーション相談員センターの皆さんに感謝申し上げます。

 

(以下生徒の感想)

・とても貴重な体験が出来て良かったです。多く課題の残る福島の放射線問題について、より深い知識を得られました。ありがとうございました。

・普段見られない施設を説明して頂いたり、細かい資料を見せていただいたりしたことで、たくさん知識がつきました。でも知識は持っているだけではダメなので、それをどう活かしていくか、考えていきたいです。今日はありがとうございました。

・普段では絶対に入ることのできない帰還困難区域に立ち入らせていただいたり、この大変な時期に他校やさまざまな方と議論をさせていただく機会をいただいたり、現状とこれからについてお話を聞かせていただいたりととても貴重な体験になりました。本当にありがとうございました。

・本日はためになるお話ありがとうございました。 従業員の健康を守るために、マスクがちゃんとしたのになっていたり、何回も線量を測定したり、徹底していてすごいと思いました。 比較実験をしているなど、実用化に向けた取り組みが予想以上に進んでおり、驚きました。 また、私たちの質問や意見にも真摯に向き合っていただけたことがとても嬉しかったです。 田中先生の講義では短い時間でしたが、原発の周りの人への影響など詳しく知ることができました。 特に田中先生のやるべきことをサボってしまうのが人間だから、徹底しなかった結果こうなってしまった。という言葉が印象的でした。 以前、社会科で環境省が提供している動画を見たとき、原発は人災だったという見解に納得がいきました。 楽しく実り多い時間となりました。ありがとうございました。

・今回はこのような機会を頂き、ありがとうございました。見学や講話を通して、自分自身が原発事故や放射線について科学的な面や社会的な面からより学ぶ必要があると感じました。また、風評被害や住民に対する説明、住民の帰還など様々な難しい課題があることが理解できました。これからは今日見たり学んだりした事から、自分が何をすることができるかを考えながら生活していこうと改めて思いました。ありがとうございました。

・風評被害をなくしたり本当の復興は何かを考えたりして、とても充実した1日になりました。その中でも私が1番心に残ったことは復興とは何かを皆で話し合ったことです。今までは復興は元の土地の状態に戻すことだと勝手に決めつけていましたが、様々な方の話を聞いて難しい課題だなと改めて知ることができました。今日は1日ありがとうございました。

・本日は、お忙しいところ私たちに、放射線や、飯館村の長泥地区の処理現場について詳しい内容についつ教えていただきありがとうございました!

・今日はとても濃い時間を過ごさせていただきました。現地にいた私でも全然知らないことがありました。そして誤った情報を信じているところもありました。県外の人や国外の人たちに、どうやって伝えていけばいいのか。信用のある正しい伝え方を考えていきたいです。本日はありがとうございました。とても勉強になりました。

・本日は環境省の方々や田中俊一先生のお話を聞き、自分の認識が大きく間違っていたことに気づくことができました。ですが、それと同時に少しだけでも放射線について学んだことのある私も知らないこと、間違って認識していることなどがたくさんあることに気づきました。だから県外に行ってしまうと本当に学ぶ機会が少なく大切な事実を見たり聞いたりすることは難しく、間違った偏見を事実と勘違いして風評被害や2Bなどが起こっていると感じました。ふたば未来学園高校という色々な県からくる友人にまず事実伝える、探求などを利用して伝えるなど、私たち学生だからできることを利用していろいろなことをたくさんの地域の人に少しでも知ってもらえればと考える機会にもなりました。 本日は貴重なお話をたくさん詳しく知ることができてとても有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。この時間をもっと素晴らしいと思える時間にできるよう努力して少しでも周りに情報を伝えていきたいと思います。

・本日は有難う御座いました。除去土壌の再生の事業や、野菜や花木の栽培を行っていることなど、今まで通りの学校生活を送っているだけでは知り得なかったことを学ぶことができてとても良い勉強になったと思います。グループディスカッションでは、答えづらい質問や単純な質問にも真摯に答えていただき、多いに感謝しております。私は、震災やその復興について元々関心が有ったわけではなく、機会があるなら参加しよう、という軽い気持ちで参加しました。そのせいで、周囲に比べて知識がなく、先生方の説明も理解できた部分は少ないですがこうやって知ることができて、本当に良かったと思いました。自分が知らないだけで復興は確実に進んでいて、しかし、人口が戻っていなかったりインフラがととのえきれていなかったり、見る側面によって状況が変わってしまうことが分かりました。客観的事実、科学的事実に基づいて安全だと評価されても其れを信用しきれず戻ってこない人がいるのは非常に残念なことだと思います。また、避難先で生活の基盤ができており、戻る気を失くしている人が大勢いるなかで復興に力を注ぎ続けることは、私が言うのも烏滸がましいと思いますが、勿体ないことをしているとも感じました。今回の話し合いであったように焦点を当てる範囲を定めて復興に手をつけるのもひとつの方法だと思います。個人の意見です。 今回の研修では、大変貴重なお話を聞かせていただきました。この学びをもとに、探求活動に活かせるように頑張っていきたいと思います。本日は、本当に有難う御座いました。  

・大変有意義な時間をありがとうございました。科学的なデータを示す大切さと同時に、それでも人々(地元の住民の方々)に安心してもらう大変さに気付かされた気がします。

・本日は貴重な時間をありがとうございました。私の拙い質問にとても丁寧に答えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。私は以前から学校の問題についてとても気になっていたのですが、お話を伺って、学校をつくるつくらないの話で解決する問題ではなく、もっと複雑な問題だと言うことを知ることができました。  そして、今の自分には純粋に知識が全く足りていないということを痛感しました。私は高校の3年間を通し、もっと復興や地域のことへの理解を深め、自分で探求などの活動でこの地域のことに携わりたいと思っています。そのためにも、今後もっと勉強を頑張っていきたいです。その学びへの大きな一歩となりました。  本当にありがとうございました。

・とてもわかりやすく説明して頂けた。除染で出た土と言っても安全性に問題は無いことを伝える難しさなどを知ることができた素晴らしい機会だった。

・難しい質問や答えのない問に対しても丁寧に対応していただきありがとうございました!人によって意見がさまざまなのは仕方ないですが、それをいかに共有していかに活用していくかが大事だということを学びました。雨の中ありがとうございました!

・予備知識も十分ない私に、基礎から応用まで幅広い内容を説明してくださり誠にありがとうございました。

・普通の人ではできない貴重な体験をさせていただきまして、大変ありがたかったです。また、講義によって放射線に対する知識がさらに深まりました。

・放射線について知れば知る程学ばなければいけないことがみえてきました。ディスカッションで学んだことを生活に取り入れ周りの人と意見を共有していきたい。

・本日は貴重な講義をありがとうございました。講義を通して深く議論すればするほど、どうしていいのかわからなくなるような、すごく複雑な課題であり、今後も学習を続けて多くの人と意見交換をしていく事で、良い未来を作って行きたいと思いました。本日は本当にありがとうございました。

・今日は講義の程を有難うございました。専門的な立場からの詳しい知見は、私達の見聞を広げる素晴らしいものでした。

・原子力の最も重要な機関を担っていた方からのご講話は説得力もあり、貴重なお話でした。この経験を今後の震災関係の活動に生かしていきたいです。ありがとうございました。

・実際に現場に立つ人の考え方や使命感が感じられて、自分も福島の復興に積極的に関わっていこうと思った。本当にありがとうございました。

・悪天候のなかわざわざ案内してくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。また、田中俊一先生のお話も伺えて、とても貴重な機会を頂けたと思います。本当にありがとうございました。

・質問にも丁寧にお答えいただき、お話もわかりやすかったです。ありがとうございました。

・今回はお忙しい中ありがとうございました。復興についてとても考えさせられる機会になり、多くのことを学ぶことが出来たので本当に良かったです。一言で復興といっても、改めて復興とはなんなのだろうかとも考えさせられる機会となりました。村の人々が皆故郷に帰りたいと思っているものだと思っていたので、帰りたくない人もいるということを聞いて驚きましたし、町の活性化という点で復興を考えるならば、少子高齢化とも関わってくるし、除去土壌の県外最終処分のことも鑑みると福島だけではどうにもできない問題ではないかとも思いました。今回学んだことは、復興という1つの目標だけでなく、今の科学の理論的と倫理的を考える点に関しても、様々なことに関わり役に立ち、そしてこれからの社会を生きるうえで向き合っていかないといけない事にもつながると思うので、役立てていきたいと思います。本当にありがとうございました。

・雨の中様々な施設を案内していただいたり、避難していた方々についてご説明していただきありがとうございました。人体への影響を小さくするために盛土をしていることや盛土をしたものとしていないもので比較をしながら進めていることを知りました。また、土の安全性よりも村に戻って来て農業をする人がいないことが問題であることや復興のためには住民が自分のふるさとを思う気持ちを取り戻すことが必要だとわかりました。

・環境省の皆様、説明いただきありがとうございます。また、違うタイミングでご一緒できればと思います。今後ともよろしくお願いいたします。 田中先生、お忙しい中生徒たちに刺激を与えていただきありがとうございました。また、私自身も飯舘校時代を振り返り、次に向かって進まなければと思わされました。今後ともよろしくお願いいたします。

 

双葉町,特定廃棄物最終処分場の見学を行いました-2021国際高校生放射線防護ワークショップ

夏季休業を利用し、今年も高校生放射線防護ワークショップを行っています。

この取り組みに関しては、社会教育課「『ふくしまの未来』へつなぐ体験応援事業」の支援を頂き実施しています。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/edu/fukushima-no-mirai.html

 

8月10日(火)には,NPOハッピーロードネットのお力添えを頂き,双葉町職員の方の案内で町内の見学を行いました。午後からは,富岡町の特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしまに伺い,見学・実習および振り返り会を行いました。

 

高校生放射線防護ワークショップは,コロナ感染症への対応から昨年は本校のみでの実施でしたが、今年は福島高校,ふたば未来学園高校が参加,県内3校での実施です。宿泊研修はありませんが,何回かの日帰りの研修を通して,原発事故後の福島の現状と復興の進捗状況について学んでいます。

 

 

まず見学したのは,地震直後の様子の残る旧双葉南小学校です。帰りの学活中に地震が発生し,児童は上履きのまま校庭に避難。学校は原発から3km圏内にあり,翌日には避難指示が出されました。その後町は帰宅困難区域に指定されたため,子どもたちはずっと教室に戻ることはでませんでした。10年近くが経過した昨年末にようやく一部の卒業生が校舎内に入ることができ,ランドセルなど学用品を持ち帰ったということです。

 

続いて旧双葉町保健福祉センターを訪れました。こちらは高齢者のデイケア施設でした。地震直後には被災者の受け入れがあり,施設内には大勢の住民が集まりました。職員の方々が自宅から米などの食料を持ち寄り,炊き出しを行うなどして一夜を過ごしましたが,翌朝の突然の避難指示。皆で協力しながらお年寄などの避難を行ったということです。

 

双葉町の見学の後,富岡町の「特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま」に移動。

今回の見学実施にご尽力いただいたNPOハッピーロードネット*1)の西本さんより,震災後のハッピーロードネットの活動についてお話をお聞きしました。浜通りを走る国道6号線を,全て桜並木にする活動「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」を,高校生とともに行なっておられます。自分たちの住むこの地域を,高校生などの若者とともに少しでも魅力ある地域に変えていきたいと,福島県内南端の勿来町から北端の新地町まで2万本の桜を植える活動を進めているという西本さんのお話に,復興に対する熱い思いを感じました。

*1) http://www.happyroad.info

 

つづいて館長さんから「特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま」についての説明をお聞きし,館内見学によって除去土壌や廃棄物の処分について学びました。館外に出てのフィールドワークでは線量計を持参して敷地内の線量を測りました。

 

 

その後,最終処分場の見学。写真では見えにくいのですが,広大な敷地全体が遮水シートで覆われ沢の下端には排水施設が設置され,埋設物の管理を行なっているのが分かります。お盆休み直前のため,施設へ搬入するダンプカーの行き来はありませんでしたが,敷地内で多数のバックホーが動いて廃棄物の埋設が着々と行われている姿が印象的でした。

 

 

リプルンに戻って振り返り会。「復興のために社会がやるべきこと」「復興のために自分がやりたいこと」「今日学んだことで,特に自分が周りに伝えたいこと」について意見を整理し,グループごとに発表を行い,終了しました。

 

お盆前のお忙しい中,このような充実した見学を設定しくださったNPOパッピーロードネットの西本さん,双葉町を案内してくださった大住さん,板倉さん,リプルンの皆様には大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。

 

(以下は参加生徒の感想です)

・3/11のままの黒板やカレンダーを見て、本当に長い時間そのままだったのだと実感しました。また、中間貯蔵施設を見て、私たちが今やっている除去土壌を安全に小さくして保管するための研究を実現させたいという気持ちが強くなりました。

・私たちの活動がどれほど重要か、どれほど必要とされているかが再確認でき、福島の一員として頑張ろうと思いました。

・学ぶ意思が本当に大切だ 興味を持たなければ何もできないから。

・ネットやテレビを見るだけでは分からない、現場の空気感。震災から約10年経ってもなお倒壊した家屋などが残る双葉町をみて、福島の復興にはまだまだ課題があると思った。この現状を改善するために、自分たちはどうすればいいかを考えた。

・震災から10年経った今でも震災当時の様子が残っている場所が多くあること。一方でインフラの整備など復興に向けての動きもあるということ。実際に自分の眼で見たり、経験したりしないと分からない点が多くあるということを、双葉町の様子を見て感じた。

・ 原発の被害にあった地域の様子などを写真で見たことや、道路を通ったことはある。 それだけでも悲惨だな...と感じていた。しかし、実際にもっとリアルな現状を目の当たりにし、ショックを受けた。 街中は復興が進んでいると言われているが、実はまだまだなんだと感じた。 復興オリンピック等と言っているがそんなものではどうにもならないのではないかと思う。 逆にアートや看板、花が町を明るくしているなと思った。 表面上の復興ではなく、もっと近づいて、親身になって考えるべきなのだと思った。  福島県民である私たちはもっとちゃんと知識をつけるべきなのに、まだわからないところがあるのが残念だった。 安高の方が放射線教育を進めるべきだと言っていたが、本当にそうだをと思う。 1つ意見したいのは、先生たちは高等学校教育に組み込むような発言をしていたが、私は小学校教育に入れるべきだと思う。 特に小さいときについた印象は残りやすい。また、小学校教育なら教科による境がない。 まだ足りないからこそ、誤解が生まれ風評被害が広がるととても感じた。

・処理施設では、一つ一つを丁寧に安全に処理していることがよくわかりました。また、システムの技術もよりすごかったです。

・私たちが目を背けていることに必死に取り組んで、私たちの町のために安全を確保しようとしている方々を実際に目の当たりにすることができ、これから沢山勉強して地域に貢献できることを、地域の問題点を考えていきたいと思いました。

・双葉町の復興状況を見て、他の双葉郡と比べて進んでない部分もあったし、他ではない復興の進め方もあることがわかった。復興の仕方はそれぞれで、その地域にとって良いものっていうのは目で見ないとわからないことの方が多いと知った。

・特定廃棄物埋立処分場や双葉南小学校などに行き小学校などでは自分が幼稚園生でただ蹲って座っていた時にも誰かのために一生懸命動いている人がいたこと。学校に荷物を置いたままずっとその場所だけが時が止まっていたことなどを知り、やっと1年前に少しづつ時間動き出した人もいると感じました。処分場やリプルンでは自分が持っていた知識が間違っていたり、足りないことを痛感して、それと同時に知っているのと知らないのでは恐怖の大きさが全然違うことを感じました。私の中で少し放射線については習っていたはずなのに、白い防護服を着ないと入れないというイメージがどこかにありました。だから処理場などもすこし怖く感じていました。でも説明を聞いて理解していけばいくほどそれが安心にもつながりました。この体験をして私はただ授業で教えてもらうよりこういうところに行き、参加して得た情報はとても信頼できると感じました。なので少しでも色々な人に私たちが行ったようなことをしてもらい安全性をわかりやすく理解して欲しいと思った。 (文章が下手ですみません)

・机上の学習だけでなく、実際に現地で自分の目で見て学ぶことも大切だと感じた

・双葉町の状況から、元通りになるにはまだ程遠いことを知った。また、福島の復興や汚染されたものへの対策が思っていたよりしっかりしていたことを知り、安心した。

・福島高校やふたば未来学園高校の生徒も、この問題に対して明確な課題意識を持っていて、ライバル心を感じた。

・今でこそ草に覆われてしまった帰還困難地域だが、そこにもかつて人の営みが存在した事、そして、それらが突如として奪われ、今日まで長い時間が経った事。

・地域の子どもたち(主に高校生)が主体となって復興に力を入れて大人に支えられながら様々な取り組みを行っていることから、自分も何か復興の為に出来る事を積極的にやっていきたいと感じた。

・福島の復興は進んでいることを肌で感じられたことが特に印象に残った。復興、復興と言葉だけな気がしていたのでなんだか感動した。

・震災当時のことを学ぶこともこれからの復興のことを考えることも大切だと感じました。当時のままの施設や復興の進み具合など自分の目で見た今の福島を伝えたいと思いました。

 

 

 

 

アカデミックインターンシップはじまる

夏季休業を利用し、本校SSHクラスの生徒がアカデミックインターンシップを行っています。

 

これは生徒が、地元企業への訪問を通して研究開発の一端を体験し、研究に必要な高度な知識や技術の習得を目指す意識を高めることが目的です。

 

8月6日(金)は郡山市待池台の東成イービー東北株式会社で生徒2名が研修を行いました。

東成イービー東北株式会社は、電子ビーム溶接、レーザー加工、レーザークリーニングなどの高度で特殊な加工技術を持つ会社です。他のメーカーからの受託による業務が主であり、はやぶさ2のインパクター(小惑星リュウグウにて人工クレーターを作る実験に使用されたもの)の開発製造で有名な会社です。

https://www.ebtohoku.co.jp/result/welding/000012.html

https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20200320_science/index.html

 

会議室で事業内容について詳細に伺ったのち、さっそく工場へ。

 まず拝見したのはレーザー微細加工による製品。写真ではわかりませんが、フィルム上部に多数の格子が開いて全体として長方形の窓になっています。

 

 

電子ビーム加工の作業場では、実際に電子ビーム溶接のようすを拝見しました。

 

さらに別棟ではレーザークリーニング装置を拝見し、こちらは生徒も体験させていただきました。幅1mmが長さ5cmほどにレーザーが照射され、照射部を手で動かすと見る見る金属板のサビが削り取られていきます。

 

この装置は自社開発で、主に金型の洗浄への使用を目的として開発されたもので、サビ取だけでなく塗装はがしなどにも使える高度な能力に驚きました。

 

お忙しい中約2時間にわたり体験をご提供いただきました東成イービー東北様には改めて感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

物理部パラグライダー班がSSH全国大会に出場しました

8/4(木)、物理部の3年生、石井悠太君、秋月理希君、鈴木大晴君の3人が、「衝突防止パラグライダーの研究」というタイトルで、神戸国際展示場で開かれた全国大会で発表しました。

3年間の集大成として理路整然と自分たちの研究成果を話し、聴衆や審査員と議論を交わしていました。
また、全国レベルのレベルの高い発表を聞くことができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナの影響で、非常に参加が危ぶまれましたが、無事参加することができました。
入賞はなりませんでしたが、得たものは大きく、今後の人生と部活の後輩への引継ぎに大いに役立つ一日となったと思います。
お疲れさまでした。

2021国際高校生放射線防護ワークショップ始まる

夏季休業を利用し,今年も高校生放射線防護ワークショップを行っています。

国際高校生放射線防護ワークショップは,震災と原発事故およびその後の福島の現状と復興について学ぶワークショップで2015年から実施されてきました。本校のみでなく,県内外,海外の高校生とともに学び,学んだことを発信するのを目的に開催されてきました。

コロナ感染症への対応から昨年は安積高校のみでの実施でしたが、今年は福島高校,ふたば未来学園高校が参加,県内3校での実施です。

 

7月26日(月)は安積高校に,経済産業省 資源エネルギー庁廃炉・処理水専門官木野正登氏をお招きしての処理水学習会を実施しました。わかりやすい資料をもとに処理水について丁寧にお話しいただきました。

 

 

 

 

 昨年に続き模型もご持参いただき,林立する処理水タンクの数に驚くとともに,処分の必要性について学びました。
 
7月28日(水)原子力安全研究協会研究参与峯村明彦氏,環境省福島地方環境事務所次長 庄子真憲氏にお出でいただき,飯舘村長泥地区での環境再生事業についてお話しいただきました。

これらの学習会の録画は3校で共有する予定です。

 

 

その後,飯舘環境再生JV工事事務所の大林組の方がお持ちのVRを体験しました。飯館に建設された施設周辺のようすのVRです。ゴーグルをつけ手に持ったハンドルを操作すると,ゴーグルの景色が変わり施設内を歩き回ったり,視点を変えると上空から俯瞰することもできました。これには情報系への関心を持つ生徒たちは大喜び。VR技術がこのような場所でも大いに役立つことに大いに興味惹かれたようでした。

 

今年のワークショップでは,双葉町,飯館村の土壌再生事業,東京電力福島第一原子力発電所の見学などを行い,来年1月には3校合同の発表会を開催する計画です。

 

生徒が物理チャレンジ2次試験に進みました

物理部2年生の新野太一君が、物理チャレンジ(物理オリンピックの国内予選)の国内2次試験に進みました。

1次試験はレポート課題(物体にはたらく力と加速度の関係を調べる)と筆記試験(物理の3年の内容まで含む、難易度の高い試験)
からなり、例年1000人以上の参加者が100人まで絞られます。

安積高校としては久しぶりの1次試験突破ですし、2年生での突破も快挙といえます。
本当におめでとう!

 

そして、8/17~19の間オンラインで行われる2次試験に、誇りをもって挑んでください!!

福島の復興と放射線についての授業2021

7/20,21に福島の復興と放射線についての授業を実施しました。本校では毎年実施しています。
今年は例年以上に一年生の参加が多く、熱心に授業に参加していました。

◎参加者
本校希望生徒55名
担当:本校物理教員

◎目的
放射線とは何か知り、福島県の現状について把握すること。そして放射線の知識を土台として、現在の福島県の課題(廃炉、除染と除染土の処理、風評被害・偏見)を科学的・社会学的に分析し、自分の意見を持てるようになること。

◎授業内容
<第1章>放射線の基礎 : 放射線の正体、単位と測定法、原発の原理
<第2章>放射線の実験 : はかるくんをもちいた実験(環境放射線量の測定、距離と遮へいによる減衰の確認など)
<第3章>福島の現状 : 放射線の生体への影響、現在の福島の線量や食品検査の結果、甲状腺検査の結果と課題、放射線以外の健康影響
<第4章>福島の課題 : 現在の原発の様子と課題、現在の福島県の人口などの状態、風評被害とその原因
終盤での議論:「モニタリングポストを撤去すべきか」
<第5章>福島の努力 : 避難指示解除地域の現在、福島の人の震災後の努力
終盤での議論:「東日本大震災の教訓は何か」

  

 

 

 

↓下の模造紙に貼られたポストイットは、 「東日本大震災の教訓は何か」について、赤:ポジティブ、青:ネガティブ、緑:これから自分がしたいこと をまとめたもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◎生徒の感想

・中学校でも放射線のことについて詳しく学んだつもりでしたが、知らないことがたくさんありました。線量計を身に付けていたことや甲状腺検査についてなど、こうやって苦労していること、震災から10年が経つ今でもあの時を取り戻せていないことを、日本全国、世界中に知ってほしいと思いました。祖父母は農家で10年前苦労したはずなのに、私は何も知らない。今日それを改めて感じました。自分に関わることもそうでないことにもこれからは関心を持ち、今日のような機会を逃さないようにしたいと強く思いました。この授業のおかげで今までと見方が変わったところがたくさんあります。 (1年女子)

・今回福島県の努力を知ることができてよかったです。私は○○(旧避難指示区域)出身で、避難生活を送っていました。○○に戻ってからも、私たちの課題は、少子高齢化や人口減少に対して何ができるのか、復興のために私たちができることは何か、ということでした。震災と原発事故の影響など、マイナスなイメージのことばかり考えていました。しかし実際は、私が考えていたよりも人口は変化しておらず、放射線による被害もあまりないことが知れて本当によかったです。震災直後、そしてその後も流れてくる情報をそのまま受け止めていたから、本当のことを知らなかったのだと思います。これからは、自分で何が正しくて何が正しくないのか判断できるようにしたいです。そして、事実を知り、今私にできることは何なのか考えながら生活していきたいです。私は○○が、福島県が大好きです。震災後努力した人が多いから、若い女性でアンケートに「幸せを感じた」と答えた人が多いのだと思います。私も助けてもらった人に恩返ししていきたいです。将来、福島県に住んでいるかは自分でも分かりません。でも、福島県の復興のために、少しでも自分ができることをし続けていきたいです。私は福島県に生まれたことを誇りに思います。 (1年女子)

・授業を受けて、色々思い出しました。僕の親せきは当時第2原発で働いていて、原発事故のちょうど1週間前に遊びに行っていたこと。小さいころからの遊び場が震災直後避難所になったこと。海外で旅行に行ったときにWhere are you from?にFukushima,Japanと答えたらフロントの人がハッとして顔を見合わせていたこと。
大熊の小学校からの転校生、今でも仲がいい友達のこと。その友達が大熊から来たことは何も気にしていませんでした。しかし昨年の県内バス研修で行った中間貯蔵施設で、ゲートから敷地内に行く途中の誰もいない街並みのなかにあった小学校の名前を見たときに、僕は、どうしていいか分からなくなりました。彼が前にいた小学校の名前を僕は覚えていたからです。彼は「みんな『大変だったね』『つらかったでしょう』というけど、そんな簡単な話ではない」というような感じだったと思います。東日本大震災、そして原発事故。「大変だった」という言葉だけで片付けてはいけないことだと思います。今回の授業で、これらのことについて再び深く考えさせられました。 (2年男子)

・科学的に安全だとわかっていてもそれが安心につながらないことが多くあって、その不安を解消していくには、科学的なデータよりも福島の魅力を伝える方がわかりやすく、受け入れてもらいやすいのだと思いました。フランスの高校生への発表では、福島の「今」を伝えたいです。オリンピックの聖火リレーや試合を福島で行うことには大きな意義があるのだと思いました。また、福島県の関連人口が多いことに驚きました。多くの方が福島を応援したいと思ってくださっていることが分かり嬉しかったです。他県の人は福島県のことをよく思っていないんだという固定観念にとらわれることも逆差別であり、よくないと学びました。 (2年女子)

・私は震災直後、県外に避難をしていました。避難当時は毎日放射線量の測定値がニュースで報道されたり、放射線の危険性について親から教えられたりしていました。子どもながらにすごく怖いと感じたのを覚えています。現在でも正直放射線についてはかなりネガティブな印象を持っていました。もしかしたら自分も将来放射線による影響を被るかもしれないという不安も少なからずありました。でも、今日の講義を聞いて、直接的な影響の可能性は限りなく少ないことをしってかなり心が楽になりました。特に食品についての話は驚くことが多かったです。
しかし、今でも間違った情報や、情報不足で福島県の被ばくについて恐怖心を持つ人は多いと思います。以前、福島第一原発に訪問したいと母に話したところ、あまり良い顔はされなかったのも、その一例ではないかと思います。間違った情報ではなく正しい情報を伝えることが今後のメディアの課題だとも感じました。私は将来メディアに関する仕事をしたいと思っていますが、こういった、メディアと風評被害の関係についての知識を活かしていきたいと思うとともに、2011年についての正しい情報を後世に伝えなくてはいけないと感じました。"Discrimination comes from ignoranse and fear" (3年女子)

・自分は今日の講演で、福島県の課題をより真剣に受け止めることができたと思います。将来は地元で復興に献身しながら働きたいです。復興を自分の人生の課題にしたいです。 (3年男子)

・自分は住んでいる市内の○○でボランティアとして活動しており、その中で県内の様々な場所から来る方々と話をさせていただく機会がある。その中には、震災により大きな被害を受けた方もそうでない方もいるが、共通しているのは「福島を盛り上げよう」という想いを持っていることだと思う。そのような熱意ある人々との交流を通して、自分も福島に対する想いがより一層強くなったのは確かだ。しかし、今回の講義を受けて、自分が震災等についての知識をほぼ有していなかったということが分かった。「科学的な視点で」福島を見ていなかったのである。僕を含め、福島県内の多くの人々が復興についての想いや願いを持っているものの、「知識の土台の共有」ができていない状態が現状なのではないだろうか。事実を語り継いでいく僕たちの世代の基礎的な知識が不足していると、のちの世代に福島に起こった悲劇と復興のための人々の血のにじむような努力が伝わらなくなってしまう。あと2世代もあとになったとき、「原発事故?ああ、歴史の教科書に載っているあのカワイソウな災害ね。20..何年だっけ?」などといった認識が世間一般になっているということだけは絶対に避けたい。
そういった意味では、この機会に原発やそれに関連する基礎知識を学習することができたのは非常に幸運であった。しかし講義の最後にあったように、ここがスタートラインだと思う。ここから、講義を受けた僕たちが何を考え、どう行動するか。そこに福島のここからがかかっているのではないだろうか。1人の学生として、県民として、何を為すことができるのか。答えのない課題ではあるが、今後腰をすえてじっくりと考えていきたい。 (3年男子)